2024/06/15 - 2024/06/15
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+mo2さん
パリ、東京、大阪―個性的な3都市を代表する3つの美術館による共同企画、「TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション」が5月21日(火)から8月25日(日)まで東京国立近代美術館で開催されており、6月15日に行ってきました。展覧会は、ほとんどの作品が写真撮影OKであり、たくさん撮影してきました。写真が多くなったので、旅行記を2つに分割しました。
※作品解説は、HPを参照しています。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 新幹線
-
開館(10時)前に到着。それほど混んでいませんでした。
東京国立近代美術館 美術館・博物館
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【展覧会HPより】
パリ、東京、大阪-それぞれ独自の文化を育んできた3都市の美術館のコレクションが集結。セーヌ川のほとりに建つパリ市立近代美術館、皇居にほど近い東京国立近代美術館、大阪市中心部に位置する大阪中之島美術館はいずれも、大都市の美術館として、豊かなモダンアートのコレクションを築いてきました。本展覧会は、そんな3館のコレクションから共通点のある作品でトリオを組み、構成するという、これまでにないユニークな展示を試みます。時代や流派、洋の東西を越えて、主題やモチーフ、色や形、素材、作品が生まれた背景など、自由な発想で組まれたトリオの共通点はさまざま。総勢110名の作家による、絵画、彫刻、版画、素描、写真、デザイン、映像など150点あまりの作品で34のトリオを組み、それをテーマやコンセプトに応じて7つの章に分けて紹介することで、20世紀初頭から現代までのモダンアートの新たな見方を提案し、その魅力を浮かびあがらせます。 -
展覧会プロローグは、各館のコレクションの礎となる最初期のコレクションを紹介するトリオ「コレクションのはじまり」
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イチオシ
東京からは、最初の購入作品の1つ
安井曽太郎「金蓉」1934年 東京国立近代美術館
モデルは小田切峯子という女性。5カ国語をあやつる才能を活かし、当時満洲(現中国東北部)のホテルで働いていました。「金蓉」はその中国風の愛称です。さてこの作品、よく見ると左肩が不自然に小さく修正されています。実はこの部分は、もっと正面寄りからモデルを見た別の素描から取られているのです。さまざまな角度からモデルをスケッチし、それらを後で合成することで、今にも人物が動き出すような印象を生み出そうとしたのでしょう。 -
パリからは、1961年の開館の契機を作ったジラルダン博士の遺贈品より
ロベール・ドローネー「鏡台の前の裸婦(読書する女性)」1915年 パリ市立近代美術館 -
イチオシ
大阪からは、美術館構想のきっかけとなった実業家山本發次郎の旧蔵品より
佐伯祐三「郵便配達夫」1928年 大阪中之島美術館
1928年3月、雨の日にずぶぬれになって制作を続けたことがもとで風邪をこじらせた佐伯は、パリの自宅で体調がすぐれない日々を過ごしていた。そのような中で、郵便を届けにきた立派な白髪の郵便配達夫に創作意欲を掻き立てられ、絵のモデルになって欲しいと依頼する。後日、自宅を訪れた配達夫を前にして、その日のうちに、グワッシュ1点(戦火により焼失)、《郵便配達夫(半身)》、そして本作品を描いたといいます -
アルベール・マルケ「雪のノートルダム大聖堂、パリ」1912年頃 パリ市立近代美術館
川のある都市風景より、マルケは100年以上前、雪に包まれたノートルダム大聖堂とその周辺を柔らかなタッチとモノトーンの色調で表現しています。 -
小出楢重「街景」1925年 大阪中之島美術館
大阪が人口日本一の大都市「大大阪」になった年に描かれた作品。大江橋北詰に今も建つ堂島ビルの高層階より、堂島川を西へと描き、街の発展ぶりを伝えます。川向こうの中之島には、同年竣工の大阪ビルヂング(現・ダイビル本館)の茶色い建物が見えます。 -
小泉癸巳男《「昭和大東京百図絵」 より 15. 関口 ・ 大滝 他》1931年 東京国立近代美術館
関東大震災後、復興する昭和初期の東京の街並みや、江戸の面影を残す名所を描いた版画の大作 -
河合新蔵「道頓堀」1914年 大阪中之島美術館
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長谷川利行「新宿風景」1937年 東京国立近代美術館
明るい色彩で描かれた街並みに対して、人は小さく黒で描かれていて、実に対照的です。真ん中あたりから始まる電柱の列は、右奥へと進むにつれて一挙に小さくなり、遠近感を際立たせています。左手前では、道路が大きくひろがっていますが、そこに黒い水たまりのような形があることで、画面が引き締められています。右手前に見えるのは……人でしょうか? もしこれらが人だとすると、私たちとは別にこの街並みを見ている人がいることになり、自ずと私たちの意識は、都会の賑わいを前にした当時の人の気持ちへと向かうことになります。 -
モーリス・ユトリロ「セヴェスト通り」1923年 パリ市立近代美術館
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都市のスナップショット パリ
マルク・リブー「エッフェル塔のペンキ塗り、パリ」1953年 他 -
都市のスナップショット 大阪
津田洋甫「沈船」1959年 大阪中之島美術館 -
百々俊二「都島区京橋 2008.3(「大阪」より)」2010年 大阪中之島美術館
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加速する都市より
川上涼花「鉄路」1912年 東京国立近代美術館
短いタッチを重ねた流れるような筆触を用いて、左下に見える電車が線路を猛スピードで駆け抜けていく様を表しています。 -
ウンベルト・ボッチョーニ「街路の力」1911年 大阪中之島美術館
街灯が照らす中、街なかを路面電車が疾走する様子を、画面に3回も電車を登場させて表現しています。 -
フェリックス・デル・マルル「オルレアン駅のメトロ」1912?1914年 パリ市立近代美術館
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パブロ・ガルガーリョ「モンパルナスのキキ」1928年 パリ市立近代美術館
この人物は、アリス・プラン通称キキという女性でモンパルナス界隈でモデルをしていました。ボーイッシュで明るい性格のためか画家仲間では人気者であり、当時モンパルナス界隈を住家としていた貧乏画家のモデルを主にしていました。 -
杉浦非水「東京三越呉服店 本店西館修築落成・新宿分店新築落成」1925年 東京国立近代美術館
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早川良雄「第11回秋の秀彩会」1953年 大阪中之島美術館
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モーリス・ユトリロ「モンマルトルの通り」1912年頃 パリ市立近代美術館
都市の遊歩者 -
松本竣介「並木道」1943年 東京国立近代美術館
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佐伯祐三「レストラン(オテル・デュ・マルシェ)」1927年 大阪中之島美術館
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大阪中之島美術館
2022年、大阪市中心部に開館。19世紀後半から今日に至る日本と海外の代表的な美術とデザイン作品を核としながら、地元大阪で繰り広げられた豊かな芸術活動にも目を向け、絵画、版画、写真、彫刻、立体、映像など多岐の領域にわたる6,000点超を所蔵。大阪中之島美術館 美術館・博物館
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パリ市立近代美術館
シャンゼリゼ通りとエッフェル塔の間に位置するパリ市立近代美術館の宮殿は、1930年代の壮麗な建築の一例。15,000点以上の作品を所蔵するパリの重要な文化施設であり、フランス最大級の近現代美術館のひとつ。パリ市立近代美術館 博物館・美術館・ギャラリー
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東京国立近代美術館
東京の中心・皇居のお濠を前に建つ日本で最初の国立美術館。最大の特徴は、横山大観、上村松園、岸田劉生らの重要文化財を含む13,000点を超える国内最大級のコレクション。19世紀末から現代までの幅広いジャンルにわたる日本美術の名作を、海外の作品もまじえて多数所蔵。 -
古賀春江「海」1929年 東京国立近代美術館
鳥と飛行船(空飛ぶもの)。魚と潜水艦(泳ぐもの)。右端の女性と左端の工場(すっくと立つもの)。この作品には、いくつもの「自然のもの」と「人工のもの」のそっくりペアが見つかります。ちなみに女性は名女優、グロリア・スワンソン(1899?1983)の絵葉書をもとに描かれています。 -
池田遙邨「戦後の大阪」1951年 大阪中之島美術館
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ラウル・デュフィ「電気の精」1953年 パリ市立近代美術館
パリ市立近代美術館の中心部に展示されているラウル・デュフィの『電気の精』(la Fée Électricité)。電気の概念から最新の技術的成果まで、電気とその応用の歴史を明らかにしており,電気にまつわる哲学者、科学者、技術者108名が描かれています。 -
ラウル・デュフィ「電気の精」1953年
その2 -
ラウル・デュフィ「電気の精」1953年
その3 -
フランソワ・デュフレーヌ「4点1組」1965年 パリ市立近代美術館
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佐伯祐三「ガス灯と広告」1927年 東京国立近代美術館
佐伯は二回フランスに渡っています。本作は二度目の滞在の際に描かれた代表作。壁に貼られたポスター、しかもそこに書かれた文字が、絵の重要な要素になっています。はねるような文字の書き方=描き方と、画面左下に見える女性と子供の靴の描き方はほとんど同じ、ガス灯の根元も同じです。全体にみなぎるリズムは、そうしたところから生まれているといってよいでしょう。画面右上には広告ではない文字が見えます。「CONSTRUCTION(構築)」という、絵画よりはむしろ建築に馴染み深い言葉に、佐伯独自の意志を見出すことができそうです。 -
ジャン=ミシェル・バスキア「無題」1984年 大阪中之島美術館
変形し単純化された人体や動物、図式や漢字。1980年代のニューヨークで流行したグラフィティ(落書き)の手法を取り入れながら、黒人文化、音楽、人種問題などがメッセージとして盛り込まれています。本作品はバスキアへの注目が高まり始めた1990年代前半に大阪中之島美術館のコレクションに加わりました。 -
3章「夢と無意識」のトリオ「空想の庭」
ラウル・デュフィ「家と庭」1915年 パリ市立近代美術館 -
辻永「椿と仔山羊」1916年 東京国立近代美術館
辻永(つじ・ひさし)は、父の影響で植物画家を目指したことのある画家で、所蔵先の東京国立美術館では今回初めて作品が展示されています。 -
アンドレ・ボーシャン「果物棚」1950年 大阪中之島美術館
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マルク・シャガール「夢」1927年 パリ市立近代美術館
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三岸好太郎「雲の上を飛ぶ蝶」1934年 東京国立近代美術館
作者によれば、ある昆虫学者から海を渡る習性をもつ蝶の話を聞いたことがきっかけで、この絵を構想したといいます。とはいえ、実際の蝶は、雲の上の高さまで飛ぶことはないでしょう。しかもこれらの蝶や蛾は、おそらく図鑑などをもとに、平面的に描かれています。平面の重なりとしてさまざまな向きで画面に散らばる蝶や蛾は、重力から自由になり、それを見る私たちの視線をも、ふわりと浮遊させてくれます。 -
サルバドール・ダリ「幽霊と幻影」1934年頃 大阪中之島美術館
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ジャン・フォートリエ「森」1943年 パリ市立近代美術館
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北脇昇「空港」1937年 東京国立近代美術館
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吉原治良「菊(ロ)」1942年 大阪中之島美術館
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ヴィクトル・ブローネル「ベレル通り2番地2の出会い」1946年 パリ市立近代美術館
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有元利夫「室内楽」1980年 東京国立近代美術館
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ルネ・マグリット「レディ・メイドの花束」1957年 大阪中之島美術館
背広姿の大きな男性の背中に貼り付けられた、花模様の小さな女性。どこかで見たことがあるような…。マグリットの作品は現実と非現実の境界をさまよわせ、見る人を心地よくだまします。1991年に大阪中之島美術館のコレクションに加わった本作品は、海外でも高い評価を誇ります。 -
ジョルジョ・デ・キリコ「慰めのアンティゴネ」1973年 パリ市立近代美術館
今日は、この後、上野の東京都美術館で開催されているデ・キリコ展へ行きました -
イケムラレイコ「樹の愛」2007年 東京国立近代美術館
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コンスタンティン・ブランクーシ「眠れるミューズ」1910?1911年頃
今日は、この後、アーティゾン美術館で開催されているブランクーシ 本質を象るデへも行っています。
2024.6 TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション(2)へ続く
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