2016/05/09 - 2016/07/29
4140位(同エリア7854件中)
おくさん
歩く歩く歩く2016 ポルトガル人の道2
日本出発から49日目 バイラオ - バルセロス
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 徒歩
- 航空会社
- カタール航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
6月24日(金)キッチンでインスタントの玉ねぎスープを作り、昨日買っておいたチーズとパンを入れる。他にプラム少しとインスタントコーヒーで朝飯。ドイツの女の子がスープを作り始めたので安物のスティックコーヒーを1本上げる。この子は昨日、バルのコーヒーをテイクアウトしたくらいコーヒー好きらしいのでインスタントなんか飲まないかと思ったが喜んでくれた。名前を教えてもらったらアンナだった。ドイツぽくなく聞きなれた名前なので日本なら花子みたいなもんか。
-
一人で出発して次の村の中に入って行くと、野放しの大きな犬が近くまで寄ってきて吠えてやがる。スティックを2本持っているから攻撃してくるようなら1本は威嚇で突っついて、もう1本の重たい柄の方でぶっ叩いてやると兼ねてから作戦を考えていたが、顔つきからするとただ吠えているだけのようで掛かってはこない。犬は後ろを見せると攻撃してくる可能性が高いので、油断せずにその場を離れる。
ずっと歩いていて一番のストレスがこの犬に吠え掛かられることだ。あるときは柵越しに2匹の犬が頭を出して吠えてやがったので、殴るには調度いいと思ったが止めといた。巡礼がうちの犬を殴ったなんてことが評判になると、後の人たちに申し訳ないから。
体の小さい女性の場合は更に気の毒だ。犬は自分より弱いと見ると調子づいて更に凶暴になる。逃げれば必ず追いかけて噛みつこうとする。逆に、こちらが堂々としていると吠えているだけだ。ある時は分岐点に立ち止まって考えていたら向こうの方で繋がれていない小型犬がワンワン吠えまくっている。どうせそっちへ行けば逃げるか大人しくなる癖にと思いながら近づいて行ったら、案の定、庭の中にしっぽを巻いて逃げ帰って行った。犬好きには悪いが本当に犬は卑怯だ。 -
今日は28キロなのでひたすら歩き続ける。天気は快晴、昨日のように少し雨が降ってもいいから曇りの方が有難いな。10時すぎるとメチャクチャ暑くなってくるが、乾燥しているので日陰や風があるととても涼しい。スペイン・ポルトガルでは暑くても熱中症にはなり難い気がする。
ボトルの水を満タンにすると重いので、いつも500mlの半分ほどしか入れないのだが、暑くなると水の消費が進むので、これからは満タンにした方が良さそうだ。水はいつも水道の水を飲んでいるが、注意していることは湧き水は飲まないことだ。こっちでは村の中や道の途中に出しっぱなしの水場があちこちにあるが、それらを不用意に飲んで下痢になった話を何度か聞いたことがある。歩いている最中に下痢、考えただけでも恐ろしい。
先ほど追い抜いて行った自転車巡礼が道端にあった建物に入って行くのが見える。どうやらここはスタンプを押してくれる施設らしい。ボトルの水が心細くなっていたので、一石二鳥と入って行く。男性が一人だけ居て愛想がいいので、やっぱり巡礼関連の施設なのかも知れない。スタンプがちゃんとあったし。水が欲しいと言ったところ、奥からミネラルウォーターのボトルを2本持ってきてくれたが、私は水道の水がいいんだと伝え、洗面所から汲ませてもらう。これで暫くは安心だ。 -
ポルトガルの道は何しろとても暑いので、ボトルの水の残りには常に気を使う必要がありそうだ。残り少なくなってくると、あと何口と勘定しだし、最後の一口になった場合は、もしもの時の為に次の宿泊地の目途が付くまでは飲まないようにしている。水と食べ物さえあれば歩き続けることができる。
歩いていると手書きで作っておいた地図の地名が幾つか出てきたので作りがいがあった。ポルトから2日目までの区間は巡礼路がはっきりしなかったので事前に地図は作れなかった。なので急きょ手書きで作ったものしかないので、今のところは手さぐりで歩いている状態だ。早く日本で作った地図の町まで辿りつきたい。 -
途中の村に入ると道沿いに公営アルベルゲがあったが、時間が早いのでパス。そこを20mほど行った所に小さな教会があって道の反対側にはこれまた小さなスーパーがあったので、簡単に食べられる物とコーラを買って、靴を脱いで教会の石段に座って食べさせてもらう。その横を何人かの巡礼が通り過ぎて行った。
※3年も後の2019年の話になりますが、このラテス村に再度やって来ました。その時に村の人と楽しく交流でき、一組の夫婦とはフェイスブック友達になって親しくやり取りするようになるのだから縁とは不思議なものです。
今日の目的地のバルセロスが近くなった頃には疲れと暑さでヘロヘロになってしまったが気力で歩き続ける。町の中に入り、見つけたアルベルゲの看板に従い細い坂道を上がって行くと、近所のおばさんが「そこだそこだ」と言うので表示を見てみると、公営ではない私営のアルベルゲだった。おばさんは頼みもしないのに呼び鈴を押して中の人を呼び出してしまった。私は公営に泊まりたかったので、折角出てきてくれたのに申し訳ないが公営アルベルゲの場所を教えて貰う。
公営アルベルゲは大きな橋のたもと近くにあった。喜んで入って行くと、中にいた人からはいつもと違った反応が。。。今日はフィエスタ(祭り)があるのでここはクローズだそうだ。つまり泊まれないだとーっ!ガクッと疲れを感じ膝が折れた(ウソ)。 -
仕方ないのでさっきの私営アルベルゲに泊まろうかと戻る途中、今度は道路の反対側の親父が「アルベルゲはそこだそこだ」と言うのでこの通りにもあるらしい。が、ちょっと見は分からない建物だったのでキョロキョロしていると親父が道路を渡ってやって来て、親切にアルベルゲの中まで入って係りの人を呼び出してくれる。さっきのおばちゃんと言い、この町の人は何かと世話好きのようだ。
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アルベルゲらしからぬお洒落な建物の中に入って行くとシティーホテルみたいな空間だった。ここではチェックインしなくて、2階まで女の子のあとに着いて行く。どうも1階はアルベルゲとは別の施設のようで、アルベルゲは2階から一旦外に出て、屋上の中庭みたいな空間を渡って行くと、これは最初におばちゃんが教えてくれたアルベルゲと同じ建物で、おばちゃんが教えてくれたのはここの裏口だったのが分かった。とすると、少し前に公営の場所を聞いた人は、今案内してくれているこの人だったのか?ちょっと微妙な空気が漂った気がした。
チェックインするレセプションにはアンナが受付中だった。あらま、アンナもここに来ていたのか。アンナは暫く前に休んでいたところを抜いていたが、私は公営に行ってからこっちに来たが、アンナは直接来たので私より先に到着したようだ。なにはともあれ再会できたので嬉しい。
こんなに綺麗で新しく、Wi-Fiまであって5ユーロと言うので聞き間違いかと思った。ポルトガルってこんなに物価が安いのか!?スペインの私営アルベルゲは10ユーロが標準価格だ。安くても8くらいなのに、ここは5ユーロだと。なんて良いところなんだろうポルトガル。設備が古くてサービスも悪くてWi-Fiもないけど安さだけが売りの公営の存在意義がなくなるだろうと思った。 -
ベッドルームもゆったり作られているし、ベッドもとても頑丈に作られた木製だった。これなら上の人が動いても下に震動が来ることもなさそうだ。アンナがシャワーの後、スーパーに一緒に行くかと言うので行くと返事をしたが、私がシャワー後に洗濯までして待たせたのが気に入らなかったのか、干し終わってから「行く?」と言ったら後で行くなんて言っている。ま、いちいち気にしていたら切りがないので一人で行くことにする。
スーパーは近い所にひとつと大きな橋を渡ってしばらく歩いた所の2か所あるが、マップでは近い所はミニという文字が付いていたので遠い方に「暑い暑い」と言いながら行ってみたが、ここんちは大した品揃えでないのに加え、冷えたビールを売っていなかった。色々買ったところで、レジ袋を持ってくれば良かったことに気付いたが後の祭り。スペインではレジ袋が有料のスーパーが半分はありそうなのだ。ここんちも有料で0.10ユーロ余計に取られた。大した額ではないが、レジ袋は雨の日に荷物を濡らさないために常に2つ3つ持ち歩いている。アルベルゲに戻ればそれ以上は必要ないので捨ててしまうことになるので勿体なく感じてしまう。それよりどうしても冷えたビールが飲みたいのでスーパー併設のバルで1杯飲ませてもらう。ここんちのビールは安くて、何と0.75ユーロ(86円)でつまみまで出してくれた。アルベルゲといい、バルといい、ポルトガル良い所だなー。
買い物から戻ったらアンナは既に買い物が済んだようで、談話スペースで何か食べていた。どこに買いに行ったんだろう?買ってきたビールは常温なので、冷凍庫にあった氷を入れたグラスで飲むことにする。古い氷ではないようで十分に旨い。ビールに氷を入れて薄まることは気にならない。温いビールを飲むより遙かにマシだ。
このアルベルゲにはアンナの他に二人のドイツ女性がチェックインしていた。3人でドイツ語で良くお喋りしているので羨ましい。一人は縦横とも大きく、そのファッションと共にインパクト大だ。本物の女性版マツコみたい。もう一人は年配で、私と同い年くらいに見える。どちらもソロで歩いているようだ。夕飯には大きな鍋でパスタを作り3人でシェアしていたので、これもまた羨ましかった。 -
大きな橋を渡った所に古城か砦みたいのがあって何かイベントらしきものをやっている。大音量で音楽を流しているので見物に行ってみる。この古城を舞台にしたフィエスタが明日か明後日に催されるようで、そのリハーサルをやっているようだ。それはさておき、古城の中を見物してみると、そんなに大きな城ではないのが分かった。この橋を守るための砦のようだな。
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一通り見終わったのでリハーサル会場に行ってみると、こちらも丁度終わったようで女性歌手が引っ込むところだった。え?これってCDを流してのリハーサルじゃなくて、本物の歌手が歌ってたの!?どうりで見物人が何人かその様子を見ていた筈だ。大きなスクリーンには本番で歌う女性歌手が大きく映し出されていたので、その本人が歌っていたらしいのが分かり、凄く残念な気がした。また歌ってくれないかなとカメラを用意して待っていたが、その次はファッションショーのリハーサルが始まって、モデルの女性が出たり入ったりしているだけだった。明日がフィエスタの本番なら、もう1泊ここに泊まって祭り見物もいいかなとの考えが脳裏をかすめた。公営アルベルゲには基本的に1泊しかできないが、私営にはそういう制約はない筈なので。
たまにはまともな食事がしたいので、巡礼定食を食べさせる店がないかと探し歩く。でもこの町にはないようだ。来る途中の町では定食の看板を見たのだが、そこまで戻るには1時間ほど掛かるかも知れないので無理だ。タブレットの地図に載っていたミニ・メルカードに期待せずに行ってみる。そしたらここんちの方が昼に行ったスーパーより遙かに品揃えが良く、前の店には無かった冷えた1リットルビールや卵、パンも売っている。それに加えてインスタント・スープにスティックコーヒー、桃缶を買ってアルベルゲに帰る。食料がいっぱい手に入ったので嬉しくなる。 -
ここでもう1泊しても、近くに良いスーパーを見つけたので食生活は豊かだなと、また考える。本日二度目のシャワーをしてから卵を入れたスープを作り、カサマシにパンをちぎって入れる。見た目はまぁこんなモンだが元々雑炊やおじやが好きなので、洋風雑炊と思えば悪くない。デザートだけは桃缶にヨーグルトと豪華。
バルセロスの町は、来る前にはアルベルゲが確認できてなかったが、来てみたら公営が1軒(やってなかったけど)、私営が2軒もあった。今日泊まった「AMIGOS DA Montanha 」は奇麗で快適。ベッドもがっちりタイプでキッチンも使える。それなのに5ユーロと格安なので絶対にお勧めだ。 -
暗くなったら橋の反対側の古城でイベントが始まった。明日かと思っていたが今晩が本番だったようだ。屋上から遠く離れた古城を見ると、カラフルなサーチライトが夜空を照らし、賑やかな音楽とともに女性歌手の歌声が聞こえてくる。ドイツの若い女の子二人は軽快な音楽に合わせてステップを踏み出したよ。このフィエスタは何と夜中の3時になっても続いていた。ポルトガルのお祭りやり過ぎ。
日本出発から50日目 バルセロス - Lugar do Corga -
6月25日(土)バルセロスの快適な私営アルベルゲ。朝飯はキッチンでインスタントの玉ねぎスープを作り、昨日の残りの卵3個とパンを入れるお得意料理(料理?)。桃缶の残りとヨーグルト2個も食べて健康的。ここには大きなテーブルがひとつしかないので、同じテーブルでドイツの女性3人が何やら賑やかにお喋りしている。もちろんドイツ語なのでまったく分からないが羨ましい。
英語で話してくれたところによると、若い二人はポンテ・デ・リマまでの34.5kmを歩くそうだ。私は昨日28キロ歩いて疲れているので、手前のLugar do Corgo迄の21kmにしときたい。そこには私営アルベルゲのCasa da Fernandaと言うのがあるらしいのでそこを目指す。 -
巡礼路は昨日の城の脇を通っていた。この町の象徴とも言うべき大きな鶏像が城の広場に設置してある。これは「フランス人の道」が通過する町、サント・ドミンゴ・デ・ラ・カルサダと言う長い名前の町に伝わる伝説とそっくり同じもので、どっちかが真似したとしか思えない。しかし、どちらも自分ちが本家と絶対に譲らないだろう。特にポルトガルでは、この鶏をガロと言って、バルセロスのみならずポルトガル中で名産にしているので真似したことになったらポルトガル自体が衰退しかねない(?)。
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田舎道に入ると先に出発して行った女の子の足跡が砂の巡礼路にくっきり残っている。靴の模様は誰のだか分からないが、この道を歩くのは今の時間、巡礼だけだろう。同じ模様の靴型がずーっと続いているので二人の内どっちかでまず間違いない。面白いもんを見つけたので足跡を追うという変わった楽しみが増えた。
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小さな村の細い道にも石が敷き詰められていて、その両側は良く見られる石を積み上げた低い塀で囲われている。路上には花びらや葉っぱが延々と落ちていて、石塀の上には所々にまだ消えていないロウソクが赤いガラス筒の中で揺れていた。ここで昨日か今日、マリア様の行列があったのかと想像する。いや、こんなガラス瓶の中のロウソクが一晩中燃え尽きない訳はないので、きっと今朝ここで行列があったんだろう。もう少し早くここにやって来ていたら祭りに遭遇できたんかもね。似たタイプの大きな祭りはテレビで紹介されてたのを見たことがあるが、こんな小さな村でも同じような祭りをやっていたようだ。時間が合えば見てみたかったな。
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小さな教会広場にあった案内板を見ていたら、アルベルゲで一緒だった年配のドイツ婦人がやって来た。ひと言ふたこと言葉を交わした後は一緒に歩くようになり、10km歩いたTamelの村に公営アルベルゲがあったので、私の日程は余るから早目にここで泊まってもいいかなぁとバックパックを下してベンチで暫く考えていると、ドイツの婦人はあっちに行ったりこっちに行ったりして付近を探検しているようで、この場から離れないでいる。私が出発するのを待っているのか、ちょっと行動が変だな。どうしようかと考え続けていると待ちくたびれたのか婦人は行ってしまった。
やっぱり時間がまだ早いので次のアルベルゲを目指すことにする。200mほど歩いて村外れまでやってきたら、ドイツ婦人はまだそこに居て、私を見てニコニコと笑っている。近くにバス停があるので、バスに乗ってしまおうかどうしようかと考えていたそうだ。貴方はポンテ・デ・リマまで行くのかと聞くので、手前のCasa da Fernandaだと答えると自分もそうすると言って一緒に歩きだした。どうも先ほどの不可解な行動と合わせて推測すると、実は私と一緒に歩きたかったらしいのが分かる。ソロで巡礼している女性はとても多く、昨日のアルベルゲで一緒だったこの女性含めた3人が全てソロだったのを見れば想像がつく。
人里離れた山の中や、離し飼いの犬が多いポルトガルやスペインの道を女一人で歩くのは男よりずっと不安で心細いのは容易に想像できる。そう言う人は一緒に歩く道連れを常に求めているのかも知れない。更に、道連れとして選ぶからには女性は男よりずっと人となりを見極めようとする筈だ。私は道連れとしてお眼鏡に適ったのだろう。どうもありがとう。
おばさんの名前はマリアで、私の年齢を尋ねてから自分から69歳だと言って来た。でも、すぐ70になるとまで付け加えている。それにしては若く見える。聞く前は66の私とどっこいかと思っていた。 -
この人はスティックは持たず、靴も子どもが履くようなゴムのズックだった。スティックなしで坂道はどうするんだろうと見ていると、ひょいひょいと足取り軽く上って行くので体力はありそうだ。スティックはいいとしても、あのズックで石畳の道は痛いだろなーと思う。ポルトガルの石畳は10cm四方のごつごつした自然石を斜めに敷きつめているので、どう歩いても角を踏むことになってしまう。靴底がしっかり作られている私のウォーキングシューズでさえ閉口しているのに普通のズックだ。でもひとつも泣き言は言わないのでさすが気丈なドイツ婦人という感じがする。(写真はその石で、敷き詰める工事をしていた)
アスファルトが溶け出して靴にネチャネチャくっついて来るのが気持ち悪いので、なるべく溶けていない所を探しながら歩く。日本の昭和時代には良くあった、溶けて黒びかりしているアスファルト道路だが、日本ではアスファルトの性能が良くなったのか、ついぞ見かけなくなったがポルトガルではまだ現役だった。我々歩行者が嫌がるんだから、車のタイヤにも悪影響だろなー。 -
そんな道を延々と歩いて行くと村に水飲み場があった。出しっぱなしの湧水じゃなくて蛇口が付いているからちゃんとした水道だ。もちろんボトルに水を汲ませてもらい、頭にも水をぶっかける。こうすると暫くの間は涼しくて快適だ(5分くらい)。マリアもやったら?と提案したが、やっぱりそこまではやらないらしくボトルに汲んでるだけだ。涼しいのになー。
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蛇口には何やら立派なレリーフがあったので、あとで訳してみたらこの辺りの教会が巡礼のために設置したものらしかった。次の村にあった小さな教会の前にも水道があったので、また頭に水を掛ける。こういうのが頻繁にあると暑い道でも元気に歩き続けられる気がするが、こんな幸運は滅多にあるものではない。
村を出たところの十字路に看板が立っていて、巡礼路を外れるが50mの所にバルがあると書かれている。コーラも飲みたいし腹に何か入れときたいのでマリアと二人で寄り道する。実際には100m以上あったが50mの過少申告は何とか客を引き寄せようとする苦肉の策なんだろう。私のように、100mは嫌だけど50mなら行ってみるかと思うもんな。
バルの庭先に入って行くと地元の夫人二人がオォッ!!と言う顔をして何故か反応しているので、ペレグリノが珍しいかと思ったが、良く見ると隣にバックパックが置かれていたのでこの人たちも仲間と言うことが分かり「ペレグリノ?」と声を掛ける。アメリカのニューメキシコからやって来たおばちゃんペレグリノで、二人とも普通のスカート姿だ。スカートで歩いている人は滅多にいないので地元の人かと思った。いまだけでも4人があの看板に引き寄せられた訳だから、看板効果は抜群のようだ。
英語が堪能なマリアが何やらアメリカ婦人とお喋りを始めている。英語が自由に喋れる人は本当に羨ましい。と同時に英語が母国語の人は何の苦労もせずにこの幸運を享受できるのに、自分自身はその幸運には気が付いてないんだろな。他のみんなはあんた達と英語で話すために努力してるんだよ、特に苦労している自分。 -
私はコーラと旨そうなカステラみたいのを食べる。コーラとビールは同じ値段なので、いつもはビールだが、たま~にコーラも無性に飲みたくなる時がある。一休みした後はこの4人で一緒に歩きはじめる。滅多に巡礼に会わないこの道では、出会うと大抵こうなる。
田舎道で向こうから半裸のおじさん巡礼がやって来たので、ファティマへ行くのかと聞いたらそうだって。このサンチャゴ巡礼路はファティマの巡礼路と重なっている割に逆方向から歩いて来る人は滅多にいなくて、ファティマへ行くと言った人はこれが初めてだった。でもリスボンからファティマならもっと居るのかな?この辺りでファティマを目指す人はサンチャゴ巡礼の延長として歩くのかも知れない。 -
今日の目的地まではまだ1時間は有るだろうと思って歩いていたところ、農家の入口みたいな所に小さな看板があってそこが今日の宿だった。庭に通じる入り口にはブドウのツルが覆いかぶさっていて建物は見えないし、小さな看板を見落とすと絶対に通り過ぎてしまいそうだ。
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1時半にあっけなく到着。入口もそうだが、入って行くと農作物や雑草が生い茂っていて普通のアルベルゲとは全然違っていた。3匹の小型犬が自分のテリトリーに入って来た曲者にキャンキャンとやかましく吠えかかって来る。毎日色んな人が泊まって行くアルベルゲなのにこんなに吠えるのか。いい加減慣れろよ。
小さな犬だし無視していたら、後ろからズボンの裾に噛みついてきた。蹴飛ばしてやりたくなったが、これから泊めて貰う家の飼い犬なのでそうも出来ないから睨みつけてやったら後ずさりしている。まったく犬って奴は。 -
受付時間はまだ先のようなので、みんなで屋根の下のくつろぎスペースでのんびり休ませてもらう。日なたはえらいこっちゃだが日陰は涼しく、ソファーもあって快適。私たちが待っている所に、おかみさんが煮豆を皿いっぱい出してきた。待っている間にこれでも食べててと言うサービスのようだ。
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この建物の屋根瓦が面白いことに気が付いた。ポルトガルには良くある瓦らしいが、まじまじと見たのはこれが初めてだったので興味津々。言うなれば土管を半裁したような形で、素焼きの瓦を屋根材として使ってある。その瓦を屋根に渡してある角材の隙間に並べ、その上に被せる形でもう一枚を載せてあるだけのようだ。これなら降った雨は下の受ける係の瓦を通して表に排出されるのか。とても簡潔で合理的なシステムと思った。ただ載せてあるだけのようなので、台風がやって来る日本じゃ使えないだろなー。
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暫くしたら今度は娘さんががやってきて受付をしてくれる。私営なのに夕飯・朝飯がついてドナティーボでいいとのこと。宿泊費は明日出発の時でいいそうなので、サービスが気に入ったら見合う額を入れればいいらしい。ベッドルームに入って行くと、ここは全てが平ベッドだった。たったの10ベッドしかないが今のところは人数的に余裕だ。
露天の洗濯場はとても粗末だったが洗えれば良いのでこれで十分だ。日差しが強いのですぐ乾いてくれるだろう。その後はいつものようにビールが飲みたいので村の中を探してみるが、この村は隣の家まで数百メートルも歩くような淋しい村だった。暑い中を彷徨っても結局見つからなかったので仕方ないから帰って来ると、外の団欒スペースでビールを飲んでいるおじさんがいる。どうしたのか聞いたらオーナーが売ってくれたそうだ。私もすぐ隣にあるオーナーの自宅に行って2本お願いする。幾らと聞いたら明日のドナティーボと一緒でいいそうだ。ありがたく頂く。ん、この一連のサービスは北の道で泊まったアマンディのアルベルゲとそっくりだなと気づく。
靴底を見たら、溶けたアスファルトがこびりついているので丹念に剝しておく。マリアはどうかなと靴置場を見てみたら、マリアの靴底は擦り切れてツルツルだった。おまけに1cm近い小石まで埋まっていたので、マリアはトシなのにこんな靴で歩いていたのかと哀れになった。日本の強力接着剤を持っているので、靴底に何か貼れるといいのだが周りを見回しても手頃な材料が何もない。小石だけほじくり出して、また靴置場に戻しておく。マリアは靴を買う金がないのかな?これじゃぁ足を痛めてしまうので早急に買い替えた方がいいと思う。
夕飯を食べられるのは有難いが7時からだそうだ。昼飯を食べていないので手持ちのクッキーを食べて繋いでおく。
後から到着してきたカップルの女の子の靴が凄いことになっていた。靴底が剝がれてバカバカしている。それをセロテープでぐるぐる巻きにして何とか凌いでいるようだ。これこそ日本から持ってきた強力接着剤の出番だ。接着面を奇麗にしてからたっぷりと塗ってやり、乾くまでのあいだセロテープでぐるぐる巻きにして、おまけに持参の結束バンドで締め付けておいた。そしたら「こっちもなの~」と反対側の靴も剥がれ出したことを申告してきたのでそっちも同じように修理してあげる。だがこの接着剤の固まるまでの時間は24時間と謳っているので明日出発までには時間が足りないのが少々不安だ。そのことも女の子に変な英語で伝える。 -
誰かが後から教えてくれた所によると、このカップルはアメリカとイギリス人同士だが、昨年、フランス人の道で出会って仲良くなり、今年は申し合わせてこうしてポルトガル人の道を一緒に歩いているそうだ。そんなテレビドラマ見たいなこともあるんだな。青春真っ盛り。
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やっとお待ちかねの夕食の時間になったので、みんなでオーナーの本宅に移動していく。オーナーは「せんだみつお」にそっくりの若いお爺さんで、その子供夫婦が実際の切り盛りをしているようだ。奥さんの方が遠慮なくオーナーに振る舞っているので、奥さんが実の娘かも知れない。ネットからせんだみつおの顔写真を出して見せて上げようと思ったが実際に見たせんだみつおは、そっくりと言うほどでなかったので止めといた。
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旨そうな田舎料理がたくさん並び、食べ放題、飲み放題で腹がいっぱいになる。食べ終わったらオーナーがギターを出してきて即席コンサートの始まり。最初はみんなの知っている懐かしい歌から始まり、私もメロディーだけは知っているのが幾つもあった。歌詞は分からないけどラララでメロディーを歌ってやると、日本人も知っていたと受ける。
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オーナー家族は興が乗って来たのか、家中の酒を出してくる。中でもポルトガル名物ボルトワインが旨かったので、何杯も頂く。これも飲んでみろと勧められて飲んだ透明の酒は飲むなり咳き込むほど強力だった。
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歌の方は後から後から止むことなく歌われて、そう言えばポルトガルにはファドと言う有名な民謡(?)があったのを思い出し、「これファド?」と聞いたらそうだそうだと言うが、想像していたファドとは別物だったのでファドの定義が違うのかな。でもまぁ図らずも有名なファドと言うものを聴けたので嬉しかった。
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若いカップルは軽快な音楽になったら食堂の隅っこでジルバらしきダンスを踊り出したので、「欧米か」と突っ込みを入れたいところだ。楽しそうな二人を動画で撮ってみる。動画なのでピンボケ風。
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普段は緊張しているのか、幾ら飲んでも滅多に酔うことはないのだが、さすがにこの日は酔ったようでこんな感じだ。マリアがどんだけ飲んだのか知らなかったが、写真を見るとマリアも相当酔っていたようだ。これだけ飲ませてくれるアルベルゲは後にも先にもここだけだった。
明日の朝食は7時からと教えて貰ってお開きになる。こんなに飲み食いさせて貰ったんだから、明日のドナティーボには20ユーロ入れようと密かに思った。円ならたったの2,400円ほどだが、昨日の私営アルベルゲの宿泊費がたったの5ユーロだったことだし、ここポルトガルの物価を考えるとまぁまぁだろう。
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