2009/05 - 2009/06
53位(同エリア153件中)
小心者さん
記念門の前にある『ベル神殿』は1世紀~2世紀頃に建てられたパルミラ最大の神殿で、約200メートル四方の広さがあります。
こちらは記念門の先の遺跡群とは違って、観光客で賑わっていました。
おそらくツアーだとここベル神殿がパルミラの主要見学スポットとなっているのでしょう。
ところで、ここで問題が・・・。
ベル神殿の入場料は150SPなのですが、500SP札しか持ち合わせがありませんでした。
しかし受付で「釣りが無いホヘーン」と、あっさり拒否されました。
受付で15分くらい待ちましたが、個人旅行者は一向に現れないため『釣り』はなかなか出来ません。
仕方なく、付近にいた物売りの人に両替をお願いしました。
(後に熾烈な「買え」攻撃を受けました)
大きな額(約1000円ですけど)の紙幣の受け取りを拒否されることはありがちですが、このような有名観光地ですら受け取ってもらえないことが何度かありました。
シリアでは特に、小額紙幣を手に入れることを常に念頭においておくべきだと感じました。
※追記
2015年8月末、ベル神殿はイスラム国(IS)によって破壊されました。
シリアの通貨・・・SP(シリアンパウンド)
1SP=約2.04円(2009年5月現在)
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 25万円 - 30万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス タクシー
- 航空会社
- アエロフロート・ロシア航空
-
やっと入場できました。
料金係の人に「おぉ、よく替えてきたな」と褒められました。
…お、おう。後が怖いですけどね。
写真は、神殿を囲んでいた壁の一部です。 -
神殿を囲むコリント式の柱。
ときどき団体さんがやって来て賑わうのですが、彼らが去るとほぼ無人… -
-
シリアの遺跡の素晴らしいのは、やはりこの『ほったらか…手つかず感』。
-
円柱がゴロゴロと転がっています。
どうか『無茶な復元』とかしないでほしい。 -
地面に無造作に放置されています。
-
何かの台?
手つかずだと当然『案内板』も少ないので、いろいろとよく分かりません。 -
アザミ でかっ!
-
主要な箇所は補強されていますが、簡素なものです。
-
主神ベル(豊穣の神)に捧げられた『本殿』。
少し高くなったところに建っています。 -
本殿を囲んでいた柱の一部。
裏側にきれいに残っています。
柱の穴は何のためのものでしょうか。 -
本殿へと続く門。
-
本殿の入口付近に置かれたレリーフ『その1』
-
右の部分をアップで。
ここにも穴が穿たれています。 -
レリーフ『その2』
-
上部部分のアップ。
美しいドレープとかフサとか、つぶさに観察します。 -
下部は葡萄と蔓のレリーフ。
驚くほどきれいな状態で残っています。 -
地面に向けられた面にも模様があります。
地面との間が狭いので、寝転ばないと見えません。
誰もおらんうちにやっとくか。 -
本殿内部、北側にある『神像安置所』。
-
天井部分に彫刻が残りますが、神像はありません。
多分どこかの博物館に… -
正面(南側)にある『神像安置所』。
-
こちらの天井にも、非常に美しい模様が彫られています。
煤が付着しているように見えるのは、火を焚いたからでしょうか。 -
物売りの人に両替してもらって入場、(ことさら)ゆっくり見学を終えてベル神殿を後にしました。
その後の顛末を記しておきます(長文すみません)
***************
・・・・・・あれからずい分時間も経ち、さすがにもういないだろうと思ったが甘かった。
神殿から出てきた私に、さっきの人がアクセサリー(ラクダの骨のネックレスだか)を持って近寄って来た。
確かに親切にはしてもらった。出来ればちょっとしたものくらい買って差し上げたい。
けれど彼らはボッタクリ集団だ。
さっきも、スークで50SP(約100円)で売っていた品を15ドルで売りつけられそうになったばかりだ。いくらなんでもボッタクリすぎだろう。
恩を忘れたわけではないけれど、私は「いや…そのぅ…」とまごまごしていた。
すると何処からともなくデカイおっさんが現れ、唐突に「英語でメールを打ってくれ」と言う。
「は?」と面食らう私におっさんは「恋人にメールを打ちたいのだ」と、クネクネしながら照れ笑いを浮かべた。
英語は話せるけれど『読み書き』が出来ないらしい。
私は「簡単なものなら」と返事した。
おっさんは私を吊し上げていた物売りをさっさと追い払い、自分の携帯を差し出した。(おっさんはラクダの客引き)(自分よりはるか年下の男性を『おっさん呼ばわり』するのはいかがなものか)
聞けば、彼は一人旅の中国人女性と3日間を共に過ごし、彼女は今日ダマスカスに発ってしまったのだという。
彼女はとてもキュートな21歳だとかで、おっさんはもうメロメロになっている様子だ。
自分の歳を棚上げして言わせてもらうと、40超えたおっさんのデレデレした顔はなかなかキツイものがあった。
しかし、そんなことにはお構いなしに、おっさんはマヌケヅラで恋心を切々かつ延々と語る。
あまりのどうでもよさに首を掻き毟りたくなった((-_-)←まさにこんな顔)
しかし、私は旅の間じゅういろんな人たちからいろんな親切を享受する。
だから逆に何かを頼まれたときは、出来る限り快く引き受けることにしている。それが何千分の一かの恩返しになるかもしれないと思っているから。
彼から文字入力の仕方を教わり、陽射しで画面が見えないので日傘で影を作ってもらう。
「どうぞ一服」とタバコも差し出されるが、丁重にお断りする。
私の日傘を手にクネクネしながらメールの文言を語るおっさんの破壊力は尋常ではなかった。
内容は「アイラブユー。あなたがとても恋しい。もう一度戻って来て下さい。待っています」
・・・超絶にアホくさい・・・。
それでもきちんと完成させて、送信する。
「では!」と立ち去ろうとしたが、「少し待って」と言われたのでその場で少し付き合う。
ものの5分ほどでメールが返信されてきた。
彼は英語が読めないので、私に読んで聞かせて欲しかったのだ。
返信はこれまたアホくさいことこの上ない。
「ありがとう。私もとてもあなたに会いたい。アイラブユー」
でもとっても嬉しそうな彼の顔を見て、私も少し幸せな気分になった。
そしてその日、私もダマスカスへ発った。
ダマスカスの宿のドミトリーでは中国人女性と二人だった。彼女は21歳だと言った。
もしかして・・・私がメールを打った相手は彼女かも知れない、と思った。
尋ねることはできなかったけど、そう考えると何となくワクワクした。
******************
こんなふうに、今回の旅では「あれ?あの話はここに繋がっているのでは??」と思える出来事がいくつかありました。
また機会があれば書かせていただきたいです。
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