2023元日に金沢北条氏菩提寺の称名寺を参詣し、海の公園で新春の金沢湾を散策

2023/01/01 - 2023/01/01

神奈川県立金沢文庫のある真言律宗別格本山称名寺を新春に参詣、金沢文庫と称名寺をつなぐトンネルで安藤広重の浮世絵金沢八景を鑑賞。
源範頼の位牌を受け継ぐ薬王寺のお堂で再々の新年最初の日昇を拝む幸運。
海の公園で東京湾、浦賀水道を経て相模灘につながる金沢湾を眺め、新年の挑戦を誓うとともに幸運を祈る。

エリア 八景島(神奈川)

先ずは仁王門。普段は柵が設置されて通行止めだが、年末年始は門をくぐることができ、普段と異なるアングルで観察できる。しかも冬季は日が高くなく、仁王像に陽射しが届き明るくよく見える。

称名寺 寺・神社・教会

現在の仁王門は１８１８年（文政元年）の創建。安置されている仁王像（金剛力士像）は、１９７０年に解体修理が行われて発見された胎内墨書により、１３２３年（元享３年）の院興らの作であることが判明し、神奈川県の重文指定となっている。

称名寺 寺・神社・教会

仁王像は阿形、吽形とも像高４メートル弱の巨像で、東日本最大級の金剛力士像だそうだ。
ちなみに、奈良県東大寺南大門の｢仁王像｣が日本最大の木彫像で、像高は８.４メートル。

称名寺 寺・神社・教会

境内に広い浄土庭園が整備されていて、反橋と平橋を渡ることができる。
何と言っても、外周を尾根と高木で囲まれ、高層建築物が一切視界に入らない点が素晴らしい。

称名寺 寺・神社・教会

金堂の弥勒菩薩、仏具が綺羅びやかで神秘的。

称名寺 寺・神社・教会

向かって左手に、長浜の漁師が海から引き揚げた「貝付観音」とも呼ばれる「長浜観音」

称名寺 寺・神社・教会

十一面観音立像及び両脇侍(不動明王・毘沙門天立像)、弥勒来迎図及び弥勒浄土図など宝物が豊富だ。

称名寺 寺・神社・教会

関東大震災で倒壊後に再建された鐘楼

称名寺 寺・神社・教会

1862年(文久三年)に建立された禅宗様の釈迦堂

称名寺 寺・神社・教会

東側にひろがる草原、全盛期には雲堂・庫院・無常院等が並んでいたというが、大正期には田地だった写真が残っている。

称名寺 寺・神社・教会

阿字ケ池を西側に周ると美女石がある。

称名寺 寺・神社・教会

さらに西側には昭和初期に竣工した神奈川県立の初代の旧金沢文庫が建っていた広場。
現在は尾根をトンネルでくぐり抜けた先にある。
金沢北条氏の私邸にあった文庫の位置は特定されていないようだ。

称名寺 寺・神社・教会

金沢山へ登る階段、称名寺市民の森として整備されているのでおすすめ。山頂には八角堂と金沢湾方面の展望広場がある。
右手に周回すると実時公の御陵、日向山へ。左手は金沢文庫駅方面へ抜けられる。

称名寺市民の森 公園・植物園

上に居た三毛猫にゃんが降りてきた。山頂への遊歩道が散歩コースなのかな。

称名寺市民の森 公園・植物園

金堂で良く見かけるにゃん。近所の愛猫家に可愛がられ称名寺の主キャラか。

称名寺市民の森 公園・植物園

尾根に登ると再建された六角堂と展望広場。
右手に進むと実時公の御陵、左手は金沢文庫方面に降りるハイキングコース。

称名寺市民の森 公園・植物園

金沢文庫のある谷津上部の平坦な散策路

称名寺市民の森 公園・植物園

顕時公、貞顕公の御陵は隣合わせ

北条顕時 金沢貞顕の墓 名所・史跡

立派な五輪塔、近くに家臣の五輪塔も

北条顕時 金沢貞顕の墓 名所・史跡

横浜市の解説板

北条顕時 金沢貞顕の墓 名所・史跡

金沢文庫と称名寺を隔てる尾根を貫通して結ぶトンネル。内壁に整然と金沢八景の浮世絵が掲示されている。
全て紹介しよう。

神奈川県立金沢文庫 美術館・博物館

先ずは「称名晩鐘」
山の中腹に描かれているのが称名寺だろうか。右手手前の水際は小柴辺りか。

神奈川県立金沢文庫 美術館・博物館

続いて「野島夕照」。夏島や烏帽子岩を背景に野島の漁村が描かれているらしい。

神奈川県立金沢文庫 美術館・博物館

「瀬戸秋月」内海側から2連の瀬戸橋越しに平潟湾、ぽっこり野島と満月。

神奈川県立金沢文庫 美術館・博物館

「洲崎晴嵐」野島山に繋がる砂洲の松並木。内海が現在の釜利谷に広がっていた。

神奈川県立金沢文庫 美術館・博物館

「乙舳帰帆」野島の西側に残る地名「乙舳」だが、洲崎や寺町の沿岸部が埋め立てられる前は乙舳海岸と言われた海岸線があった

神奈川県立金沢文庫 美術館・博物館

「平潟落雁」野島、乙舳や洲崎の対岸の平潟からの風景だろうか。干潟で貝採りが江戸時代も行なわれていたようだ。最近の降雨量の増加で東京湾や金沢湾の塩分濃度が下がり、浅利の個体数が減って採れなくなっているらしく。

神奈川県立金沢文庫 美術館・博物館

「小泉夜雨」釜利谷のかつての内海の最奥部と聞いているが良く分からなく残念ながら１番馴染みが無い。

神奈川県立金沢文庫 美術館・博物館

最後は「内川暮雪」。国道16号の内川橋、京急バスの横須賀市中心部への起点にもなっている横浜市最南部。
今年の降雪積雪はどうだろう。日本海側のような豪雪にはならないが、交通インフラが麻痺するようなことになると大変だ。

神奈川県立金沢文庫 美術館・博物館

金沢文庫への旧隧道の称名寺側の状況。金沢文庫側と違って整備されていません。

神奈川県立金沢文庫 美術館・博物館

谷津にある金沢文庫、こちらで再度日の出鑑賞。

神奈川県立金沢文庫 美術館・博物館

こちらの称名寺境内の史跡は良く分かっていません。
最盛期またはその後にお堂などが建っていたのでしょうか。

称名寺 寺・神社・教会

称名寺を参道から退出して正面にある薬王寺に参詣、称名寺参詣前は閉ざされていたので縁が無いかと思いきや、お堂でまたもや日の出を拝むことができ良い年。

薬王寺 寺・神社・教会

うさぎのローソク飾りがまだ残っていて、取り替えたのか、点灯しなかったのか？

薬王寺 寺・神社・教会

小さめな提灯飾りも斬新

薬王寺 寺・神社・教会

海の公園に出ました。

海の公園 公園・植物園

砂浜、金沢湾、金沢漁港越しに野島

海の公園 公園・植物園

横浜八景島シーパラダイスと夏島の住友重機械工業グループの造船所を背景に砂浜の松林を散策

海の公園 公園・植物園

海の公園の砂浜の砂は房総半島からの頂きもの、隆起した山の砂を乙舳海岸の海底に沈めて造られた人工海浜。

海の公園 公園・植物園

防砂林的な松並木と広い園路と新春の青空
元日朝の散策はこのくらいにしておせち料理とお雑煮を食して新年を祝い、お次の新春行事へ。

海の公園 公園・植物園

こちらは寺社ではありません。
相模原川上流、支流串川沿いの「相模灘」を醸す久保田酒造の母屋。直売所があり元旦もオープン。

久保田酒造 お土産屋・直売所・特産品

(公財)はまぎん産業文化振興財団が発行する季刊誌「マイウェイ」最新号No.124のかながわの美酒蔵めぐり相模川編に７つある酒蔵のひとつとして紹介されてます。
広い敷地に蔵などが多数。

久保田酒造 お土産屋・直売所・特産品

10年以上前からあまり変わらない売店で、この時期ならではのしぼりたてや生酒を提供。
美山錦を55%磨いた特別純米「相模灘」生と本醸造「にごり生」を入手。加水してアルコール濃度を調整した新酒なので生酒でも比較的あっさりしたオーソドックスな呑み口感、生酛、水酛や自然酒と比べてしまうと物足りなく。
２月には雄町の「相模灘」生、山田錦の「相模灘」生も販売予定なので期待。
あっと言う間に新年の一週目が過ぎましたが皆さまいかがでしょうか。上手くスタートダッシュされたでしょうか。それでは激動の予感の2023(令和5年)を健康に楽しみましょう。ごきげんよう。最後まで辿って頂き感謝。

久保田酒造 お土産屋・直売所・特産品