2021/11/15 - 2021/11/20
465位(同エリア1223件中)
実結樹さん
この旅行記スケジュールを元に
門司港レトロでの実質最後の観光は「三宜楼」です。
門司港が繁栄した絶頂期の昭和初期に高級料亭として開業した木造3階建ての建物。
九州では現存する木造建築としては最大級の規模を誇ります。
しかし、建築から今年でも90年。
維持管理費の問題もあって解体の危機に瀕しながらも、地元の有志の皆さんが署名や寄付金を集め、北九州市を動かして保存維持に尽力されています。
そんなに深く考えずに ”未だ行ったことのない門司港レトロの建物の一つ” くらいの軽い気持ちで訪問しましたが、その経緯を知ると、是非、多くの方に訪れてほしい昭和の遺産だと気付きました。
「三宜楼茶寮」として、あの「春帆楼」がプロデュースする料亭も1階で営業しているのですが、(コロナのせいで?)2022年3月末まで長期休業中でした。
比較的安価に「春帆楼」の流れを汲む「ふく会席」が堪能できるようです。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 船 新幹線 JRローカル 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
「旧門司三井倶楽部」で遅めのランチ後、
旧門司三井倶楽部 名所・史跡
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「旧JR九州本社ビル」の前を通り、
-
15:35 街中からは少し離れた「三宜楼(さんきろう)」です。
「三宜楼坂」といわれる坂道を少し上った小高い所に在り、なおかつ石垣の上に建っています。 -
昭和6年に建てられ、往時は門司港を代表する高級料亭でした。
延べ床面積1200㎡以上、20室を超える大規模な木造3階建てで現存する木造建築としては九州最大級のものです。三宜楼 名所・史跡
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門
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玄関
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案内板。
無料で入れます。 -
玄関から真っ直ぐ奥に続く廊下
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ここは「三宜楼茶寮」として「春帆楼」がプロデュースするふく料理の料亭でもあるのですが、2022年3月末まで長期休業中だとのこと。
-
下関の「春帆楼」本店は二人以上からでないと ”ふく” のコース料理は受け入れてくれないのですが、「三宜楼茶寮」は比較的リーズナブルな値段で1人からでも利用可能なんです。
なので、本当はここで ”ナンチャッテ春帆楼” のふく料理を頂いてみたかったのですが・・ -
茶寮営業時には客席になる1階座敷のひとつ。
料金支払い所も無いし、誰も居ないので勝手に見て回ろうと思ったら、ここでボランティアガイドの女性の方が出ていらして付き添ってくれました。
見学する30分の間、他のお客さんは一人も来館しなかったので貸切でした。 -
この部屋は「三宜楼」の配膳室だったそうです。
今は事務所のようになっていてここでパンフレットを頂きました。
当時の資料も展示されています。
二階まで吹き抜けになっていて、当時としては珍しい電動リフトで階上の宴会場に料理が運ばれました。
調理場はこの左側でしたが取り壊されたそうです。
今の「三宜楼茶寮」の厨房も結構広いスペースが必要だと思うのですが、一見して見当たりませんでした。
でも、何処なのかは聞きそびれました。 -
「三宜楼」の骨組み模型
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2階への階段は「天空への階段」といわれています。
階段途中の壁にも、突き当り大広間の廊下踏込部分にもそれぞれ異なった意匠の「下地窓(したじまど)」が設えられています。
左は山、階段上が満月、右が雲を表しています。
今調べたのですが、下地窓とは土壁の一部を塗り残して、下地の小舞(こまい)と呼ばれる格子状に組んだ竹や葭を敢えて見せた窓のことなんだそうです。 -
通称「百畳間」といわれる2階の大広間。
実際は64畳ほどだそうです。
格天井にシャンデリアが輝いています。
この上に更に3階が乗っているのに、座敷の中に柱が1本もありません。
当時の建築技術の高さが伺えます。
大広間は比較的安価に一般向けに貸し出しもされています。 -
大広間の16畳の舞台では能や踊り、長唄などが披露され華やかな宴会が繰り広げられました。
出光興産創業者の出光佐三や俳人の高浜虚子など様々な芸術家や文化人が訪れたと伝えられています。 -
人気芸妓「小りん」の裾引きの着物と帯とカツラ
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南画家の北村李軒の書
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床の間脇に飾られた太鼓
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床の間の掛軸
3人の方の書みたいですが内容はよう分らん・・ -
個室。
換気のため窓が開いていますね。
掃除や管理や運営も地元の有志の皆さんが運営協議会を結成して行っているとのこと。
お世話になったボラガイドさんも当番で詰めていたそうです。
三宜楼のことだけではなく門司港全般の雑談にも快く応じて頂きました。 -
門司港の繁栄を象徴した「三宜楼」にも戦後は衰退の陰が忍び寄り、昭和30年頃に料亭を廃業しました。
その後は一部間貸しをしていた時代もあったそうです。
この窓の向こうは間借人が住んでいた部屋だったとのこと。 -
3階の一般に公開されていない座敷には畳は敷かれてありませんでした。
ガイドさん同行ならでは覗かせて貰えるお部屋です。 -
3階の廊下にはレトロな電話室
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3階で唯一公開されている「俳句の間」はボラガイドさん同行時のみ見学可能。
高浜虚子が俳句を詠んだ部屋だそうです。 -
関門海峡も見渡せる角部屋の特等室です。
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俳句の間前室の丸窓障子
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1階に戻って来ました。
茶寮の客室として使用されている部屋は営業中は見学に制限がかかりますが、 -
休業中なのでそういう点では却って自由かもしれません。
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ガイドさんにお礼を言って玄関に降り立ちます。
入場料は掛かりませんが維持協力金の募金箱は設置されています。 -
内側から見た門
-
昭和30年頃に料亭を廃業した後、住んでいた親族が
平成16年に亡くなると、遺族は相続を放棄。
売却・解体の危機を迎えます。
それを知った地元の有志が「三宜楼を保存する会」を結成し、16,000人の署名と1,900万円の募金を集めて土地所有者から所有権を取得。
その後、行政の支援を受けるべく北九州市に寄贈され、
平成24年から2億4千万円を掛け保存補修工事に着手。
平成26年3月に本体工事を終えました。
その後も地元有志の方が管理運営に尽力されています。
こうした地元の皆さんの ”郷土の歴史的財産を大切に守っていきたい” という篤い思いに応えるためにも是非、港エリアからちょっと足を伸ばして訪れて頂きたいと、実際に行って改めて思いました (_ _) -
この後、「九州鉄道記念館」をカスって、夕暮れの重要文化財「門司港駅」から今夜の「名門大洋フェリー」乗船に向かいます
門司港駅 駅
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