2019/06/23 - 2019/06/24
95位(同エリア434件中)
玄白さん
南会津のヒメサユリ撮影、喜多方ラーメングルメを楽しんだ後は喜多方市内の新宮熊野神社を参拝して、初日は市内のビジネスホテルに投宿。
翌日も、梅雨時らしい天候の中、雄国沼湿原のニッコウキスゲ撮影がメインの撮影旅が続くが、ちょっと時期が早かった。ネットで確認すれば、見頃がいつかすぐわかることなのに、企画担当のK氏の怠慢! 確認しない我々も同罪ではあるが・・・
ヒメサユリの見頃と併せれば、これもやむを得なかったとも言える。また、思いがけず、雄国山山麓に広がる広大な蕎麦畑の夏蕎麦の白い花が満開で、こちらが主な撮影目的に切り替わった2日目の撮影旅であった。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- 友人
- 交通手段
- 自家用車
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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喜多方ラーメンの昼食を摂った後、K氏が新宮熊野神社を詣でたいというので、行ってみた。この神社の存在は全く知らなかったが、境内の解説板や、Wikipediaで調べてみると、なかなかの由緒ある神社のようだ。
木造の明神鳥居には巨大な注連縄(重さ1t)が掛けられている。 -
鳥居の左隣りに、幹が空洞となった桂の巨大な古木がある。注連縄が張られているので、これも御神木なのであろう。
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拝殿の前に聳えているイチョウの巨木。これがこの社の本命の御神木で、樹高30m、胸高幹回り7.7mの樹齢800年と推定される古木である。いまだに青々と盛大に葉を広げている。11月には、鮮やかな黄金色に染まり、フォトジェニックな情景となろ、大勢の参拝客が訪れるようだ。だが、今は我々以外には数人の参拝客しかいない。
この大イチョウ、喜多方市の天然記念物に指定されている。 -
大イチョウの奥に「長床」と言われる拝殿がある。平安末期に遡る建造物で、国の重要文化財に指定されている。間口27m、奥行き12mで茅葺屋根を持ち、平安貴族の館である寝殿造りの様式に準じている。直径1尺5寸(45,4cm)の柱44本で支えられている。壁はなく、柱の間は吹き抜けである。
1611年の慶長の会津大地震で倒壊したが、その後規模を縮小して再建されていた。1971年から3年の歳月をかけて、創建当初の姿に解体復元工事が行われ、現在に至っている。 -
側面から長床を見通す。飾り気はないが、壮大な雰囲気をたたえている。一の鳥居の大きな注連縄は8年ごとに、氏子たちによって、この長床で2日がかりで作られるという。
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長床正面を横から撮影。奥に見えるのは鐘楼である。
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裏手に回り、大イチョウをバックに正面のさい銭箱と鈴をシルエットで捉えた。黄葉の時期には絵になりそうだ。
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拝殿の背後に本殿が3棟並んでいる。それぞれ、熊野の本宮・新宮・那智が祀られている。拝殿の巨大さに比べて、本殿3社はこじんまりしている。これらは福島県の重要文化財に指定されている。
平安時代後期、前九年の役の時、源頼義が戦勝祈願で勧進し、頼義の子、義家がこの地に遷座造営したというのが起源だと伝えられている。 -
鳥居と長床を結ぶ参道の中間あたりに宝物殿があり、平安時代から江戸時代にかけて受け継がれてきた貴重な仏像や文物が納められている。
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通常、仏像は拝むものであって、撮影するものではないということで撮影禁止となっていることが多いが、ここではすべてのものが撮影自由となっている。信仰心がなく、仏像は美術品としか見ない玄白にとっては、これはありがたい。
さほど広くはない館内の左側に安置されている薬師如来坐像と、薬師如来をとり囲むように安置されている十二神将像。いずれも平安時代に造られたもの。 -
1736年、8代将軍徳川吉宗の時代に、新宮村の医者だった中条度泰(なかじょうのりやす)という人が奉納したと伝わる三十六歌仙絵巻
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この宝物殿で一番の目玉展示である文珠菩薩騎獅像。獅子に乗っている文殊菩薩の木造で、高さは3m近くある。喜多方市の重要文化財に指定されている。明治の廃仏毀釈を逃れて神仏混合の時代の遺物が無事に生き残ることができたのは、中央から離れた鄙ゆえかもしれない。
なかなかの美仏である。もし、京都にあったら人気の仏像になっていたかもしれない。館内には我々しかおらず、自由なアングルで撮影し放題だ。 -
七福神のうちの3人、弁財天(中央)、大黒天(右側)、毘沙門天(左側)。木造で、制作年代は比較的新しい江戸時代後期だという。
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木造相撲力士像。平安時代の作と伝えられている。
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2体の菩薩像。左は虚空蔵菩薩、右は如意輪観音菩薩である。薬師如来像と同時期の作らしい。
虚空蔵菩薩は、知恵を授けてくれる菩薩ということになっていて、明け方東の空に輝いている明けの明星(金星)は、虚空蔵菩薩の化身と言われている。如意輪とは、煩悩を破壊する仏法の道具とされ、如意輪観音は、あらゆる煩悩から解き放ってくれる菩薩ということになっている。 -
牛王宝印の版木。牛王宝印とは、信者に配る護符に押されたハンコである。起請文といい、鎌倉時代以降、人との約束、契約を牛王宝印が押された護符の裏に書き記して、約束を神仏に誓うということが広く行われていた。現代のような民法・商法という法体系がない時代には、それに代わる社会秩序の維持に一定の役割を果たしていたらしい。
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イチオシ
江戸時代初期の作と伝えられる木造の不動明王像。仏の教えに背く者を降伏させるという密教独特の仏の一人で、憤怒の形相で表される。大日如来の化身ともされる。
この後は、少し早いが、喜多方駅前のビジネスホテル「ガーデンホテル喜多方」にチェックインし、朝早かったので仮眠を摂ったり、ビールでリフレッシュして過ごした。特記するほどのホテルではないので、写真はない。 -
翌24日も、早起きだ。雄国沼湿原へは、この時期一般車は通行止めとなり、麓の萩平駐車場からシャトルバスで行くことになる。一番バスに乗ろうと5時にチェックアウト。
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萩平駐車場の手前のなだらかな丘陵地帯は一面の蕎麦畑が広がっていて、ちょうど蕎麦の白い花が満開になっている。ニッコウキスゲよりこの方が撮影対象としては魅力があるということで、しばし、蕎麦畑の撮影タイムとなった。
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丘陵地なので、奥の方までよく見えて、写真的には平地の蕎麦畑より絵になる。
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これだけ、大規模な蕎麦の栽培がされているのだから、喜多方はラーメンではなく、蕎麦で売り出してもよかったのではなかろうか・・・
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周囲を山に囲まれ冷涼な気候と清らかな水に恵まれていることが蕎麦の栽培に好適なのであろう。以前は、蕎麦をそれほど美味とは思っていなかったが、最近は齢を重ねて、嗜好が変わったためか、蕎麦が美味しいと思えるようになってきた。
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だが、今回はラーメン好きのS氏が一緒だったので、2日間にわたって、ランチは喜多方ラーメンとなってしまった。
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イチオシ
喜多方地方は、どこを走っていてもやたらタチアオイの花が目についた。田んぼの畦や民家の庭先など、いたるところに咲いていた。アオイという名前から、この地方を納めていた会津藩が、徳川の血筋を引く松平家だったことが、何か関係しているのだろうか?
蕎麦畑のタチアオイ。 -
イチオシ
林の前の蕎麦畑
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蕎麦畑に近寄って。
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雑木林の中から蕎麦畑をパチリ
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もう一枚。
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山麓から平野部を見下ろす。
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山の中腹の雲霧と蕎麦の花。
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広大な蕎麦畑
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萩平駐車場に6時前に到着。始発のシャトルバスになんとか間に合い、雄国沼湿原に向かう。
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30分ほど林道を走り、終点の金沢峠に到着。ここは、喜多方市と裏磐梯の北塩原村の境界にあたる。
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金沢峠から喜多方方面を遠望する。雲が沸き眺望は利かないが、雨に降られることはなかった。
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展望台があり、雄国沼を俯瞰できる。
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こちら側には雲はかかっていない。
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雄国沼湿原の木道が見える。ニッコウキスゲが満開になると、ここから見ても黄色の絨毯のように見えるのかもしれないが、少し時期が早かったようだ。
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湿原には、展望台脇の坂を下って行く。
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タニウツギ??
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湿原に到着。一周800mの木道が設置されている。順路に従って歩いていく。
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やはり、ちょっと見頃には早いようだ。
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つぼみの数も少ないので、今年は花付きもよくないらしい。山野草は、年によって、盛大に咲く年と、そうでない年があるので、やむを得ない。
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ニッコウキスゲに混じって、レンゲツツジの花が残っている。レンゲツツジの花が終わらないと、本格的なニッコウキスゲの見頃にはならないそうだ。
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イチオシ
木道は、一部沼の上を通っている。
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まだ花が咲いていないコバイケイソウの葉とレンゲツツジの花
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キスゲの黄、ツツジの赤、コバイケイソウの白と3色そろいぶみ。
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木道から離れたところに、キスゲの群生が見られた。
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雄国沼。猫魔ヶ岳,厩岳,古城ヶ峰,二子山,雄国山などの山峰が外輪山を形成し、その火口にできたカルデラ湖である。
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レンゲツツジがまだ衰えていない。
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コバイケイソウ
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コバイケイソウとレンゲツツジ
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コバイケイソウ&ニッコウキスゲ群落
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木道はよく手入れされていて、歩きやすい
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イチオシ
レンゲツツジとニッコウキスゲ群落。ニッコウキスゲの見頃としては、早かったが、ツツジと同時に咲いている姿が見られたのは良かった。
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縦構図で奥行き感を出してみた。
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雄国山の山腹に掛かるガスとニッコウキスゲ
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雨に濡れたニッコウキスゲ
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木道のほぼ中間点にて
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規模は小さいがキスゲの群落
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イチオシ
もう一枚アップで。
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雄国沼の畔にて
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木道の彼方のキスゲの群落
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雄国山山腹のガス
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木道の途中で、同僚のI氏とS氏は朝食タイム。
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また、機会があれば再訪したいという思いを抱きながら、撤収した。
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シャトルバスで萩平駐車場に戻り、再び朝一番に撮影した蕎麦畑で、もう一度撮影タイムだ。
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蕎麦畑の奥には、何かの木の花が咲いている。
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イチオシ
田植えが終わって間もない水田と蕎麦畑。畑の傾斜がけっこう大きいことが分かる。
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畑に近づいたポジションで一枚パチリ
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イチオシ
農作業用の軽トラックを入れて。
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田んぼの畦に咲いていたアザミ。
2回目の蕎麦畑撮影のころになると、本降りの雨になってきた。まだたっぷり時間はあるが、早めにもう一度の喜多方ラーメンのランチを摂ってから、戻ることにした。今回の撮影旅では、なにより初めて出会ったヒメサユリを撮影できたこと、事前には考えていなかった広大な蕎麦畑を撮影できたことが、印象深かった。
完
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