2023/06/01 - 2023/06/01
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万歩計さん
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昨年の門司港に続き、今回は残りの門司駅周囲を歩いた。ここには江戸時代に長崎街道の大里宿がおかれ、明治後期から大正にかけて隆盛を誇った鈴木商店(神戸市)の企業城下町として栄えた。その名残は九州で最初のビール会社「帝国麦酒株式会社」の門司工場跡や、敷地内の建物の殆どが煉瓦造りの現役工場である関門製糖(株)工場に残っていた。門司は赤煉瓦倉庫の町である。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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9:43 フェリーターミナルからのシャトルバスに乗りJR門司駅で下車。昨年の門司港の続きで門司の街を歩きます。
門司駅 駅
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駅からすぐの海岸通りに「門司赤煉瓦プレイス」。
門司赤煉瓦プレイス 名所・史跡
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イチオシ
九州で最初のビール会社「帝国麦酒株式会社」の門司工場として、大正2年(1913)年に竣工した煉瓦造りの建物群が並んでいます。
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この大きな建物は旧醸造棟で国登録文化財。
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門司工場は生産が新工場に移転する平成12年まで操業しました。
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イチオシ
110年を経た建物は存在感十分。
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重厚なレンガ建築の重なり。
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側面に回ると、
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ウッドデッキのテラスになっています。
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テラスに面した小振りの建物は旧変電所。後に組合棟として使用されました。
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アーチ型の窓枠を飾るグレーの漆喰
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大正初めの建築ですが、まだ明治の雰囲気が残っています。
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現在は「赤煉瓦写真館」としてテナントが使用。
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内部の写真をお願いしたら快諾。
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赤煉瓦写真館
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赤煉瓦写真館
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更に建物の外観を見ていたら、
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Rose Court
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やはりバラと煉瓦は相性抜群
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テラスを挟んで建つのは旧工場事務所棟で、現在は北九州市門司麦酒煉瓦館。
門司麦酒煉瓦館 美術館・博物館
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こちらくすんだ色の鉱滓煉瓦が使われています。
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館内は博物館やギャラリー。
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1階は「大正浪漫の部屋」。門司工場操業開始当時の資料を展示しています。
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明治末期、門司の財界人は九州最初のビール会社設立を画策。当地で隆盛を誇った鈴木商店(神戸市)の援助を受け、大里町に工場を建設しビールの製造を始めました。
~門司赤煉瓦プレイスHPより門司麦酒煉瓦館 美術館・博物館
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竣工当時の工場ジオラマ
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九州最初のビールの商標は「サクラビール」
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2階へ
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注意深く見ると、階段の親柱にサクラビールのシンボルである桜の花びらのデザイン。
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昭和・平成の部屋
サクラビールは長い歴史の中で合併や分割を経て、最終的にサッポロビールとして平成12年まで操業しました。 -
お馴染みサッポロビールのレトロポスター
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総煉瓦張りの部屋は浪漫展望室。
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イチオシ
正面にスゥイングベルがあります。
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交流サロン
ビールの歴史、文庫、ジョッキコーナーを展示 -
この壁の質感は素晴らしい!
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旧工場事務所棟を出ると道向かいに大きな建物があります。
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旧倉庫で現在は赤煉瓦交流館。
門司赤煉瓦プレイス - 赤煉瓦交流館 名所・史跡
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やはり国登録重要文化財
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傍らに長崎番所跡。海岸通りのこの道は旧長崎街道です。
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赤煉瓦交流館の内部はコミュニティホールとして地域のまちづくりに活用されています。
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赤煉瓦の上に塗られたモルタル
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天井の梁もgood
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この辺りは旧長崎街道の大里宿でした。
豊前大里宿趾 名所・史跡
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これから旧街道を史跡を見ながら門司港の方角に歩きます。
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一里塚跡
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人馬継所跡
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御高札・南群屋跡
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重松彦之亟屋敷跡
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仏願寺
僧侶たちはここを寺子屋として子供たちに読み書きを教え、明治6年に大里学校が設立されると僧侶達がそのまま教師になったそうです。仏願寺 寺・神社・教会
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八坂神社の参道
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江戸時代はここに本陣がありました。
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八坂神社の境内に残る石原宗祐が寄進した石灯籠。石原宗祐については後述。
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同じく鈴木商店と関係が深い「池田組」池田源次氏寄贈の狛犬。
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旧大里倉庫
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鈴木商店大里製糖所が製糖原料をとしてジャワ糖を輸入する際に使った倉庫です。
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現在は飯野物産(株)門司営業所の倉庫になっています。
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石原宗祐屋敷跡
石原宗祐は大里村の庄屋。江戸時代中期に、飢饉に苦しむ農民を救うため庄屋の職を辞して、私財を投入して干拓事業(33ha)を行いました。宗祐は97歳で生涯を閉じましたが、遺族に残されたのは借金だけだったそうです。 -
関門製糖(株)工場。明治37年竣工の旧鈴木商店大里製糖所の工場群が始まりです。
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もともとこの地域一帯が鈴木商店という、かって日本有数の総合企業体の一大工場群でした。サクラビールの創業には鈴木商店の援助が大きかったのも頷けます。
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敷地内の建物の殆どが煉瓦造りの現役工場は、全国的にも珍しいそうです。
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岸壁にある倉庫の横は通行可能。
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対岸に遠く戸畑の工場群が見えます。
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会社は変遷を経て現在は関門製糖(株)になっています。
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更に門司港の方に向かって歩くと切妻造りの赤煉瓦の建物が並んでいます。
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ここも大正3年に鈴木商店が建設した旧大里酒精製造所が始まり。
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歴史の中で吸収・合併を経て現在はニッカウヰスキー門司工場倉庫。大里は鈴木商店の成長と共に発展したのが分かります。
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最後に鹿児島本線を越えた南にある「柳の御所」跡へ。
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1183年、木曽義仲に京の都を追われた平家一門は、安徳天皇を擁して海上を彷徨い、やっとこの地に仮御所を造営しました。「大里」の地名は宮中の「内裏」から来たものです。
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平家の都落ちの下りは、「新平家物語」の中でも特に印象に残っています。一門は9月13日の夜にここで歌宴を開きました。
都なる 九重の内 恋しくは
柳の御所を 立寄りてみよ 薩摩守 忠度
君住まは ここも雲井の 月なるを
なほ恋しきは 都なりけり 大納言 時忠 -
境内に朱屋根の小さな社殿。これで門司の歴史散策は終了。
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11:59 門司駅に戻り、次の目的地小倉へ。
門司駅 駅
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