2015/10/29 - 2015/11/03
231位(同エリア5392件中)
こあひるさん
眺めのよい白毫寺で、お会いしたかった観音菩薩を拝観し、閻魔王にぎっちり睨まれたあと・・・次の目的地である新薬師寺までは、約1km。
こちらのお寺には・・・奈良時代の素晴らしい十二神将がいらっしゃる。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
新薬師寺の手前に、鏡神社摂社の比賣(ひめ)神社という小さな鳥居とお社がありました。
御祭神は十市皇女(とうちひめみこ)、脇座は市杵嶋比賣。ここは古くから「ひめづか」と呼ばれ、十市皇女の塚だと言い伝えのある場所のようです。 -
神像石(かむかたいし)と呼ばれる3つの石がありました。ちょっと小高くなった柵の中にあるので、写真が撮りにくい〜〜!この人、なにやってんだろう?って感じの怪しい姿の私です。
弘文天皇(大友皇太子)・十市皇女から、曽孫の淡海三船までの4代と、それぞれの妃の御姿石が祀られています。 -
そして、新薬師寺の横には鏡神社。ちょっと寄ってみます。
鏡神社は、平城天皇即位の大同元年(806年)、遣唐使発遣の祈祷所であった当地に、新薬師寺の鎮守として勧請されました。
祭神は天照皇大神、藤原広嗣公、地主神。
藤原広嗣とは、天平時代に、反乱の首謀者として処刑された人です。広嗣の怨霊を鎮めるため、唐津に広嗣を祀る鏡神社が創建されましたが、その後、広嗣の邸跡と伝えられる当地に勧請されたものだということです。 -
拝殿。
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本殿は、春日移しの社です。
春日大社古記録によれば、延享3年(1746)、春日大社の第47次式年遷宮の際、旧本殿のうち第3殿を鏡神社へ譲渡した・・・とあります。
昭和34年の本殿修理中に、「三ノ御殿」と墨書銘が、屋根裏2ヶ所から発見されました。
よって、鏡神社本殿は、春日大社本殿の旧本殿であり、当初の部材がよく残ると共に、移築の経緯も記録に残っていて貴重なものです。
(説明板より) -
横から入っちゃったけど、拝殿正面のこっちが正式な出入口ですね。
南都鏡神社
http://www1.kcn.ne.jp/~fujishrs/南都鏡神社 寺・神社・教会
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周りは・・・基本、住宅街なんですが、所々に田んぼなんかもあります。
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それでは、新薬師寺へ・・・。
新薬師寺の「新」とは、「霊験あらたか」という意味で、西ノ京にある薬師寺とは全く関係のないお寺です。宗派も異なります。
新薬師寺は、聖武天皇の病気平癒を祈願して、后の光明皇后によって、天平19年(747)に創建されました。
当初は100人もの僧が住み、本尊の薬師如来像を安置する金堂を始め、七堂伽藍と東西2基の塔が建ち並ぶ大伽藍でしたが、平安時代の落雷や台風で、主なお堂を失いました。唯一残った建物が、今の本堂なのです。
以降、衰退し寺域を大幅に失ってしまいました。
鎌倉時代になって、華厳宗の高僧・明恵上人によって再興がなされ、創建時から残っていた唯一の建物を改造して本堂とし、東門、南門、地蔵堂、鐘楼などが再建されました。
鎌倉時代に再建されたそれらの建物が現在の伽藍となっています。 -
現在では、往時の大伽藍の面影はなく、こじんまりとした境内となっています。
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南門から入るとすぐ右手に、鎌倉時代に造られた鐘楼。
真っ白い漆喰塗りの袴腰がどっしりとしています。 -
ちょとだけ覗き見える梵鐘。こちらは天平時代のもの。もとは元興寺の釣鐘だったとも伝えられています。
現在は、行事の時や除夜の鐘の際に撞くそうです。 -
鐘楼のお隣には、池。お社は竜王社。
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南門から入って左手に、東大寺の二月堂の修二会(お水取り)を始めた実忠(じっちゅう)和尚の歯の塔だと言われているものがあります。
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南門の左手には、石仏群。地蔵菩薩3躯、阿弥陀如来1躯、薬師如来2躯、2面の阿弥陀名号石があります。
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こちらの地蔵菩薩は、光背の上部に六道(地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天)の姿が刻まれ、脇侍には冥界を司る十王を配しています。
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石仏群の脇に稲荷社。
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こちら側には、数え切れないほどの石仏がたくさん並べられています。
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地蔵堂。鎌倉時代の建物。
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地蔵堂の扉は開きませんが、格子になっているので、内部の仏像を覗き見ることができます。
地蔵堂ですが、真ん中には十一面観音菩薩立像(鎌倉時代)。向かって右に薬師如来立像(室町時代)、左に地蔵菩薩立像(南北朝時代)が安置されています。 -
お〜〜(*^▽^*)!!!十一面観音さま、かなりの美形とみた・・・(こら!)。
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仏像に興味を持ち始めて1年弱だけど・・・案外に、鎌倉時代の仏像が美しい!と思うようになって来たこの頃・・・。美しいです・・・(*^。^*)・・・。
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薬師如来も地蔵菩薩も・・・目だけがギラリと白く光って・・・こちらを見ていらっしゃいます〜。
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そして南門の正面が本堂。
最近の発掘調査で、往時の金堂は、現在の本堂の西方約150mやや南寄りにあったことがわかりました(現在の奈良教育大学敷地内)。
そして・・・金堂内には、七仏薬師(7つの薬師如来像)、それぞれの如来に脇侍の菩薩が2躯ずつ、そして十二神将が祀られた、東西に長いお堂(横幅約60m)だったようです。
その他、壇院、薬師悔過所、政所院、温室、造仏所、寺庭、東西の塔がある壮大な伽藍だったことがわかっています。 -
もともと体が弱かった(らしい)聖武天皇ですが、東大寺の大仏造立中、体調を崩されました。そこで天皇の病気を治すため、都とその近郊の名高い山、清らかな場所で、薬師悔過(やくしけか)が行われ、都と諸国に薬師如来7躯を造立し、薬師経7巻を写経することが命じられました。
平城京の東の春日山の香山堂でも、僧侶たちが精進潔斎してお籠りし、薬師悔過が勧修されたと考えられます。
これをきっかけに、光明皇后によって、春日山、高円山の麓に、新薬師寺(当初は香山薬師寺、香薬寺とも呼ばれました)が造営されました。
(写真はパンフレットより) -
悔過(けか)とは、過ちを悔いるという意味で、薬師悔過は、病苦を救う薬師如来の功徳を讃嘆し、罪過を懺悔して、天下泰平万民快楽を祈る法要のことです。
悪いことが起こるのは、欲、怒り、愚かさの三毒によって生じる罪業が、穢れとなって人々の心に蓄積されるからで、身を浄め、薬師如来の御前で罪を懺悔することによって、心の穢れを取り除いて悪いものを祓い、福を招くことができる・・・という考えです。
(パンフレットにあった薬師悔過の様子の図) -
本堂の前にあるのは、室町時代の石灯籠。
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創建当時の建物で唯一残っている現在の本堂は、当初は修法を行うためのお堂だったのではないかと考えれられています。
応和2年(962)の暴風によって金堂が倒壊し、境内の東の標高の高いところにあったお堂が、いつの頃からが本堂になりました。
鎌倉時代に再興された建物を加え、奈良時代の建物である本堂を中心に、今の新薬師寺が整いました。新薬師寺本堂 寺・神社・教会
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通常、七仏薬師は、一尊の光背に、六体の化仏(けぶつ)を加えて七仏を表すのが習わしでした。
しかしながら、創建当初の新薬師寺金堂には、実際に薬師如来仏が七つ並んでいたのです。経典通りに、薬師如来像7躯、日光菩薩像7躯、月光菩薩像7躯、そして十二神将像・・・合計33躯という圧巻の光景でした。 -
本堂の出入口は、西側にあります。
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これらが奈良時代の柱だと思うと・・・感慨深いものがあります。
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それでは・・・創建当初の唯一の建造物である本堂へ・・・。
内部は、土間に太い柱が立つ簡素で力強い造りになっています。柱は全部で40本あり、すべて円柱です。
天井には屋根裏がなく、内側から建物の骨組みをじかにみることができます。
円形の土壇(高さ90cm、直径約9m)か築かれ、檀上の中央にご本尊の薬師如来坐像、そのまわりに十二神将立像が立ち並んでいます。 -
本堂には窓がなく、照明もけっこう暗めなので・・・細かい部分や色彩などが見づらいのですが・・・土壇の周りをぐるりとめぐって、色々な角度から、じっくり近くで拝観することができます。
(絵はがきを写しました) -
ご本尊・薬師如来坐像。パンフレットの表紙を写しました。
金堂が倒壊したため、創建時の仏像ではないようで、奈良時代後期〜平安時代初期作のものです。
体幹部分は、一本のカヤの木から彫り出され、手と足は同じカヤの木から寄せ木し、全体の木目を合わせて、一本の木から丸彫りしたように造られています。
光背には宝相華樹が大きな葉を翻らせ、花を咲かせながら上に伸び、花の上の6躯の小仏は、本尊と合わせて七仏薬師を示しています。
昭和50年の調査で、胎内から平安初期の法華経8巻が見つかりました。
こんなにお目々ぱっちりで、愛らしいお顔の仏さまはこれまで見たことがなく、かなりインパクトあります。一度見たら忘れられないお顔です。 -
薬師如来を護衛する十二神将。1体に7000人の眷属を率いているといわれます。
十二神将像は、もとから新薬師寺にあったのではなく、高円山麓にあった岩淵寺から移したものとも伝えられています。
塑像(粘土などの土)で、天平時代の作です。一体「波夷羅(ハイラ)大将」だけはかつて破損してしまい、後の時代に補作されているため、国宝にはなっていませんが、他の11体は国宝です。
眼球は、紺、緑、褐色のガラスの吹き玉で表現され、かつて像の表面は、青、朱、緑、紫などに繧繝彩色(うんげんさいしき=同系統の色ごとに濃淡をつけて立体感を生み出す彩色法)され、現在でも部分的に色が残っています。
・・・といっても、中は暗いし、彩色も変色したものが部分的にみられるだけで・・・。
「伐折羅(バザラ)大将」のかつての彩色を、CGで再現した写真があり、とても興味深く見させてもらいました(写真は絵はがきを写しました)。
当時は、庶民がこれらの像を直接見ることはなかったかもしれませんが・・・ハデハデ十二神将だけで12体、これに加えて7つの薬師如来も金ぴかで・・・日光・月光菩薩も・・・と想像すると・・・そのあまりの煌びやかさとエキゾチックさと迫力にさぞかし圧倒されたことでしょうねぇ。
(十二神将の絵はがきセットのうち一部だけ写しました) -
本堂内を何周かぐるぐると周って見てしまいました。
こちらがご朱印です。 -
さて・・・本堂を出ました。本堂の東側にはなぜかステンドグラスの扉。
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東門は閉じられています。平安時代後期〜鎌倉時代初期のもの。当初は、四脚門ではなく、二脚の棟門だったと推定されています。
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本堂の西側に・・・土塀や門があり・・・ビデオ放映中との看板がありますので・・・行ってみます。
新薬師寺は萩が美しいお寺だそうです。 -
門を入ると・・・池を配したお庭になっています。
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香薬師堂。
香薬師堂には、昭和59年(1984年)に、景清地蔵尊(近隣の地蔵堂から、新薬師寺に移されてきた地蔵尊)の胎内から発見されたおたま地蔵尊(裸形)が安置されているそうです。
かつては、白鳳金銅仏の香薬師如来立像が安置されていましたが、昭和18年(1943)に盗難に遭い、現在も見つかっていません(レプリカがあり見ることができます)。 -
香薬師堂に隣接する庫裡の一室で、ビデオが見れるようです。
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ビデオは、新薬師寺についての解説。
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往時の新薬師寺の伽藍。(ビデオ画面より)
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(ビデオ画面より)
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ビデオ上映しているお座敷しか立ち入れませんが、廊下の端の扉がちょっとキレイ。
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お座敷から眺めるお庭。
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お庭には、かなり古そうな土塀が残っていましたが・・・これは・・・いつのものなのでしょうか。
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香薬師堂の前ではなく、庫裡の前の門から出ます。
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ちいさいけど、装飾が賑やかな門ですね。
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この塀も古そうだけど・・・。
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正午をまわりました。新薬師寺から出ます。
新薬師寺
http://www.shinyakushiji.or.jp/ -
新薬師寺の隣には、奈良大和路の写真家、入江泰吉記念奈良市写真美術館があります。寄ろうかどうしようかな〜と思っていましたが、せっかくなので見ていくことにしました。
10月10日〜12月23日まで、「生誕110年 回顧入江泰吉の仕事」という企画をやっていました。入江泰吉記念奈良市写真美術館 美術館・博物館
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とってもモダンで立派な美術館でビックリ。もちろん中は撮影禁止です。
写真集も売られていましたが、重くなるので・・・ポストカードを数枚だけ買いました。 -
ロビーにはカフェもあり、庭の池が見えます。
入江泰吉記念奈良市写真美術館
http://irietaikichi.jp/ -
さて・・・13時をまわりました。
高畑の散策へと・・・。 -
新薬師寺の東側の道を通っていきます。
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なかなか風情ある家並みですね〜ぇ。
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春日大社の南に広がる高畑は、かつては大社に仕える神官が暮らす社家町でした。
現在も、その面影が残る閑静なお屋敷町となっています。 -
あら・・・お寺の門らしきものが見えてきました。
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門の脇に、この時期の特別開帳のお知らせが・・・。これは寄らずにはいられませんね〜。
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こちらは不空院というお寺になります。
ほんとに小さなお寺ですが、けっこう参拝客が訪れています。奈良でお寺まわりをしてると、自分が想像していたよりも、大きなお寺だったり、意外とこじんまりしたお寺だったり・・・あるいは参拝客が多かったり、ほとんどいなかったり・・・訪れてみないとわからない発見と意外性があるので面白いです。
春日山・不空院はその名が示す通り、春日山を背に不空羂索観音を本尊とする真言律宗(鎌倉時代、西大寺を復興した叡尊が宗祖)の古刹だそうです。
ここは、鑑真和上の住居があった旧跡であり、興福寺南円堂建立にあたっては、弘法大師が入られて、南円堂の雛型として当山が建てられた・・・と記録があるようです。
ここに足跡を残された弘法大師にちなみ「福井之大師」(福井は不空=福に発する旧土地名)とも呼ばれ、「女人救済の寺」としても知られています。不空院 寺・神社・教会
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えんきりさん(法竜大善神)とえんむすびさん(黒竜大神・市杵嶋姫大神)が祀られています。
法竜大善神は不動明王と、市杵嶋姫大神は弁財天と同一視される神さまだそうです。 -
小さな境内にはちょっとした庭園もあり・・・。
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現在の本堂には、元は鎮守社の御祭神であった宇賀弁財天女(室町時代・秘仏)が安置されています。
鎌倉時代には、八角円堂を始め、鎮守社や僧房など複数の堂宇を有する寺観だったようです。特に、弁財天女の信仰は盛んだったようです。
しかし、のちの戦乱で寺は衰退し、八角堂以下の堂宇のほとんども、安政の大地震によって倒壊してしまいました。再興果たせぬまま迎えた明治には、廃仏毀釈の昂ぶりで、当山も無住職となり、荒廃しました。
大正時代になり、再興を遂げ、倒壊した八角堂礎石に真上に現在の本堂を建立し、寺域が整えられました。
奈良町の芸妓たちは、美と長寿・芸事精進の祈願に弁財天女を参り、不幸な身の上の女性が縁切り・縁結びの祠に手を合わせるなどの信仰を集めました。また「かけこみ寺」の役も果たしたことから女人救済の寺として知られるようになりました。
(不空院古絵図は絵はがきを写したものです) -
平安時代、この不空院に在された弘法大師の徳を偲ぶ石像。
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では本堂へ・・・。
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絵はがきを写したものですが、こちらがご本尊・不空羂索観音菩薩坐像(鎌倉時代)です。真正面よりも、斜め下横からのお顔が好きです(こら!)。
「春日山」の山号が表すように、不空院と春日大社には深い縁があります。
ご本尊の不空羂索観音は、春日第一神である武甕槌命(たけみかづきのみこと)変化のお姿ということです。このために御前には鏡を配し、白鹿が控えています。一面三目八臂のお姿です。 -
御朱印。
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秘仏(御開帳はあり)の宇賀弁財天女像(室町時代)の絵はがきとご朱印。
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不動明王像も安置されていたので、ご朱印頂きました。
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南都の伝統工芸品である麻生地(奈良晒し)を使った、手書きイラストのご朱印帳がなかなか可愛かったので購入しました。
不空院
http://www.fuku-in.com/
13:50になります。なんか意外と時間が押してきました。一昨日、時間がある時に、ならまちで買いたいと思っていたものを先にお買い物しておいてよかったかも・・・。
続きま〜す。
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この旅行記へのコメント (10)
-
- mistralさん 2015/12/13 09:20:37
- 御朱印帳、楽しみ!
- こあひるさん
おはようございます。
mistralです。
年末に奈良への旅、計画しています。
今まで行ったことのないお寺は?と
思案中。
こあひるさんの興味深い旅行記に
出会いました。
新薬師寺、心惹かれました。
mistralも御朱印帳、マニアです。
また訪問させていただきます。
mistral
- こあひるさん からの返信 2015/12/16 10:26:08
- RE: 御朱印帳、楽しみ!
- mistralさん、おはようございま〜す!
年末に奈良に行かれるのですか〜〜!いいですね〜〜!
京都ももちろんそうでしょうが、奈良にも行ってみたいお寺が山のようにあって選ぶのが大変ですよね〜。
新薬師寺、見ごたえありました〜。百毫寺に行かれたことがないのなら、ついでにお薦めなのですが・・・。眺めがすごくいいです。
御朱印いただくのも楽しみですが、御朱印帳そのものにかわいいものがあると、無駄に購入してしまい、今、まだ使い切っていない新しい御朱印帳が何冊も溜まっております・・・。もっと参拝にでかけろ!ってことですかね(笑)。
mistralさんがどのようなお寺を選ばれるのか楽しみです。
こあひる
-
- たらよろさん 2015/12/03 12:46:58
- 美しい仏様
- こんにちは、こあひるさん
ほんと、新薬師寺の十一面観音像、
めちゃめちゃお美しいですね〜〜
スラっとした出で立ちで、この当時だとスリムなお方なのでは??(笑)
ところで、新薬師寺と薬師寺って関係なかったんだ〜
知らなかったわ、、、
新という意味の取り違えもしていたし、、、
やっぱり知らないことって多いね〜
教えてくれてありがとう。
こういうことって、なかなか日常で知る機会ないから、
絶対に知らない人多いと思うよ(笑)
たらよろ
- こあひるさん からの返信 2015/12/04 11:47:40
- RE: 美しい仏様
- たらよろさん、こんにちは〜!
わ〜〜!やっぱりあの十一面観音さま、美形だと思われましたか〜〜!嬉しいです〜(*^▽^*)!!
私も、新薬師寺に行こうとガイドブックなどを読むまでは、薬師寺と関係あるお寺なのかな〜となんとなく思っていました。この名称は、かなり紛らわしいですよねぇ〜(笑)。
こあひる
-
- はなかみno王子さん 2015/12/02 22:15:06
- 不思議なステンドグラス
- こあひるさま
新薬師寺の十二神将はおうじも大好き 。
もう、何度もーー。
天平の仏像たちとステンドグラス、どう言う意味かわかりませんが
不思議な組み合わせは謎にしておいたほうが楽しいいのかもーー。
おうじ
- こあひるさん からの返信 2015/12/04 11:19:18
- RE: 不思議なステンドグラス
- おうじさま〜、こんにちは!
新薬師寺の十二神将は見ごたえありました〜〜!塑像の四天王像も迫力ありますが、12体揃って薬師如来を取り囲んでいるのは圧巻でした〜。
ステンドグラスは近代になってはめ込まれたんでしょうが・・・あの色彩の光が堂内に差し込んだりすると、またキレイなのになぁ〜。
こあひる
-
- ガブリエラさん 2015/12/02 14:34:48
- 不空院
- こあひるさん☆
こちらにも、お邪魔してます♪
新薬師寺、不空院は、私が通院している病院の結構近くなんです(*^_^*)
なので、ついつい人がいない夏とかに行くので、予約していかないため、まだ本堂の中にお参りしたことないんですよ〜!
今度は、ちゃんと公開されている時に行こうと思います♪
ご朱印も、素敵ですね!
百毫寺は、奈良駅から歩いたこともあります。
新薬師寺からは、結構近いですが、なにしろぐねぐねの細い道を歩いていくので、なぜか方向音痴の私が迷わないのは、閻魔さまのご加護かと思っています(笑)。
タクシーは、あの石段の下まで、来てくれたりするんですけどね・・。
きっと、細い道が苦手なドライバーさんだったのでしょうね。
入江泰吉さんの写真は、奈良の古い思いでが見られて、大好きです♪
ディープな奈良も、楽しまれてて、さすがこあひるさんです!
ガブ(^_^)v
- こあひるさん からの返信 2015/12/04 11:16:26
- RE: 不空院
- ガブちゃん、おはよ〜!
あのあたりは、通院帰りの寄り道にもいいところですね〜ぇ。町並みも風情あるし、オシャレなカフェなんかもあって・・・。
不空院は、普段は予約しないと本堂内参拝できないお寺なのかな?たまたま通りがかって・・・全然チェックしてなかったお寺だったのですが、ご本尊様もステキでした〜!!
白毫寺については、以前にガブちゃんの旅行記が記憶に残っています。ならまちから歩いていける・・・とか、志貴皇子の山荘だったところだとか・・・閻魔王のことも覚えていました。でも、ここがそこだったか〜ってのは、訪れることになって初めて実感したのですけれど。
入江泰吉さんのモノクロの写真、昔の奈良の風景がとってもよかったです。写真集買おうかな〜と思ったのですが、それら古い時代の写真を集めた写真集が売り切れてたみたいで・・・。まぁ、重いからそれでよかったのかもしれませんが。
こあひる
-
- aoitomoさん 2015/12/02 13:16:39
- 色鮮やかな本堂内を想像してしまいます〜
- こあひるさん
『新薬師寺』
こじんまりとした境内とはいえ、池もあり石仏あり・・
フォトジェニックな『新薬師寺』です。
『地蔵堂』の『十一面観音菩薩立像』のお顔のアップもよく見えて分かりやすいです。
薬師如来立像と地蔵菩薩立像の目には驚きます。(笑)
『本堂』
ここもしっかり拝見できるのはいいですね〜
十二神将像の伐折羅大将のCG写真にびっくりです。
年月を得た色褪せた像に侘び寂びを感じながら拝見したりしてますが、
往時のイメージも頭の片隅に入れておかないとと思いました。
十二神将像がCGのような極彩色であったり往時の色が再現出来たら、小さな子供も興味をもてそうと思いました。
というか私が興味津々です。(笑)
『入江泰吉記念奈良市写真美術館』
入江泰吉は仏像写真家だけに、こあひるさんは特に楽しめたのではないでしょうか?
『不空院』
特別開帳でラッキーでしたね〜
特別開帳の言葉に私も弱いです。
女人救済の寺というのも興味深いです。
不空羂索観音坐像の一面三目八臂の姿は、初めて見ました。
絵ハガキの出費も大変でしょうが、ご本尊も拝見できてありがたいです。
aoitomo
- こあひるさん からの返信 2015/12/03 10:41:50
- RE: 色鮮やかな本堂内を想像してしまいます〜
- aoitomoさん、こんにちは!
地蔵堂の薬師如来と地蔵菩薩・・・目だけが白く浮かび上がり・・・私の軽率かつ無信心な態度を戒めているようでした(笑)。
本堂の十二神将は、ほんとに圧巻でした。照明がかなり暗めなので、近くに寄っても見づらい・・・のにはじれったい思いもありましたが、好きなだけぐるぐる回って拝観できるので、満足度は高いです。
かすかに残された彩色はくすんだり黒ずんでしまっているので、もともとの派手な色使をなかなか想像しづらいですよね。興福寺の阿修羅像のCG復元も見たことがあるので、ビックリするほどの極彩色なのはわかっていましたが・・・。やはり、あの金ぴかハデハデな色使いにを見せられると、あまりのギャップに驚愕しますねぇ〜。日本では、剥げてしまった古ぼけたものばかり見てますから・・・。タイなどほかの仏教国の金ぴかの仏像や、大げさなほど華やかな色彩の寺院のほうが、創建時の風景に近いのでしょうね。
創建時の金堂に・・・7つの薬師如来と、それぞれに日光・月光菩薩、そして十二神将全部・・・全体のCGをぜひ見てみたいですよ〜。
入江泰吉の写真・・・モノクロ写真・・・その当時の奈良や飛鳥の様子を写したものが特によかったです。
この時期には御開帳が多いので、どこのお寺の秘仏を見に行こうか・・・とっても悩ましいです。不空院のことは知らなかったし、メジャーなガイドブックに載っているようなお寺ではなかったので、通りがかりでしたが・・・そういうご縁もまた嬉しいですね。
ご本尊の不空羂索観音ってのが、そもそもあまり残ってないようです。藤原氏が不空羂索観音好きだったみたいなのですが、その後は(本尊として)あまり人気がなかったようです。庶民にはやはり阿弥陀如来や観音さまが人気だったんだろうし、武士社会になると、不動明王などほかの仏像のほうが好まれたんでしょうね。
絵はがきやパンフレットの出費・・・旅が終わってみてビックリ・・・ショック受けましたが、それでもやっぱり・・・記憶力の乏しすぎる私には、あとから整理するのにとっても助かります。
こあひる
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