2023年5月ベルギーからのドライブ旅行４　ボーヴチェーン　

2023/05/03 - 2023/05/18

コロナ禍あけを待って4年ぶりとなるロマネスク紀行の復活はベルギーからスタートしました。今回も車でオランダ、ドイツ、フランスを巡りました。４回目は2日目の行程の２番目の街はボーヴチェーン。

エリア その他の都市(ベルギー)

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: レンタカー
• 航空会社: ANA
• 旅行の手配内容: 個別手配

ボーヴチェーン(Beauvechain)はブラバントワロン州に属する人口約6,000人程の町です。トゥルネーから東に130km弱、高速を利用して1時間半ほどで到着出来ます。トゥルネーの町の滞在が予定より延びたので、途中のサービスエリアでトゥルネーで購入したパンで軽めの昼食をすませました。

教会はトゥーリンヌ・ラ・グロスのサン・マルタン教会(Église Saint-Martin de Tourinnes-la-Grosse)。

トゥーリンヌ・ラ・グロスは1977年にボーヴチェーンに合併されましたが、それまでは独立した単独の自治体でした。

教会は10世紀からの歴史があります。初期のロマネスク、それもムーズ川流域を中心に発展した地域ロマネスクであるモサン・アートの教会と位置付けられています。

モサン・アートの教会のひとつにトランセプト（袖廊、翼廊とも）が本屋根より低いという特徴があります。ラテン十字のプランでは普通クロス部分の屋根は同じ高さになりますが、この教会の袖廊は低い屋根でさらに尖塔が乗っています。

カロリング朝芸術の伝統を引き継いでいるので西構え（westwerk）も特徴のひとつになりますがこの教会でははっきりしません。
ただベルタワーの横にも袖廊らしい物があるので、昔は両方に入口があったのかもしれません。

入口のあるベルタワーは16世紀に建てられました。

シンプルであまり面白味のないポータルです。

身廊。

内陣

1950年代から60年代にかけて教会は復元化への修復が行われました。

写真展示がありましたので撮って比較するとわかりますが、石材が剥き出しの壁だったがわかります。

白漆喰は石材の風化を防ぎますので保存には有効なんですが、新しく見えてしまうので古いイメージが好きな人には不評なんですよね。

17世紀の木製の説教壇。バロック様式の物です。

マントを与えるサン・マルタン像はオーク材で彫られた16世紀の物です。

17世紀の洗礼盤。ムーズ産の青い石を使用しています。

4つの角に人頭がある円形のタンクは、12 世紀に遡る中世のモサン・アートの伝統を引き継いでいます。

教会の壁に飾られている陶芸作品。

説明を拝見すると1970年代に造られた地元の陶芸家たちの作品のようです。

聖遺物箱型の陶芸作品です。

こちらはボーヴチェーンにあるサン・シュルピス教会（Eglise Saint-Sulpice de Beauvechain）。
トゥーリンヌ・ラ・グロスからは東へ3kmほどの距離になります。

1860年に完成したネオゴシックの教会ですが、内部にベルギーにおけるロマネスク様式の洗礼盤として最も優れた例の一つといわれるボーヴチェーンの洗礼盤があります。
残念ながら教会は閉まっていました。