高原の遅い春とダムの真下の秘湯温泉

2024/05/13 - 2024/05/14

福島県、山形県の遅い春の風景と癒しの温泉を求めての2泊3日の旅の記録。
もともとは所属する写真クラブの撮影旅行という企画だったが、まとまった人数では宿が確保できなかったのでプランは中止となり、夫婦2人で出かけることになった。

エリア 喜多方(福島)

• 旅行の満足度: 4.5

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: 自家用車
• 旅行の手配内容: 個別手配

最終目的地は山形県の志津温泉だが、道中、喜多方を通るので、まずは、初日のランチは喜多方ラーメン。
数多くのラーメン店がある喜多方だが、行列覚悟で、中でも人気の坂内食堂本店へ。予想どおり、平日にも関わらず２０分待ちだった。
連れ合いはネギラーメン、玄白は人気の肉蕎麦をオーダー。人によって評価は分かれるようだが、豚骨醤油系のスープは、あっさりしていて、我が家としては合格点。

最初の撮影地は、三ノ倉スキー場がある高原に咲く菜の花畑。コロナ禍の一時期を除いて、春には菜の花、夏はひまわりが咲く花の名所である。
夜、ここで菜の花と天の川の撮影しようという目論見で、そのためのロケハンである。

3年前にも一度、訪れている。その時は無料だったと記憶しているが、今回は会場入り口で協力金として￥５００／人を徴収された。これだけ、広大な花畑を維持するのは費用がかかるであろうから、協力金を徴収するのもやむを得ない。

夜半には晴れるという予報だったが、最新の予報をチェックすると晴れるのは明日の8時以降だという。残念ながら夜の星撮りはあきらめるしかあるまい。

ならばということで、本腰を入れて、撮影に集中しよう。

あいにくの天気ではあるが、逆に雲霧がよい感じの絵作りになる

なだらかな起伏がある丘に単一の花が咲いている風景として、有名なひたち海浜公園のネモフィラが思い起こされる。

ただ、ひたち海浜公園は、どんな天気のときでも大勢の人がおとずれるので、人が入らないような風景写真とするのは無理がある。
ここでは、平日の悪天候からかもしれないが、この菜の花畑を見にきていた人は我が夫婦を含めてたったの5人。どこにレンズを向けても人がいない風景撮影が撮り放題だ。

菜の花の脇に群生している紫の花。Google Lensによると、オオアラセイトウ、別名ムラサキハナナもしくはショカツサイ（諸葛菜）とも呼ばれる。菜の花と同じ分類の属なので、原産の中国では、菜の花と同様、油をとるために栽培されることもあるようだ。

菜の花畑の周辺のブッシュにはあちこち、きれいなピンクのタニウツギの花が咲いている。

眼下には、平野部の田んぼが広がっている

雲の動きが早い

所々、菜の花畑の中に一本木立があり、よいアクセントになっている。

別のいっぽん木立。こちらの木は白い花をつけている。ヤマボウシだろうか？

こういうシーンでは、日差しが強い晴れの日より和らな光の曇った日のほうが、花の撮影には向いている。

似たような構図の写真ばかりだが、シャッターを押す手が止まらない

曇り空にすっくと伸びたタニウツギの花

雲が濃くなってきたようだ。

そろそろ撤収することにしよう。

今宵の宿は、喜多方市熱塩加納にある「日中温泉ひめさゆりの宿ゆもとや」に投宿

日中ダムの真下にある一軒宿で、日本秘湯を守る会の会員宿でもある。

さっそく、温泉へ。

温泉の説明書きをした立て看板。泉質は鉄分を多く含んだ含土類弱食塩泉、ちょっと温めなのが特徴で、我が家の好みにピッタリの温泉。江戸時代の末期文化１０年に発見された歴史ある温泉で、飯豊連峰、吾妻連峰に囲まれた静かないで湯である。

内湯は温泉ではない。湯上りに濃厚な温泉成分を洗い流したい向きには、これもよいかもしれない。

それほど大きな湯舟ではないが、源泉かけ流しの露天風呂。温湯なので、いつまででも入っていられる。
寝湯もある。こちらに入っていると思わず睡魔に襲われる。

夕食
左上：前菜７種　鰊山椒漬け、筍土佐醤油漬け、蕗味噌、わさび奈昆布、山ウドけんちん、くきたち酒盗和え、こごみ胡麻和え、焼き翡翠茄子

右上：マグロ、カンパチ、つぶ貝、筍
左中：和牛陶板焼き
右中：鰊、饅頭、山ウド、こごみの天ぷら
左下：エビの真蒸
右下：アスパラ肉巻き

左上：晴れればノンアルコールの予定だったが、夜の撮影はないので、ビール
右上：岩魚の塩焼き、レンコンの甘酢
左下：筍ご飯とこづゆ　
右下：デザート　桜餅とフルーツ
山の中の秘湯なので、あまり食事は期待していなかったが、なかなかどうして、味といい、品数といい、申し分なし。とりわけ、喜多方は全国有数のアスパラの産地であり、鮮度がよく美味であった。

翌日、朝風呂に浸かったあと、朝食まで宿の周辺を散策。宿の周辺には一面にヒナギクが咲いていた。

自生したものらしい。
駐車場には我が家の車しか駐車しておらず、館内でも他の宿泊客は見かけなかった。どうやら今回はこの広い宿を貸切だったらしい。

朝食

のんびり、9時にチェックアウトして、次の目的地、志津温泉に向かう。
宿を出てすぐのところにある日中ダムに立ち寄ってみた。
福島県営の多目的ダムである。高さ101.メートルのロックフィルダムで、押切川流域の洪水調節・会津盆地北部のかんがい・喜多方市の上水道の取水・発電に使われている。
ダム湖は日中ひざわ湖という名前が付けられている。

ダムの上から下流を見下ろすと、先ほどチェックアウトした温泉宿ゆざわやがみおろせる。

他に観光客は全くいない。静かな朝である。

上空をトビが獲物を探して旋回している。トビを題材に流し撮りの練習！

もう一枚の成功例。全部で10ショットしたが、成功したのは2ショットだけ。流し撮りは難しい。

国道121号を北上する。大峠トンネルを抜け米沢市に入ると道沿いに満開の山藤が目につくようになった。ところどころで咲きっぷりがよい山藤があると、路駐して撮影しながらのドライブを続ける

花が咲いていないと全くわからないが、こんなにあちこちに山藤があるのかと思うほど、次から次へと目に入ってくる。

針葉樹を覆いつくす山藤

飽きずにまた山藤をパチリ。
ドライブは続く。次に立ち寄る場所は白川湖の水没林である。

ドライブは続く。途中、道の駅「田沢なごみの郷」でトイレ休憩。道の駅の裏手を流れる鬼面川に鯉のぼりがかけられ、さわやかな五月の風の中を泳いでいる。
次に立ち寄る場所は白川湖の水没林である。

続く