★ヨーロッパあちこち（１３）ドハーニ通りのシナゴーグへ

2008/09/16 - 2008/09/16

ブダペストを出る前にどこか一ヶ所だけ寄れる時間の余裕があるね。
ホテルからあんまり遠くない名所に行ってみよう。

ブダペストの地図を見てみると、ル・メリディアン・ブダペストの近くにはヨーロッパ最大級のシナゴーグ（ユダヤ教会）やブダペスト最大の聖堂だという聖イシュトヴァーン大聖堂がある。

二つともホテルからほんの数百m。
でも、二つとも行ける位の時間は無し。
二人の意見が一致して決まったのは、ユダヤ博物館やホロコースト記念碑も同じ敷地内にあるというシナゴーグ。
その佇まいや歴史も垣間見に行ってみようと思います。

表紙の画像は、シナゴーグ内部のドームと装飾。

エリア ブダペスト(ハンガリー)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.5
• ホテル: 4.0
• グルメ: 4.0
• 交通: 4.0

• 同行者: カップル・夫婦
• 交通手段: 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

ヨーロッパでは最大級、世界ではエルサルレムとニューヨークに次ぐ規模を持つブダペストのシナゴーグ。
シナゴーグというのはユダヤ教会の事。

所在地：ペスト地区のドハーニ通り（DUHANY U.）２−８。　正確には、DUHANYのAの字の上に´が付いています。
ル・メリディアン・ブダペストからだと数百mで徒歩でも楽々。離れた所からもタマネギ型のドームを乗せたこの2本の塔がよく目立ちます。
地下鉄で行く時には、デアーク広場駅で降りるのが便利だと思います。

チケットはシナゴーグ外側に出ているブースで購入。
シナゴーグ＋同じ境内にあるユダヤ博物館＋ホロコースト記念碑のある中庭を合わせて1600フォリント。
オープンは午前10時。ただし、終了時間は曜日によって午後３時（金）、午後５時（月〜木）、午後６時（日）と幅があるので早目の時間帯に行くのがいいと思います。土曜日はお休み。
日本語によるツアーは無いようですが、英語でのツアーは３０分毎にあるようで所要４０分ほど。

シナゴーグ前の道を挟んだ所に数軒並んでいるのは気軽なカフェ。
これはそのうちの一軒のZENITというお店。

学生大型グループがたった今シナゴーグに入って行ったので、ちょっとここでコーヒーでも飲んでから出直します。

上に画像を出したシナゴーグ前のZENITは気さくなカフェ。
メニューに写真が付いているし、英語でも名前が出ていたのが旅行者に親切。
表にも英語で看板が出ています。
スタッフもフレンドリーな応対だったのが好印象。

それに釣られて、ハムとチーズ＋オリーブの焼きサンドイッチも追加注文。これがシンプルながら美味しい一品。780フォリント。
メニューにはアイスクリーム・パフェ（1150フォリント〜）も載っていたし、ショーケースにはパイやケーキ（480フォリント〜）も並んでいましたよ。

屋外席に座るには涼しすぎたこの朝。
大きなガラス張りの窓際席に陣取って、ちょっと街角ウォッチング。

車道向こうの建物がシナゴーグ。
あ、バスもすぐ目の前に停まるのね。
シナゴーグに行ってみようと思う方は、利用を考えてみてもいいかも。

ちょっとガラスの反射で見苦しくなりましたが、これもカフェZENITから見たシナゴーグ前の街角風景。


腕時計を確かめつつ、急ぎ足で通り過ぎていく人もいるブダペストの朝。
都会ではどこでも見られる風景だなあ。
この先に国立博物館があるから、そこでの待ち合わせのために急いでいるのかも。

さ、シナゴーグの見学に行ってみよう。

カフェZENITを出て車道を渡ると、こんな広告が。
NICORETTEって禁煙パッチやガムなんかの禁煙グッズだよね。
これを見ると、ハンガリーでも禁煙運動が浸透して来ているみたい。

で、その横の筒状の物は、元々は屋外灰皿だったんじゃない？

ニコレットの日本語版サイトはこちら。http://www.nicorette-j.com/

シナゴーグ見学のチケットを買って、シナゴーグ入口あたりを見上げてみる。

青い空の日なら、日の光の中で映えそうなその外観。

ブダペストのこのシナゴーグはビザンチン・ムーア様式で造られ、1859年に落成したのだそう。


シナゴーグの中に一歩入ると…、

…荘厳の一言に尽きるその内部。

これほど大きいシナゴーグの内部を見るのは初めてだから、その規模にも装飾にも目を奪われる。

このシナゴーグは改革派のものなので、男性席と女性席を隔てるメヒツァーと呼ばれる仕切りが無いのだそう。

ここだけ見ると、まるで劇場の桟敷席のようにも見えるシナゴーグ内部の2階部分。　
…劇場と言ったら罰当たりですね。(；＾ω＾)


明るすぎない照明で陰影を創り出している空間って、信仰心を持たないSUR SHANGHAIも神妙な気分になる。

黒光りする木造部分、そしてその形。
ここも宗教的神秘さを醸し出す建築が見事。

シナゴーグはユダヤ教会と言うのは分かっていても、じゃあユダヤ教とキリスト教とはどう違うのかと聞かれると、SUR SHANGHAIはウ〜ン…。

ヤハウェが唯一神とか、メシア（救世主）信仰があるとか、ナチスによる迫害の時代にユダヤ人が胸に付けさせられたダビデの星がユダヤ教の象徴だと言う事くらい。

下記のウィキペディアの≪ユダヤ教≫のページで見てみるといいですよ。
ユダヤ教について多岐に渡って説明がされています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%83%80%E3%83%A4%E6%95%99

シナゴーグ内部の祭壇とその上のドームを見上げる。

あれ？　祭壇の後にはステンド・グラスが無いのね。

シナゴーグ側面の窓のあたりだったかな。

同じ形のアーチや窓が規則的に並ぶ。
窓のステンドグラスはシンプルでも、手前のアーチの細工が細かい！

この天井は、シナゴーグの正面入口付近のものだったと思うんですが…。

ユダヤ教の起源となった古代の中近東を思い起こさせる色柄の装飾が美しい。

上の画像と同じあたりの天井をあれこれアングルも変えて撮ってみたSUR SHANGHAI。

この一枚がシナゴーグ内のエキゾチックな雰囲気をよく表しているような気がします。

シナゴーグと同じ境内には、ユダヤ博物館やホロコースト記念碑があります。
境内は広くはないので、全部見て回っても1時間かかりません。

ユダヤ博物館はシナゴーグの正面に向かって左隣にある小さい建物。内部には古代からのユダヤ教やユダヤ人の歴史に関する展示がありましたが、撮影禁止だったような気がします。間違っていたらお許しを。


これはシナゴーグ裏手にあるホロコースト記念碑。
離れて見てみると、柳の木を象ったかのような銀色のオブジェ。これは1991年にハンガリーの彫刻家によって作られたものだそうです。

その葉っぱの1枚1枚にはナチスのホロコーストによって命を奪われたユダヤ人の名が記されているのが印象的。
その葉の数の多さに戦慄を覚える人は多いだろうと思います。

ホロコースト記念碑のある中庭はシナゴーグのすぐ裏手にあるというのが分かる1枚。

上の画像で見た柳の木のような銀色のオブジェは、こうして見ると尽きることなく湧き出す噴水のようにも見える。

このオブジェは、これまでの迫害の歴史にうなだれている柳の木のようにも見えるし、これからも連綿と続くユダヤ人の未来を象徴しているような気もします。

ホロコースト記念碑のあるシナゴーグ境内の中庭。
右手に見えているのがシナゴーグの建物。

中央にあるのが柳の木や噴水のように見えるオブジェの全体像。
恐ろしく悲しい歴史を表したオブジェなのに美しい。
そう思う人はSUR SHANGHAI以外にも多いらしくて、ほとんどの人がこの周りで写真を撮っていました。

これもホロコースト記念碑のある中庭にあった慰霊碑らしき建造物。

区切りの一つ一つに書いてあるのはユダヤの人々の名？
そして生年らしき数字と没年らしき数字が書いてある。
生年らしき数字ははまちまちなのに、没年らしき数字の方は1944や1945が圧倒的に多くなっています。

これもホロコーストの恐ろしさを伝えるためのもの？
でも、どうして小石がその小窓に詰め込まれているんだろう…。


そんな疑問を抱きつつ、シナゴーグを後にしたSUR SHANGHAIとその旦那。
このあとはフェルトゥーラーコシュ経由でウィーンに戻り、そこからハンブルクに飛ぶのが今日の二人の予定。