上海の隆昌公寓・2013年

2013/10/03 - 2013/10/03

再開発の激しい上海でひょっとしてもう無くなってしまったのでは無いかと心配しながら再訪しました。
当時、上海北部黄浦江の周辺は近代工業の発祥の地として多くの人々が集まっていました。水道、電気、ガス、水運などインフラが揃い日本の紡績会社を始め国内外の企業が集まっていました。楊樹浦（ヤンジュポ）と呼ばれたこの地にイギリス人の設計により、1920年頃に建てられたと言う隆昌公寓は、当時としてはエレベーターのついた先進的で洒落た造りだっようです。中国建国後には警察（巡捕房）が置かれ、その公安の家族が住んでいたようです。その後公安の家族が徐々に出て行き、一般上海市民が入居して来た。最近地方出身者も住み始めていると言う。かつての香港の九龍城砦を思わせる巨大な集合住宅、隆昌公寓。この５階建ての古ぼけたアパートに1920年頃の生活そのままに、現在260世帯？あまりが生活している。そのまま映画のロケに使えそうです。

エリア 上海(中国)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• 交通: 3.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 高速・路線バス
• 旅行の手配内容: 個別手配

地下鉄８号線の延吉中路駅下車、駅前の５７７菅口路ー靖宇中路でバスに乗車し、隆昌路ー平涼路で下車、真ん前に到着。

表通りからは中の状態は想像出来ません。日本をはじめ世界各国でブームを起こしたコメディ映画「カンフーハッスル」に登場した、巨大な魔の巣窟にそっくりです。

映画に出てくるアパートはカンフーの達人たちが住んでいるという設定だ。一見普通の人々が、実はカンフーの達人で、ギャング団を相手に戦いに挑むという内容。

この入口から中に入ります。百年を一気にタイムスリップしたように変わります。この時差が堪りません。

イギリス人の設計により、1920年代に建てられたという隆昌公寓は、当時としてはエレベーターのついた先進的で洒落たつくりだった。

当初は一般住宅ではなく、公共租界の治安維持をする巡捕の宿舎として利用されていました。2004年には、上海市により不可移動文物と認定され、現在も集合住宅として多くの住民が生活しています。

ここ隆昌公寓で繰り広げられる日常も映画のシーンと同様で、パジャマ姿で髪にカーラーを巻きつけたままの女性が闊歩している光景が、目の前で再現されているのだ。

天気の良い日は、広い庭をぐるりと取り巻く建物から、無秩序に空を突き刺すように物干し竿が伸び、生々しい程の生活臭を発している。自動車を古い物に入れ替えれば完璧だ！

そして、食事の支度の音や子ども達のはしゃぎ声…。隣近所との距離が密だった日本の長屋を思わせる心地よい喧騒が、ここではまだまだ健在だ。

生活の場に外部の人間が入って行ける場所は数少ない。部屋の内部は見られません。

１００年前の生活を再現しています。映画村で無く実際の生活です。浦東の超高層ビル、５星ホテルと同じ上海です。

今日は朝から天気も良く洗濯日和です。見るなら晴天の朝が良いでしょう。何時見るか？今でしょう。

今日は国慶節、国旗が掲揚されています。間違えました、洗濯物でした。自転車だけが絵になります。

朝は通路の流し台で挨拶を交わしながら洗面をしている。

狭い通路の両側に家財道具が並らび、人一人が通るのがやっとです。日本なら消防法で即撤去させられる所です。

狭い通路に部屋を造ってしまっています。台所やシャワールームに使っているようです。

ゴミ集積場所です、臭気を逃す排気筒が付いています。建物の四面の角、４ヶ所に設置されています。

楊浦区に残る歴史ある住宅。イギリス人の設計により、1920年代に建てられたという隆昌公寓は、当時としてはエレベーターのついた先進的で洒落たつくりだった。イギリス人はトイレを設計しなかったらしい！
扉なし、前後の仕切りなし。汚れて汚い、薄暗い。貴方はここで用を足す事が出来ますか、私には出来ません。

トイレはこの細い通路の奥にあります。ちょっと探しました。

各階の通路は部屋の一部として使われています。荷物を持ったり、太った人は通れません。

通路に造った部屋にガス湯沸かし器が取り付けられています。たぶんシャワールームでしょうか？

歯磨きをしている住民、朝の会話も楽しんでいるのでしょう。

ここほど住民の生活を見える所はありません。

日本流に言えば井戸端会議でもしているのでしょう。住民は写真を撮られるのは嫌いです。望遠で撮っています、まあ、隠し撮りです。

１階はかなり本格的に部屋造りを行っています。

ずらっと並んだポストの数、３００以上あります。何所帯何人住んで居るのか？当局でも把握していないのではないか。