2017/09/10 - 2017/09/10
162位(同エリア324件中)
まみさん
国立劇場文楽公演の第一部と第二部とあわせて上演時間正味約8時間、朝10時半に劇場入りして、第二部が終わって午後9時すぎに去ること、約11時間!
この週末は撮影散策をお休みし、9月10日の日曜日は文楽三昧の日にしました。
なにしろ、国立劇場で文楽公演が行われるとき、午前と午後の2部制だと、それぞれ開演時間が11時と14時。
平日に見に行くとしたら、休みを取らねばなりません。
今回2017年9月公演の第二部は、金毛九尾の妖怪キツネが主役のような話なので、ぜひ見たいと思いました。
週末に見に行くなら、第一部のすれ違い恋物語も面白そうなので、両方見ちゃえと思いました。
なにしろ第二部が16時開演ですから、国立劇場まで自宅から1時間半かかり、2時間前には向かっていなければならないことを考えたら、第二部公演の予定を入れると、他の予定は入れにくいです。
それに私は国立劇場のあぜくら会の会員なので、年に一定数の公演は観たいと思っているのですが、これなら1日で2公演かせげちゃいます。
実は午前と午後の部の両方のチケットを取って、1日文楽三昧の日にしたのはこれで2度目です。
どうせなら休憩時間に、劇場シリーズの旅行記を作成するつもりで小劇場撮影をしようと思い、コンデジを持参しました。
でないと、撮影散策お休みの週末は、写真を撮るのに飢えてしまいますからね。
国立劇場の劇場シリーズの旅行記を作成するのもこれが初めてではなく、大小劇場併せて6回目です。
国立劇場のロビーは、大劇場の方がずっと広くて被写体にしたいものがずっと多く、小劇場の方がネタ切れしやすいです。
でも、小劇場のロビー撮影も久しぶりですし、ネタ切れと思うのは、撮影者側の発想切れにすぎません。
カメラの目で見ると、フレームの中に収めてみたいのはいくらでもあります@
それに、人がいっぱいいるロビーそのものの写真は、顔をごまかすためにスマフォのクリエイティブエフェクトのコミック・モードもまぜてみましたが、人の動きが代わるとそれだけでがらっと違う図ができる面白さがあり、何枚も撮りたくなったくらいでした。
というわけで、8時間の公演と、カメラを手にした休憩時間で、案外せわしなく終わった文楽三昧の1日でした。
国立劇場の公式サイト
http://www.ntj.jac.go.jp/kokuritsu.html
今回2017年9月の文楽公演のページ
http://www.ntj.jac.go.jp/schedule/kokuritsu_s/2017/910.html
あらすじのチラシ
http://www.ntj.jac.go.jp/assets/images/kokuritsu/H29kokuritsu/9bunraku-dan-ura.jpg
タイムテーブル
http://www.ntj.jac.go.jp/assets/files/02_koen/kokuritsu/2017/2909bunraku_TT.pdf
<上演内容>
第一部(午前11時開演/午後3時25分終演(休憩計40分))
「生写朝顔話(しょううつしあさがおばなし)」
宇治川蛍狩りの段
明石浦船別れの段
浜松小屋の段
嶋田宿笑い薬の段
宿屋の段
大井川の段
第二部(午後4時開演/午後8時47分終演(休憩計50分))
「玉藻前曦袂(たまものまえあさひのたもと)」
清水寺の段
道春館の段
神泉苑の段
廊下の段
訴訟の段
祈りの段
化粧殺生石
※これまでに作成した国立劇場・小劇場の旅行記
2007年5月:文楽「絵本太閤記」
「国立劇場で文楽を見たよ@」
http://4travel.jp/travelogue/10150477/
2016年12月:文楽通し狂言「仮名手本忠臣蔵」
「国立劇場・小劇場で文楽の通し狂言「仮名手本忠臣蔵」を全段通しで鑑賞」
http://4travel.jp/travelogue/11198843
※国立劇場・小劇場を含むこれまでの劇場シリーズのURL集はこの旅行記の末尾にまとめました。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 私鉄
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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地下鉄・有楽町線の永田町駅からアクセス
平河町森タワーの脇から通ります。
ここにコンビニがあるので、観劇前に食べたるためにサンドイッチなど買ったことがありますが、今回は劇場のお弁当を食べたいと思います。 -
平河町森タワーの脇のどこか和な雰囲気の抜け道へ
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なかなかお気に入りの抜け道
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紅葉の季節はさらにすばらしい
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夏の緑も美しい
本日は暑すぎず、天気がよく、格好の撮影日和の週末でした。
1日屋内にこもってしまうのはちょっともったいないと思ったら、写欲が刺激されました。 -
平河町森タワーの脇の抜け道を下りて、道路を渡ってふり返ったところ
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国立劇場の敷地へのアクセスはすぐ
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現在位置と国立劇場の案内図
まっすぐ行くと、階段しかない通路を通って、大劇場の脇に出ます。
今回は文楽公演なので、会場は小劇場。
なので伝統芸能情報前を通る坂道からアクセスすることにしました。 -
えっ、本日千秋楽だっけ?
と思ったら、こちらは国立演芸場の入口だったんでした。 -
国立演芸場で上演されるのは落語が多い
私は日本の古典芸能でよく見るのは、文楽、歌舞伎、能・狂言くらいなので、国立演芸場に入ったことはないです。 -
赤提灯がきれいな通路を行く
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伝統芸能情報館の脇の坂道
地面に大・小劇場近道と書かれてありました。 -
無料で見学できる伝統芸能情報館
開館時間は午前10時から午後6時。
もっと時間に余裕をもってやってきたら、こちらも見学できたんでした。
企画展示や一部の展示を除き、撮影OKなのです。 -
ただいま伝統芸能情報館で開催中の企画展
うーん、面白そうでした。
10月27日までの間に見に来るチャンスがあるかなぁ。
でも次の文楽公演は12月です。
歌舞伎を見に行くとしたら、チャンスがあるかもしれないけれど、アフターファイブだと、午後6時はぎりぎりです。 -
国立劇場の旗が並ぶ小劇場脇
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国立劇場と前庭と
前庭には梅や桜の木がわりと豊富にあり、特に春は、芝生の中から意外にいろんな野花が顔を見せます。 -
国利劇場の正面
けっこう巨大なので平屋に見えてしまうくらいです。
まともに全貌写真を撮ろうとすると、やたら空が入ってしまうので、フレーミングが難しいです。 -
前庭でユリを見つけた@
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夏を偲ぶユリ
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開場時間になったので小劇場の中へ
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小劇場のロビーの中から見た入口の様子
人の顔が入ってしまうので、プライバシー保護もあり、ロビー写真はスマフォのクリエイティブエフェクトのコミック・モードで撮影することにしました。 -
入口の目の前には、イヤホンガイド貸出しカウンターと座席への入口あり
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イスが並ぶ休憩コーナーあたり
30分の休憩時間は、食事をする人で混み合います。
食事をしようと思うと、30分の休憩時間ってあっという間に終わってしまいますからね。 -
お弁当・軽食売店「十一屋小劇場店」がある辺り
ここで食べられる柿の葉寿司はお気に入りです。
公式サイトのお弁当予約コーナーにだいたいのメニューあり。
http://jk-shop.com/form/reserve.php -
コインロッカーは10円
昔の物価を偲ばせます!
アフターファイブの観劇では余分な荷物があるのでコインロッカーを利用しますが、本日のように週末観劇のためだけに家を出てきたときは、特に利用しません。 -
本日の午前の部の人形写真のある公演ポスター
これは一国の大名の家老の娘の深雪が、親の定めた婚約者ではなく、恋する人と添い遂げたくて家出した後、恋する人を思って泣きすぎて盲目になり、もともと楽器が上手だったので、音曲の芸人として細々と生計を立てながら旅をしていたときの人形です。
音曲の芸人といっても、江戸時代では非人で乞食同然。盲目な上に、着の身着のままのボロで、子どもたちに石を投げられたりするような状態なのです。
深雪は乳母にかしづかれていたお姫さまだったのに、恋に身を殉じた姿はあっぱれすぎました。
でも、最後の最後には恋する相手と結ばれるのですから、悲恋が多い文楽作品にしては珍しく、ハッピーエンドといえます。
「生写朝顔話・宇治川蛍狩り・明石浦船別れ・浜松小屋の段
(イヤホン解説・鈴木多美)
19世紀初めの文化文政の江戸期には朝顔の一大ブームが巻き起こりました。品種改良が盛んとなり「変化朝顔」と称して 武士も町人も夢中になって栽培したのです。現在も毎年7月に開催する東京入谷の「朝顔市」はその時の名残です。
朝顔ブーム真っただ中で初演したのが「生写朝顔話」。主人公は家老の娘深雪で、朝顔を描いた深雪の扇に宮城阿曾次郎が「露の干ぬ間の朝顔の…」と書いたのが縁で二人は恋に落ちます。深雪は阿曾次郎恋しさに家出して、暫女(ごぜ)…音曲の芸人にまで身をやつしますが、さて二人の恋の行方はどうなるのでしょうか?」
(イヤホンガイドの解説サイトの見どころ情報より)
「生写朝顔話・嶋田宿笑い薬・宿屋・大井川の段
(イヤホン解説・松下かほる)
全部で五段からなる時代物の作品。お家騒動が本筋の全五段の時代物だが、今ではその中から若い二人が織りなす恋の物語にスポットをあてて上演されることが多く、この度も二人を中心とした段の上演。蛍狩りで出会った二人がその後すれ違いを重ね、中々会えずにいる様子は、江戸時代の「君の名は」といったところ。
後半の「笑い薬の段」から「大井川の段」も見どころ聞きどころいっぱい、悲しく、そしてハラハラ。」
(イヤホンガイドの解説サイトの見どころ情報より) -
本日の午後の部の人形写真のある公演ポスター
公演ポスターはいつも2種類作成されます。
1種類目は、裏面にあらすじがあります。
2種類目は、出演者が決まってから作成されます。
これは、時代は平安時代で藤原道長の死後あたりがモデルで、天皇家に入内した玉藻前の人形ですが、すでに金毛九尾の妖怪キツネに食い殺されて身をのっとられた後をイメージしています。
人形の頭(かしら)は、いろんな公演で使い回しができるのだと思いますが、玉藻前の人形は特別仕様で、首をふったら一瞬にして妖狐の顔に変わりました。
時代は平安時代なのですが、文楽人形は、その当時の服装・舞台美術が使われます。
はじめは違和感があったのですが、いまは、たとえば、シェークスピア劇を現代劇としていまの時代の服装で上演するようなものかな、と思ったら、なじんできました。
「玉藻前?袂・神泉苑・廊下・訴訟・祈りの段、化粧殺生石
(イヤホン解説・高木秀樹)
物語の後半、いよいよ全段を通じての“主役”が登場。これが何と狐。それも全身の毛が金色で、尾っぽが九本もある妖怪狐「金毛九尾の狐」。この世を魔の世界にしようと企み、これまで天竺(インド)・中国で暴れまわったものの願いが果たせず「今度こそ」と日本に乗り込んできたのです。自在に姿を変えることが出来る妖怪狐で、題名にある玉藻前に化け天下を手中にともくろみます。そのまま日本が魔の世界になってしまうのか…。
桐竹勘十郎の「極め付き」とも言える人形の演技で、最後の場面「化粧殺生石」は“グランドフィナーレ”ともいうべき幻想的な舞台です。」
(イヤホンガイドの解説サイトの見どころ情報より) -
開演前にランチのお弁当を予約する
今回はランチを、レストランでゆったり席を陣取って食べたかったので、お弁当を予約しました。
1番長い休憩時間は30分しかないので、時間を節約するために、先に予約します。
2,000円以上だと、あぜくら会の100円割引が利用できました。
小劇場のレストランでお弁当を食べるのは久しぶりなので、1番豪華な松弁当にしました。 -
小劇場の食堂・喫茶室の様子
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忘れずにイヤホンガイドを借りる
イヤホンガイドでリアルタイムに作品解説や見どころを教えてくれるため、特に予習していなくても、慣れていなくても、充実した鑑賞ができます@
今回のように長い公演は700円で、あぜくら会割引50円。
1,000円の保証金とあわせて1,700円。
保証金はイヤホンガイドを返却したら戻ります。 -
そろそろ開演なので座席に向かう
国立劇場での公演は、タイムテーブルぴったりに行われます。
他のバレエとかミュージカル公演などで時々5分や10分開演が遅れることがありますが、それか全くありません。
しかも、タイムテーブルは5分刻みではなく、31分とか59分とか1分単位なのですが、それもいつもぴったり上演されるのです。 -
午前の部の私の座席から見た舞台
三色の定式幕が下りています。
国立劇場では上演中でなければ座席や舞台周辺の撮影は可能です。
午前の部は10列目。人形を見るにはちょっと遠いですが、舞台美術が美しい舞台全体は見やすいです。 -
そして最初の休憩時間にランチをとる
2階のレストランの様子で。
お弁当はあらかじめ用意されてあるので、待つことなく食べ始めることができます。 -
豪華な2段構えの松弁当
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彩り美しい松弁当
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松弁当の1段目
柿の形をしたおまんじゅうもありました。 -
松弁当の2段目とごはん
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器も可愛らしくて美しい@
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お刺身が入っているのは、ひょうたん型の器
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紅葉の飾りがあるレストランの様子
もう秋なんですねぇ。 -
ロビーの絵を鑑賞する~「ひらかな盛衰記(笹引の段)」
1階ロビーにあって1番大きな絵です。 -
人形と人形遣いにズーム
「ひらかな盛衰記」は見たことがありますが、「笹引の段」は見ていないので、このシーンは見たことがないです。 -
奥村土牛さんの素描
人形は、「艶容女舞衣(はですがたおんなまいぎぬ)」のお園。
これは見たことがあります。
お園は、芸者と子どもまで作って、ささいないさかいで人殺しまでしてしまうしょうもない旦那にはもったいない、男や家にとっては鏡のような嫁さんでしたが、一方で、その旦那の浮気相手の芸者の方も、正妻を立てるようないい女で、ますます旦那のしょうもなさが際立ちましたっけ。
だけど、お園さんは、そんな旦那が好きなので、旦那が本当に好きなのはその芸者の方であることをわきまえていて、旦那にほんのちょっと愛情を示してもらえただけでも喜んでいたのがとても哀れでした。 -
雷神図
文楽とは直接関係ないようでしたが、愉快で生き生きした雷神です。 -
「壇浦兜軍記」の阿古屋
これも見たことがあります。
人形の阿古屋が琴、三味線、胡弓と3種類の楽器で演奏を披露するところが見事です。
もちろん、本当に演奏しているのは、通常、三味線奏者なのですが、人形が奏者と全く同じ動きをするのが見ごたえあります。
ちなみに今回の公演で、午前の部で深雪が琴を弾くところも見ごたえありました。 -
小劇場の売店
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今回はキツネのグッズが目だつ
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ロビーのカウンターにいた可愛いくろこちゃん人形
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ロビーの国立劇場オリジナルグッズ売り場にて
グッズが増えていました。
文楽オリジナルのTシャツ。 -
前からDVDは豊富にあったけれど
あきらかに種類が増えました。
書籍も増えました。 -
くろこちゃんグッズ
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こちらも今回はキツネ・グッズが豊富!
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金毛九尾妖狐ちゃんのストラップとマグ
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文楽座オリジナルのツメやん缶バッジ
ツメやんとは、ツメ人形のことです。
ふつう文楽人形は3人で動かしますが、いわゆるその他大勢にあたるツメ人形は1人で動かします。
でも、その他大勢人形には愛嬌のある人形が多いため、ひそかな人気があるのかもしれません。 -
キツネ顔の三味線奏者とイヌの顔をした太夫のピンバッジ
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再び座席へ
開演前になると三色の常式幕になるのですが、休憩時間は小劇場が所有する他の幕も披露してくれます。
これは、「二重蔓牡丹唐草」。 -
向かって右にある、太夫と三味線が座る回転式の演奏場所である「床」
次の段は、通常の太夫1人三味線1人ではなく、人形ごとに太夫がつく「掛け合い」なので、太夫の台である「見台」があらかじめたくさん設けられていました。
一人の太夫がト書きからさまざまな人形まで演じ分けるのは見事ですが、何人もの太夫の掛け合いの段はとても華やかです。 -
午後の部の私の座席から見た舞台
午後の部の方がまだ席が取りやすく、5列目が取れました。
はじっこですが、人形の演技がぐんと見やすくなりました。 -
休憩時間に披露された「琳派草花図」の幕
大劇場の「四季草花図」ほどの壮大さはないですが、四季おりおりの草花が可憐に描かれた幕です。 -
「琳派草花図」の幕の真ん中のポピー群に注目
黄色い花はなんだったかなぁ。 -
座席の後ろの真ん中から見た「琳派草花図」の全体図
<ひとこと感想・午前の部>
「生写朝顔話」は、ほんとうはお家騒動が題材の時代物なのですが、今回の上演でクローズアップされているのは、宮城阿曾次郎と深雪のあまりに皮肉なすれちがいの恋です。
国立劇場で文楽や歌舞伎作品は全幕上演されることはほとんどないですが(全幕上演していたら毎度1日がかりになるので)、阿曾次郎の忠義と苦労に関する部分は上演されずにカットされました。イヤホンガイドでは解説がありました。
江戸時代に制作された作品なので儒教に根付いた世界観なので、個人よりは家や忠義を重んじるので、阿曾次郎は忠義心のある立派な若者なのですが、それをすっぱ抜いているので、深雪よりも忠義を重んじる傾向゛あります。
文楽の世界観では、忠義よりも個人的な恋愛感情の方を重んじる武士はダメダメになるので仕方がないですが、深雪の方は家老のお姫さまでも思いっきり自分の恋に殉じるので(死にはしません)、その情念に圧倒されつつも、同じ女ということもあり、共感しやすかったです。
それにしたって、盲目の乞食同然の深雪と偶然再会したときの「宿屋の段」では、阿曾次郎は深雪に気付いても、同行の武士の手前、彼女に名乗りを上げずに、知らん顔します。もちろん、自分であるヒントを手渡したし、きっと後で誰か迎えをよこしたろうとは思いますが、恋人の娘が乞食同然であんなに苦労しているのに、すぐさま助けてあげないのは、なんだかなぁと思いました(苦笑)。
とはいえ、その深雪も、その場で阿曾次郎が名乗ってくれなかった理由にも思い至らず、すぐに阿曾次郎の後を追おうとして、寸前で大井川の川止めにあって会えなかったとき、いっそ川に身を投げてしまえというのは、激しすぎるだろうと思いました。これ探しまくったのだから、あと少し待てないのかなぁと。
とはいえ、そんな感想を持ってしまうのも、まだまだ深雪の気持ちや恋心が分かっていなかったからだと思いますが、あれでもし深雪が阿曾次郎に追いついてしまったら、阿曾次郎の同行の者の手前、深雪に名乗らなかった意味がなくなってしまうなとも思いました(苦笑)。
現代人として、文楽の世界観とストーリーの納得できないところには慣れたつもりでも、今回の「生写朝顔話」は恋愛話としては、わりと納得できるところがあった反動から、最後のこの2つの段では、激しく突っ込みを入れたくなりました(笑)。
「玉藻前曦袂」は、期待通りの妖狐の活躍が見られて大満足でした@
妖狐が登場する作品は前にも観たことがありますが、やはり楽しいです。
これも時代物でしたので、激しく突っ込みを入れたくなるところは満載でしたし、妖狐に食い殺されてしまった玉藻前も哀れすぎました。
皇位を狙って謀反を企てた兄皇子も、かなりうかつな人間すぎてびっくりですが、日本を魔の世界にしようと壮大なことをたくらんでいた妖狐も、そんな皇子と手を組もうとするあたり、かなり人を見る目がなったかも。
インドでも中国でも世界征服に失敗したのも納得@
でも、それはそれとして、人形・妖狐の活躍は見ごたえありました。
最後の亡霊となった妖狐がいろんな人間に化ける七変化も、人形遣いが一瞬にして人形を代える見事さも、見ごたえありました。たしかに歌舞伎の早変わりを思わせました。 -
「雲取摺箔唐松模様」の幕
おわり。
<これまでの劇場シリーズの旅行記(観劇感想付き)>
東京宝塚劇場(有楽町)
2006年3月:宝塚「ベルサイユのバラ<アントワネットとフェルゼン編>」
「手にしたばかりのオモチャに夢中:デジカメ持って宝塚劇場へ(その1)」
http://4travel.jp/travelogue/10059201/
2006年4月:宝塚「ベルサイユのバラ<オスカルとアンドレ編>」
「手にしたばかりのオモチャに夢中:デジカメ持って宝塚劇場へ(その2)」
http://4travel.jp/travelogue/10062015/
東京文化会館(上野)
2006年5月:ボリショイ・バレエ団「バヤデール」
「何十回と訪れて、初めてまともに歩いた上野公園その3:もろもろ&最近の上野での過ごし方」
http://4travel.jp/travelogue/10065823/
2011年1月:ベルリン国立バレエ団「シンデレラ」
「観劇ついでに新春の上野公園(4)東京国立博物館で日本の美の源流をふり返る」(※劇場写真は後半のおまけ)
http://4travel.jp/travelogue/10538004/
2011年5月:バーミンガム・ロイヤルバレエ団「眠りの森の美女」
「観劇前に、上野公園でパンダお菓子とパンダグッズ三昧!」(※劇場写真は後半のおまけ)
http://4travel.jp/travelogue/10571306
2012年3月:モンテカルロ・バレエ団のマイヨー版「シンデレラ」
「一眼レフで捉えた夜のバレエ観劇会場の東京文化会館」
http://4travel.jp/travelogue/10652883
2016年9月:二期会オペラ「トリスタンとイゾルデ」
「オペラ観劇の週末~またまたスマフォのカメラで遊んだ上野の西洋美術館と東京文化会館」
http://4travel.jp/travelogue/11168239
新国立劇場(初台)
2007年3月:オペラ「さまよえるオランダ人」
「今宵は初台の新国立劇場へ」
http://4travel.jp/travelogue/10130385/
2008年12月:バレエ「シンデレラ」
「クリスマス色の新国立劇場でバレエ「シンデレラ」を鑑賞」
http://4travel.jp/travelogue/10296524/
2010年5月:バレエ「ガラントゥリーズ&カルミナ・ブラーナ」
「観劇前にゴールデンウィークの新宿御苑!───記念に楽羽亭でお茶をいただいた他、満開の八重桜「関山」と黄色い桜「鬱金」を愛でる」(※劇場写真は後半のおまけ)
http://4travel.jp/travelogue/10457799/
2010年6月:オペラ「カルメン」
「新国立劇場の3階客席からオペラ「カルメン」を鑑賞」
http://4travel.jp/travelogue/10469761/
2011年1月:バレエ「ラ・バヤデール」/2月:オペラ「夕鶴」/5月:バレエ「アラジン」/6月:オペラ「蝶々夫人」&バレエ「ロメオとジュリエット」
「2010/2011年シーズン後半の新国立劇場バレエ・オペラ観劇時のロビーの生け花写真コレクション」
http://4travel.jp/travelogue/10579477
2011年12月:バレエ「くるみ割り人形」
「クリスマス恒例のバレエ「くるみ割り人形」観劇ナイトのイルミネーション散策(1)東京オペラシティと新国立劇場編」
http://4travel.jp/travelogue/10631356
2012年11月:オペラ「トスカ」
「新国立劇場の2階客席からオペラ「トスカ」を鑑賞~ちょっぴりクリスマス・デコレーションと2階客席外廊下から見下ろしたロビー」
http://4travel.jp/travelogue/10728564
2013年12月:バレエ「くるみ割り人形」
「クリスマス恒例のバレエ「くるみ割り人形」観劇会場の新国立劇場のクリスマス&3日後のキエフ・バレエ版のおまけ付き」
http://4travel.jp/travelogue/10842414
2016年2月:バレエ「Men Y Men/レ・シルフィード」
「お出かけ日和の祝日に屋内にこもってバレエと映画鑑賞~スマフォのカメラで遊びながら」
http://4travel.jp/travelogue/11102918
2016年10月:バレエ「ロメオとジュリエット」
「週末バレエ鑑賞の新国立劇場でおNEWのコンデジPowerShot SX720IS の試運転!」
http://4travel.jp/travelogue/11184356
新橋演舞場(東銀座)
2007年3月:ミュージカル「阿国」
「今宵は東銀座の新橋演舞場へ」
http://4travel.jp/travelogue/10131883/
国立劇場・小劇場(半蔵門)
2007年5月:文楽「絵本太閤記」
「国立劇場で文楽を見たよ@」
http://4travel.jp/travelogue/10150477/
2016年12月:文楽通し狂言「仮名手本忠臣蔵」
「国立劇場・小劇場で文楽の通し狂言「仮名手本忠臣蔵」を全段通しで鑑賞」
http://4travel.jp/travelogue/11198843
国立劇場・大劇場(半蔵門)
2009年6月:歌舞伎「歌舞伎のみかた/華果西遊記」
「歌舞伎の西遊記を観に行こう!───国立劇場の大劇場は日本画の宝庫@」
http://4travel.jp/travelogue/10349807/
2011年12月:歌舞伎「元禄忠臣蔵」
「クリスマスどころか早くも正月気分!?───12月の国立劇場で歌舞伎観劇」
http://4travel.jp/travelogue/10629880
2015年12月:歌舞伎「東海道四谷怪談」
「12月は歌舞伎「東海道四谷怪談」を国立劇場の大緞帳を愛でながら」
http://4travel.jp/travelogue/11086408
2016年6月:歌舞伎「新皿屋敷月雨暈─魚屋宗五郎─」
「国立劇場の社会人の歌舞伎鑑賞教室で酔っぱらいと酔っぱらいに振り回される人々に大笑い!「新皿屋敷月雨暈─魚屋宗五郎─」」
http://4travel.jp/travelogue/11140400
帝国劇場(有楽町)
2007年12月:ミュージカル「モーツアルト」
「帝国劇場でミュージカルを見よう」
http://4travel.jp/travelogue/10206152/
2011年8月:ミュージカル「三銃士」
「東京みやげを買いたくなる帝国劇場───帝劇開場100周年記念のミュージカル「三銃士」を観劇」
http://4travel.jp/travelogue/10591281
2011年12月:ミュージカル「ダンス・オブ・ヴァンパイア」
「帝国劇場でミュージカルを見よう第3弾───帝劇開場100周年記念最後の公演ミュージカル「ダンス・オブ・ヴァンパイア」再び」
http://4travel.jp/travelogue/10626593/
2015年5月:ミュージカル「レ・ミゼラブル」
「有楽町から帝国劇場へミュージカル「レ・ミゼラブル」再び、新しいスマフォで写真チャレンジ再び!」
http://4travel.jp/travelogue/11017405
2016年5月:ミュージカル「1789」
「帝国劇場でミュージカル・ナイト!~「1789」に旅をする」
(垂れ幕ポスターのみ)
http://4travel.jp/travelogue/11130920
東京国際フォーラム(有楽町)
2007年12月:国立モスクワ音楽劇場バレエ「白鳥の湖」(ブルメイステル版)
「国際フォーラムでもバレエを見るよ」
http://4travel.jp/travelogue/10206978/
2011年9月:ミュージカル「ドラキュラ」
「スタイリッシュな東京国際フォーラムで、あまりに美しかった女ドラキュラのミュージカル」
http://4travel.jp/travelogue/10598932
東京芸術劇場(池袋)
2008年1月:ミュージカル「妊娠させて!」
「池袋の東京芸術劇場、ミュージカル観劇の日は雪でした」
http://4travel.jp/travelogue/10216358/
劇団四季・自由劇場(浜松)
2008年3月:ミュージカル「赤毛のアン」
「劇団四季・自由劇場ときれいになった浜松町駅界隈」
http://4travel.jp/travelogue/10228045/
2012年12月:ミュージカル「ジーザス・クライスト=スーパースター・ジャポネスクバージョン」
「こじんまりした劇団四季「自由劇場」で「ジーザス・クライスト=スーパースター・ジャポネスクバージョン」観劇&浜松町駅近辺のイルミネーションをちょっとだけ」
http://4travel.jp/travelogue/10733915
劇団四季・海劇場(新橋)
2009年11月:ミュージカル「アイーダ」
「ちょっとだけクリスマス・イルミネーションの汐留の四季劇場「海」でミュージカル「アイーダ」を鑑賞」
http://4travel.jp/travelogue/10401655/
劇団四季・夏劇場(大井町)
2010年10月:ミュージカル「美女と野獣」
「大井町の四季劇場「夏」でこけら落とし公演「美女と野獣」を見に行こう!」
http://4travel.jp/travelogue/10515432
赤坂ACTシアターと赤坂サカス(赤坂)
2008年12月:K-Companyバレエ「くるみ割り人形」
「イルミネーションの赤坂サカスでバレエ「くるみ割り人形」を鑑賞」
http://4travel.jp/travelogue/10297306/
2011年12月:K-Companyバレエ「くるみ割り人形」
「クリスマス恒例のバレエ「くるみ割り人形」観劇ナイトのイルミネーション散策(2)赤坂サカスと赤坂ACTシアター編」(※イルミネーションの写真が主役)
http://4travel.jp/travelogue/10631357/
マッスルシアター(渋谷)
2009年9月:マッスルミュージカル「祭(MATSURI)」
「残暑厳しい9月の連休にマッスルミュージカルを見に行きました@」
http://4travel.jp/travelogue/10378257/
新ビッグトップ(原宿)
2009年12月:シルク・ド・ソレイユ「コルテオ」
「一度は当日公演中止の憂き目にあったシルク・ド・ソレイユの「コルテオ」リベンジ!」
http://4travel.jp/travelogue/10405973/
2011年3月:シルク・ド・ソレイユ「クーザ」
「シルク・ド・ソレイユ「クーザ」───原宿ビックトップで開演前にパチパチ」
http://4travel.jp/travelogue/10551341
お台場ビッグトップ(お台場)
2016年4月:「シルク・ドゥ・ソレイユ「トーテム」見に行って、お台場ガンダムに会えた@」
http://4travel.jp/travelogue/11121460
紀尾井ホール(麹町)
2010年7月:ニュー・オペラ・プロダクション「末摘花」
「真夏の夜の紀尾井ホールで女だけのオペラ「末摘花」を観劇」
http://4travel.jp/travelogue/10484515/
彩の国さいたま芸術劇場(与野本町)
2010年8月:音楽劇「ガラスの仮面~二人のヘレン」
「なつかしの「ガラスの仮面」を久しぶりの彩の国さいたま芸術劇場で観劇」
http://4travel.jp/travelogue/10494901/
2017年7月:蜷川幸雄・演出のシェークスピア劇「NINAGAW・マクベス」
「蜷川マクベスを観劇しに久しぶりに彩の国さいたま芸術劇場へ~向かう道々でも楽しめた与野本町駅からのアクセスから」
http://4travel.jp/travelogue/11264462
ゆうぽうと(五反田)
2010年10月:谷桃子バレエ団「レ・ミゼラブル」
「60周年記念公演で花に飾られた五反田ゆうぽうと」
http://4travel.jp/travelogue/10512012
国立能楽堂(千駄ヶ谷)
2010年11月:狂言「鳴子」&能「俊寛」
「ベールを脱いだ能舞台にワクワク@───能・狂言鑑賞に初チャレンジ!」
http://4travel.jp/travelogue/10522513
東京ディズニーランドZEDシアター(舞浜)
2011年8月:シルク・ドゥ・ソレイユ「ZED」
「東京ディズニーランド常設のシルク・ドゥ・ソレイユの「ZED」観劇で終えた夏」
http://4travel.jp/travelogue/10598371/
渋谷文化村オーチャードホール(渋谷)
2012年1月:ウクライナ国立オデッサ歌劇場オペラ「イーゴリ公」
「劇場撮影はやっぱりコンデジの出番!───渋谷文化村オーチャードホールでオペラを鑑賞した夕べ」
http://4travel.jp/travelogue/10638443
シアター1010(センジュ)(北千住)
2012年7月:ミュージカル座「ひめゆり」
「北千住のシアター1010(センジュ)でミュージカル「ひめゆり」を鑑賞」
http://4travel.jp/travelogue/10686099/
東急シアターオーブ(渋谷)
2012年10月:来日公演ミュージカル「ロミオとジュリエット」
「フランス版ミュージカル「ロミオとジュリエット」は東急シアターオーブのこけら落とし公演」
http://4travel.jp/travelogue/10717302/
青山劇場(青山)
2012年11月:ミュージカル「アリス・イン・ワンダーランド」
「青山劇場のロビーはファンタジック!~その実、内容はシビアだったミュージカル「アリス・イン・ワンダーランド」」
http://4travel.jp/travelogue/10730796
アミューズ・ミュージカル・シアター(六本木)
2013年8月:韓国ミュージカル「兄弟はみな勇敢だった(All the Brothers were Valiant)」
「六本木のアミューズ・ミュージカル・シアターで韓国オリジナルのミュージカルを見よう!」
http://4travel.jp/travelogue/10807404
日比谷劇場(有楽町)
2015年5月:ミュージカル「嵐が丘」
「レッドカーペットの日生劇場で堀北真希主演の「嵐が丘」を観賞」
http://4travel.jp/travelogue/11013046
日本橋劇場(日本橋公会堂内/日本橋)
2016年9月:現代創作フラメンコ「一炊の夢」
「日本橋劇場で古典作品の創作フラメンコを観劇~邯鄲より「一炊の夢」by 鎌田眞由美・佐藤浩希フラメンコ舞踊団」
http://4travel.jp/travelogue/11167425
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