2009/05 - 2009/06
10位(同エリア74件中)
小心者さん
【トルコのアンタクヤから国境を越えてアレッポへ】
バスは朝7時半頃、アンタクヤに到着。
爆睡中に叩き起こされ、ボンヤリとバスを降りたところに、いきなり「アレッポか?パスポートよこせ!」と畳みかけられて混乱。
ついうっかり命の次に大切なパスポートを差し出し、荷物も持ち去られました。
相手が悪人だった場合、ここで旅が終了するところでした。
更には両替屋のおっさんにもまくし立てられ、ますますパニクり、20リラ→550SPという『いかにも』なレートで両替してしまいました。
あいつら絶対に確信犯やな。
『荷物持ち去り犯』から辛うじて聞き取った番号の乗り場へ行くと、ちゃんとアレッポ行きのバスが停車していて、犯人がトランクに荷物を積み込んでいました。
ひとまずホッ。
私のバックパックも、頑丈なスーツケースと同様の手荒さで無事に放り込まれていました。
こちとら『布』なので、もうちょっと気を遣ってもらえますか。
「8時半に出発」ということなので、朝食を摂り、10分前に戻ってくると既にバスが出発していました。
ぉおーーーーーーーーい!!!!!
発狂しながら窓口に突進すると、係の人が「あ。しもた」という顔をし、どこかへ電話をかけます。
約5分後。半泣きの私は戻ってきたバスに乗り込みました。
乗客はおろか係の人まで爆笑していて衝撃です。
怒りを通り越して「この旅から生きて帰れるのか」という不安でいっぱいに。
せめてパスポートは置いていきさらせ!
バス料金は15YTL(1YTL=約62円)。
最も利用者の多い国境らしく多少混雑していましたが、アンタクヤを出て4時間ほどで無事アレッポに到着。
途中のガソリンスタンドでトイレに行くことができましたが、板が渡してあるだけのボットントイレで、粗末な扉を閉めると真っ暗。
スリル満点すぎて、再び「この旅から生きて帰れるのか」という不安でいっぱいに。
トルコからのバスが到着するこのバスターミナルから時計塔のある中心部までは、徒歩で10分くらい。
予想に反して、私はこのアレッポの町がとても気に入ってしまい、2度に分けて10日間滞在しましたが、まだ足りないくらいでした。
ただし到着してしばらくは、初っ端の不安も相まって、混沌とした雰囲気に気後ればかりが先行しました。
シリアの通貨・・・SP(シリアンパウンド)
1SP=約2.04円(2009年5月現在)
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 25万円 - 30万円
- 交通手段
- 高速・路線バス
- 航空会社
- アエロフロート・ロシア航空
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-
宿泊したのは、時計塔から徒歩5分ほどのところにある
『Spring Flower Hostel』。
何軒かまわってみて、ここに決めました。
3ベッドルームをドイツ人女性と二人でシェア。
左側の扉は専用の戸棚、右側の扉の外は小さなバルコニー。
のちに独房のようなシングルルームに移動。
やはり、どんなに狭くても一人が落ち着きます。
シェアルーム(シャワー・トイレ付) 250SP
シングルルーム 200SP(強制移動だったため、50SP安くしてくれた) -
この宿は、なかなかお洒落なつくり。
階段の上は、ルーフドミトリー、喫茶スペース、インターネットスペース(有料)など。日本語の情報ノートもあり、自由に閲覧できます。
ルーフドミトリーでは毎朝「パンツがパクられた!」などの騒ぎが勃発していて楽しそうでした。
暇な時は喫茶スペースに行くと誰かしらいるので喋り相手には事欠きません。
私はよくオーストラリア人のおじいちゃんのお話を拝聴しました。
160カ国以上周られた彼のお話はとても面白かったです。
しかし、石造りの階段がとても急なうえにツルツル滑りやすく、一度女性が上から降ってきました(もちろん体当たりを喰らいました)。
ここではクロックスはやめたほうがいいです。 -
2度目にアレッポを訪れた際に宿泊した部屋。
ツインルーム(シャワー・トイレ付)のシングルユース、400SP。
どの部屋にも小さな観葉植物が置かれているのが嬉しいです。
宿のスタッフに「両替は銀行で」と教えていただきました。
何軒かの銀行を回りましたが、日本円の両替は14時までとのこと。
結局ATMで4000SPおろしました。
後に銀行で両替しましたが、小銭をごまかされました。
銀行だってヤルときゃヤリよる。 -
さっそく街歩き。
旧市街には、私を魅了する細い路地がいっぱい。
時間を忘れて歩きまわりました。 -
女性の一団が現れたので、通過を待とうと立ち止まります。
しかし一向に距離が縮まりません。
目を眇めると、どうやら「わしらごと撮れ」とポーズを決めているようです。 -
ほな遠慮なく。
こちらは写真好きの方がとっても多く、カメラをぶら下げて歩いていると、あちこちから撮影を頼まれます。
そして、人々がすごくフレンドリー。 -
どこも同じにしか見えないかもしれませんが、路地好きにはたまらなく、ついつい立ち止まって写真を撮ってしまいます。
が、撮った写真は後から自分で見ても「どれも一緒やないかーい」と思いました。 -
ガイドブックにも紹介されている『ファティマの手』は、しばしば見かけました。
魔除けや御守りの意味があるのだそう。
幼い頃に手首が徘徊する映画を観てトラウマになりましたが、ちょっとだけそれを思い出して毎回震えます。 -
石造りの建物に、木造の出窓(部屋?)が張り出しています。
-
この先にはどんな路地が?
と、ワクワク。
路地を彷徨っている最中にエザーンが聞こえてくると、心細さに恍惚となりました(そういうタイプ) -
シリアで最も印象に残っているのは、このアレッポ旧市街の路地です。
これほど美しくて心浮き立つ路地はなかなかないと思います。 -
左側の福福しい女性から「写真撮って!」と呼び止められました。
おぅ。まかしとけ! -
アレッポの見所のひとつ、スーク(市場)。
中東最大級とも言われる広さを誇ります。 -
アレッポ石鹸、服、スカーフ、アクセサリー、スパイス、肉、お菓子・・・
ありとあらゆるものが売られています。
この男性の被り物は非常にポピュラーで、私も紫色のヤツを購入しました。
が、のちのち「やっぱり定番の赤にすれば良かった」と後悔しました(そういうタイプ) -
スークの中はまさに混沌。
驚くような場所まで軽トラックが進入し、手押しの荷車や物売りの人や自転車なんかが狭い通路を縦横無尽に行き来しています。 -
メインの通りを中心に、このような細い通りが無数に。
-
ただし、訝しげな視線はふんだんに喰らいます。
この国では、半袖でウロウロしている女性などまずいません。
多くの女性は全身をヒジャブで覆い、目元しか見えない方も多かったです。 -
ゆっくり見学しながら歩きたいのですが、ちょいちょい「写真撮って!」と呼び止められるので油断できません。
ナッツ屋のおにいさんたち。
中東では男同士で腕を組んだり手を繋いだりするのはごく普通のことらしいです。 -
こちらはスーク内のシュワルマ屋。
美味しそう。 -
リクエストに応えて写真を撮っていると、「こっちもこっちも」と連鎖反応。
皆さん、どんだけ写真が好きなんですか。 -
髭率高し。
-
なぜか、初めて会ったとは思えないおじさん(手前)。
多分ですが『バカボンのパパ』っぽいからでしょうか?
熱々のシャーイ(紅茶)をご馳走になり、火傷しました。
関西人の特性で「あっちぃぃぃい!」と大騒ぎしたら大いにウケたので良かったです。 -
息子さんに頼まれて撮影しましたが、お父さんはイヤなんかい。
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布製品の工場に招いていただきました。
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キャラバンサライ『ハーン・アル・ワジル』の特徴ある入口アーチ。
17世紀に造られた隊商宿です。 -
現在は土産物屋などに利用されています。
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石造りの建物って、200~300年くらい屁でもないんですね。
-
大モスクのすぐそばにある、ファラーフェルサンドイッチのお店『ファラーフェル・ハラブ』。
大人気で、いつも人だかりが出来ています。
ファラーフェル:豆を磨り潰して香辛料を混ぜ、コロッケのように揚げたもの -
これが大人気のサンドイッチ。
これでは中身がよく分からないが、ほどよい塩気のファラーフェルとぎっしり詰まった野菜がとてもよく合います。
しかも、かなりのボリュームで15SPと、とても安い!
写真を撮るのに苦労していると、そばにいた子供さんが代わりに持ってくれました。
ご親切にありがとう。 -
お店の店員さん。
何とも素敵な笑顔です。
シリアでもトルコでも、とても若い店員さんをよく見かけました。 -
モスクからの帰り道、旧市街の路地で道を尋ねた男性(左)がめちゃくちゃフレンドリー!
彼(Bakrei)のお宅であるマーケットに招待してくれ、チョコバーを御馳走してもらいました。
この三人が兄弟だなんて…全然似てねー!
と、本人たちもジョークにしていました。 -
その二日後、旧市街の路地(どんだけウロつくねん)で偶然Bakreiに再会。
筋が一本でも違えば、時間が1分でも違えば会えなかったのに。
めちゃくちゃ盛り上がり、またまたマーケットへ連行されました。
アラビックコーヒーを御馳走になっていると、近所の子供たちが集まってきました。
とにかくこの国の人は老若男女問わず写真が大好き。
後ろで陽気にピースしているのはBakreiの友人。 -
Bakreiが「家族にも会っていって!」と、ご自宅にまで招待してくれました。
家の真ん中にオープンエアの中庭があり、美しく手入れされています。
素敵な旧市街のお宅を拝見できるなんて! -
お母さんも妹さんもとてもいい笑顔で迎えてくれ、お父さんや下の弟さんにもご挨拶。
初日に会った上の弟さんにも再会し、「おおー!」と盛り上がります。
紅茶やデザートなど、さんざんご馳走になってしまいました。
ありがとうございました。
当然ですが、イスラム教徒である女性も家の中ではラフな格好で過ごしておられ、それが何だか新鮮でした。
「アレッポに戻ってきたら必ず寄って」と念を押されてお別れ。
こんなところで友人のように迎えてくれる人ができたことに感激! -
弟さんたちがスークまで送ってくださいました。
夜の路地もとても味わい深いですが、昼間ですら死ぬほど迷うので助かりました。
アレッポは夜に出歩いても危険な感じは全然ありませんでした。 -
活気に満ちていた食品スークもそろそろ店じまい。
Bakreiと出会えたことはアレッポでの一番の思い出です。
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この旅行記へのコメント (4)
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- ciao66さん 2009/07/20 21:13:52
- 面白そうな所ですね。
- 面白そうな所ですね、路地の木製バルコニーなぞ、初めて見ました。
ちょっとトルコの風景にも似ているようですね。
あそこは木造の2階が張り出していました。
私も路地歩き好きなので、イスタンブールでの路地歩きを思い出しました。
そして写真拡大して見るととても綺麗です。
ところで、1spって、どう読んで、何円位ですか?
写真好きなのもトルコそっくりですね。皆さんの笑顔が素晴らしいです。
作成中にお邪魔しました。・・・また来ます。
- 小心者さん からの返信 2009/07/21 00:17:09
- RE: 面白そうな所ですね。
- さっそく御覧いただき、ありがとうございます。
仰るとおり、シリアもヨルダンもトルコに似ていると感じることが多かったです。
人々がびっくりするほど親切なところもよく似ています。
但し、こちらは物価がずい分安くて助かりました。
今、銀行で両替した際のレシートを見てみたところ、
20000円=9866SP(別に手数料100SPが必要)となっていました。
私は大体大雑把に、50SPが100円くらい、と計算していました。
SPはシリアンパウンドと読みます。
いつもながら、旅行記作りは思い出が蘇って楽しいですね!
少しずつでも完成まで頑張りたいと思っています。
私は、ciao66さんの『ペンギンの足跡?』を拝見して、かなり本気でイタリアに行きたくなってまいりました。
ではまた!
-
- ciao66さん 2009/07/19 20:59:41
- 路地歩き
- 無事お帰りになって何よりです。
いきなり路地で始まるのも小心者さんらしい感じですね。
どんな所か、興味しんしんです。
続きを楽しみにしています。
- 小心者さん からの返信 2009/07/20 02:55:10
- RE: 路地歩き
- 書き込みありがとうございます。
帰国して、改めて写真を確認してみると『路地だらけ』で、
我ながら自分の路地好きには呆れてしまいました。
写真を整理しながら、ボチボチ旅行記を作成していこうと思っています。
ぜひまた覗いてやってくださいね!
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