2012/11/16 - 2012/11/23
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フィーン庭園は、カシャーンにあるペルシャ式庭園です。2011年、『ペルシャ式庭園』として、他のイラン国内の庭園とともに九つが世界文化遺産に登録されました。今回の旅行では、その内の3箇所が見学できました。(ウィキペディア)
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フィーン庭園に到着しました。その入口の建物光景です。ムカルナスで装飾された、イーワーンを持った建物でした。フィン庭園は、カーシャーン以外の場所にあったものが移築されたと伝えられていますが、その明確な証拠は見つかっていません。(同上)
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中央上部にユネスコの世界遺産マークが入った説明パネルの光景です。左下にフィーン庭園の平面図が、1から10番目まで記されていました。右側の説明パネルには、フィーン庭園は、ペルシャで最も美しく重要な庭園の一つであることの紹介の後に、9世紀頃からの略史が記されていました。(同上)
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上半分がアラビア語(ペルシャ語)、下半分が英文で書かれたフィン庭園の案内文です。左上に世界遺産マークがありました。英文のタイトルが『エントランス ポータル・ビルディング・オブ・ザ・ガーデン』でした。『ガーデン(フィン庭園)の入口の建物の玄関』といったところのようです。先ほどの平面図では、右端に1番目に記されていました。(同上)
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ネット情報では、『イトスギ(西洋檜)』が多く植林されていると紹介されていましたが、その古木でしょうか。イトスギは、ヒノキ科イトスギ属の常緑樹です。普通の樹形は、ゴッホの糸杉の絵に見られるように、枝はあまり広がらずに幹が高く成長します。(同上)
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イチオシ
フィーン庭園の特徴の一つが、豊富な水を使った庭園構成です。その水路の光景です。現存するフィン庭園は、アッバース1世の時代に建設されました。もともと、カーシャーンの南西数マイルのところのフィン村の付近にはペルシャ式庭園がありました。(同上)
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水路の先に見えていた建物のズームアップ光景です。黄色の建物で連想するのが、ハプスブルグ帝国の領袖で、女帝だった『マリア・テレジア(1717~1780年)』の『テレジアン・イエロー』です。その代表例が、ウィーンの世界遺産のシェーンブルン宮殿です。(同上)
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緑の芝生と木々の間から空見える建物光景です。第七代シャーのアッバース2世時代(1632~1666年)まで、サファヴィー王家は、フィン庭園の拡張工事が実施されました。その後、ガージャール朝の第二代シャーのファトフ・アリー・シャー(1772~1834年)がフィン庭園を高く評価し、再拡張が実施されました。しかし、その後のフィン庭園は放置されました。 (同上)
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ペルシャ式庭園の泉水と、その先に建つ建物光景です。フィーン庭園は、1935年にイランの国家財産の一つにリストアップされ、2007年9月に、ユネスコの世界遺産暫定リストに登録されました。『ペルシャ式庭園』として、世界遺産に登録されたのは、前書きのように2011年のことでした。(同上)
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フィーン庭園で咲く赤やオレンジ色のバラの花の光景です。カシャーンは、絨毯の産地として古くから有名ですが、『バラの町』としても有名です。近郊の村で生産されるローズ・ウォーターは、5月中旬から6月初旬のほんの短い間、それも早朝に収穫されたバラのつぼみを大きな釜で蒸留して抽出されます。(同上)
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ペルシャ式庭園は、西はスペイン、アンダルシアから、東はインドまで影響を与えた庭園の様式です。スペインのアルハンブラ宮殿の庭園は、ペルシャ式庭園の哲学とムーア人様式が融合したものとされ、インドのタージ・マハルは、ムガル帝国時代に建設された最大規模のペルシャ式庭園です。建物も素晴らしいですが、ペルシャ式庭園も印象に残りました。(同上)
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ペルシャ式庭園の泉水と、その先に建つ建物光景です。泉水が重要な役割を持つのが、ペルシャ式庭園の大きな特徴です。人工的にポンプ・アップするのではなく、落差やサイホンの原理などを利用して揚水を行っているようです。(同上)
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イチオシ
個人的な印象ですが、明るい光がよく似合う、簡略化したアラベスク文様の天井光景です。写真を撮影している場所だけでなく、その先に続くアーチ風の造りの部分も一体となったデザインでした。(同上)
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天井に描かれたアラベスク文様のズームアップ光景です。これも、まったくの個人的な感想ですが、日本画の空間の美を連想させてくれる天井の装飾でした。できることなら、この後も書き加えられることがないように願うところです。(同上)
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水が張られた、小さな水槽の内部光景です。イタリアのトレビの泉に倣ったのか、コインが投げ入れられていました。トレビの泉のコインの半分が、カトリック系チャリティ団体に寄付されるそうです。(同上)
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写真に記されたペルシャ語(アラビア語)が読み解けませんので、推測での紹介になります。髭の形や服装からの年代から見て、ガージャール朝の第4代シャーの『ナーセロッディーン(在位:1848~1896年)』当たりのの肖像のようです。(同上)
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同じく、写真に記されたペルシャ語(アラビア語)が読み解けませんので、推測での紹介になります。シャーなどの高位の人の夫人のようです。肖像画ではなく、100年以上前のモノクロ写真のようです。日本でも、江戸時代末期の坂本龍馬などのモノクロ写真が残されています。(同上)
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同じく推測ですが、ガージャール朝の第4代シャーの時代に宰相を務めた『アミール・キャビール(1807~1852年)』のモノクロ写真かも知れません。その根拠の一つとして、背の高い黒い帽子の肖像画が残されています。また、あペルシャ文字(アラビア文字)の名前も、読み解けませんが煮ているようでした。シャーから刺客を送られ、この地で暗殺されました。(同上)
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写真に記されたペルシャ語(アラビア語)が読み解けませんので、推測での紹介が続きます。この方も、シャーなどの高位の人の夫人のようです。やはり、肖像画ではなく、100年以上前のモノクロ写真のようです。(同上)
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室内に飾られていた、鳳凰と龍の戦いの図です。どちらも黄金色で表現されていました。中国思想が反映した図柄のようです。古代中国では、 動物(生き物)を鱗蟲(虫)・毛蟲・羽蟲・甲蟲の四つに分類していました。 この四つの分類のそれぞれを統括する長(王)が、龍・麒麟・鳳凰・霊亀で、四霊獣と呼ばれます。 四霊獣は、縁起のよい瑞獣とされ、世の中が瑞気に満ちて、平和な時代のみに出現するとされました(神使像めぐり*余話より)。(同上)
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『フィーン(フィン)庭園』の見どころ紹介のパネルの光景です。水利施設や、天井に描かれたアラベスク文様などが紹介されていました。残念ながら、英文ではありませんでした。(同上)
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フィーン庭園の中心部分になるらしい建物の外部光景です。色々と工夫が凝らされていて、見飽きない光景でした。中庭風の場所に、剪定された庭木もありました。(同上)
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テラスのような場所越しに眺めた、フィーン庭園の光景です。少し見上げる角度での光景になります。フィン庭園を維持するために、庭園の傍の丘泉の水を利用して、庭園内に数多くあるプールや噴水に供給されています。これらの水の供給には、機械的なポンプを使用していないようです。(同上)
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1852年、ガージャール朝の第4代シャーの『ナーセロッディーン(在位:1848~1896年)』の宰相を勤めた『アミール・キャビール(1807~1852年)』が浴場で暗殺された場面のジオラマ展示です。アターバクの称号を持つのはガージャール朝では他に2人を数えるのみで、イランではガージャール朝下のみならず、イラン近代史における改革者の第一人者とされる大宰相でした。(同上)
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アミール・キャビールの改革に対し、ナーセロッディーン・シャーを始めとする既得権益層は快く思っていなかったようです。シャーは、宰相を解任し、この地に流しました。そして、シャーの命を受けた刺客に命を奪われました。アミール・キャビールの評価は、現代イランで高く、彼の名を冠した工科大学がテヘランにあります。自然科学、工学、技術における国内最高の教育機関とされます。(同上)
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照明の色も影響していたようですが、透き通った青い水の中で泳いでいた、大小さまざまな魚の光景です。先ほど紹介したアミール・キャビールは、当時、ロシアの大使が、アミール・キャビールにロシアへの避難を勧めたといわれていますが、彼はこれを固辞したと伝えられています。(同上)
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東屋のようなドームの天井に描かれていた、アラベスク文様の光景です。線引きだけではなく、具象的にも見える文様が数多く配されて、癒しの光景になっていました。機械的に仕上がった幾何学模様ではなく、手造りによる不完全さが、目を楽しませてくれます。(同上)
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天井中央のアラベスク文様のズームアップ光景です。基調となる色は三色だけ、それも控えめな色使いですから、柔らかい雰囲気とマッチしていたようです。憩いの場所に相応しい装飾でした。(同上)
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イチオシ
輝く太陽か星か、あるいは花弁を表したような、アラベスク文様のズームアップ光景です。定規を使ったような線引きだけではなく、千が交わってできた空間には、少し薄れてしまったようですが、繊細な文様も描かれていました。(同上)
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2011年、イラン国内の九つの庭園が世界文化遺産に一括して、『ペルシャ式庭園』として登録されました。その一覧は次の通りです。(同上)
(1)パサルガダエ庭園(パサルガエダ)
(2)エラム庭園(シラーズ)
(3)チェヘル・ソトゥーン庭園(イスファハーン)
(4)フィン庭園(カシャーン)
(5)アッバース・アーバード庭園(ベフシャフル)
(6)シャーザデー庭園(マーハーン)
(7)ドーラト・アーバード庭園(ヤズド州)
(8)パフラヴァンプール庭園(メフリーズ)
(9)アクバリーエ庭園(ビールジャンド) -
フィーン庭園を取り囲む、高い石塀の光景です。一直線に長く続いていました。その脇に水路が流れ、常緑の木々も続いていました。『フィン庭園の中庭は、4本の塔を伴う城壁に囲まれている。面積は、2.3ヘクタール。庭園を維持するために多くの水を利用している』と紹介されていました。(同上)
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