2023/09/25 - 2023/09/25
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bajicoさん
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ハプスブルクの優雅な都、ウィーンの9日間が始まりました。旅行記のタイトルも少し変えて、新装開店です。
25日、まず何はともあれ、あそこに行かなきゃ。そうです。カフェザッハーでザッハートルテを食べるのです。その後は、ベルヴェデーレ宮殿に行って、夜は楽友協会でコンサート。いつもノンビリ日程の私たちにしては、詰め込みましたなぁ。
地下鉄やトラムなどウィーン市内の交通は、事前に携帯アプリ「Wien Mobil」で、7日間乗り放題チケットを購入し、印刷しておきました。アプリで買えば、スタート日は自由に決められたと思います。私たちは25日から1週間、このチケットを利用しました。
一人17.1ユーロ(約2700円)。
旅行日程
9月12日 羽田からルフトハンザ機でミュンヘンへ
13日 バスでインスブルックへ移動
13日~18日 インスブルックに5泊
18日 バスでリエンツへ移動
18日~21日 リエンツに3泊
21日 鉄道とバスでザンクトギルゲンヘ移動
21日~24日 ザンクトギルゲンに3泊
24日夕方 鉄道でウィーンへ移動
24日~10月3日 ウィーンに9泊
3日 オーストリア航空機で成田へ 4日午前成田着
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 50万円 - 100万円
- 交通手段
- 鉄道 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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前日ホテルに着いたのが夜8時過ぎで、朝はゆっくりしたかったのだが、8時半にカフェザッハーの予約を入れていたので、早起きして出発。確か、出発前にインターネットで予約状況を確認したら、空きがあまりなくて、そんな時間になったのだと思う。
K+Kパラス ホテルからカフェザッハーまでは、ウィーンの街の偵察がてら、徒歩で向かう。 -
まず、大きなシュテファン教会
マリア・アム・ゲシュターデ教会と勘違いしてました。ごめんなさい。シュテファン大聖堂 寺院・教会
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日が昇って、まだ間もない。
シュテファン教会を通り過ぎる。シュテファン大聖堂 寺院・教会
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ケルントナー通りをあちこち眺めながら歩いて行けば、国立歌劇場が見えてきた。
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カフェザッハーは国立歌劇場のそばにある。
朝は8時から営業開始。他のカフェも結構早くからオープンしているみたい。
8時半に入店した時は、そう混んでなかった。
今日は朝食抜き、ケーキを朝食代わりにする。カフェ ザッハー カフェ
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私はザッハートルテ、夫はザッハーオリジナル・ファッジケーキを注文。
ザッハートルテは無論おいしかったが、予想を超える味ではない、想像通りのおいしさ。でも、これは、ザッハートルテがチョコレートケーキ分野での完成形態だから仕方がない。これ以上工夫したり、何かをプラスする余地は少ないと思うよ。
それよりも、私はむしろ、夫から一口もらったファッジケーキの方が、予想を裏切っておいしかった。見た目は回りに何かの粉末(アーモンド?)がまぶしてあって、パサパサな感じだが、食べてみると案外口当たりがよい。中はスポンジにチョコレートチップが入っていて、全体として調和が取れた味だった。さすが!
試しにザッハートルテに付いてたクリームと一緒に食べたら、さらにおいしかった。 -
夫が、今日のコンサート用に履いた靴が足に合わない、と言うので、一旦ホテルに戻って靴を変える。
改めて、ホテル近くのBörseからトラムのD線に乗り、ベルヴェデーレ宮殿に向かう。 -
トラムは国会議事堂前を通過。
国会議事堂 現代・近代建築
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ベルヴェデーレ宮殿(Schloss Belvedere)の駅でトラムを降りたら、街角にこんなものがあった。
噂に聞く体重計。
体重を量りたかったが、有料だったので止めた。 -
ベルヴェデーレ宮殿の上宮の庭園に入る。
宮殿完成300周年の記念の年だからかな、池に何だか変なものが浮いている。
ピクミンに出てくる原生生物に似てない?ベルヴェデーレ宮殿 城・宮殿
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上宮と下宮の間の庭園
上宮の方が高台にあるので、下宮の向こうにウィーン中心部の建物が見える。 -
庭園にはスフィンクス
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いよいよ上宮に入場する。
チケットは公式HPで事前購入、印刷しておいた。
上宮は時間指定の必要あり。私たちは11時30分入場だ。
上宮にはオーストリアを代表する絵画・美術品が幅広く展示されている。一般的にはクリムトやシーレが有名だが、他にもおもしろいものがいっぱいある。お気に入りを見つけよう。 -
まずは、中世美術。
私が好きな木彫をいくつか。
このキリスト像は、素朴な中にも、洗練が感じられる。 -
アルカイックなスマイルが、案外、円空仏に似ていたりして。
こういうの私は好きだ。 -
オーストリアではあまりステンドグラスを見る機会がなかった。
数少ない1枚だ。 -
迫力がある祭壇画の木彫。
これはなかなかのものでしたぞ。 -
色がきれいに残っている。
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18世紀の絵画から
Thomas Ender(トーマス・エンデル)
「パステルツェ氷河とグロースグロックナー」1832年
見られなかったグロースグロックナーの風景をここで見た。 -
Franz Eybl(フランツ・アイブル)
「Eine Ramsauer Bäuerin am Spinnrad(糸車を操るRamsauerの農婦)」1836年頃
アンドリュー・ワイエスのリアリズムが頭をよぎる。 -
フランツ・メッサーシュミットの胸像
彼は18世紀の彫刻家。
顔を歪めた様々な表情の彫刻が何体も並ぶ。
超リアルかつ極端な表現で、私は現代彫刻かと思ってしまった。 -
マリアテレジアの彫像
これもフランツ・メッサーシュミットの作品だが、こちらはバリバリのバロック彫刻。同じ作家の作品とは思えない。 -
ベルヴェデーレ宮殿を建てたのはこの人、プリンツ・オイゲン。
彼はオーストリア人ではなく、フランス貴族だが、ハプスブルク家に仕えて、トルコやフランスを相手に戦った。数多くの戦いで勝利して出世し、夏の離宮としてベルヴェデーレ宮殿を建設した。
自分の生まれた国とも戦うなんて、信じられない。
本当はルイ14世が父親だという説もある。 -
美術館だが、こんな宮殿っぽい所もある。
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このあたりから、有名な作品が続く。
セガンティーニ
「悪しき母達」(一部) -
クリムト
「Marie Breunigの肖像」
今回、ウィーンの美術館で多くのクリムトを見た印象、それは、彼が実に様々な作風を持つ、カメレオンみたいな画家だということ。ちょっとピカソみたいだ。そしてピカソもそうだが、こういう画家は天才的に絵がうまくて、写実的な絵もちゃんと描ける。
その見本がこの絵だ。金箔で飾られた彼独特の画風とは全く違うが、他のアカデミックな画家の絵の中で、この絵だけがとび抜けて目立った。うまいと思う。 -
クリムト
「Upper Austrian Farmhouse (上オーストリアの農家)」
「接吻」など、金箔を多用した装飾的な絵画の傑作群は、あえて写真に撮らなかった。皆良く知っているからね。
私が気になったのは風景画。彼がたくさんの風景画を描いているなんて、知らなかった。 -
クリムト
「カンマー城庭園の並木道」(一部)
彼が生きた時代の風景画家たちの影響も感じられる。例えば、モネ、セザンヌ、スーラ、ゴッホ等々。でも、少し違う。平面的で装飾的な感性と、画面に漂う静けさが心地よい。クリムトの絵を1枚もらえるとしたら、私は断然、風景画をもらう。 -
これもクリムトの風景画の一部分だ。
色使いもきれいでしょ。 -
エゴン・シーレ
「家の壁」(この写真は絵葉書)
次はエゴン・シーレ
彼はクリムトと逆で、作風は一貫して変わらない。
それはある意味当然で、何故なら、変わる前に、若くして死んでしまったから。
彼は、ちょっと極端で、人を不安にさせるような独特の人物画で有名だが、人物画以外も結構描いているんだね。そして、その人物画以外がすごく良い。
この絵、家の屋根、壁、窓を描いただけの作品だけど、うまいよね。
屋根と窓の色がいいんだ。真っ白でない壁もいい。
おかげで、エゴン・シーレに対する評価がぐんぐん上がった。 -
よく考えると、彼の絵の、人の心をムズムズさせる不安な要素って、結構フォルムにあると思う。挑んでくるような挑発的な人物のポーズが、良くも悪しくも一番目立つ。
でも、彼の色使いは結構繊細、中間色で攻めてくる。暗いけどメルヘンチック。好きだな。 -
エゴン・シーレ
「家族」(一部)
こどもは可愛い。 -
上宮を出て、下宮に向かう。
下宮の厩舎には、中世絵画や彫刻が、びっしり展示してある。
パンフレットはあるが、細かい説明はないので、興味のない人はパスかな。
でも、私は中世絵画や彫刻好きなので、おもしろかったよ。 -
何の生き物でしょう。
現実のものか、想像上のものか、定かではないが、愛嬌あり。 -
眼鏡をかけてる聖人
パンフレットによると、聖オーガスティンだって。オーガスティンはアウグスティヌスのこと。彼は神学者だから、眼鏡をかけて、勉強勉強! -
下宮のオランジェリーでは、ベルヴェデーレ宮殿300年の歴史を辿る特別展が開催されていた。2022年12月から2024年1月7日(もしかしたら2月)までの開催
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エゴン・シーレ
「フランツ・マルティン・ハベルディッツル博士の肖像」
フランツ・ハベルディッツルはエゴン・シーレの友人で、ベルヴェデーレ宮殿の美術館館長を務めた美術史家なんだって。
そうか、300年の歴史ということは、エゴン・シーレの時代にもこの美術館はあったってことなんだ。 -
エゴン・シーレ
「芸術家の妻・エディス・シーレの肖像」
この二つの肖像画は自然な感じ、シーレ独特の極端な感じはしない。描かれた人物に対するシーレの親愛の情が感じられる。
特別展開催期間中は、こちらにもクリムトやシーレの作品があるみたいなので、ファンは注意が必要かも。 -
ゲルハルト・フランクル
「ウィーン再訪Ⅱ」1948年
少し前のウィーンの姿だ。 -
下宮にも昔の家具や内装が残っている場所がある。
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グロテスク模様がきれい。
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これは、ベルヴェデーレ宮殿の中ではない。
宮殿を出て街を歩いていたら、こんな水飲み場があったのだ。
イスラムらしい幾何学模様だ。
ウィーンがヨーロッパの東方にあることを感じさせる。 -
ケルントナー通りのノルドゼーで食事。
おやつの時間帯にお腹が空いちゃった。こんな時間帯でも食事ができるのはありがたい。
サーモンのグリル、タコのマリネ、パエリアと飲み物を頼んで、54.21ユーロ(約8700円)。安くはないが、気楽に食べられるし、久しぶりの魚介類でうれしい。文句なし。 -
店先はこんな感じ。
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ケルントナー通りのデパート、シュテッフルが建っている場所でモーツァルトは亡くなった。
今、デパートの地下にはミートス・モーツァルトという、モーツァルトに関する一種のテーマパークができているらしい。 -
こちらは、フィガロハウスと言われる建物、ここに住んでいる時、モーツァルトはフィガロの結婚を作曲した。今は博物館。
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夕方のシュテファン教会。
朝より賑わいがすごい。 -
シュテファン教会からホテルに戻る途中にこんな時計があった。
アンカー社のからくり時計。
アンカー社は昔あった保険会社らしい。
一種の宣伝用に作った時計のようだが、1900年代初頭ユーゲントシュティル時代の様式で、煌びやか。 -
ホテルで着替えて、改めて地下鉄に乗って出発。
カールスプラッツで下車して、楽友協会に向かう。
今夜は、楽友協会のウィーン・モーツァルト・オーケストラ・コンサートだ。
こちらも事前に公式HPでチケットを購入しておいた。
チケット価格は、席の場所により、かなり細かくランク分けされていた。私たちはせっかくだから平土間の一番高い席。
一人125ユーロ(約20000円)ウィーン楽友協会 劇場・ホール・ショー
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楽友協会のコンサートは、今回の旅行の主要目的の一つだった。
とにかく楽友協会の建物に入れて感激。
ただ、ホールの中には開演40分位前にならないと入れないので、ちょっと待たされた。早く来すぎたね。
今日のコンサートは観光客も多い。服装はそんなに気にしなくても大丈夫だ。 -
楽友協会建設にはブラームスも大いに関わったらしい。
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やっとホールの中に入った。大ホールは黄金のホールとも呼ばれるだけあって、キンキラキン。
でも、何となく大きな芝居小屋という感じ。キンキラキンの下は漆喰で、その下は木なのかしら。床は木だし、座席も木。なかなかの古めかしさだ。
でもこれが、後でびっくり玉手箱! -
定刻通り、8時30分にコンサート開始。
ウィーン・モーツァルト・オーケストラは、モーツァルト時代の豪華な衣装で、モーツァルトの名曲を演奏してくれる。皆が知っている親しみやすい曲ばかりだ。観光客も多いので、ちょっと際物的というか、大したことないだろうと侮っていたのだが、これは大間違いだった。
最初の曲でガツンときてびっくりした。うまいよ。音が良いよ。
まず、オーケストラの演奏。よく考えたら、ウィーンには一流オーケストラに入ろうと多くの演奏家が集まっている。つまりこの町に住む演奏者のレベルは、とても高い。そんな演奏者が集まって、毎日モーツァルトを演奏しているのだから、彼らのモーツァルトがすんごくうまいのは当然だ。
そして、このホールの音響効果。信じられないくらいすばらしかった。しろうと耳の私でもわかった。それはホールの大きさや形状、壁や床、座席の材質、その他モロモロがうまくかみ合って、生み出された奇跡なのかもしれない。古くなった床や座席が永遠に持ちますように。そんなの無理かなぁ。 -
アンコールはヨハンシュトラウス。皆でニューイヤーコンサートみたいに手拍子をして大いに盛り上がった。本当にすばらしい大大満足のコンサートだった。
今度はベートーベンでも聞きたいね。
大いに良い気分で、ホテルへの道を急いだ。
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