2022/05/28 - 2022/05/28
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kojikojiさん
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ツアー2日目は日の出の時間の午前3時30分頃に目が覚めてしまいました。添乗員さんから「必ずカーテンを閉めて寝てください。」といわれていたのですが、開けっ放しだったからかもしれません。もちろん日の出の様子を見た後はもう一度寝ました。2日目の出発は午前8時30分なので、それから逆算して午前6時には起きなければなりません。荷造りをしてから15階の「MINORI」で朝食を摂りましたが、全面がガラス張りの美しいレストランで驚きました。窓際の席からは旭岳から十勝岳に向けての山々が美しく見えました。景色も素晴らしいのですが、食事の内容も素晴らしく、北海道らしい食材のオンパレードです。ヌードルカウンターでは旭川ラーメンまで作ってくれます。チェックアウトして表に出ると昨日パンクしたバスが整備されて戻ってきていました。予定時間より少し前に出発したバスは旭川北から高速に入って、「芝ざくら滝上公園」に向かいます。旭川紋別自動車道を分岐して1時間50分ほどで到着しました。ゴールデンウィークの頃が見ごろだったようですが、見事な芝桜を見ることが出来ました。この日の天気が良いのは午前中くらいまでで、その後は天気が崩れるのは知っていました。滝上を出て40分ほどでお昼を食べる紋別港に着きましたが、天気は予報通りに雨に変わりました。「海洋交流館」で自由昼食になりますが、朝ご飯を食べていくらも時間が経っていないので紋別のタコの入ったタコ焼きとカニ飯のお弁当をいただきました。紋別港は25年ほど前に札幌にLOFTをオープンさせに行った長期出張の終わりに、留辺蘂に住んでいた弟のところに遊びに行って、姪たちとガリンコ号に乗った懐かしい場所でした。昼食の後はバスに乗り、巨大なカニの爪を見る間もなく「日の出岬」に向かいます。本当は晴れたオホーツク海が眺められるのだと思いますが、残念ながら天気は下り坂でしたので、見学時間を前倒しに出発します。続く「クッチャロ湖」も曇り空でしたが、湖畔の「浜頓別クッチャロ湖水鳥観察館」は楽しめました。宗谷岬へのラストスパートは「猿払村道エサヌカ線」の16キロの走破でしたが、何にもない原野を走るのは気持ちよかったです。この辺りは曇った空の方が良かったかもしれません。「宗谷岬」では遠くに樺太の島影も見えたような気もしましたが、小雨と低温で寒いうえに冷凍庫の「流氷館」で凍えました。「宗谷岬」の見学が終わるとこの日の観光は終わり、宿泊する「めぐま」というホテルに向かいます。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.5
- ショッピング
- 4.5
- 交通
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 15万円 - 20万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 船 JALグループ 徒歩
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
- 利用旅行会社
- 阪急交通社
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前日の夜遅くまで降っていた雨は上がり、午前4時の夜明け時は晴れ渡っているようです。
アートホテル旭川 宿・ホテル
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旭川では晴れていても、この日の天気は午後から下り坂だということは天気予報を見て知っています。
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旭川は最高気温15度で、この日の目的地の稚内も14℃という予報です。
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午前7時過ぎに15階のレストラン「MINORI」に向かいます。
北海道スカイテラス MINORI グルメ・レストラン
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全面ガラス張りのとても洒落たデザインのレストランで、窓際のテーブルに席を取りました。
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多くの食材が北海道のもので、極め付きはヌードルカウンターでは旭川ラーメンを作ってもらえます。
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一見普通のホテルの食事のようですが、帆立のフライにコーンフライ、シュウマイやソーセージも北海道の豚肉を使っていると説明文にありました。
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1つのトレーに乗りきらないのでテーブルの上がすごいことになりました。出来立ての旭川ラーメンも美味しかったです。
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普段は朝ご飯は食べないのですが、旅先の朝食は美味しく感じてしまいます。
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席から見得たのは昭和通りの突き当りにある「常盤ロータリー」でした。シンボルタワーは35メートルもあるそうです。
旭川常盤ロータリー 名所・史跡
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そしてロータリーの先には石狩川に架かる「旭橋」が見えました。
旭橋 名所・史跡
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雲で隠れていますが、左からオプタデテシケ山、美瑛岳、十勝岳、富良野岳が見えるはずです。
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大雪山のある東側はレストランからは見えなさそうでした。
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午前8時30分の少し前に表に出るとバスはすでに到着していました。
アートホテル旭川 宿・ホテル
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昨日砂川サービスエリアでパンクしたバスは整備されて戻ってきました。バスのドライバーさんから「お詫びです。」と全員にお茶が配られました。
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ブダペストのドナウ川に架かっていそうな「旭橋」を越えて道央自動車道に向かいます。
旭橋 名所・史跡
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旭川北から高速道路に入ります。
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旭川周辺は田植えが済んだばかりの風景が続きます。バスガイドさんからもうすぐふらのでラベンダーが咲き始めますが、混雑するのでラベンダー祭りには来ない方がいいですよとアドバイスがありました。
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しばらく走ると「比布」という地名が出てきました。昔のピップエレキバンのCMで、樹木希林とピップエレキバンの会長の製造会社の横矢勲会長の掛け合いが面白かったことを覚えています。
https://www.youtube.com/watch?v=0qc-GvRdUbY -
宗谷本線の比布駅を見てみたい気持ちになりました。CMの放映された1980年以降は1日に1000枚の入場券が売れることもあったそうです。
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この日も何度か蛇行する石狩川を渡りました。
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上川の町を越えるとしばらくは山の中を走ります。
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車窓からは石北本線の線路も見えました。新旭川駅から北見駅を経由して網走駅までを結ぶJR北海道の路線ですが、赤字路線の1つでもあります。25年ほど前に札幌駅から北見を経由して留辺蘂駅まで行ったのはこの路線だったのかと思うと感慨深いものがあります。
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車窓から馬が見えたのは1週間でもこの「ばん馬」だけでした。
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北に向かうにつれて水田を見ることは無くなり、車窓からは牧草地と乳牛の姿が多くなりました。
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森の中の1本道は北海道らしさを感じさせます。
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この時期に青々とした葉はタマネギのようです。そしてどの家にも庭先に芝桜が植えてありました。
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大きな畑とトラクターの耕耘風景だと感じます。
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森を抜けて滝上の町を越えると山の斜面がピンク色に染まっているのが見えました。
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「芝ざくら滝上公園」には旭川を出発して2時間後の10時30分に到着しました。ここでは50分の自由時間になります。
芝ざくら滝上公園 公園・植物園
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この時期は入場料が必要ですが、代金はツアーに含まれているのでチケット代わりのステッカーを貼って見学します。
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トイレに寄ってから妻を探すと、目の前をカートに乗って通り過ぎていきます。芝桜の斜面を見て、歩きたくないので逃げたみたいです。カートで大回りするのは15分くらいで200円だったと思います。
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妻に逃げられたので1人で芝桜の園内を歩きます。
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埼玉県の秩父の羊山公園へ芝桜を見に行ったことがありますが、ここまでの斜面ではなかったと思います。やはり東京近郊とは花の時期が数週間遅れていると思います。
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ここでもきれいにチューリップが咲いていました。
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日本はタンポポの種類が豊富な地域で在来種のタンポポは15種から20種ほどあるそうですが、これは外来種のセイヨウタンポポだと思います。今回の旅では各地で見ることがありましたが、大きな綿毛がとてもきれいでした。
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公園の最上部まで登ってきました。妻が逃げるのも無理はないかなと思います。せっかく登ってきましたが、下から見上げた方が花はきれいだと感じます。
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ただ、周囲の山々が見渡せるので無駄ではない景色が楽しめます。
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滝上は林業の町でもあるので、公園の売店では木工品も販売されていました。公園を一周して売店に向かうと先に戻っていた妻におねだりされてカッティングボードを買い求めました。木目が美しかったバッコヤナギの物を買いましたが、後で調べてみたら柳のまな板は最高級品とされ、その中でもバッコヤナギが最上だと知りました。
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滝上の町を出た後はオホーツク海側までバスを走らせます。途中の車窓は牧草地と少しの畑に代わり、水田などを見ることは無くなります。
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北海道の牧畜というとサイロという塔型の円筒形の倉庫を想像しますが、飼料用の牧草はロールベールという円筒形にラッピングされた牧草に変わりつつあります。どちらも牧草を発酵させて飼料にしますが、作業効率はロールベーラーを使った方が良いと昨年の道東の旅で聞きました。
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山の中から突然海岸線に出ると紋別の町で、港にある「海洋交流館」には正午に到着しました。ここで1時間の自由昼食になりました。
海洋交流館フードコート グルメ・レストラン
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堤防のようなクリオネプロムナードの先には「氷海展望塔オホーツクタワー」が見え、赤い船は「ガリンコ号2」です。
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留辺蘂駅近くの訓子府に住んでいた弟の家族と一緒にこの港には来たことがありました。就航して間もない「ガリンコ号2」に乗って流氷を見に行きましたが、その時に姪と遊んだ防波堤がどこなのかは分かりませんでした。
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初めは「西や」というラーメン店で食事しようと思っていましたが、満席で並ばなければならないのと、朝食を食べ過ぎていたのでフードコートで軽く済ませることにしました。
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紋別で穫れたタコを使ったタコヤキは食べないわけにはいきません。1舟500円だったと思いますが、妻がごちそうしてくれました。
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セイコーマートが併設されているので北のサングリアサワーも飲んじゃいましょう。
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紋別市内にあるRINという居酒屋さんの出店のようです。
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店先にもお弁当が並んでいたので、なんで時間がかかるのだろうと思っていましたが、出来立ての熱々の「かにめし」でした。岩ノリの味噌汁も美味しいです。
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バスガイドさんは「昔駅弁を作り始めた頃は北海道はお米が少ないので、米:1に対してカニ:9の割合で詰めていましたが、今では米:9にカニ:1に代わっています。」なんて言っていましたが、ここのカニ飯は7:3くらいの割合でした。
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「ラーメン 西や 本店」は人気のある紋別のラーメン屋さんで、今となれば無理に食べても良かったと思います。
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食事の後は近くにあるアザラシランドの方にも行ってみました。でも、あまりにも閑散としているので中には入りませんでした。到着したと同時に入館していればアザラシの餌やりを見ることが出来たのですが、妻のご飯を優先してしまいました。
アザラシランド 動物園・水族館
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初代の「ガリンコ号」が陸上展示されていました。「ネジを廻すと前に進む」というアルキメデスのねじの原理を利用した「アルキメディアン・スクリュー」と呼ばれる螺旋型のドリルを船体前部に装備し、それを回転させ氷に乗り上げ、船体重量を加えて氷を割ることで流氷域の航行を行う船です。
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元は三井造船が氷海域での資源開発のために建造した実験船「おほーつく」で、実験終了に伴い、有効利用のために三井造船の協力のもと世界初の流氷砕氷観光船に改造されます。これは昭和30年代生まれの「20世紀少年」にはたまらないデザインです。
目の前にサンダーバードの世界が広がったようです。 -
紋別港を午後1時に出発して海岸線を北に向かいます。遠くに昭和58年の1983年に行われた「流氷アートフェスティバル」というプロジェクトで造られた紋別のシンボル カニのツメが見えました。紋別の名産ズワイガニの爪を高さ12メートル、幅6メートルの大きさを近くで見たかったです。
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旧国鉄の名寄本線の橋梁が無残な姿で残されています。名寄本線はJR北海道に承継されて2年余り後の1989年に廃止されています。廃止された特定地方交通線の中では唯一の「本線」でした。
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オホーツク海に流れ込む小さな河川がいくつもありました。
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霧雨の中で牛たちも寒さを凌いでいるのか集まっています。
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「JA直売所 おこっぺアイス直売店」が目の前を通り過ぎていきます。美味しいと評判のアイスクリームなので食べてみたかったです。
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この辺りでのびのび飼育されている乳牛の朝搾られた牛乳はすぐ工場へ送られ、その日のうちに製品になるそうです。
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紋別を出て40分ほどで「日の出岬」に到着しました。天気は小雨なので景色は期待できそうもありません。
日の出岬 自然・景勝地
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天気が悪くても「ラ・ルーナ」という展望台があるので雨に濡れながらの見学にはなりません。
日の出岬展望台 ラ・ルーナ 自然・景勝地
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周囲にはハマナスの花が咲いていました。昨年の道東の旅で行った「六花の森」で花と実を見ていました。その実は中国植物名で玫瑰と書き、ローズヒップと言えば味も想像できると思います。
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展望台はツアーのメンバーで混んでいるので先に岬の先まで歩いてみました。
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晴れていたら美しいオホーツク海が広がっていたのだと思うと少し残念です。ただこの海の右側に数百キロ行った網走や知床でのことを考えたら文句も言えません。
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風も強く寒々しいですが美しい景色ではあります。
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ここで日の出を見る人はどんな人なんでしょう。近くに町などは無さそうです。美しい日の出が見られる場所として知られ、夕陽も美しいと評判です。冬には流氷も見ることが出来るそうです。
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やっぱり晴れているオホーツク海を見てみたかったです。
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日の出岬展望台の「ラ・ルーナ」は日の出岬の標高約10メートルの位置に建つ、高さ9メートルの全面ガラス張りの建物です。冬の寒さに震えることなく流氷が楽しめられるようにと1992年に建てられたそうです。ラ・ルーナとはイタリア語で月を意味するので、夜には月も楽しめるそうです。
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ガラス面に貼られた鳥のステッカーは追突防止ですが、北海道のたくさんの施設で見ることが出来ます。人間にとっては大きなガラスは景色が楽しめますが、鳥類にとっては命取りの罠みたいなものです。設計者のデザインもありますが、もう一歩進んだデザインは出来ないものでしょうか。それと男性トイレが全面ガラス張りなので用を足している姿が外から丸見えです。
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日の出岬の見学は30分の予定でしたが、皆さん早くバスに戻られたので20分で切り上げられました。こんな天気が続くようだと7日間のツアーは6日で終わりそうです。
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車窓の風景は牧草地と原野と森の繰り返しです。
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廃業された牧場も多いようで、壊れた牛舎やサイロも多く見掛けました。
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頓別川を渡るとクッチャロ湖も近いです。この川ではイトウという魚が生息しているようです。
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「クッチャロ湖」には午後3時40分に到着し、30分ほどの自由時間になります。
クッチャロ湖 自然・景勝地
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湖面には「気嵐(けあらし)」のような湯気が立ちのぼっています。気嵐は晴れた状態で起こる現象なので、このようなものは何と呼ぶのでしょうか。
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黄色い足のウミネコばかりかと思っていましたが、足の色と嘴の違う鳥も混じっていました。
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足元にはスズランの花もきれいに咲いていました。若い頃にスイスを旅した際にエーデルワイスとスズランの種をお土産に買ってきて、北海道に住む弟にプレゼントしたらきれいに咲いた写真が届いたことを思い出しました。
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小雨が降っていたので皆さんはさっさと「クッチャロ湖水鳥観察館」に入ってしまいました。
浜頓別クッチャロ湖水鳥観察館 美術館・博物館
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国の天然記念物のオジロワシです。冬に渡って来るものもいますが、道北で繁殖もしているそうです。いつか冬の道東を旅してみたいと思います。
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こちらも国の天然記念物のオオワシです。こちらは冬に渡ってくるものだそうです。
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シロフクロウは冬に日本に渡ってきますが、数が少ない珍しいものだそうです。オスは全身が真っ白ですが、こちらはメスです。
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オオハクチョウは北海道東部で多く見られますが、クッチャロ湖では少ないそうです。以前にスイスのルツェルンで餌をやっていたら、湖から上がってきて追いかけられたことがありますが、立ち上がると人間の身長と同じくらいになります。
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これだけ近くで見ることはありませんが、これは本州でもよく見掛けるアオサギです。
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カワアイサは潜水が得意なカモの仲間で、嘴が細いのが特徴です。これはメスで、オスの頭は濃い緑色だそうです。
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クマタカは日本で一番大きなタカで、数が少なく山地に住んでいます。
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フクロウは夜行性で1年中同じ場所を縄張りとして生活し、夏は木の穴で子育てをします。弟が北海道の雪山を登っていて、前から小学生くらいの子供が歩いているので不思議に思ったらシマフクロウだったと聞いたことがあります。
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エゾモモンガは前足と後足の間にある膜を使い空を飛ぶとされますが、児の剥製では膜といったイメージは感じられません。
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大コノハズクは頭が大きくて3頭身に見えます。ネズミや小鳥を捕って生活をしています。
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昨年の釧路の旅では釧路川をカヌーで下りながらキタキツネの姿を見たことを思い出します。
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ロシアのクロテンは体が黒いですが、日本産のクロテンは体がクリーム色なのが特徴です。エゾクロテンは体が身軽で、木に登ったり2本足で立ち上がることも出来ます。
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イイズナは20センチほどの小さいイタチの仲間で、湖畔の湿地帯に住んでいます。冬になるとオスもメスもこのような真っ白になるそうです。
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エゾリスは北海道の固有種で「木ねずみ」とも呼ばれます。昨年に行った真鍋庭園ではその姿を見ることが出来ました。
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オオタカは森林にすむ中型のタカで、成鳥の背中は暗灰色で腹部は横縞です。タカのような鳥は旅をしていても見掛けることがありますが、遠すぎて種類までは分かりません。
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「クッチャロ湖」を出発してしばらくするとエゾシカの姿を見ることが出来ました。昨年の旅でさんざん見てきたエゾシカですが、姿を見るとカメラで追ってしまいます。
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こちらはいくらでも見る事の出来る乳牛たちです。
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バスガイドさんから「乳牛の模様は2つとして同じものはありませんが、絶対に黒くならないところが5か所あります。」というクイズがありました。答えはお腹の部分と4本の足だそうです。
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バスは通常ルートの国道238号線を外れて「猿払村道浜猿払エサヌカ線」に入りました。ここもツアーの目玉のルートになっています。
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全長約16キロあり、途中に2つのクランクがありました。これを除けばひたすら一直線に牧草の中を突き抜ける道路には電柱や看板もなく視界を遮るものがないため、地平線を最大限に楽しむことができます。
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ここでならば野生動物がたくさん見られるのではないかと期待しましたが、エゾシカの1頭も姿を現しませんでした。
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「猿払村道浜猿払エサヌカ線」を越えると「ポロ沼」が車窓の左側に見えてきました。
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ポロとはアイヌ語で大きいを意味して、沼の周囲長は約6キロ、最大水深は2.7メートルです。イトウが釣れることで知られ、釣り愛好家の聖地の1つでもあるそうです。
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右側の車窓に「インディギルカ号遭難者慰霊碑」が見えました。旧ソビエト連邦の貨客船で、シベリアのマガダンからウラジオストクを目指している途中に暴風雨に巻き込まれ、宗谷岬の位置を見誤ったことから漂流します。猿払村の浅瀬に座礁したことから住民が総出で救出活動にあたり、子供も含め429名の生存者を救出するものの700名以上が死亡した事故です。
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乗客は漁期を終えた漁業者で、カムチャツカ半島から引き上げてくる途中に遭難したというものということでしたが、シベリア地方に点在していた強制収容所(グラグ)からの送還者であり、船自体が政治犯および家族の護送船だったのが事実のようです。ソヴィエト政府は船体の所有権を放棄したばかりか遺体の収容は不要、遺品の返還も無用、という異例の連絡を行っているのは現在とあまり変わらない国の体制を感じます。
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午後5時を過ぎたところで「宗谷岬」に着きました。ここで30分ほどの自由時間になります。旅行前に観たNHKスペシャルの「街道を行く オホーツク海」を思い出しました。司馬遼太郎はここに立ち樺太を見ながら、この先は韃靼街道だと言ったそうです。
宗谷岬公園 公園・植物園
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ここではすべてのものが日本最北端になるようです。このバスの停留所もバスでさえ最北端なのでしょう。
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もちろんこの公衆トイレも日本最北端というわけです。
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お土産物屋さんはこの1軒だけが店を開いていました。
宗谷岬流氷館 美術館・博物館
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たった1つ灯った電灯が温かさを感じます。気温は8℃ですが、風が強いので体感気温はもっと低いです。そして小雨が降っています。
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ここで「日本最北端到達証明書」なるものを100円で購入して、奥にある流氷館にも入ってみます。店には子供の頃に流行ったペナントがまだ売っていました。ここは昭和50年で時間が止まったような気がしました。
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流氷館と呼んでいますが実際は冷凍庫で、倉庫に拾ってきた流氷の氷が置かれている感じです。結構な電気代がかかると思いますが見学は無料です。
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アザラシの剥製などが置いてあって流氷の気分は味わえます。
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ここまで傘を差さずに来てしまったので余計に寒く感じました。
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宗谷岬から事実上ロシア連邦の樺太(サハリン島)の最南端の西能登呂岬(ロシア名:クリリオン岬 (Mыс Крильон))までは約43キロの距離があります。目を凝らすとうっすらと島影が見えるような気がしました。
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北極星の一稜をモチーフにしたデザインになっていて、中心にあるNの文字は「北」(North)を、台座の円形は「平和と協調」を表しているそうです。石碑の高さは緯度(北緯45度31分22秒)にちなみ4.53メートルです。
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隣には間宮林蔵の立像が建っています。文化5年の1808年に宗谷から樺太へ渡り、樺太が島であることを発見(間宮海峡の発見)した間宮林蔵の偉業を称え、生誕200年となる昭和55年の1980年に建立されています。
間宮林蔵の立像 名所・史跡
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この像にある蝦夷地(北海道)測量の際に使用した測量器具は、師である伊能忠敬より譲り受けたものだそうです。右手に持つ鉄製測量鎖は間縄と呼ばれる伸縮する縄と違って正確なものではあったそうですが、重さがあるために測量は難しかったようです。
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高台に紅白のツートンカラーが鮮やかな「宗谷岬灯台」があります。灯台の歴史は古く、道内では根室の納沙布岬、小樽の日和山に次いで、3番目に建てられ、明治18年の1885年に初めて点灯されています。当時は石油を光源に使っていたそうです。
灯台の高さは17メートルで海抜約40メートルの位置にあり、光は17.5海里(約32㎞)まで達し、宗谷海峡を航行する船舶の重要な目標物となっているそうです。宗谷岬灯台 名所・史跡
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明治8年の1875年の樺太・千島交換条約により、宗谷周辺は国境となります。帝政ロシアが樺太に軍備を進めると、これに対応して明治35年の1902年に旧帝国海軍によって国境の防備として「大岬旧海軍望楼」は建造されます。当時最強と謳われたバルチック艦隊の動きを早期に察知する必要性から、重要な海上監視の任務が課せられていました。日露戦争の終結とともに監視哨としての使命を終えた後は大正9年の1920年に沿海州で勃発した尼港事件の際には無線通信基地として機能しました。稚内市は数回にわたる大火で古い建造物を消失しており、「大岬旧海軍望楼跡」は、同市内で現存する唯一の明治時代の建築物だそうです。
宗谷岬展望台 名所・史跡
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「宗谷岬音楽碑」は昭和55年の1980年に建立し、黒御影石に「宗谷岬」の歌詞と楽譜を刻んでいます。後に「30周年記念音楽碑」を建立し、スイッチを押すと千葉紘子の歌うメロディが流れるようになっています。ダ・カーポがNHKの「みんなのうた」で歌って昭和51年にヒットした曲は記憶に残っています。
https://www.youtube.com/watch?v=lt99viN4tvo宗谷岬音楽碑 名所・史跡
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昭和58年の1983年9月1日未明に発生した大韓航空機撃墜事件は宗谷岬の眼前のサハリン西海域で起きました。これは記憶に残っている航空機事故です。この「祈りの塔」は2周忌にあたる昭和60年に遭難者の慰霊と世界の恒久平和を願い、サハリンを臨む宗谷岬の高台に建立されたものです。19.83メートルある塔の高さは事故発生の年を、16枚の羽は遭難者の母国を、269枚の白御影石は遭難者の数を表しているそうです。
祈りの塔 名所・史跡
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宗谷岬の背後に広がる北海道遺産に登録された「宗谷丘陵」の景色です。その宗谷丘陵の丘の上に建つ「宗谷丘陵展望休憩施設」がゲストハウスアルメリアで、風車が目印になっています。周辺は宗谷岬牧場で、ホルスタイン種と黒毛和牛との一代交雑種や黒毛和牛同士を交配した肉牛を飼育しています。
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通常は濃厚飼料を与えて14ヶ月から17ヶ月で成長させて出荷しますが、宗谷岬牧場では、ミネラル分豊富な野草や牧草地で育てた自家産牧草などを24ヶ月から29ヶ月に渡って与え、のんびりと放牧させることによってストレスや病気を防いで育てているそうです。こうして育てた牛が稚内ブランドの「宗谷黒牛」で、「ゲストハウスアルメリア」などで味わうことができるそうです。
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「宗谷丘陵」を越えて再び国道238号線に戻りました。
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稚内空港を通過するとこの日宿泊するホテルも近いです。航空定期便が就航する空港としては、ここでも日本最北端になります。
稚内空港 空港
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空港の先には美しい煉瓦造りの建物が廃墟になっていました。何となくロシアの映画監督の「ノスタルジア」に出て来るサン・ガルガーノ修道院や湿った空気感を感じました。
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「宗谷岬」と「ノシャップ岬」間にある小さな「声問岬」にあるホテル「めぐま」には午後6時に到着しました。
ホテルめぐま 宿・ホテル
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この旅行記へのコメント (3)
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- きつねうどんさん 2022/06/09 07:49:18
- 旅してる気分になれますね
- はじめまして
写真が素敵です!
私が訪問したところも、未踏の場所も参考になります。
のんびりと自分が移動している気分になれました。続き楽しみにしてます。
- kojikojiさん からの返信 2022/06/09 08:04:44
- Re: 旅してる気分になれますね
- きつねうどんさん
おはようございます。旅行記にお立ち寄りいただきありがとうございます。まだこの先長いのですが、こうやってお便りいただけると夜遅くまで旅行記を作成する励みになります。またお時間がありましたらお立ち寄りください。
がんばります。
kojikoji
-
- きつねうどんさん 2022/06/09 07:49:17
- 旅してる気分になれますね
- はじめまして
写真が素敵です!
私が訪問したところも、未踏の場所も参考になります。
のんびりと自分が移動している気分になれました。続き楽しみにしてます。
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