2011/09/02 - 2011/09/02
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まみさん
そのチラシを見たとき。
はじめドラキュラを女伯爵にした異色の作品かと思いました。
すぐに違うことが分かりましたが、もと宝塚の男役トップスターの和央ようかさんが、そのキャリアを活かして男のドラキュラを演じるというものでした。
男が女を、女が男を演じるとき、違う性別を演じるというハンデがあるゆえに、コミカルをめざすのでなければ、本当の女以上に、男以上に、女らしく、男らしくなるものです。
そして性別を超越した美しさがあります。
私が宝塚の舞台にはそれでハマっているところもありますが、半ば宝塚を見るような気持ちでこのオーストリア・グラーツ版のミュージカルを見に行きました。
そして期待以上の美しいドラキュラに、そのゴシック耽美な舞台に、ドラマチックで好みの音楽に、役者たちの歌唱力に、そして悲劇のストーリーに、あまりにほれぼれしたので、DVDの先行予約を申し込んでしまいました。
本当はリピーター席を取りたかったけれど───今回はS席でもあまり良い席ではなかったので、もっと良い席で見たかった……!───残念ながら、予定のあいている日にチケットは残っていませんでした。
DVDを予約してもまだ名残惜しかったので、会場の大きなポスターのパネル写真やグッズ、それから献花の写真を撮ってしまいました。
あまりにスタイリッシュな東京国際フォーラムでの、あまりに美しく耽美なドラキュラの世界。
それを記念に、また一つ、劇場シリーズの旅行記を作成したくなりました。
ただ、もともと東京国際フォーラムの会場はあまり写欲をそそるところはない上、今回は終演後まで、写真を撮って旅行記を作成するつもりは、これっぽっちもありませんでした。
ゆえに、東京国際フォーラムとミュージカル「ドラキュラ」に直接関係ない写真(ぽん太@)で少し枚数を稼いでいますので、あしからず@
思えば東京国際フォーラムば、3月のあの東日本大震災の日に、大好きなウェッバーのミュージカルの来日公演「ヨセフ・アンド・アメージング・テクノカラー・ドリームコート」を見に行くはずでした。
ずっと昔にロンドンで観て気に入ったミュージカルです。
ところが、あの災害で公演が中止になっただけでなく、東京国際フォーラム自体も被災したため、振替公演のめどもたたず、この公演自体つぶれてしまいました。
あのときはもう2度と観劇なんか楽しめないかもしれないと思ったものでした。
違う公演だけど、東京国際フォーラムでまた観劇できるようになって良かったです。
和英ようかさん主演のミュージカル「ドラキュラ」オーストリア・グラーツ版のオフィシャルサイト
http://dracula-the-musical.com/
<これまでの劇場シリーズの旅行記(観劇感想付き)>
東京宝塚劇場(有楽町)
2006年3月:宝塚「ベルサイユのバラ<アントワネットとフェルゼン編>」
「手にしたばかりのオモチャに夢中:デジカメ持って宝塚劇場へ(その1)」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10059201/
2006年4月:宝塚「ベルサイユのバラ<オスカルとアンドレ編>」
「手にしたばかりのオモチャに夢中:デジカメ持って宝塚劇場へ(その2)」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10062015/
東京文化会館(上野)
2006年5月:ボリショイ・バレエ団「バヤデール」
「何十回と訪れて、初めてまともに歩いた上野公園その3:もろもろ&最近の上野での過ごし方」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10065823/
2011年1月:ベルリン国立バレエ団「シンデレラ」
「観劇ついでに新春の上野公園(4)東京国立博物館で日本の美の源流をふり返る」(※劇場写真は後半のおまけ)
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10538004/
2011年5月:バーミンガム・ロイヤルバレエ団「眠りの森の美女」
「観劇前に、上野公園でパンダお菓子とパンダグッズ三昧!」(※劇場写真は後半のおまけ)
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10571306
新国立劇場(初台)
2007年3月:オペラ「さまよえるオランダ人」
「今宵は初台の新国立劇場へ」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10130385/
2008年12月:バレエ「シンデレラ」
「クリスマス色の新国立劇場でバレエ「シンデレラ」を鑑賞」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10296524/
2010年5月:バレエ「ガラントゥリーズ&カルミナ・ブラーナ」
「観劇前にゴールデンウィークの新宿御苑!───記念に楽羽亭でお茶をいただいた他、満開の八重桜「関山」と黄色い桜「鬱金」を愛でる」(※劇場写真は後半のおまけ)
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10457799/
2010年6月:オペラ「カルメン」
「新国立劇場の3階客席からオペラ「カルメン」を鑑賞」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10469761/
2011年1月:バレエ「ラ・バヤデール」/2月:オペラ「夕鶴」/5月:バレエ「アラジン」/6月:オペラ「蝶々夫人」&バレエ「ロメオとジュリエット」
「2010/2011年シーズン後半の新国立劇場バレエ・オペラ観劇時のロビーの生け花写真コレクション」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10579477
新橋演舞場(東銀座)
2007年3月:ミュージカル「阿国」
「今宵は東銀座の新橋演舞場へ」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10131883/
国立劇場・小劇場(半蔵門)
2007年5月:文楽「絵本太閤記」
「国立劇場で文楽を見たよ@」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10150477/
国立劇場・大劇場(半蔵門)
2009年6月:歌舞伎「歌舞伎のみかた/華果西遊記」
「歌舞伎の西遊記を観に行こう!───国立劇場の大劇場は日本画の宝庫@」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10349807/
帝国劇場(有楽町)
2007年12月:東宝ミュージカル「モーツアルト」
「帝国劇場でミュージカルを見よう」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10206152/
2011年8月:東宝ミュージカル「三銃士」
「東京みやげを買いたくなる帝国劇場───帝劇開場100周年記念のミュージカル「三銃士」を観劇」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10591281
東京国際フォーラム(有楽町)
2007年12月:国立モスクワ音楽劇場バレエ「白鳥の湖」(ブルメイステル版)
「国際フォーラムでもバレエを見るよ」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10206978/
東京芸術劇場(池袋)
2008年1月:ミュージカル「妊娠させて!」
「池袋の東京芸術劇場、ミュージカル観劇の日は雪でした」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10216358/
劇団四季・自由劇場(浜松)
2008年3月:ミュージカル「赤毛のアン」
「劇団四季・自由劇場ときれいになった浜松町駅界隈」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10228045/
劇団四季・海劇場(大井町)
2009年11月:ミュージカル「アイーダ」
「ちょっとだけクリスマス・イルミネーションの汐留の四季劇場「海」でミュージカル「アイーダ」を鑑賞」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10401655/
劇団四季・夏劇場(大井町)
2010年10月:ミュージカル「美女と野獣」
「大井町の四季劇場「夏」でこけら落とし公演「美女と野獣」を見に行こう!」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10515432
赤坂ACTシアターと赤坂サカス(赤坂)
2008年12月:K-Companyバレエ「くるみ割り人形」
「イルミネーションの赤坂サカスでバレエ「くるみ割り人形」を鑑賞」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10297306/
マッスルシアター(渋谷)
2009年9月:マッスルミュージカル「祭(MATSURI)」
「残暑厳しい9月の連休にマッスルミュージカルを見に行きました@」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10378257/
新ビッグトップ(原宿)
2009年12月:シルク・ド・ソレイユ「コルテオ」
「一度は当日公演中止の憂き目にあったシルク・ド・ソレイユの「コルテオ」リベンジ!」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10405973/
2011年3月:シルク・ド・ソレイユ「クーザ」
「シルク・ド・ソレイユ「クーザ」───原宿ビックトップで開演前にパチパチ」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10551341
紀尾井ホール(麹町)
2010年7月:ニュー・オペラ・プロダクション「末摘花」
「真夏の夜の紀尾井ホールで女だけのオペラ「末摘花」を観劇」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10484515/
彩の国さいたま芸術劇場(与野本町)
2010年8月:音楽劇「ガラスの仮面〜二人のヘレン」
「なつかしの「ガラスの仮面」を久しぶりの彩の国さいたま芸術劇場で観劇」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10494901/
ゆうぽうと(五反田)
2010年10月:谷桃子バレエ団「レ・ミゼラブル」
「60周年記念公演で花に飾られた五反田ゆうぽうと」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10512012
国立能楽堂(千駄ヶ谷)
2010年11月:狂言「鳴子」&能「俊寛」
「ベールを脱いだ能舞台にワクワク@───能・狂言鑑賞に初チャレンジ!」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10522513
シルク・ドゥ・ソレイユ・シアター(舞浜)
「東京ディズニーランド常設のシルク・ドゥ・ソレイユの「ZED」観劇で終えた夏」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10598371/
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地下鉄有楽町駅の東京国際フォーラム最寄りの改札を出ると、もう目の前に
実は終演後に撮りました。
なので人がいないシャッターチャンスがありました。 -
地下鉄有楽町駅の東京国際フォーラム最寄りの改札のそばにあった、ぽん太の広場@
初っ端から 「ドラキュラ」にそぐわない、ほのぼの写真であしからず@ -
ここに22年もいたという、信楽町出身のぽん太くん
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手前のワンちゃんはハチ公に見えるけど、違うかな?
真ん中のカメちゃんもキュート! -
リボンをつけたぽん太のガールフレンド(!?)と親子ガエル
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縁起良さそうな白いフクロウさんと仲間たち
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白いフクロウさんにコップのお供え!?
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東京国際フォーラムのCホールへ
Aホールは巨大すぎて、S席のビンとキリの差がものすごくなるので、私はあまり好きではありません。
前の方の席をゲットできれば別ですが。
その点、Cホールくらいになると、バレエやミュージカルを見るのにちょうどよい規模になります。 -
東京国際フォーラムのCホールへのエスカレーター
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会場で携帯待受画面のプレゼント@
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白いコチョウランでいっぱい
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可愛らしい鉢植えや花カゴが並ぶ
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キュートだけどゴシックなイメージにも似合う花たち
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あとでみんなでかんぱーいするのかな
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情熱のあまり嫉妬の花言葉を持つ可憐な黄色いバラを中心に
ピントが甘くてあしからず。 -
バラは吸血鬼の手にかかると枯れてしまうのではなかったかしら?
これもピントが甘くてあしからず。 -
カサブランカの可憐さが際立つ
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ハスの実がいいポイント@
本当はもっと紫だったんですが、あしからず。 -
オフィシャル・グッズの展示
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客席フロアへのエレベーター
といっても2階はまだロビーでグッズ売り場やカフェ、1階席は3階、2階席は4階となります。
今回の私の席は2階席の6列目ほどで左寄り。
これでもS席だったし、3階席よりは良いのですが、あまり良い席はとは言えませんでした。
この写真は、実は、終演後、ほとんどのお客さんが帰ったあとに撮ったものです。 -
ロビー2階の大きなパネル
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美しい装丁のカタログの見本とTシャツ
カタログも買おうかと迷ったのですが、DVDを予約したからそれで良しとしました。 -
会場1階ロビーから外を見たアングル
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観劇の余韻をかみしめながらエスカレーターを下りる
乗りながら撮ったのでピントが甘めであしからず。 -
チラシの中の和央ようかさんのドラキュラと、DVD先行予約でもらったオリジナル・タオル
<主なキャスト>
ドラキュラ伯爵=和央ようか
ミーナ=花總まり
ルーシー=安倍なつみ
ジョナサン=小西遼生
ヴァン・ヘルング=鈴木綜馬
<感想>
※ラストが想像つく、ネタバレなところもありますので、あしからず。
ドラキュラをテーマにしたミュージカルや映画はたくさん見てきました。小説もいくつか読みました。
ホラーは当然ですが、SFもありました。
なんだかんだ言って好きなんです、ドラキュラ。
惹かれる理由は何かと自問してみれば……ドラキュラのホラー性、背徳性、キリスト教くささ、ゴシック・ロマン、永遠の命、人間が補食される立場、人間の方が悪役に思える逆転性……などがざっと思い浮かびます。
とはいえ、今まで見たり読んだりしてきた中には、いろんなバージョンがありました。いろんなタイプのドラキュラがいました。
好みのものもあれば、そうでないものもありました。
必ずしもホラーでなく、コミカルのなものもあったし、吸血ゾンビだって、ドラキュラをテーマにしたものと言えるでしょう。
今回のオーストリア・グラーツ版ミュージカル「ドラキュラ」は、そういう意味ではストーリィもドラキュラ像も、私にとってはオーソドックスといえました。
ただし、ブラム・ストーカーの小説ではドラキュラは美しいとは言い難かったようなので(小説を読んだけどすでに記憶の彼方@)、おそらくドラキュラをさらに有名にした古典映画のどれか。
ロンドンに城を買おうとしたドラキュラのもとに、契約のためにイギリス人の若き弁護士ジョナサンがトランシルヴァニアのドラキュラ城を訪れたところから始まり、彼の婚約者ミーナの絵姿、あるいは写真を見て、ドラキュラが彼女を自分の運命の女と信じてロンドンに向かい……。
先に犠牲になるのは、そのミーナーの親友のルーシーで。
ドラキュラとなったルーシーを、そしてドラキュラを退治しようとする回りの男たちのツテでヴァン・ヘルシングもやって来て……。
宝塚の舞台であれば、男性もすべて女性が演じますが、今回は、それはドラキュラ役の和央さんだけでした。
だけど、男性として違和感なく感じられたのだからすごいです。
性別を超越した美しさだけでなく、危うさ、耽美性、背徳の魅力たっぷりでした。
このミュージカルをそういうゴシックロマンの原点のような作品にしたかったがゆえに女性をドラキュラ役に抜擢したようですが、もうぴったりでした。
つくづく、美は力であり、感動を生むものだ、と思いました
美しいヴァンパイアに釘付けになってしまいました。
追いつめる側の人間の方が次第に悪役に見えてしまったくらいです。
主人公のドラキュラに迫る危機にはらはらしてしまいました。
しかも、実質的にドラキュラを追いつめる一番の立役者は、ドラキュラに愛されながら、敬虔なキリスト教徒で、ドラキュラの餌食になることを忌み嫌いつつ、ドラキュラに惹かれる心を抑えきれないミーナともいえました。
愛する者に足下をすくわれるドラキュラの運命に、心が痛みました。
いろんなドラキュラ映画や小説や舞台を見てきて、その中には私にとってオーソドックスだなと思えたものもたくさんありましたが、オーソドックス版のリメイクであっても同じものは一つとしてなく、ラストの処理にもバリエーションがありました。
今回のミュージカルでは、ああいうラストにしたか……と、だいたい満足できましたが、ちょっと物足りないところもありました。
じわじわとドラキュラ伯爵を追いつめるシーンがしっかりしていたわりには、一気にラストへ突入したのがちょっと時間切れで展開をはしょったかんじに思えてしまいました。
結局、ミーナも死んでしまい、救うことはできなかったのですが、そのことを、ミーナの旦那のジョナサンやヴァン・ヘルシングを含めて、追い詰める側がどう思ったか、というシーンはありませんでした。どう演じられるか、ぜひ観たかったのに。
ただ、少なくともドラキュラが人間の手にかかって倒されたのではなかったのは、私としては満足。
なにしろ、途中で、いっそドラキュラが勝ってもいいとすら思って見ていたものですから。
他にも、もう少しシーンを入れるか説明して欲しいなと思ったところがありました。
もっともそれは、私が個人的に気になったからにすぎません。
ストーリー構成上では、盛り込むと話の流れが損なわれて、蛇足になってしまうようなところだろうと承知の上で言うと……。
たとえば、精神病患者で、ドラキュラとずっとテレパシーでコンタクトをとっていたレンフィールド。
彼の存在のおかげでドラキュラの特異な能力と残酷さが浮彫にされたので、キャラクターとして十分役割を果たしたといえますが……私は、ドラキュラがレンフィールドを通じて何をさせていたのかが、もうちょっと詳しく知りたかったです。
でもそれはストーリーの大局にはあまり関係ないので仕方がないです。
ドラキュラとミーナのつながりについても、本当はもう少しドラキュラに語らせて欲しかったです。
ジョナサンが持っていた写真か絵姿だけで、ドラキュラがミーナにひと目ぼれしたというのは、ちょっと苦しい気がしてしまいました。
なら、ミーナは、ドラキュラが昔、愛した女性の生まれ変わりかな、と思ったのですが、見ていた限り、そういうのは匂わせていませんでした。
今回のミュージカル版では、まるでロミオとジュリエットのように、お互いの存在を知ったときから、惹かれざるをえなかった……というかんじ?
ドラキュラはミーナに向かって「私たちは惹かれ合う運命だった。分かるだろう?」といった趣旨のことは言っていたけれど、それ以上の説明はありませんでした。
思わず私は「分からないよ、だから教えてよ」と心の中で突っ込みを入れてしまいました(苦笑)。
それとも……。
ミーナ役の花總まりさんは、宝塚時代、和央ようかさんとペアを組んでいた女役のトップスターでした。
ドラキュラの台詞は、そのときのことをほのめかしていたとか……?
「分かるだろう?」に続く隠された台詞は「私たちはたくさん同じ舞台を踏んだ、運命共同体だったではないか」
なぁぁんちゃって@
ちなみに、2008年に観劇した松平健さん主役のミュージカル「ドラキュラ」では、ミーナはドラキュラがまだ人間だったときの最愛の奥さんの生まれ変わりという設定でした。
ああいう風に、ドラキュラとミーナに因縁があるのを、期待していました。
もっとも、あちらは、ドラキュラのそういった純愛性を強調したバージョンで、今回のミュージカルとコンセプトは同じではありません。
そういう背景説明を欲しがったり、因縁があって欲しいと思ったりしたのは、単に私の好みの問題ですね。
主人公がヴァンパイアだから、どうしても観る視点はドラキュラ寄り、あるいはいけないと思いながらヴァンパイアに惹かれてやまないヒロインのミーナ寄りになります。
でも、ラスト近くになり、ドラキュラがいっそ勝ってもいいと思えてしまったのは、あくまで自分が登場しない舞台で、他人事として見ていたからです。
でないと、私も補食される側です。
ドラキュラに、吸血鬼仲間にしてもらえたかどうか分かりません。たぶん、目をつけられたとしたら、血をすすられて死ぬだけのエサ以上のなにものでもないかも!?
私も命は惜しいし、人間としてのミーハーな楽しみをまだ手放したくないです(笑)。
だから私も、ヴァン・ヘルシングらと共に、ドラキュラに敵対し、追いつめる側になるでしょう。
一方で、しみじみ考えてしまいました。
人間はドラキュラよりそれほど崇高な存在だろうか、と。
そして私は?
生命を維持する以上の補食をしていないか、少なくとも、それに間接的に手を貸していないか。
自然破壊をする人間は、人間を補食対象とみて支配しようとするドラキュラと、どっちがましなのか。
それほど人間はえらいのか。ドラキュラのエサ以上の価値が本当にあるのだろうか。
なんてね。
ちなみに舞台セットは、古城の塔を思わせる半筒と、さらにその外側を螺旋状に取り巻く石階段が主に使われていました。
これらは可動式で、半筒の塔の部分が外側になっているときには城の外の場面、内側の場合は館の中、というように効率よく活用されていました。
外側の石段部分も、城の中の階段にも外階段にも使われましたし、階段の下に墓石があって、墓場の場面にもなったりしていました。
あるいは海を見渡せる崖の上に見立てられたり、ドラキュラが潜んだ川をゆく船底になったりもしました。うまいものでした。
ただ、その塔や石段を表にしたり裏にしたりずらすのが人力でした!
演劇専用でもない東京国際フォーラムの舞台の限界なのでしょうか。あるいはわざとそういう演出にしていたのでしょうか。
でも、ドラキュラ伯爵がドラマチックな歌や切ない歌を歌っているすぐ後ろで、全身をフード付きのマントで覆った、ドラキュラ伯爵の下僕のヴァンパイアたちと思われる怪しげなキャラクターが、ごそごそと塔を移動させているのです。
まるで引っ越し屋さんが、悦に入ってる家主にお構いなく、ひたすら自分の仕事をしているかのような!?
ミスマッチで、突っ込みを入れたい場面に思えてしまって、妙におかしくてなってしまいました。
いや、ゴシックホラーの雰囲気作りは、全体的には成功していたと思います。
休憩時間にお手洗いに行ったときに、「怖くて、今晩、眠れなくなりそう」とまで言っていた女性もいました。
私自身も、とても好みのドラマチックの音楽効果もあって、ぞくぞくっ(あるいはむしろ、ワクワク)と浸れた場面がたくさんありました。
一方で、あんな風にごそごそと、人力で場面展開されるところがおかしくて@
私にとって、まじめな怖いシーンでもそのせいで時々コミカルに感じられてしまったので、今晩はいつもどおり安眠できし、怖い夢を見ることもないだろうなぁと思ったものです(笑)。
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