2023晩秋の金沢北条氏菩提寺金澤山称名寺と横浜市最南沿岸部を散策

2023/11/03 - 2023/11/04

寒波が到来して季節が激変する前、25℃を越え夏日となった11月の3連休中日に、金沢北条氏菩提寺の金澤山称名寺を参詣し、横浜市最南の金沢区南部沿岸部を散策した。そして久しぶりに銘酒を手に入れてお楽しみ。

エリア 八景島(神奈川)

鎌倉時代に大陸から伝わった仏教書などの国宝を有する金沢文庫は、現在は神奈川県立だが、もともとは鎌倉時代の武士政権を成した金沢北条氏の私設文庫であり、家系断絶後は菩提寺の称名寺が管理していたという。
金沢文庫と称名寺の金沢シーサイドラインの最寄り駅は海の公園南口駅だ。直線距離では海の公園柴口駅の方が近そうだが、道のりおよび歩道の整備状況は海の公園南口駅からの方が良い。

海の公園南口駅 駅

江戸時代の荒廃した時期に再建された仁王門は、当初は一層であとから2階を足されたそうで、仁王像と門のサイズのバランスがよろしくなく、厳しい財源で再建した当時の苦労が偲ばれる。
仁王門の手前の、後に重文指定された運慶作の仏像が発見された塔頭光明院は、トタン屋根で補修され人の気配が無いが、表門は横浜市最古の建造物として保存されているが、当時は横浜市という地区はなく、横浜市最古という表現にやや違和感がある。

称名寺塔頭光明院表門 名所・史跡

11月に25℃を超える真夏日と言う異常気象だが、黄葉の遅い銀杏もやや色付き始め、浄土庭園は晩秋の気配。
市民運動により、後背の丘陵地を、西武グループによる宅地乱開発から守ったおかげなどで、背後に建造物が無い貴重な景観だ。

称名寺 寺・神社・教会

池の渡鳥がどなたかに餌付られているのかすーっと寄ってくるが、餌をもらえないとサッと離れて行く。

称名寺 寺・神社・教会

江戸時代に再建された金堂。もとの位置は異なっていたようだ。様々な事情がありそうだが、金堂前の階段はコンクリート製で昭和から平成の再建だろう。
有難いことに、法事を行っていて、すき間から通常は閉ざされている御本尊様を拝観できた。

称名寺 寺・神社・教会

金堂隣の茅葺の方丈堂は一見最も古そうだが、称名寺の現存する社殿では最も新しい建築物だそうだ。
鐘楼なども火災や震災のため創建時のものではなく、再建されたものであり、出資者の懐事情が反映され大規模な再建維持はなされていない。
この度、流行りのクラウドファンディングで資金を集め、再建環境整備が企画されているので、成功に期待大だ。

称名寺 寺・神社・教会

尾根の向こうに移設された金沢文庫への新旧2つの隧道。右手側の中世のトンネルは通行止め。
移設前は手前右手側、称名寺境内にあり、写真が残っている。

神奈川県立金沢文庫 美術館・博物館

神奈川県立金沢文庫ではかなりマニアックな企画展を開催中。
この日はボランティアガイドによる解説ツアーや、地下の講堂で関連講座が開催されていた。

神奈川県立金沢文庫 美術館・博物館

昭和の宅地開発から景観を守った歴史の開設は無いが、整備しすぎない古い歩道が横浜市の市民の森として維持されている。
体調がまだ万全でないなどの事情で山頂の展望台などは案内できず失礼します。

称名寺市民の森 公園・植物園

称名寺門前の薬王寺に寄る。
称名寺のように広大ではないものの、対照的に細部まで良く手入れされている印象。

薬王寺 寺・神社・教会

2022(令和4)年に放送された日本放送協会の大河ドラマ第61作「鎌倉隣の13人(THE 13 LORDS OF THE SHOGUN)」で源頼朝の異母弟範頼を演じた俳優迫田 孝也氏のサイン色紙がさり気なく展示してある。薬王寺には範頼の位牌が伝わっていて深い縁のあるお寺だが、墓は大寧寺にあり旧海軍施設の設置拡張のため、旧瀬ケ崎から片吹へ移転している。

薬王寺 寺・神社・教会

海の公園の防砂林の散歩道兼ジョギングコースを通って、シーサイドライン海の公園南口駅に至る。

金沢シーサイドライン (横浜シーサイドライン) 乗り物

弓なりの砂浜を八景島方向に望む。
生い茂って水際に溜まった藻が集められていくつものこんもりした山積みになっている。回収処分される前にまた水際に溜まり始めているようで、公園管理に苦労してそうだ。

海の公園 公園・植物園

野島まで移動。
運河側で護岸改修工事が始まった。令和6年3月1日まで一部の立ち入りが規制されている。

野島公園 公園・植物園

海苔ひびが設置され、お馴染み春までの海苔の養殖が始まった。
秋空に海の紺碧が映え、八景島シーパラダイス、夏島と造船所のクレーンなどを遠望する。

野島公園 公園・植物園

旧伊藤博文金沢別邸隣の広場は草刈りされ美しく。
すでに改修が終わっている岸壁との境界がはっきり。
工事エリアとしてまだ区画されていない箇所はそのまま運用されるのか？
どのように改修されるか期待するところだ。

野島公園 公園・植物園

博文邸で開催される「花と博文邸」などの案内が掲示されていた。

旧伊藤博文金沢別邸 名所・史跡

影になり分かりにくいが、萩名物の夏みかんが金沢別邸にも植えられ、たわわに実っていた。

旧伊藤博文金沢別邸 名所・史跡

牡丹園もすっかり手入れされていた。

旧伊藤博文金沢別邸 名所・史跡

冬咲の牡丹は葉が出て、冷害対策の菰掛けがなされ冬景色へ移行してきた。

旧伊藤博文金沢別邸 名所・史跡

夕照橋から金沢八景駅に向かう平潟湾プロムナードを望むと、冠雪した霊峰富士山の山頂がはっきりと。

平潟湾プロムナード 公園・植物園

野島公園室ノ木地区の展望台、通称「ジープ山」。
高さが引く眺望はさほどよろしくない。
野島では無い島外の土地に野島公園がある状況だ。

野島公園 公園・植物園

順調な復調を祈念して、掛田商店さんで銘酒を入手し、自宅できき酒を再開。
復調を阻害するような過度なストレス要因が降って来なければ良いのだが、どうやらそんなに甘くは無いようだ。
皆様長期間無理をせずに、健康維持にはくれぐれも留意しましょう。
また、近所の旅、というか、気になる旅先に住んで季節の移ろい、年々の変化や他地域との差異を比較観察して楽しめることに感謝。
投稿するタイミングが遅く、かつ雑になり、すぐに役立つ情報にはなりませんが、次回は初めての秋季開催の「花と博文邸」などをレポートする予定です。
最後まで読んで頂きありがとうございます。

掛田商店 専門店