春の快晴に金沢八景の景勝と区の花「牡丹」を愛でる小旅行

2022/04/10 - 2022/04/10

横浜市金沢区の花は、現在の金沢区中心部を新田開発した永島家の野島にあった牡丹園が縁で、ゆるキャラマスコット「ぼたんちゃん」でお馴染み「牡丹」である。ぼたんまつり開催中の野島公園の旧伊藤博文金沢別邸の牡丹園、泥亀の永島家の菩提寺龍華寺の牡丹園、平潟湾プロムナードから金沢八景の瀬戸秋月、洲崎晴嵐、乙艫帰帆、平潟落雁、野島夕照の地を巡った。

エリア 八景島(神奈川)

旧伊藤博文金沢別邸の庭園で恒例のぼたんまつりが開催された。以前は開催時期はGWだったが気候の温暖化に応じて4月前半に早まっている。

旧伊藤博文金沢別邸 名所・史跡

ぼたんまつりの開催案内とともに、庭園ボランティアの募集と庭園ヨガの開催も予告されていた。

旧伊藤博文金沢別邸 名所・史跡

涼しい日和が続いたので、ボタンの開花が遅れているようだ。右手の小屋は消防ポンプ兼ボタン手入用具の倉庫で違和感無い意匠で見事に溶け込んでいる。
左側の四角い飛び石が散策路で少し高くなっている。バリアフリー化は難しいかな。
右手手前はボタンではなくてシャクナゲ。１足先に咲き誇っていて日持ちも良いのでボタン園には付きものだ。

旧伊藤博文金沢別邸 名所・史跡

ちらほら咲いてますね。ひとつずつ名札が立っていて、写真付きのボタン地図も作成されて無料で配布され、地図を見ながら鑑賞できてとても良いです。

旧伊藤博文金沢別邸 名所・史跡

現時点では「越後獅子」が成績優秀。
奥にあるのが旧伊藤博文金沢別邸の解体修復建物で、ボタン園とともに無料公開している。

旧伊藤博文金沢別邸 名所・史跡

こちらの築山はまだまだこれからで一株だけ開花。
奥は金沢湾、海苔のひび、さらに奥には金沢八景島、右手には旧横浜海軍航空隊のあった夏島周辺を埋め立てた地域にある住友グループの造船所のゴライアスクレーンも見えてます。

旧伊藤博文金沢別邸 名所・史跡

ぼたん協力金へ募金すると花木の苗をもらえます。育てるのが難しいぼたんは対象外。
右手奥には横浜金沢八景島シーパラダイスのジェットコースターの金沢湾に張り出した白い軌道の支柱構造や回転展望台のタワーが良く見えます。

横浜八景島シーパラダイス (遊園地) テーマパーク

背の低い白い「暁の雪」も頑張って開いているほか、「花王」などの蕾も膨らみ間もなく見頃。
肥料を奪う雑草たちも旺盛で手入れが大変で少人数ではとても追いつかない感じ。

旧伊藤博文金沢別邸 名所・史跡

シャクナゲ「タイヨウ」はこちらでも先に咲き誇って存在を強くアピールしてます。

旧伊藤博文金沢別邸 名所・史跡

旧伊藤博文金沢邸と松木などの緑は明治のころと変わらない雰囲気だろうか。唯一の存在であり事情は分からないが、良く残ったものである。

旧伊藤博文金沢別邸 名所・史跡

庭園から入ったので順路が逆になってしまったが、博文別邸の表門はこちらである。
季節柄の良い4月と5月は休館日なし、ぼたん園は18時まで開園だ。

旧伊藤博文金沢別邸 名所・史跡

もうひとつの金沢区のぼたんの名所「龍華寺」へ移動。
赤い日傘が置かれているが参道の牡丹の見頃はまだのようだ。

龍華寺 寺・神社・教会

牡丹まつりに併せて御室流華道展が開催されていた。

龍華寺 寺・神社・教会

金沢区のゆるキャラ「ぼたんちゃん」が甲冑を身にまとい、日本放送協会で放送中の三谷幸喜脚本の大河ドラマとタイアップした幟が立っている。
境内のぼたんも見頃は未だでちらほらの咲き具合。

龍華寺 寺・神社・教会

なんともゴージャスな大輪が咲き始めていて足が止まる。

龍華寺 寺・神社・教会

華道展開催中のため本堂が開け放たれていて、見事な仏具が神々しく眩しい。

龍華寺 寺・神社・教会

お堂に初めてお邪魔し、いつもと逆向きに境内を眺める。

龍華寺 寺・神社・教会

御室流華道の作品群はどれも雅で美しく、このように多数を一度に観られるのはたいそう贅沢で有難い。

龍華寺 寺・神社・教会

本堂前の遅咲きの御室桜が満開で見頃。
右手に永島家など歴史ある偉人の墓碑や五輪塔がある。

龍華寺 寺・神社・教会

ぼたんの奥は巨大なソテツ。
奇遇にも、静岡市清水区の同名の「龍華寺」に植栽として国内最大級の国の天然記念物、樹齢約1100年、樹高約3.79mの巨樹がある。何か関係があるのだろうか？

龍華寺 寺・神社・教会

京急金沢八景駅前の国道16号線交差点から野島方面への、平潟湾埋立造成によってできた柳町の直線道路の護岸に、「平潟湾プロムナード」と称される遊歩道と植栽がある。大きくなり過ぎていた植栽が伐採され見通しが良く明るくなった。
多くの船が浮かぶ平潟湾の海面に青空が映り、野島まで続く景勝が江戸の金沢八景の頃とは異なる趣きてなり素晴らしい。

平潟湾プロムナード 公園・植物園

長さ約1kmの途中には、大潮の際には海面下になる１段下がった区画や、逆に１段高くなった展望台的な箇所なども変化を設けてある。
また、半分近くはシーサイドラインの高架が頭の上にあり、雨よけ日除けともなっている。
なお、平潟湾プロムナードは潮風に晒され過酷なので、繊細なぼたんの植栽は行われていない。

平潟湾プロムナード 公園・植物園

平潟湾を横切るシーサイドラインの橋脚はそれなりの意匠で建設されていて、５両編成の短く小さな車体が頻繁に通行して愛嬌たっぷり。

金沢シーサイドライン (横浜シーサイドライン) 乗り物

平潟湾を渡った先は野島運河の洲崎町側の護岸であり、ひとつ目の「野島公園駅」が見えている。シーサイドラインは並木北駅以外は全て橋脚の上にあり、道路との平面交差や踏切はなく、自動運転ゆえ信号機も無い。
なお、対岸に見えている野島運河の道路橋は金沢八景のひとつ「乙艫帰帆」にちなんで名付けられた平成に架設の「帰帆橋」。

野島公園駅 駅

金沢八景のひとつ「野島夕照」にちなんで名付けられている「夕照橋」の意匠は凝っていて、野島山をバックに現在もなかなかの景勝を形成している。
平潟湾の室の木側には干潮時に干潟が出現し、干満で景色が大きく変化するのも特徴のひとつだ。潮位変化は最大3m以上であり、潮の流れが多くの自然の恵みをもたらしている。なお、夕照橋中央付近は釣り船の航路となっていて平潟湾内も含めて計画的に浚渫してあり干潮時も往来できる深さがある。
「夕照橋」は東京湾岸の重要な道路ネットワークの一部であり交通量が多い。首都高速湾岸線は並木で横浜横須賀道路に繋がっているが、国道357号線は金沢八景島の手前で途切れ、海の公園前を通り突き当りを右折して国道１６号線にでるか、左折して「帰帆橋」「夕照橋」を渡り、さらにクランク状に左折して横須賀市追浜方面へ進むか、或いは右折して国道１６号線にでるか、やや複雑な線形であり朝夕の通勤時間帯などで渋滞が発生している難所でもある。
金沢八景島まで繋がっている国道357号線は、都市計画を変更して直線的に日産追浜事業所のほぼ有休の地区を貫き追浜駅前通りに通すのが環境に良さそうだか、主に直接的に恩恵を被る追浜地区など横須賀市の企業は見合う納税貢献や社会活動をしているのだろうか？横須賀市は人口減少率ナンバーワンとなっているだけに気になるところだが、さらに衰退すれば増々危機的だ。

夕照橋 名所・史跡

平潟湾にできた干潟でお食事中の野鳥たち。人気を感じるととことこと離れてしまう。
今シーズンは野島周辺では浅利が不漁のようである。季節や時間に係わらずルールを無視して乱獲していた外国語を話す無法者を野放しにしてきた仕打ちだろうか。国際社会が未だにルールで世界が納得するようには秩序を保てていない露国プ氏等の横暴さなどと同様に人類の性悪が露呈する現場であり、天罰と言うか自然の摂理と言うべきか早く安定に向かって欲しいものである。

野島公園 公園・植物園

「夕照橋」から眺めた野島には金沢八景のはるか以前から続く漁師町風情が残っている。但し、現在漁港は金沢漁港に移っていて、野島の反対側で冬季に海苔を採る海苔漁師の製造所が3軒と釣り船屋だけである。
右手奥の対岸の先は横須賀市追浜地区であり、なかなか最下位争いから抜け出せない横浜DeNAベイスターズの練習拠点が見えている。

忠彦丸海苔店 専門店

野島の海苔製造販売「忠彦丸海苔」はメディアにも度々登場する有名店。初春には生わかめや生昆布、干物も製造販売している。野島の海苔は通年販売しているので近くに来た際には立ち寄ると、横浜市の先入イメージが変わり正しい本来の地理的背景などの理解に資すると思われ貴重である。
最後まで読解頂き感謝します。2022GW終盤、幸あれ！

忠彦丸海苔店 専門店