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「近代建築を訪ねて」 このシリーズもずいぶんと増えましたが奈良は初めて なんたって35年ぶりに訪れて、奈良公園の鹿の多さにちょっと戸惑いながらも、しっかり近代建築散策してきました。<br />今回は、下調べも悪く、限られた時間だったこともあり、結構見落としたり、行けなかった所もありましたがとりあえずは満足でした。

近代建築を訪ねて~奈良編~

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2007/12/23 - 2007/12/24

2944位(同エリア5411件中)

旅行記グループ 近代建築散歩(関西エリア)

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ぬいぬい

ぬいぬいさん

「近代建築を訪ねて」 このシリーズもずいぶんと増えましたが奈良は初めて なんたって35年ぶりに訪れて、奈良公園の鹿の多さにちょっと戸惑いながらも、しっかり近代建築散策してきました。
今回は、下調べも悪く、限られた時間だったこともあり、結構見落としたり、行けなかった所もありましたがとりあえずは満足でした。

交通手段
JRローカル 徒歩

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  • 奈良駅を降りて、まず最初に目に飛び込んできた建物はこれ、旧JR奈良駅。<br />昭和9年(1934年)に大阪鉄道管理局工務課の設計、大林組の施工により建てられました。<br /><br />

    奈良駅を降りて、まず最初に目に飛び込んできた建物はこれ、旧JR奈良駅。
    昭和9年(1934年)に大阪鉄道管理局工務課の設計、大林組の施工により建てられました。

  • 古都奈良の景観に配慮してか、相輪の乗った寺院風の屋根と、SRC造の近代的構成の和様折衷様式となっています。

    古都奈良の景観に配慮してか、相輪の乗った寺院風の屋根と、SRC造の近代的構成の和様折衷様式となっています。

  • 奈良駅周辺の高架化工事のため、 平成16年に北側に18m曳家して移動したそうで、現在は駅舎としては利用されていません。<br /><br />

    奈良駅周辺の高架化工事のため、 平成16年に北側に18m曳家して移動したそうで、現在は駅舎としては利用されていません。

  • これは詳細不明ですが三条通にあった三条会館ビル<br />見た感じでは昭和の初期の頃の建物と思われます。

    これは詳細不明ですが三条通にあった三条会館ビル
    見た感じでは昭和の初期の頃の建物と思われます。

  • 三条通の近鉄奈良駅への曲がり角にあった南部銀行本店<br />こちらはもともと六十八銀行奈良支店として、大正15年(1926年)に長野宇平治の設計、大林組の施工により建てられました。<br />長野宇平治は辰野金吾の弟子で先日小樽で見た北海道銀行本店(小樽バイン)や日銀本店の増築など、数多くの銀行建築を手がけています。

    三条通の近鉄奈良駅への曲がり角にあった南部銀行本店
    こちらはもともと六十八銀行奈良支店として、大正15年(1926年)に長野宇平治の設計、大林組の施工により建てられました。
    長野宇平治は辰野金吾の弟子で先日小樽で見た北海道銀行本店(小樽バイン)や日銀本店の増築など、数多くの銀行建築を手がけています。

  • 奈良公園の中にある奈良国立博物館本館<br />この建物は片山東熊・宗兵蔵 の設計により、明治28年(1895年)に建てられたものです。 <br /><br />

    奈良公園の中にある奈良国立博物館本館
    この建物は片山東熊・宗兵蔵 の設計により、明治28年(1895年)に建てられたものです。

  • 片山東熊は、上野の東京博物館の表慶館、京都の京都博物館そしてここ奈良博物館の3つを設計していますがここが最も古いものです。

    片山東熊は、上野の東京博物館の表慶館、京都の京都博物館そしてここ奈良博物館の3つを設計していますがここが最も古いものです。

  • 奈良公園の中に建っているため、他では味わえない鹿とのコラボレーションを楽しめます。

    奈良公園の中に建っているため、他では味わえない鹿とのコラボレーションを楽しめます。

  • 食事に行く途中たまたま見つけた教会。ここでは今夜クリスマスクラシックコンサートが開かれているとのことお聞き、ちょっと覗いていきました。<br />この教会は日本聖公会奈良基督教会堂で、昭和5年(1930年)に信徒の宮大工の設計施工により建てられた、入母屋屋根の和瓦の乗った寺院風の建物です。<br />階段の両脇はキャンドルライトが灯されなかなかいい雰囲気ですね。<br />

    食事に行く途中たまたま見つけた教会。ここでは今夜クリスマスクラシックコンサートが開かれているとのことお聞き、ちょっと覗いていきました。
    この教会は日本聖公会奈良基督教会堂で、昭和5年(1930年)に信徒の宮大工の設計施工により建てられた、入母屋屋根の和瓦の乗った寺院風の建物です。
    階段の両脇はキャンドルライトが灯されなかなかいい雰囲気ですね。

  • 教会なのに寺院風のデザインは何故?<br />それは、この教会の敷地はもともと興福寺の境内だったそうで、違和感のないように和風にしたとか。教会関係者からそんな話を聞きました。

    教会なのに寺院風のデザインは何故?
    それは、この教会の敷地はもともと興福寺の境内だったそうで、違和感のないように和風にしたとか。教会関係者からそんな話を聞きました。

  • 今宵はクリスマスコンサートが開催されてしました。今夜だけは、にわかクリスチャンになってクラシックのコンサートを楽しみました。

    今宵はクリスマスコンサートが開催されてしました。今夜だけは、にわかクリスチャンになってクラシックのコンサートを楽しみました。

  • さすが教会の照明だけあって、良く見ると十字架がデザインされています。

    さすが教会の照明だけあって、良く見ると十字架がデザインされています。

  • 翌朝、昨日教会の関係者から聞いたもうひとつの話、屋根に乗った鬼瓦を見に行きましたが、門に鍵がかけられ中に入れませんでした。

    翌朝、昨日教会の関係者から聞いたもうひとつの話、屋根に乗った鬼瓦を見に行きましたが、門に鍵がかけられ中に入れませんでした。

  • 日本の代表的なクラシックホテルのひとつである、奈良ホテル。今回の宿は、このホテルの隣だったこともあり、夕方と朝2度も見にいぅてしまいました。

    日本の代表的なクラシックホテルのひとつである、奈良ホテル。今回の宿は、このホテルの隣だったこともあり、夕方と朝2度も見にいぅてしまいました。

  • 明治42年創業の100年の歴史を持つ、桃山御殿風の総檜造りの建物です。<br />もともと辰野金吾設計により、関西の迎賓館として建てられたホテルです。

    明治42年創業の100年の歴史を持つ、桃山御殿風の総檜造りの建物です。
    もともと辰野金吾設計により、関西の迎賓館として建てられたホテルです。

  • 1階のフロント奥にある桜の間 ここが本館のラウンジなります。

    1階のフロント奥にある桜の間 ここが本館のラウンジなります。

  • 外観は和風ですが中は洋風の仕上げになっています。

    外観は和風ですが中は洋風の仕上げになっています。

  • 横山大観や上村松風の日本画が、壁にさりげなく飾られています。

    横山大観や上村松風の日本画が、壁にさりげなく飾られています。

  • フロントのカウンターの向こうに見える金庫 レトロですね。

    フロントのカウンターの向こうに見える金庫 レトロですね。

  • 2階まで吹き抜けになったフロントロビーは、粋を凝らした明治の建築美にあふれています。

    2階まで吹き抜けになったフロントロビーは、粋を凝らした明治の建築美にあふれています。

  • この階段の手摺と照明器具の組み合わせもいいですね。

    この階段の手摺と照明器具の組み合わせもいいですね。

  • 奈良公園の中にある仏教美術資料研究センターは、国立奈良博物館の関連建物で、もとは奈良県物産陳列所として明治35年(1902年)に建てられました。<br />平等院鳳凰堂をベースにして洋風のエッセンスを加えたデザインの建築様式となっています。

    奈良公園の中にある仏教美術資料研究センターは、国立奈良博物館の関連建物で、もとは奈良県物産陳列所として明治35年(1902年)に建てられました。
    平等院鳳凰堂をベースにして洋風のエッセンスを加えたデザインの建築様式となっています。

  • 屋根には鬼瓦が乗っています。<br />

    屋根には鬼瓦が乗っています。

  • 下屋部分にも鬼瓦が乗っています。

    下屋部分にも鬼瓦が乗っています。

  • 窓周りにはイスラム様式のデザインが取り入れられています。

    窓周りにはイスラム様式のデザインが取り入れられています。

  • 正倉院から奈良女子大に向かう途中の、閉鎖された工場の裏手に大正時代に建てられたと言う下見板張りの住宅がありました。

    正倉院から奈良女子大に向かう途中の、閉鎖された工場の裏手に大正時代に建てられたと言う下見板張りの住宅がありました。

  • 最後に訪れたのは奈良女子大学。女子大のため中に入れてもらえるかちょっと心配でしたが、大丈夫でした。<br />まずこちらの正門、明治42年(1909年)、今からちょうど100年前に作られたものです。

    最後に訪れたのは奈良女子大学。女子大のため中に入れてもらえるかちょっと心配でしたが、大丈夫でした。
    まずこちらの正門、明治42年(1909年)、今からちょうど100年前に作られたものです。

  • 正門の脇の守衛室。こちらも明治42年記念館と同時期に建てられたため、屋根の棟飾りや窓廻りを同じ意匠でまとめています。キャンパス内で正門と守衛室、記念館の3つの建物が国の重要文化財に指定されています。

    正門の脇の守衛室。こちらも明治42年記念館と同時期に建てられたため、屋根の棟飾りや窓廻りを同じ意匠でまとめています。キャンパス内で正門と守衛室、記念館の3つの建物が国の重要文化財に指定されています。

  • 旧奈良女子高等師範学校は、明治41年(1908年)3月に設置されました。この建物は、明治42年に竣工し、奈良女子高等師範学校本館として、創設当初から一階は事務室、二階は講堂として利用されていました。

    旧奈良女子高等師範学校は、明治41年(1908年)3月に設置されました。この建物は、明治42年に竣工し、奈良女子高等師範学校本館として、創設当初から一階は事務室、二階は講堂として利用されていました。

  • 屋根の中央に頂塔を設け、正面の中央部を三角形に一段上げ、また屋根に明かり取り窓を6個所に設けるなど、屋根の形状に変化をもたせた建物です。<br />

    屋根の中央に頂塔を設け、正面の中央部を三角形に一段上げ、また屋根に明かり取り窓を6個所に設けるなど、屋根の形状に変化をもたせた建物です。

  • ホントは春と秋の1週間ずつしか、内部公開していないですが、クリスマスパーティの準備中の女子大生に頼んで中を見せてもらいました。

    ホントは春と秋の1週間ずつしか、内部公開していないですが、クリスマスパーティの準備中の女子大生に頼んで中を見せてもらいました。

  • 低い手摺の付いた階段は勾配はゆるく。親柱の上部浮彫と手摺の透彫に講堂の腰板と同じ模様を使っています。

    低い手摺の付いた階段は勾配はゆるく。親柱の上部浮彫と手摺の透彫に講堂の腰板と同じ模様を使っています。

  • 1階の両端に階段があり、2階へ昇ると、2階全体は講堂となっていて、講堂の前後にホールがあります。

    1階の両端に階段があり、2階へ昇ると、2階全体は講堂となっていて、講堂の前後にホールがあります。

  • 300人を収容できる2階の講堂には柱が1本もありません。木造でこれだけ柱を飛ばしてこれだけの広さが確保できているのはどこで構造補強しているのか興味ありますね。

    300人を収容できる2階の講堂には柱が1本もありません。木造でこれだけ柱を飛ばしてこれだけの広さが確保できているのはどこで構造補強しているのか興味ありますね。

  • 種明かしは、屋根を支える構造に木造トラスを取り入れ、約16mの長さに渡って中間に柱なしで、屋根を支えているそうです。

    種明かしは、屋根を支える構造に木造トラスを取り入れ、約16mの長さに渡って中間に柱なしで、屋根を支えているそうです。

  • 中央の折り上げ部分の天井の真中にある花形の飾りは換気口になっていて熱気が屋根から自然に外へ逃げていくように工夫されています。また側面には半円型の天窓があります。

    中央の折り上げ部分の天井の真中にある花形の飾りは換気口になっていて熱気が屋根から自然に外へ逃げていくように工夫されています。また側面には半円型の天窓があります。

  • 照明はどこも意外にシンプルなデザインのものが付いています。

    照明はどこも意外にシンプルなデザインのものが付いています。

  • 一階はこの中廊下をはさんで、左右に大小7室の部屋が並んでいました。

    一階はこの中廊下をはさんで、左右に大小7室の部屋が並んでいました。

  • 窓から差し込む柔らかな光が、そのまま窓の姿を映していて、なかなかいい感じですね。

    窓から差し込む柔らかな光が、そのまま窓の姿を映していて、なかなかいい感じですね。

  • 玄関ホールの天井は漆喰塗りの化粧梁が廻っています。

    玄関ホールの天井は漆喰塗りの化粧梁が廻っています。

  • 正面車寄せ部分の天井 

    正面車寄せ部分の天井 

  • 外観はヨーロッパ北部に多く見られる、ハーフティンバーを取り入れたデザインになっています。

    外観はヨーロッパ北部に多く見られる、ハーフティンバーを取り入れたデザインになっています。

  • 外壁は2階の腰までを下見板張り、その上を漆喰壁になっていて、板も竪横変化をもたせた貼り方としています。

    外壁は2階の腰までを下見板張り、その上を漆喰壁になっていて、板も竪横変化をもたせた貼り方としています。

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この旅行記へのコメント (2)

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  • 前日光さん 2008/01/26 17:58:35
    奈良女子大!
    めったに見られない奈良女子大の内部、外観も含めて
    とっても素敵です。
    こんな建物の中で、好きな歴史の勉強ができたら
    どんなにすばらしいことでしょう!

    窓の形がそのまま壁に映っている写真は、特に
    オシャレです。
    ぬいぬいさんの建築に関する知識も写真も、みんな
    すごいですね!

    奈良ホテルは、1度だけ泊まったことがあります。
    桜が満開の時でした。その年は異常に早く桜が咲いたので
    3月中に吉野の桜を堪能できたのです。
    そして、奈良公園の桜ももちろん満開だったというわけです。

    ここの所、奈良に行きたくてたまりません。
    参考にさせていただきますね。

    ぬいぬい

    ぬいぬいさん からの返信 2008/01/28 15:42:18
    RE: 奈良女子大!
    前日光さん  こんにちは

    今回の奈良 なんと中学校の修学旅行以来 
    35年ぶりに行きましたが、京都もいいですが、奈良いいですね。

    最近奈良を舞台にしたドラマも始まって、また奈良がブームになりそうですね。
    はるか昔の記憶だったので、鹿がいたの記憶にあったのですが、あまりの鹿の多さにはびっくり。
    この奈良女子大 女の園におじさんが一人 ちょっと抵抗がありましたが、ホントは期間限定の公開のため外観だけしか見れないのに、居合わせた女子大生に願いして、中を特別に見せてもらいました。
    家の近所の清泉女子大(旧島津公爵邸)は、一人では恥ずかしく女房を連れて見に行きましたが、旅先では結構大胆にしっかり見てきました。

    1ヶ月前の奈良の旅ですが、写真まだ半分も整理できてなくて、そのうちまとめてアップしますのでまた遊びに来てください。

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