2009/05 - 2009/06
43位(同エリア153件中)
小心者さん
『パルミラ』は砂漠の中にある広大な遺跡群で、元は2世紀頃に繁栄したシルクロードの都市です。
遺跡内は一部を除いて、自由きままに散策することができます。
**********
ホムスからパルミラに向かう場合、ほとんどのバスが発着する『ガラージュ・ミクロバス』ではなく、別のガラージュからのバスに乗らなくてはならないので注意が必要です(場所は最低でも2回は人に尋ねましょう)。
今回は尋ねた人が車で連れて行ってくださったので、場所の説明はできません。ホムスの人、マジ優しい!
パルミラ行きのバスは、最初に声をかけてきたバス会社の人に100SPと言われたのですが、別のバス会社の人に75SPと言われ、そちらに決めました。
しかしこれは失敗で、ボッロボロだし、エアコンは無いし、補助シート(風呂椅子)に座らされるしでさんざんでした。
バックパックを膝に載せたままの苦行でしたが、その状態でも居眠りする自分が凄すぎる!
そして、よくわからない場所で一人降ろされ、笑顔で「さいならー」と手を振られてバスは去ってゆきました。
…て。…いや。…運賃は?
理由はまったく不明ですが、結局ホムスからパルミラへは無賃乗車となりました。
まぁ本来の運賃は50~100SPってとこじゃないですかね(テキトー)
※追記:パルミラのガラージュは遺跡から少し離れているので、おそらくホテルなどがある手前の道沿いで降ろしてくれたのだと思います。
シリアの通貨・・・SP(シリアンパウンド)
1SP=約2.04円(2009年5月現在)
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 25万円 - 30万円
- 交通手段
- 高速・路線バス
- 航空会社
- アエロフロート・ロシア航空
-
宿泊したのは『New Afqa Hotel』(アフカホテル)。
別々の場所で出会った二人(ドイツ人女性とオーストラリア人男性)から勧められたのでぜひ泊まってみたかったのです。
ホムスからのバスを降りたよくわからない場所からは結構距離があり、何度か挫けそうになりましたが、人に尋ね尋ね、執念でどうにかたどり着きました。
1泊朝食付きで500SP(シャワー・トイレ・エアコン・TV付)。
最初しれっと「1000SP」と言われましたが、「他の人から500と聞きましたよ」と言うと一発で半額になりました。
パルミラでは油断してはいけない気がします。
しかし、ベッドは清潔でとても寝心地がよく、シリアで宿泊したホテルの中で一番ぐっすり眠れました。 -
部屋の前のバルコニーからの眺め。
この後『砂嵐』になり、街中が茶色く染まりました。
それはそれで、なかなか幻想的な光景でした。
その写真を撮ろうとドアから出た瞬間、風でドアが勢いよく閉まりました。
鍵は部屋の中。痛恨の極みです。
スペアキーなんてものは存在せず、釘を抜いて窓ガラスを外し、そこから手を入れて鍵を開けてもらいました。恐るべし、安宿。
ていうか、すみませんでした。
以上のような事情で、砂嵐の写真はありません。
それどころではなかったのです。 -
めっちゃ勧められて頼んだホテルの夕食。なかなかおいしかったです。
300SPと言われましたが、量を半分にしてもらって200SPに。
それでもかなりの量で、食べ切れませんでした。
更にデザートの焼き菓子も付いています。 -
まずは遺跡群への入口にあたる『記念門』へ。
ガイドブックにもあるとおり、この付近にはラクダの客引きがたくさんいて、「ラクダは楽だ」とグイグイきます。
なぜか他に観光客が全然いないので、集中攻撃を喰らいました。 -
こちらは別の日に撮影した記念門。
ホテルから遺跡までは少し距離があるのですが、マヌケヅラ下げて歩いていると、ちょいちょいバイクに乗せてもらえました。
概ねニケツ、たまに三ケツ、稀にラクダ。 -
細かな彫刻が美しいです。
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記念門をくぐると列柱が並びます。
-
ここの列柱も、とてもきれいな状態で残っています。
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列柱遠景
-
バイクに乗った物売りも、ジュースだの何だのをさんざん売りつけに来ます。
なぜこんなに人がいないのでしょう…。
ラクダ引き・物売り10人に対して、売られる側は私1人だと思われます。
同じ人が品を変えて何度も売りつけにきます。
もうええっちゅうねん。 -
取引場(アゴラ)。
-
突然「あら!クラックデシュバリエでも会ったよね!」と、声をかけられました。
まったく記憶になくて恐縮でございます。
これがマリアとの出会いでした。 -
とは言え、これ以降マリアは特に出てきません。
-
整然と並ぶ列柱越しに『アラブ城』を望みます。
こんな砂漠のような場所でもところどころに緑があることが意外です。 -
列柱道路の交差点に位置する『四面門』
-
「ラクダは楽だ」×50回くらい
…いい加減にしなさい。
もうたいがいにしてもらいたいので、逆に「ベドウィンキャンプへ行きたいのですが」と尋ねてみました。
試しに「10ドルでは?」と言ってみたら即決しました。
…初心者がちょいちょいやらかす失敗ですね。
まずは「1ドル」あたりから始めて、一発殴られてから交渉すべきでした。 -
『墓の谷』
パルミラにはいくつかの塔墓があり、規模が大きく有名なものはきちんと整備されています(有料)。
が、私は断然こちらの塔墓(無料)が気になって仕方ありません。
(有料・無料の問題ではありません)
さっきのおにいさんに「あそこには入れるの?」と尋ねると「おう」との返事。
『ベトウィンキャンプへの送迎』のオマケとして、ラクダで連れて行ってくれることに。
ラクダは決して楽ではなく、怖くて尻も痛かったです。
あれほど「楽だ」と言っていたくせに嘘やったんかい、と思いました。
しかも初っ端に暴れられて、墜落死する自分が脳裏に浮かびました。 -
塔墓の一つに放り込んでもらいました。
今となっては、どの墓に入ったのかは定かではありません。
放り込み方がめっちゃ荒っぽくて、ちょっと死ぬかと思いました。
一応「56す気か!」と抗議しましたが、スルーされました。 -
骨がいっぱい。何人分あるのでしょうか。
穴の形状からいって、おそらくここに遺体を安置して風化させるのでしょう。 -
ここで骨を埋める覚悟はないので、当然出ないといけません。
放り込んでもらった時の何倍も怖かったです。
だいぶ死ぬかと思いました。
この後ホテル近くで「日本人女性と婚約中」だという方(ハゼム氏)に出会い、ご自宅で昼食をご馳走になりました。
あれこれ観光のアドバイスもしてくださいました。
できればもう少し早くお会いして『ベドウィンキャンプまでの相場』を訊きたかったです。 -
キャンプへ行くため、待ち合わせ場所の『四面門』付近へ。
先払いしなかっただけでもグッジョブです。 -
暑いからか、陽に焼けるからなのか、少し暑さがやわらいでからの出発です。
-
さすがにラクダではなく、バイクにニケツで向かいます。
よろしくお願いします。 -
なかなか普段お目にかかれない風景が広がります。
-
人工物が一切見えません。
結論から申し上げましょう。
帰りは真っ暗になり、岩に乗り上げたバイクがパンク。
街から数キロ離れたこの辺りで放置されました。
下手したら死にますね。マジでたいがいにしてほしいです。
初心者はちゃんとしたツアーで行くことをお勧めします。 -
行きは順調に到着しました。
-
バイクにおにいさんは私をテントに案内したきり、どこかへ行ってしまいました。
しばらくすると女性が紅茶を振る舞ってくれましたが、それ以外は誰からも特に構われず。
勝手にウロウロするのも憚られ、狭い範囲をちょろっと見学します。
『リトルワールド(犬山)』に来たような気分です。 -
それでもこの景色はすごい。
-
番犬と遠くの岩山。
この後にあんな目に遭うとは…。
闇の中、街まで1時間以上歩きました。
絶対に死んだ、と思いました。 -
無事に試練を乗り越えた翌朝、ホテルの朝食をいただきます。
昨夜はお陰様で夕食抜きだったので、この時を待ちわびました。
バターたっぷりのオムレツが嬉しかったです。 -
今日は列柱道路より北側の遺跡を散策します。
-
『バールシャミン神殿』。
5世紀に教会へと造り替えられたそうです。
『バールシャミン』はギリシア語の『ゼウス』を意味します。 -
神殿内部には木が生えていてびっくりしました。
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『円形劇場』。
中に入るには見学料が必要です(75SP)。 -
しかしそこそこ丸見えですし、やけにきれいなので、鉄柵から覗くだけにしました…。
-
アパメアは焦げるほど暑かったのに、パルミラはそれほど暑くないのが不思議です。
-
日差しはもちろん強烈なんですが。
標高が1000mあるそうなので、そのせいでしょうか。 -
『アラブ城』
ここに登らなかった後悔はずっと尾を引きました。
なにせ滞在の後半はひどい下痢で… -
こ、コケるのかっ!? そろそろコケるのかっ!?
-
遺跡の一番奥の辺りまでやって来ました。
-
スタンダード神殿の陰で休んでいると、この辺りのキャンプで暮らす人たちが大勢集まってきました。
私を見て集まってきたわけではなく、どうやらここは皆さんの昼の茶会場所になっているようです。
30人ほどの大所帯です。 -
左のお二人は結婚されたばかりだそうで、「写真を撮って」と頼まれました。
女性はとっても若くてかわいいです。
そして、やっぱりここの人たちも写真が大好きらしい。 -
美人さんですね。
-
小さな赤ちゃんもいます。
赤ちゃん、密かにカメラ目線です。さすが。 -
しっかりカメラを見据えています。
きれいな目。 -
正直言いましょう。
わざわざベドウィンキャンプまで行ってえらい目に遭わなくても、こんなところで会えるんかい。 -
言葉が通じないので正確には分かりませんが、おそらくこの方が一族のグランドマザー。貫禄が半端ない。
赤ちゃんは曾孫かな。 -
写真を撮ったり撮られたり、お菓子を振舞われたり、ダンスを披露してもらったり。
とても楽しいひとときを過ごしました。 -
マテ茶をご馳走になりました。
このステンレス製のストローは先が茶漉しのようになっていて便利です(ボンビーリャというらしい)。
苦い抹茶のような味がしました。
せめてものお礼にと五円玉(もちろんお金としてではなく、記念として)を差し出すと、25SP硬貨(約50円)を返されました。
びっくりして「これはすごくチープなお金だから」と一生懸命断りますが、頑として譲りません。
儲けてどうするねん!
こんな出会いがあると分かっていれば…
偶然に感謝しながら彼らとお別れ。
素敵な時間をありがとうございました。 -
本日も夕方からハゼム氏のご自宅にお呼ばれです。
婚約者の祖国である日本の話がしたいようです。
お母様が『葡萄の葉のリゾット』と『自家製ヨーグルト』をご馳走してくださいました。
彼は両津勘吉そっくりで、私の旅日記には『勘吉』と表記されていました。失礼ですね。
あまりに親切なので正直ちょっと警戒していたのですが、最後の最後まで本当にめちゃくちゃ親切な方でした。
もっとちゃんとお礼を言っておけばよかった、と後悔しています。 -
翌日。
空は快晴ですが、下痢は治りません。
トイレットペーパーがいくらあっても足りません。
原因はタイミング的におそらくベドウィンキャンプでいただいた紅茶だと思います。
まさに踏んだり蹴ったり(´ー`) -
下痢が小康状態になるのを待って、パルミラを後にしました。
ハゼム氏の働くレストランにお別れの挨拶に立ち寄ると、彼の友人がバイクでガラージュまで送ってくださいました。
最後の最後までありがとうございました。
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この旅行記へのコメント (8)
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- フィーコさん 2023/04/03 10:16:10
- らくだは楽ちゃう おけつ痛いの同感
- 小心者姐さん おはようございます♪
2009年 シリアに1人旅!
ゴッツイなぁ
パルミラ、破壊される前に行けてよかったですね←ホント羨ましい!
私もその頃ツアーですが話しがあったのです。
行かなかったのが後悔です。
バイクで2ケツでその後放置
よくご無事で徒歩で帰られた事にビックリです。
私やったら遭難もんですわ。
フィーコ
- 小心者さん からの返信 2023/04/03 17:07:43
- ついでに めっちゃコワイ
- フィーコさん、こんにちは!
こんなカビの生えた旅行記をご覧いただき、ありがとうございます。
この『置いてけぼり事件』はマジで死んだと思いました。海外で行方不明になるのは決して他人事ではないのだと実感しました。
ちょちょいとその辺に埋められたらまず発見されないですよね。
やっぱりマヌケは一人旅したらあかん。
大好きなシリア。いろいろな意味で遠い国になってしまい、本当に残念です。ウクライナも…
フィーコさんはどちらでラクダ体験されたのかな?グランドキャニオンかな?(短絡思考)と、全編読み耽りました。
ラクダは出てこなかったけど、絶景に感動!レンタカー旅マジリスペクト!
小心者
- フィーコさん からの返信 2023/04/03 19:35:53
- ビザも取らんとよう行くなぁ リスペクト!
- 小心者姐さん こんばんは♪♪♪
シリア、今は行けない国になりました。
私の行きている間は当分(涙)
階段からクロックスを履いた女性が降って来る宿に泊まってみたいです。
国境超えて置いてけぼり~
何回置いてけぼりくらったんですか。
パスポートは無事でよかったね。
ラクダはその昔、エジプトで乗りました。
もう2度と乗るか!
と心に誓い10年程前、友人とモロッコ行った時も意地でも乗りませんでした。
砂丘だったから歩いたら足首まで砂に埋りズボ!ズボ!
それはそれで辛かったかも。
砂丘でもエジプトはそんなに埋まらなかったような。
砂の質によるのでしょうね。
アメリカレンタカー旅、見ていただきありがとうございます。
レンタカー借りるアシストがあったから借りる事ができました。
私ら夫婦の語学力だけでは不安~
受付カウンターのおばさん、英語オンリーのナビでいいわよね?ってサラッと言われ
あかん!あかん!
アシストマンを呼びに行ったのでした。
言ってる事は何となく分かるけど言い返せない(泣)
珍道中でした(爆)
フィーコ
- フィーコさん からの返信 2023/04/03 19:37:22
- Re: らくだは楽ちゃう おけつ痛いの同感
- ゴメンなさい
行きている→生きている
- 小心者さん からの返信 2023/04/04 14:02:10
- Re: らくだは楽ちゃう おけつ痛いの同感
- フィーコさん、こんにちは!
現在帰省中のため、返信が遅くなってすみません。
ラクダ乗られたのエジプト!ピラミッドかなぁ。
いろんな国に行かれてるんですね。
ぜひ遡って過去の旅行記も書いてください!
私は『陰キャ』の極みなので、徹底して人の記憶に残らず、ちょいちょい置いてけぼり喰らいます。
向こうでは一応外国人なのになんでやねん。
でも逆に、大マヌケのくせに意外と犯罪に遭わないのは、そのお陰かもしれません。
但しドツボには嵌まりたおしますけど(泣)
アメリカご夫婦旅、自由でとても楽しそう。
ワクワクしながら旅行記拝見しました。
私もいつか車で旅してみたい!
小心者
-
- ciao66さん 2009/08/12 06:14:27
- キャンプで暮らす人たち
- みなさん、素敵な表情で、純朴そうというか、すれていない感じですね。
少年の興味森々な顔は、見ていてうれしくなります。
とても良いひと時を過ごされたようですね。
- ciao66さん からの返信 2009/08/12 06:17:16
- キャンプで暮らす人たち
- 興味「津津」の間違いでした。(笑)
- 小心者さん からの返信 2009/08/12 17:21:48
- RE: キャンプで暮らす人たち
- 仰るとおり皆さん本当に純朴で、とても心が温まりました。
こちらでは、このように木陰などに集まってお茶会をしている人たちをよく見かけました。
小さな子供たちが代わるがわる、少しはにかみながら菓子やナッツを手渡しに来てくれました。
やはり、このような素敵なふれあいが一番の思い出になりますね!
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