2023年5月ベルギーからのドライブ旅行13 　シュヴァルツルハインドルフ(Schwarzrheindorf Bonn)

2023/05/03 - 2023/05/18

コロナ禍あけを待って4年ぶりとなるロマネスク紀行の復活はベルギーからスタートしました。今回も車でオランダ、ドイツ、フランスを巡りました。４日目の行程、四番目の訪問地はドイツのボン市内、シュヴァルツルハインドルフ地区にある二重教会(Doppelkirche Schwarzrheindorf)です。

エリア ボン(ドイツ)

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: レンタカー
• 航空会社: ANA
• 旅行の手配内容: 個別手配

シュヴァルツルハインドルフは、エッセンから約95kmケルンを通り越し1時間ほどで到着します。ボン市に帰属するライン川右岸にある人口4,500人ほどの村です。

原語の正式名称はDoppelkirche St. Maria und Clemens。訳すと聖母マリアとクレメンスの二重教会となります。
地上階にある下部教会と２階にある上部教会の２つがあるための名称となっています。

奉納は1151年。当時リンブルク大聖堂、ケルン大聖堂、マーストリヒトの聖セルヴァティウス大聖堂の教区長(provost)であった、ヴィート(ラインラント・プファルツ州の街)のアルノルト2世(Arnold II. von Wied)の私設礼拝堂として建設されたといわれています。彼は同じ年にケルンの大司教(選帝侯)にも就任していますからかなり政治力のあった人物と考えられます。

アルノルトの死後彼の妹であったハドウィヒがベネディクト会の修道院として設立し運営されていました。1803年フランス革命後の戦乱で修道院は解体、教会は忘れ去られていたようです。19世紀の半ば、漆喰で塗り固められた壁面をはがすとロマネスクの壁画が現れました。

下の教会の内部。漆喰で守られていたために保存状態がよく、修復を受けていますがよく再現された素晴らしい壁画が残されています。

下部の教会は教皇聖人クレメンス1世に捧げられています。クーポラの手すり越に上部教会のフレスコ画も見えます。

身廊の部分。

ドーム形の内部はアーヘンの大聖堂を意識したものです。

上部の教会は聖母マリアに捧げられています。

中央には栄光のキリスト。4つの福音史家のシンボルを従えています。

上部教会の主題壇

下を覗くとこんな感じです。

この教会は、珍しい事にドワーフギャラリーを歩く事が出来ます。

ドワーフギャラリーへの登り口。

ドワーフギャラリーは装飾的な要素が強く、また中世建築ではアーチ構造をつくり上部構造の加重を逃す目的等で造られたため、人が歩く回廊としての空間を確保されていない事が多くあります。歩けるというのは少し嬉しいです。

彩色は近年の修復で行われていますので、色が鮮やかですがあくまでも創建当時の状態に戻したもので。石材の風化を防ぐためにも必要なものです。

ドワーフギャラリーの写真は撮り過ぎたか。