2018/12/11 - 2018/12/11
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kojikojiさん
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クルーズ船に乗った翌朝は午前3時30分にモーニングコールで、午前4時30分にアスワンを出発して「アブ・シンベル神殿」へ向かいます。1時間で大人2人が準備するには時間が少ないので午前3時に目覚まし時計をかけていました。4時15分にロビー階に降りると朝食のボックスが配られます。カウンターでコーヒーと紅茶のサービスがあって、ようやく目が覚めます。真暗な船着き場からバスに乗って3時間30分かけてアブ・シンベルへ向かいます。アスワンダムを越えたのは何となくわかりましたが、その後はひたすら真暗な砂漠の中を走り抜けます。以前はコンボと呼ばれる隊列を組んだそうですが、この日は武装した警察官が同乗しただけでした。最後尾の席だったのでヘッドライトの光も届かず、座席から満天の星を楽しむことが出来ました。この旅には10月のマレーシアの旅で買った天然ゴムの低反発枕を持ってきたのですが、直行便の14時間でもこのアブ・シンベルの往復でも重宝しました。1時間ほどウトウトいていると左側の車窓が薄っすら明るくなってきました。早朝のアブ・シンベルへの移動は絶対に左側の車窓の方が良いと思います。ただ寝るだけが希望であれば右側の席でもよいと思います。日本だと水平線から昇る太陽を見ることは出来ても地平線から昇る太陽はなかなか見ることは出来ないと思います。しばらくサンライズを楽しんでいるとトイレ休憩がありました。ここで20分くらいの休憩があり、トイレは有料で2ポンドでした。日本のツアーと同じように女性のトイレは混雑しています。カフェもあるのでコーヒーなども飲めます。この後も2時間近く砂漠の1本道をバスは爆走します。この往復は時間と距離も長いので旅行会社はドライバーを2名用意していました。小さい旅行会社のバンも多く見受けられましたが、こういった点は大きな会社の大型バスの方が良いと思えます。車窓の景色はずっと砂漠ですが普通は写真を撮る時の邪魔になる送電線や電線がアスワン・ハイダムを見学した後では愛おしく思えるのが不思議です。クルーズ船でもらった朝食のボックスは結構な量がありましたが、ペロリといただいてしまいました。3時間を過ぎると左側にナセル湖が見えてきます。そうすると「アブ・シンベル神殿」ももう少しです。同じような時間帯にアスワンを出発する観光バスは同じような時間にアブ・シンベルに到着するので、午前8時前後はとても混雑しています。それを避けるには昼以降に見学できるツアーを選ぶしかないみたいです。ここのトイレは3ポンドでした。神殿の内部の撮影は入場料とは別途に300ポンド(2,000円ほど)必要です。お土産物屋を抜けてセキュリティを通り、中に入ると正面に小高い岩山が見えてきます。この岩山を反時計回りに回り込むと「アブ・シンベル大神殿」が見えてきます。最初の30分ほどはガイドのヒマさんの詳しい説明がありますが、神殿の内部でのガイドの説明は出来ないようになっているからです。ここで40分ほどの自由行動があり、それぞれ大神殿と小神殿の見学をします。混雑には波があるようなので、うまい具合に入ると比較的人の少ないタイミングで見学できました。セキュリティを出るとお土産物屋が並んでいますが、べらぼうな金額を吹っかけてきます。絵葉書とアブ・シンベルの本1冊で2,500ポンド(17,000円)なんて笑ってしまいます。店で交渉するより物売りの方が良心的なのですが、アブ・シンベルの商売人は結構粘り強かったです。何とか20枚つづりの絵葉書2つを3ドル、本を合わせて5ドルまで頑張りました。物も欲しかったけどこのやり取りが面白いのでついつい物売りに話しかけてしまいます。帰りも同じルートで3時間30分かけてアスワンに戻ります。1時間30分ほどすると来るときには見えなかった川が横を走っています。まさかと思ってグーグルマップで確認しても、川など流れていません。そう蜃気楼です。今まで何度か見たことはありましたが、ここまで見事なものは初めてでした。往路と同じトイレ休憩がありましたが、ここの店の前の砂漠から見る蜃気楼は見事でした。午後2時前にクルーズ船に戻ることが出来ました。船のレストランでお昼を食べているとアスワンの港を出港してナイル川クルーズがようやく始まります。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.0
- ショッピング
- 4.5
- 交通
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 観光バス 船 タクシー 徒歩 飛行機
- 航空会社
- エジプト航空
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
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午前3時に起きてシャワーを浴びて4時15分にラウンジに集合しました。名前の確認があって、朝ごはんのボックスを受け取ります。
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朝食はこんな感じでハムとチーズのサンドイッチが3つとクロワッサンとデニッシュ、キュウリとオリーブと果物と盛りだくさんです。
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コーヒーと紅茶のサービスが嬉しいです。これで目が覚めました。
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午前4時30分に出発です。大型バスですがツアー参加者は15人なのでゆったり寝転んでいけます。片道3時間30分の長丁場なので、参加者が少ないだけで助かります。
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アスワンダムを越えた辺りでバスはしばらく停まり、その間に武装警官などの警備の人も乗ったのだと思います。車内は真っ暗な上に最後列に寝転んでいるので分かりませんでした。
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出発してすぐは真暗な空に満天の星がきれいでした。1時間ほど仮眠していると車窓の左側が明るくなってきました。
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エジプトの夜明けです。
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この眺めを見るには進行方向左側に座っていた方が良いです。
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刻一刻と空の色が変わってくるので目が離せません。ただバスは120キロくらいの猛スピードで走り抜けていきます。
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「ゾウをこなしているウワバミがいる。」と心の中でつぶやきました。「星の王子様」では「ぼくは、鼻たかだかと、その絵をおとなの人たちに見せて、「これ、こわくない?」とききました。すると、おとなの人たちは「ぼうしが、なんでこわいものか」といいました。ぼくがかいたのは、ぼうしではありません。ゾウをこなしているウワバミの絵でした。おとなの人たちに、そういわれて、こんどは、これなら、なるほどとわかってくれるだろう、と思って、ウワバミのなかみをかいてみました。おとなの人ってものは、よくわけを話してやらないと、わからないのです。」とあります。
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サン・テグジュペリは1935年にフランスとベトナム間最短時間飛行記録に挑戦しますが、機体トラブルでサハラ砂漠に不時着して一時は絶望視されますが、3日後に徒歩でカイロに生還したことを思い出しました。
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太陽が出てきました。古代エジプト人の死生観や太陽の復活について考えてみましたが、目を凝らしてもスカラベは見つかりませんでした。高速で走るバスの車窓から望遠レンズで撮影しているのでこれが限界でした。
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送電線以外にも電波塔のような背の高い鉄塔が見えました。20代の頃に観た「バグダッド・カフェ」という映画を思い出しました。ジェヴェッタ・スティールが歌うテーマ曲「コーリング・ユー」が頭の中に浮かんできます。
https://www.youtube.com/watch?v=UHkW0Cw5w94 -
右側の車窓には面白い形のバスの影がずっとついてきます。
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バスの後ろの方はガラガラでした。ツアーの場合は皆さん前方を好まれるようです。
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赤く焼けた太陽は10分ほどで見慣れた太陽に変わってしまいました。
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1時間30分くらい走ったところでトイレ休憩です。カフェレストランにもなっているのでコーヒーも飲めます。トイレは有料で2ポンド(13円)です。
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カフェの横を送電線が走っています。結構シュールな、ダリが描いた絵画の中にいるような気分です。
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送電線はアスワン・ハイ・ダムからアブ・シンベルの先のスーダン国境まで続いています。
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ダリの絵画っぽくしたかったのですが…。
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2ポンドが惜しいおじさんは道路を渡った先でガラベイヤをまくっています。
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アスワンで乗っていたのはこの観光バスでした。
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120キロくらいのスピードでバスやトラックが行き交うので道路の横断は緊張します。
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アスワンとアブ・シンベルの間は往復7時間の運転になるので、ドライバーさんは2名体制です。小さい旅行会社のバンも多かったですが、どのような体制になっているのか分かりません。
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早く帰ってきなさい。出発しますよ。
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さて朝ごはんを食べましょう。コッペパンにハムを挟んだものとチーズを挟んだものが3つ入っています。デニッシュとクロワッサンとゆで卵。きゅうりとオリーブと盛りだくさんです。こんなに食べられるかと思いましたが、完食しました。
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車窓の風景は砂漠なのですが、飽きないで見ていられます。
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3時間も走ると左側にナセル湖が見えてきました。
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水のある周辺は緑がたくさんあり、人々の生活感も感じられますが、数百メートル離れると完全な砂漠になってしまいます。
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自然にできた岩山ですが、ピラミッドのように見えてきてしまいます。ピラミッドを造ろうと思った発想の原点はこういった岩山ではなかったのだろうかとも考えてしまいます。
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エジプト全土でロバは現役で働いています。
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湖畔が近づいてくるとアブ・シンベルに到着です。駐車場でバスを降りて全員で入り口に向かいます。ここのトイレは3ポンドと一番高かったです。出口に近いトイレは無料だったみたいです。
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「アブ・シンベル神殿」の内部の撮影は別料金で300ポンド(2,000円)になります。チケットが必要な場合はガイドさんにお願いすると入場券と一緒に買ってきてくれます。
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ナセル湖畔の遊歩道をしばらく下って行きます。
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半分ほど周り込むと「アブ・シンベル大神殿」が見えてきました。
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砂岩でできた岩山を掘り進める形で作られた岩窟神殿です。大神殿と小神殿からなり、建造主は新王国時代第19王朝のファラオであるラムセス2世です。大神殿は太陽神ラーを、小神殿はハトホル女神を祭神としています。小神殿は最愛の王妃だったネフェルタリのために建造されたものだそうです。
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神殿の正面は青年期から壮年期までの4体のラムセス2世像が置かれていますが、左から2体目は完成の数年後に崩落し、手前にある岩塊は2体目の頭部の一部です。
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最初にガイドのヒマさんからの説明が30分ほどありました。前日に見たイシス神殿の構成の復習から始まります。神殿が第1塔門から始まり一番奥の至聖所へ至る構成になっている説明から、この4体のラムセス2世の像は第1塔門であるという事が分かります。
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続いて4体のラムセス2世の顔についての説明です。一番左の像が青年期の姿だそうです。
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その足元には最愛の王妃ネフェルタリの姿もあります。ラムセスは自らを「そなたが為、太陽の燿く者」と呼んだそうです。
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この神殿の祭神が太陽神ラーであることが、最上部のレリーフから知ることが出来ます。
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3体目のラムセス2世像と2体目はあまり違いが分かりません。
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そして4体目の一番右側の像を比べても…。続いて内部のレリーフや像についての説明があって自由時間になりました。45分ほどの自由時間で大神殿と小神殿の見学をしなければなりません。
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大神殿が混雑していたので小神殿の見学を先にすることにしました。こちらはハトホル女神を祭神とし、王妃ネフェルタリに捧げられた神殿です。 立像が6体あり、そのうちの4体はラムセス2世で2体は王妃ネフェルタリです。脇には王子と王女の姿も見えます。ネフェルタリ王妃の像は左手に打楽器を持っています。ネフェルタリとは古代エジプト語で「最も美しい女性」を意味し「偉大なる王妃」「王の母」「上下エジプト2国の女王」などの称号で呼ばれているそうです。
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またネフェルタリはアブ・シンベルの墓所と神殿の絵の両方にラムセスと同じ大きさで描かれています。こういった構図は極めて稀なもので、通常はファラオの妃たちは、王の像や絵の膝ぐらいまでの大きさに描かれるものです。ラムセスと同じ大きさで描かれたネフェルタリの姿はラムセスにとって彼女がいかに重要であったかを示しているそうです。
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これも大神殿と同じ第1塔門という事になります。ラムセスの衣装の違いが面白いです。こちらはネメスという頭巾にアテン冠の姿をしています。
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こちらはヘジェト(白冠)と呼ばれる神エジプトの王冠を被ったラムセスの姿のようです。ラムセス2世は死して神となり、その妻だったネフェルタリも自動的に神とされたそうです。
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小神殿の先まで進むと両方の神殿が美しく見えるポイントがあります。
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小神殿の中に入ってみます。入り口から至聖所までの長さはあまりありません。ここで思いましたが大神殿の後にこちらを見たら物足りなく感じると思うので、小神殿を先にして正解でした。
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入り口の鍵は「生命の鍵」と呼ばれるアンクの形をしています。真鍮製でとても重たいです。門番の人に言えばこれを貸してくれます。最後にチップは必要ですが記念になります。どうせなら大神殿の方が良いのでそちらで借りることにします。
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壁面にはアンクを持ったホルス神の姿があります。ホルスは死者と共に埋葬される「死者の書」にも描かれています。死者の王国に着いた死者を最初に迎えるのはアヌビスかマアトかホルスのいずれかですし、死者の心臓と真理の羽毛とを天秤にかけるのもアヌビスかホルスなのでここに描かれているのでしょうか。
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列柱の柱頭にはハトホル女神のレリーフが並んでいます。エジプトの神々は人間の姿と動物の姿で表わされますが、ハトホル女神は牝牛の姿で表わされます。人間の姿の場合でも耳だけは牛の耳をしています。これはどこの神殿でも葬祭殿でも同じなので覚えておくとすぐに見つけられます。
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神の姿で描かれたネフェルタリの姿のようです。薄衣の衣装まで良く表現されたレリーフです。
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ラムセス2世の妃というだけで夫と共に神格化された女性です。
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戦うラムセス2世の姿が描かれています。これは大神殿にも数多く描かれ、カディシュの戦いの場面などは非常にリアルに描かれています。
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左手にウアス杖を持ち右手にアンクを持った太陽神ラーが椅子に座っています。
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ホルスもかっこいいですがラーもかっこいいです。
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パピルスが生えた川辺を船に乗っていくハトホル女神の姿が描かれています。こちらは完全に牛の姿をしています。その下には有翼太陽も描かれています。
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人間の姿をしたハトホル女神から祝福を受けているのは神となったネフェルタリのようです。
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ネフェルタリのヒエログリフも読み取れます。ヒエログリフを囲む楕円は元々は円形で太陽を表します。文字数が増えていくにつれ楕円になります。この縁で囲われた名前はファラオか王妃で、神々の名前を囲うことはありません。
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ハトホル女神の姿はいくつも描かれていました。
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セト神とホルス神から祝福されるラムセス2世の姿もありました。左手には王権を表す杖を持っています。先が曲がった杖はヘカといい、もともとは牧童の持つ杖だったそうです。ひもが何本もついた方はネヘハといい、もとは脱穀に使う殻竿だったという説明と乗馬用の鞭だったという説があります。ヘカがエジプトの南部を、ネヘハが北部を表して両方持つことでエジプト全土の支配者であるという意味です。
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ラムセスの左にはセト神の姿があります。ホルスの宿敵と知られ、悪神と捉えられることが多いが英雄的な一面も多く持つ神です。どの神話でも共通する添え名は「偉大なる強さ」です。壁画などで表現されているセトの頭はツチブタのものです。
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右手にはホルス神の姿があります。エジプト神話に登場する天空と太陽の隼の神で、エジプトの神々の中で最も古く、最も偉大で、最も多様化した神の1つです。
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あまり時間が無いので大神殿に向かいます。早く到着したグループは既に帰路についたようで先ほどよりは空いているようです。
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アブ・シンベル神殿と言えばユネスコによる救済活動で1964年から1968年の間に分割されて、約60メートル上方でナイル川から210メートル離れた丘の上へコンクリート製のドームを基盤とする形で移築されています。これは入り口から裏側を回り込むときになるほどと感じました。
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順番としてはアスワン・ハイ・ダムを見学して、ナセル湖を見てからこの神殿に来るというツアーの順番は良かったと思います。これは以降の遺跡にも言えることで、最後にピラミッドを見たことで完結したように思えました。
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ラムセスという名はラーによって生まれたという意味の「ラー・メス・シス」のギリシア語読みだったと思い出しました。
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空いたタイミングで内部の見学に移ります。もちろん内部撮影のためのチケットは買ってあります。300ポンド約2,000円ではありますが、遺跡の維持管理費用のためになればと思います。
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近づくにつれて気持ちが高揚していきます。
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太陽神ラーの下を通って列柱室に入ります。
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列柱室にはオシリス神のポーズをとる左右4体ずつのラムセス2世像があります。ここでラムセスは神格化されたということになります。
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列柱室のレリーフの先に左側奥の壁面のレリーフを先に見て行きます。これについては先にガイドのヒマさんからレクチャーを受けていたので忘れないうちに見ておこうと思いました。カデシュの戦いは紀元前1286年頃にシリアのオロンテス川一帯で起きた、古代エジプトとヒッタイトの戦いです。史上初の公式な軍事記録に残された戦争であり、成文化された平和条約が取り交わされた史上初となる戦いであるともいわれています。
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その戦いでのラムセス2世の活躍をレリーフで描いています。エジプトのレリーフは側面から描く決まりがあるので、表現方法に限りがありますが、スピード感を表すために馬の脚の本数を増やして描いています。
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赤塚不二夫はエジプトに来たのだろうかと思ってしまいます。漫画の表現の原点もエジプトにあったのかと考えさせられました。
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ラムセス2世は弓の腕前も凄かったようで、速射の様子を腕2本で表現しています。この辺りはアンコールの遺跡にも通じる表現方法です。ただアンコール・ワットの建立は1113年からなので、その2400年前にはこのレリーフは完成していたことになります。
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その横にもヒッタイトの兵士を殺戮するラムセスの姿が描かれています。この時は気持ちはエジプト寄りになりますが、翌年にトルコのハットゥシャシュ遺跡へ行くと気持ちはヒッタイトに寄ってしまいます。
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エジプトの数多くのレリーフの中では躍動感がある姿だと思います。
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凄い数の兵士が奴隷になったのでしょう。それともすべて殺されたのでしょうか。
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この場面が一番リアルだと思います。
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倒れたヌビアの兵士はラムセスの右足で首を折られています。左手で腕をつかみ、その力で相手の膝が折れています。
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列柱室の左右でカディシュの戦いとヌビアやシリアとの戦いを描いたペンタウル叙事詩についてもレリーフが数多くありますが、読み解いている時間はありません。
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24歳で即位して66年間統治して90歳で没したとされます。ラムセス2世のミイラはこの後のカイロの考古学博物館で見学しますが、身長は173センチだそうです。これが死亡時の身長であることを踏まえれば、全盛期の王が伝承通りの180センチほどの体躯を誇っていた可能性が非常に高いそうです。
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当時の平均身長が160センチから165センチと考えればすごい大男に見えたでしょうね。
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人が減ってきたので列柱室の立像を見てみます。
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至聖所を守るように左右4体づつのラムセス2世の像が向かい合っています。左右同じように見えますが、左側は上エジプトのヘジェト(白冠)で、右側はプスケント(二重冠)です。
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オシリス神の姿をしたラムセス2世は神格化されたことを表します。
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両足を揃えて両腕を胸で交差した姿は生きている人間の姿ではありません。生きているファラオを表す場合は左足が必ず前に出ています。
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列柱室の天井にも壁画がきれいに残されています。
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古くから上エジプト(ナイル上流)を象徴する守護神として信仰された女神で、王権の後見人とされるメクベト女神のハゲタカの姿が描かれています。
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至聖所には4体の神像は安置されています。左から地下世界の神プタハ、大気の守護神で豊饒神であるアメン神、そして神格化されたラムセス2世、一番右がハルマキス神です。
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この像は年に2回朝日によって照らされる設計になっています。本来はラムセス2世の生まれた日(2月22日)と王に即位した日(10月22日)に起こる現象でしたが、移築後、若干のずれが生じ、今は年によって、日にちがずれる時もあるそうです。
左端のプタハ神は地下に住んでいる神であるため、光が当たらないようになっています。12月11日の朝の太陽光線はこんな具合でした。 -
生命の鍵は「アンク」と呼ばれ、その力を信じる者は一度だけ生き返ることができると信じられていました。生き返るにはアンクの力を体の中に取り込むために、神々はアンクをファラオや女王の鼻や口の近くに持って行くことが決まりだそうです。
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このレリーフではハトホル女神がラムセス2世の鼻の所にアンクを持って行っています。
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一番人が少なくなったところで列柱室のラムセス2世の像の写真を撮っておきます。
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比較になる人間が写っていないと大きさが分かりませんが、圧倒的な威圧感と迫力を感じました。
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神殿の右側には脇に延びる小部屋がいくつかありました。
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その天井は自然石のままですごい圧迫感がありました。ただ、これもすべて分割して切り出して、移築したのだと考えるとすごいことです。それだけの価値はあると思いますが。
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そろそろラムセス2世ともお別れです。
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日本の旅行会社のツアーの時間設定は少し短すぎます。正直あと30分くらいは欲しい所でした。細かいところをいくつか見逃しているのに後で気がつきました。
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最後にアンクを借りて写真を撮ることにします。
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大神殿のアンクはこの大きさで、重さは3キロくらいはあると思います。門番のおじさんは気軽に写真も撮ってくれます。1人で撮っても大人数で撮っても大丈夫です。この時は4人で10枚くらい撮ったので1ドル渡しましたが、10ポンドでも大丈夫です。
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良い記念になりました。
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鍵は扉に戻しておきましょう。
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十数年前に一度計画したエジプト個人旅行は、ツアーに変更になってしまいましたがようやく来ることが出来ました。
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先ほどまで混雑していた大神殿も人の姿が一気に無くなりました。
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午前10時は早朝のツアー客はほとんどいなくなってしまうようです。
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ようやくナセル湖を眺める余裕が出来ました。昨日見たアスワン・ハイ・ダムが一番下流側で、アブ・シンベル辺りはかなり南側(上流)になります。ここまで300キロ近く離れていると思います。ここから数十キロ南下するとスーダンとの国境があります。
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ガイドのヒマさんは「元々エジプトとスーダンは同じ国だった。」と言っていましたが、それは古代エジプトの時代の事だったのか、19世紀のムハンマド・アリー朝のことを意味していたのか…。
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後ろ髪を引かれる思いで大神殿を後にします。
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再びここを訪れることはあるのだろうか…。次に来ることがあればここからアスワンまでナセル湖のクルーズを楽しみたいと思います。
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スーダンの方角を見てもまだ先のようです
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北側にはピラミッドのような形の岩山が見えます。
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これほど広大で荒涼とした風景は初めて見る気がします。まだまだ世界は広い。元気なうちに行かなければならないところはたくさんあります。
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ブーゲンビリアを見るとホッとしますが、出口を出たところからワンダラーの戦いがありました。絵葉書と本が欲しかったのですが、土産物店では「2500ポンド。」と言われる始末です。5ドル程度のものが15,000円!笑ってしまいます。店を持たない物売りと交渉した方がまともです。20枚の絵葉書2個とアブ・シンベルの日本語版を合わせて5ドルまで値切りました。もちろんサンプルで持ち歩いているやつではなくて新しいのに変えてもらいました。
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午前10時15分にアブ・シンベルを出発します。値切交渉が面白かったです。20年位前の東南アジアを旅していた頃を思い出します。一気にエジプトが面白くなってきました。バスは同じルートをアスワンに向けて戻ります。ナセル湖からの水路が途中にありました。これからこの辺りも開発が進んでいくのだと思います。
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来るときは車窓の右側だった景色を眺めます。朝日の事を考えるとこのルートはアブ・シンベルに向けて左側の席がお薦めです。
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こんな所にピラミッドと思うほど均整の取れた岩山です。これを見ているとピラミッドの基本となる形は砂漠の中に太古からあったのではないかと思えてしまいます。
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しばらく走ると湖が見えてきました。ナセル湖はバスの右側だし、おかしいと思ってグーグルマップで確認してみますが湖なんてありません。
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そうです。蜃気楼です。これほどはっきりした蜃気楼を見るのは初めてです。
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中国では「史記」の天官書の中に、蜃気楼の語源ともなる「蜃(大蛤の意味)の気(吐き出す息)によって楼(高い建物)が形づくられる」という記述があります。諸星大二郎の「孔子暗黒伝」という本の中で東海を望む海岸で孔子が「蜃が気を吐いた…。」とつぶやくシーンを思い出しました。
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往路と同じカフェでトイレ休憩がありました。ここではトイレ休憩では無くて蜃気楼の写真にみなさん真剣でした。
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「下位蜃気楼」と呼ばれる最も一般的に目にする機会の多い蜃気楼のようです。アスファルトや砂地などの熱い地面や海面に接した空気が熱せられ、下方の空気の密度が低くなった場合に、物体の下方に蜃気楼が出現するそうです。ビルや島などが浮いて見える浮島現象や逃げ水現象もこのタイプに属するそうです。
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完全な浮き島現象です。
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復路はゆっくり昼寝しながら帰れると思ったのですが、すっかり目が覚めてしまいました。
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記念写真を撮ってもらいました。
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スマホの自撮りは脇から見ていると面白いですね。
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エジプト旅行では思いがけない自然の風景にたくさん出会えてよかったです。
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一番高そうだった塔です。
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来るまでは遺跡ばかりが気になっていたエジプト旅行ですが、楽しみや興味がどんどん広がっていきます。
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混み入った送電線が見えてくるとアスワン・ハイ・ダムの発電所も近い証拠です。復路も同じ3時間ちょっとでしたが、帰路の方が時間は短く感じました。
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オールド・アスワン・ダムの上から昨日見学したイシス神殿を見納めします。
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アスワンの市内に戻りました。車窓の風景にも目が離せません。ロバ車とバナナとトゥクトゥクとガラベーヤのおじさん。
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ヒジャブを被った中学生も学校帰りにお菓子を買って帰ります。
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ロバ車でごみを拾い集める人を数多く見ました。アスワンでは子供の姿が多かったのに驚きました。
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アスワンのタクシーは車種はいろいろですが基本は白いボディーに赤か青(ほとんど青)のラインでした。ルクソールでは市内を移動するくらいでは20ポンドか30ポンドくらいではないでしょうか。ルクソールのホテルでアスワンまで頼むと1,100ポンドでした。カイロ市内からギザまでが地元の値段で50ポンドが相場らしいです。
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馬車にはエドフで乗りましたが、ツアーの料金に含まれているので実際の料金は分かりません。公定料金ではギザで1時間馬車に乗ると200ポンドと書いてありました。
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真っ暗な午前4時30分にクルーズ船を出発して午後2時に戻りました。これから遅いランチです。そしてアスワンを出港してルクソールに向けてのクルーズが始まります
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この旅行記へのコメント (5)
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- とろろんさん 2019/01/09 17:29:58
- はじめまして。
- kojikojiさん、はじめまして。
旅行記を楽しく拝読させていただいてます。
夫婦で昨年の春にスペインに旅行に行ったのですが、
kojikojiさんの素晴らしい旅行記を帰国してからになりましたが
拝読させていただきました。
私の知らない情報が盛りだくさんでガイドブックのようで
そこに行きたかった!と思うところがたくさん。
そして、そういう場所だったのねって知った事もたくさん。
素晴らしい知識ですね。写真もすごく綺麗です。
昨年の秋にアントワープに行ったのですが
出発する前にkojikojiさんの旅行記で予習させていただきました。
絵画について細かく説明されていて、すごく参考になりました。
奥様を大切にされていて、すごく仲がいいのが伝わってきますね。
昨年は私もエジプトに行きました。
旅行記の方は途中で挫折してとまっていますが。
昨年はエジプト、スペインと同じところに行ってますので
勝手に親近感を持ってしまいました。
アブ・シンベルへは私達は安ツアーのワゴン車で行ったのですが
kojikojiさんと同じくずっと朝日を車窓から見ていました。
ちなみにトイレ休憩のカフェは同じところです。
ツアーガイドのいない旅だったので
kojikojiさんの旅行記の遺跡の説明を読みながら
思い出しています。
今後の旅行記も楽しみにしています。
過去の旅行記も拝読させていただきます。
とろろん。
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- rumorさん 2019/01/06 23:14:00
- 天然ゴムの低反発枕
- kojikojiさん:枕の写真と値段および買える場所は教えていただけませんでしょうか
rumorより
- kojikojiさん からの返信 2019/01/06 23:50:02
- Re: 天然ゴムの低反発枕
- いろいろなツアーでラテックスの店には立ち寄ると思うのですが、昨年の10月に行ったマレーシア周遊のツアーで行ったペナン島のラテックス店で購入しました。小型の枕サイズですがこのタイプは初めて見ました。普通に枕としても使えますが、腰に当てると機内では非常に楽でした。
https://4travel.jp/travelogue/11412363
GETHAというブランドの物で3,800円でした。旅行記に写真も載っていますのでご覧ください。
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- rumorさん 2019/01/06 22:53:23
- エジプトツアー
- kojikojiさん:こんばんは、rumorです。12月25日関西空港発9日6泊エジプトツアーに参加した。アブシンベルに1泊した以外は観光スポットはほぼ同じです。よく外出して立派なホテルで豪華な夕食をいただき、羨ましいです。私たちの場合はテロ事件が発生した時から個別行動は厳しく禁じられた。船室の部屋とバスの席はおしゃる通るの方向で、観光地の事もよく書いたのでエジプト旅行に計画する方の参考になりますね。残るの旅行記を是非とも読ませていただきます。 rumorより
- kojikojiさん からの返信 2019/01/06 23:45:31
- Re: エジプトツアー
- rumorさん こんばんは。
旅行記にお立ち寄りくださりありがとうございます。帰国して3日後にヨーロッパの旅行にも出ていたのですが、26日に帰国した後にギザでテロがあったと聞いて驚いておりました。そのタイミングでエジプトにいらしたのですね。セキュリティなど大変だったと思います。エジプトの旅行記を作成しながら、後のヨーロッパ旅行の写真の整理も同時に行っているので旅行記の作成に時間がかかっています。こうやってお便りをいただくと励みになりますので頑張ります。
KojiKoji
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