Pakistan　カラチの地域別Shopping情報　カダ・マーケット?仕立て屋とパン屋とジャムの効果

2006/05/30 - 2006/07/08

アパートの階下に
同年代のシンガポール人夫婦が入居したと聞いて私は喜びました。
理由はふたつ。
①女性の話し相手ができた。
②部分停電でもジェネレータを動かしてくれるかも知れない。

部分停電とは何かって？
アパートには複数の電気系統があり、それの一部が停電するのが部分停電です。その場合一部屋にだけは電気が来る。
「昼間たった一人のためにジェネレータを稼動させるのはきつい。重油も不足気味なので、申し訳ないけどエアコンのきている部屋に閉じこもっててください。」
二人になれば稼動させてくれるかも。

①については単純に喜んだわけではありません。
相手の性格にもよりますからね。
「することがない」といって毎日のように遊びにきては大家と夫のグチばっか。
というヒトもた～～くさんいますから。

で、そのシンガポールのおばさんリリーはどういうヒトだったかって？
「お店のリスト？ありがたいけどショッピングに興味はないわ。
現地の物はみ～んな汚いからシンガポールから持ってきた物だけ食べてるの。
モヤシも白菜も持ってきたわ。
現地のお宅に招待されてもぜ?んぶお断りして自分ちで食べてるの。
え？中国人コミュニティに入っているかって？
どこの国に行っても入らないことにしてるのよ。
おつきあいがわずらわしいもの。親しい家族は２軒も作れば十分よ。
あなたと知り合えて嬉しいわ。話し相手ができて。
ホテルで３ヶ月、一軒家で２ヶ月、毎日テレビみて暮らしてたのよ。」
・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・。
ううう。

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エリア カラチ(パキスタン)

ある時、お友達がくれたブカブカパンタロンと派手目のスカートにポケットをつけてもらった話をしたら、リリーがこういいました。

「私もやってもらおうかしら？こう暑くちゃたまらないからズボンのすそを切りたいわ。ブラウスも作りたいんだけど。そこってあまりお高くない？」

運転手が連れて行ってくれたそのテーラーは
高級ショッピング街のザムザマをぬけて二つ目の信号を左折して坂道をくだった
庶民的な町にありました。

ニカラグアでもお掃除のおばさんにちょっとした修繕をしてくれる仕立て屋さんを紹介してもらってた唐辛子婆。

パキスタンでもボーイに頼んでみたらＯＫＯＫ。

ところがそれを聞いた大家のアイシャはこういいました。
「あの人たちの知ってる仕立て屋なんかに頼んだら泣きをみるわよ。
スソを切ってポケットを作りかねないんだから。
私がちゃんとしたとこ紹介してあげる。」」
まさかー。
そんなことしたらお客に怒られて次の仕事が来なくなるじゃん？

まあ、カーストが厳しく残っている国だから
マダムがボーイの知り合いの仕立て屋に頼むなんてことはしないほうがいいのだということをアイシャはほのめかしたのかも知れない・・・・。
でもジェネレータの燃料のことできりきり舞いしてるアイシャは
ほかのことは忘れがち。
で、運転手に頼んでみたのです。

そこは女性物ばかりを扱う小さな仕立て屋で
当然、6人の職人は男ばっかです。

ちゃんとパンタロンの色味にあわせた裏生地を使って
きちんと仕上げてくれました。ポケット２個で200円。

右に見える
壁に取りつけられた梯子段を上ると

高さ120ｃｍぐらいのロフトでは3人の職人がミシンをかけています。

息つまりそう。
頭ぶつけそう。

このおっちゃんは
ミシン刺繍の専門家です。

写真とらせて、といったら
眼鏡をはずしました。

手刺繍の職人はまだ若いお兄ちゃん。
写真はカンベンだけど作品はＯＫとのことでした。

リリーの寸法をメモるおじさん。
土曜日にシンガポールに一時帰国するので金曜日の夜までに仕上げてもらうことになりました。

「三日で仕上げろってか？ほかにも立て込んでるからなあ。」
といいながらシブシブＯＫしてくれました。
ブラウス1枚の仕立料500円です。

仕立て屋の斜向かいに行列のできる（ってきちんとした行列じゃないけど）
ロティ（パン）屋さんがありました。

車で乗りつけて10枚、20枚と買っていく人
自転車でやってきてあれこれ注文する人
子供も大人も学生も。
私も2枚注文してみました。1枚3ルピー（6円）。

「ゆ、勇気があるのねえ。」とリリー。

どうして台の上に乗ってしゃがんで作業するのかしら？

ローラーで伸したあと、右手にもっている剣山のようなスタンプで
ロティに無数の穴をあけます。
そうすると上と下の皮がくっつくので焼いても真ん中がブワンとふくらまない。
穴から熱い空気も逃げるしね。

お客が立て込んでくると
真ん中へんにだけ申し訳程度にスタンプを押してる。
レース模様みたいできれい。

ロティを大きなショベルみたいなのに乗せて釜の中に入れます。

次々と入れては

次々と取りだす。

できあがりを新聞紙に包んでくれます。
それをみて眉をひそめるリリー。

でも帰りの車のなかには香ばしい匂いがいっぱいにひろがって
食欲をそそります。
「お茶にしましょ、アフタヌーンティに。電子レンジでチンするから大丈夫よ。」

電子レンジで殺菌した熱々のロティにジャマンのジャムをのせると
これがなかなかのコンビネーションで。

「おいしい！これ何？ジャマン？なにそれ？果物？どこで買ったの？いくら？どうやってジャムにするの？」

ジャマンはこんな果物です。
糖尿病の予防にいいそうで、こちらのヒトは塩もみして食べる。
安いので試しに買ってみたけどシブくてぺっぺっぺ。
捨てようかと思ったのをジャムにしてみました。
お砂糖とレモン汁入れて煮るだけ。
そうしたら渋味がすっかりぬけました。

さて、リリーのご主人はリリーに輪をかけたきれい好き。
以前はシャワーのあとでペットボトルの水をかぶっていたんですって。
時間にもきっちりきちんとした方で。
金曜日の夜に仕立て屋にとりに行って
「あと30分待ってくれ。今ボタンつけてるとこだ。」に
「何だとお？5分でつけろ5分で！（笑）」

そしてロティ屋をちらと見て
「金さわった手でパンつかんどる（怒）」
ところが翌日彼はリリーに命じました。
「ジャマンのジャムを作ってくれ。ロティはオフィスのそばのをボクが買ってくる。」（つまり両方ともおいしかったってことよね＾＾）

午前中いっぱいかかって2kgのジャマンの種とりをしたリリーは
午後をジャムつくりに費やしました。
「なんだか今日はテニスエルボウだわ。」
「ばーか。テニスエルボウっちゅのは指先がペン持てないほど痛いんだぞ。」
・・・オモロイ夫婦やなあ。

リリーはこういい置いて帰国しました。
「戻ってきたら市場に連れてってくれない？」

←連れてってあげたエンプレスマーケットでのことはこちらです、わはは。
https://4travel.jp/travelogue/10095048

この旅行記へのコメント （1）

• さすらいおじさんさん 2006/06/27 13:25:11

  街なみはやはりイスラム国ですね

  唐辛子婆さん
  
  パキスタンは電気事情が悪いようですね。中南米では停電やネット状況が悪いところー（ブラジルは遅くて、日本語書き込みできないところが多い。スリナムはネットがつながらないことが何度かあったが。）−はあまりありませんでした。
  街なみはやはりイスラム国ですね。モロッコのマーケットを思いおこしました。