プチ旅　首都圏で最も近いSL　パレオエクスプレスに乗ってみた

2021/02/27 - 2021/02/27

首都圏で最も近いSL、秩父鉄道パレオエクスプレスに乗ってきました。
去年は車両検査のため1年ほど運休をして、この春復活したばかり。早春の秩父路をのんびり走ってきました。
お供はいつも通り、子どもたちの手下のカビゴンさんたちです。

エリア 秩父(埼玉)

• 旅行の満足度: 4.0
• グルメ: 4.0
• 交通: 5.0

• 同行者: 乳幼児連れ家族旅行
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: 私鉄
• 旅行の手配内容: 個別手配

旅のスタートは東武東上線で池袋から寄居まで。
川越までは乗ったことあるけど、寄居までの乗り通しは初めてでした。途中、小川町あたりまでは住宅地と田園風景の中を通るのですが、小川町から先は半分山の中。池袋から1時間ちょっとで、乗ってる電車も通勤電車なんだけど、ちょっとしたローカル線気分を味わえます

小川町駅 駅

終点寄居に到着。
東上線とJR八高線、秩父鉄道の３線が乗り入れているちょっとしたターミナルです。とはいってもどの線も1時間に１～２本。小さな乗り換え駅です。ちなみに駅前にコンビニはありません。おやつは地元の駅で買うのがおすすめです（パレオエクスプレスの車内販売を使うのもあり）

寄居駅 駅

パレオエクスプレスが来るまで30分ほどありますが、早めにホームに降りてみます。昭和のような駅名標に、木のベンチやタイル貼りの水飲み場などふんわりレトロ感がありました

SLキター━(ﾟ∀ﾟ)━!

（ってボケボケやん）

パレオエクスプレスを牽引するのは、
C58　363号機
1944年生まれの小柄なおばあちゃん。東北のローカル線を中心に30年ほど活躍し、その後引退して県内の小学校の校庭で日向ぼっこしてたところにお声がかかって、奇跡のカムバックを果たしたそうです。今はそんな経緯を感じさせないくらい、ピカピカです。今日は秩父の酒造組合とのコラボで、ちちぶ乾杯共和国号として運転です。お酒は出なかったけど、酒まんじゅうは出た (^ ^)

動いているSLを初めて見て、子供たちも大興奮！

いざしゅっぱつー。
パレオエクスプレスは現在、コロナ対応として全席指定線＆座席を一部減らして走っています。もちろん窓開けも。
ふだんの通勤電車と比べれば、まったくの別天地です

列車は長瀞渓谷に沿って走ります。
川自体は荒川なんだよねー。荒川の上流域に長瀞があるとは初めて知りました。そんなに速く走らないので（たぶん30kmくらい）、景色がよく見えます。手を振る沿線の人に手を振り返したり、ほのぼのした雰囲気の中、列車は進みます

長瀞駅で点検を兼ねて少し長めの停車。ここぞとばかりに乗客の写真大会が始まります。もちろんオイラたちも参戦するじぇ

長瀞駅 駅

あこがれの眼差しで機関士さんを見る坊主(^_^)

たくさんのバルブと計器類。すべてコンピュータ制御でグラスコックピットな現代の乗りものと違い、機械としての息遣いが感じられるよう。機関士さんもパイプから伝わる音や熱、振動など五感をフルに使って対話しているのでしょう

待ち時間の間に貨物列車と離合します。秩父はセメント原料の石灰岩がたくさん取れるため、たくさんの貨物列車とすれ違いました

パレオエクスプレスの客車はこんな感じ

もう１枚。
ボックスシートの旧国鉄の客車をきれいに整備して使っています。エアコンも完備され、レトロ調ではありますが大変快適でした。個人的にはもっと質実剛健でも良いと思いますが ^_^;

ちなみにこの駅で、同じ列車に下の坊主の保育園のお友だち一家と遭遇。埼玉の山奥で１日に１本しか走っていない列車で遭遇するとは、どんだけ偶然やねん、と。奇跡の出会いにビックリ（笑）

出発直前になり、石炭の投入がスタート。機関車の心臓部、石炭投入口をパチリ。釜が開くと熱気が伝わってきます。石炭を投入する人、シャベルの動きにあわせてフタを開け閉めする人の息がぴったりあう、職人芸がありました

ブレブレですが、石炭投入シーンです。単に投げ入れるだけでなく、広い釜の中に石炭が均等に散らばるよう、一瞬で狙いを定めて投じます。まさに炎を操る、機関車の力強さを垣間見る一瞬でした

寄居から1時間ほどで秩父駅に到着。パレオエクスプレスはあと30分ほどかけて三峰口駅まで走りますが、時間の都合もあり、ここで下車します

秩父駅 駅

発車するところを見送ります。長ーい汽笛が一声、黒煙と蒸気を吐きながら鉄の塊が走り出す姿は、なんとも言えない力強さがありました

SLパレオエクスプレス、熊谷から寄居、長瀞、秩父をへて三峰口まで、主に週末に１往復走っています。首都圏から一番近い、乗れるSLです

ここからは秩父をぶらっとして帰ります。
駅を出ると、マンホールには秩父のゆるキャラポテくまくんが。
違うデザインであちこちにあるので、コレクターには嬉しいかも。

ちなみに秩父の中心地は、秩父鉄道の秩父駅周辺。西武鉄道の終点である西武秩父は１駅ほど離れています（秩父鉄道だと御花畑駅が最寄り）

お昼は市内の名店「武蔵家」さんのお蕎麦。秩父駅から歩いて５分ほど。秩父神社にほど近いところにあるお店です

おすすめセット。つゆの中には鴨。しめじご飯に舞茸の天ぷらがセットです。
蕎麦の味がしっかり感じられて美味しかったです

納豆そば。そばに納豆は割と珍しい気がしますが、こちらも美味しゅうございました

食後は秩父神社にお参り

秩父神社 寺・神社・教会

狛犬さんもマスク中。筋肉もりもりのたくましい狛犬さんでした

秩父神社の本殿は徳川家康公が寄進した歴史ある建物です。かなり細かな装飾が施されており、

よく見ると３頭の子どもと戯れる虎の彫刻が。
子宝　子育ての虎といって、作者はなんと江戸の名工、左甚五郎！
毛皮の模様ひとつひとつまで繊細に描く繊細さと愛らしい表情が素敵でした

境内には御神体である武甲山からの清水が引かれ、水占いが出来るようになっています

坊主が挑戦中。何が出るかな…

秩父神社を後にして、西武秩父駅まで歩きます。10分ほどの道のりは門前の古い町並みが残っていました

通りには大正から昭和初期に建てられたモダンな建築が数多く現存しています。写真は昭和元年築の小池煙草店（国の登録文化財）

そして強烈な印象を放つ、このカフェ「パリー」

パリー食堂 グルメ・レストラン

こちらも同じく国の登録文化財で、昭和2年の築。パリーの金文字がたまりません。写真上部の窓の間にあるのはネオンサイン。夜に見てみたかった

そしてパリーの素晴らしいところは、現役の食堂として健在なこと。さっきお蕎麦を食べちゃったから入りませんでしたが（残念！）、次に秩父にきたらぜひ行こうと心に固く誓うのでした

ショーウィンドーのサンプル。
少しみづらいですが、何気に「パリー」の順に並ぶどんぶり

門前街を通り抜けると西武秩父駅に到着

西武秩父駅 駅

こちらは大きく近代的な駅で、秩父土産のお店や日帰り温泉、フードコートが併設されています。秩父名物みそポテトもこちらで売ってますよ！

帰りは西武鉄道の新型特急「ラビュー」で一直線。電車というよりレトロモダンな宇宙船のような風貌で、先ほどのSLパレオ号とは好対照な車両です

車内は、膝近くまで広がる大窓とリビングのソファのような配色の座席がとても素敵。実際座ると快適で、池袋までの８０分があっという間。もっと乗っていたいー

というわけで池袋に戻ってきました

パレオエクスプレス、楽しかった。日帰りの距離で乗れるSLとして、とてもオススメです。行きか帰りにラビューと組み合わせれば、レトロなSLと最先端の特急の楽しさ２倍かも。
もっと暖かくなったら長瀞で降りたり、終点の三峰口まで行って転車台での機回しなど見たりとか、まだまだ楽しめそうだなと思いました

西武池袋線 乗り物