2019京都の紅葉③ 「草喰なかひがし」で大原の里を食す

2019/11/20 - 2019/11/25

5泊6日で巡った紅葉の京都の旅です。
お天気にも紅葉の色付き具合にも恵まれ、美味しいものもたくさん食べて来ました。

初日その3 11/20(水)
夕食で行った「草喰なかひがし」です。
以前2度ほどランチでお邪魔しましたが、初めての夕飯での訪店です。
予約開始日時（前月10/1午前8：00～）にうっかりして電話し忘れ、数日経ってから問い合わせましたが空いている筈もありません。
「キャンセル待ちでお受けしましょうか？」の言葉に駄目モトで一応お願いしておいたところ、入洛の当日朝になって「今夜ＯＫ」との連絡が来ました。
見学場所も飲食店も事前に全て計画するのが私の旅の流儀なのですが、この日だけは夕食は決まっていなかったので、渡りに船とばかり二つ返事でお願いしましたが・・

【本日の全行程】
東京駅7:03新幹線ひかり号乗車　→ 9:45京都駅着　→ 御所南ブランピエールでランチ　→ 仙洞御所参観　→ 京都御所参観　→ 府立植物園　→草喰なかひがし　→ 京の宿三福泊

エリア 東山・祇園・北白川(京都)

• 旅行の満足度: 3.5
• グルメ: 3.5
• 交通: 3.5

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 10万円 - 15万円
• 交通手段: 高速・路線バス 新幹線 JRローカル 私鉄 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

9：45に京都に着いて　⇒　御所南フレンチの「ブランピエール」　⇒　仙洞御所　⇒　京都御所　⇒　府立植物園と巡って来ました

「草喰なかひがし」の最寄りバス停は「銀閣寺道」。18:00開店なのに早めに着いてしまったので、

近くの哲学の道を歩いて時間を潰したのですが、ライトアップもされていないし紅葉の姿もありません。
それに兎に角、寒い！

開店と同時に入店。
12席のカウンターの中程に案内されました。

奥から入口側を望みます

昼は何となく12：00～の一斉スタートが暗黙の決まりごとになっているのですが、夜は結構バラバラでも大丈夫みたい。
きっと、お酒を飲む人飲まない人で食事のペースも違うので弾力的なのかも。
「祇園さゝ木」のように全員一緒に18：00～スタートと強要はされません。
私、お酒も飲めるけどお茶でチープに過ごします。

最初の一皿　八寸にあたるものでしょうか。
一時間乾煎りした黒豆　葱を芯にした鹿肉のしょうゆ漬けの海苔巻き　大根　からすみ　菊菜の葉っぱ　すいば巻き　鯖の燻製　丹波栗蒸し焼き　栗きんとん　柿のきな粉三杯酢　とんぶりと三つ葉添え　ひかげ　イクラ　クルミ　マタマタ　紅葉

メニューがないので口頭説明を一生懸命メモしましたが、きっと間違っているに違いない・・
この後のメニューについてもお許しください。
この一皿で30品目はクリアできそうな勢いです。
ほぼ、”大原の里産食材” だと思います。

私ならこの一皿を食材調達して作っていたらそれだけで力尽きてしまいそう・・

外国人向けの英語のメニューは息子さんが作成するのですが、日本人向けのは無いんですよね・・

次の小さなお椀は

むかごのもち米飯蒸し　イクラ添え

次のお椀は

亥の子に見立てたとち餅入り　日野町のひの菜の根と葉の白味噌仕立てのお椀。
蓋裏の絵は淀川の船曳だそうです。

カウンター内の ”おくどさん” で炭火の上で調理がされていたのは

万願寺唐辛子ソースが添えられた朴葉包みの焼物。
茹でた生ピーナッツ　銀杏葉型の揚げさつま芋　稲穂が添えられています。

包みを開くと、白菜に包まれた鰆の味噌幽庵焼きが入っていました　　　

お造りは、
3か月清水で泥抜きした鯉　2段葱（って何だっけ？）　辛味大根　ラディッシュ　蕎麦の実　鯉の旨味のゼリー　鯉皮の湯引き　鯉うろこの唐揚げ

”鯉うろこの唐揚げ” なんて気味が悪いようですが意外と美味｡

煮物椀

食用菊　紫人参　金時人参　松茸　しゃくしな　小浜の蟹の湯葉巻き。
お椀の蓋裏の絵柄も各人によって異なっていました。

ここで ”おくどさん” で炊きたての ”アルデンテのごはん” の登場｡
う～ん､　でもやっぱり未だ ”未熟” っていう感じ・・。
熟女の魅力に少女は勝てないぞ！（オバンの悪あがき）

箸休めとのことで、
一昨年の暮れから仕込んだ鯖のなれ寿司　アケビと白味噌の炒め　辛子水菜　野生の冬苺。

長野県松本市の葡萄酒がよく合うからと各人に注がれました。
私、お酒はオーダーしていなかったので
「ワインは飲めますか？」と訊かれました。
「ジョッキでお願いします」と答えました。

次に出てきたのがこれです。
今日一番のサプライズ。
何これ、やだ～　虫？！
葛の葉の上に這っているのは小豆の鞘の蒸し焼きなんです。

葛の葉の下に隠れていたのは、きのこあんかけの蕪の葉と根　堀川牛蒡　
小豆のさや入りなんて初めて見ました。

大将がすき焼きを作り始めました

大原の地鶏のすき焼きです。
今朝〆た鶏肉とお腹の中のたまごの親子すき焼き。
こんにゃくは3年ものだそうです。
お麩と九条葱も入ってます。
その日の朝産んだ生卵もかかっています。

ここで、お水を貰いました。
噛んだら割れそうにガラスが超薄い。
何でもないようなお冷ですが、コースターの上にヒバの葉？を敷いた繊細な一杯です。

大根葉とお揚げの煮びたし。
この段階でもう既にお腹一杯で、
正直「未だあるの?」といった心境でした。

この店のメインディッシュは何といっても ”おくどさんで炊かれた白飯” と ”めざしの焼物” なんです

「目刺しも大原で獲れたのですか？」とお弟子さんに訊いたら「氷見の漁港産です」と返ってきました

自家製の美味しそうな漬物なのに殆ど食べられなかった　(>_<)

頭芋の白和え

爪の先ほどよそって貰った鍋底のおこげも、もう本当に辛うじて箸を付けたっていう状態です

デザートの大原の渋柿は熟成の後、皮ごと食べられます｡
茎に見えるのはチョコレートでできた焼物。

1か月前から熟成した水出しコーヒーで〆ます。
合わせるのは黒砂糖の金平糖とドライミルクの「蘇」。
金平糖は知人に依頼して作って貰ったモノだそうです。
コーヒーのカップは小さいものです。ボールペンと比較して下さい。

ビネガーの容器に入った水出しコーヒーは高い位置からグラスに大将が注いでくれるパフォーマンス付き。
泡が良く立ちますね。
お代わりもOKです。

二階には個室もあるみたいですが行ったことはありません。
この店は大将のダジャレに苦笑いしながらカウンター席で過ごすのが醍醐味かも。

初めてディナーで伺いました。
値段もランチとは格段に違います。
サ込み税別15,000円　18,000円　21,000円と三段階です。
今回は私はまん中のコースを頼みました。

何が違うかと言えば、
基本の15,000円のコースに対して、
18,000のコースには鶏肉のすき焼きが付き、
21,000のコースにはさらに牛肉の焼物が付くだけなんです。
つまり、もう喉を通らないと思ったすき焼きだけでも一品3,000円に相当するんですよね。

一つのポーションの量が多くて最後のメインディッシュの「おくどさん炊きのご飯と目刺し」が出て来た頃は満腹の極み。
いつも元取れ主義で何も残さないのを信条としている私がギブアップなのです。

基本の一番安いコースでも十分過ぎる内容です。
ディナーで予約するなら余程の大食漢でない限り一番チープなコースにした方がいいと思います。

メインの「おくどさんのご飯」が食べられないって、それ、凄く残念です。

ランチで来た時の方が量も程良く、却って満足感も上だったように思います。

「お車呼びましょうか？」と訊かれましたが、そんな、勿体ない・・・(でも夜も遅いし交通の便も良いとは言えないので大抵の人はタクシーで帰って行きますがね・・)。

通常の熾烈な電話予約ではなく、来店時に次の予約を入れておく事も可能みたいです。

御主人と女将さん？の見送りを背に、

先斗町「京のお宿三福」に一日周遊券のバスで向かいます