2011/01/15 - 2011/01/15
3276位(同エリア4228件中)
まみさん
観劇ついでに、その前に上野公園で撮影散策を楽しもうと思って再訪した東京国立博物館の常設展示。
もっとじっくり鑑賞できるかと思ったのに、冬ぼたん苑で1時間45分もかけてしまったので、東京国立博物館に飛び込んだ時点で閉館まであとたったの1時間あまりとなってしまいました。
それでも本館2階の新春企画「博物館に初もうで」はゆっくりきっちり見学(=撮影)したから、見終わった時点で残りたったの35分!
なのでリニューアルされたという1階のジャンル別展示を見に行く余裕はとてもなくて、そのまま2階の「日本の美術の流れ」を回ることにしました。
ところが、ゆっくり見られなくても、せめて2階のこの常設展示10室はまんべんなく鑑賞しようと思ったのに、だめです、第一室目の「日本の美術のあけぼの」で、私の足はとまってしまいました(苦笑)。
考古学は苦手なジャンルだけど、出土品をプリミティブアートとして眺めるのは好きなんですもの。
去年2010年の3月に撮影散策した平成館の考古学ジャンルほどたくさん展示されていたわけではないけれど、土偶、縄文土器、埴輪など、日本を代表するプリミティブアートにうっとり@
2010年3月に平成館の考古学ジャンルを中心に撮った写真の旅行記
「雨の週末の上野公園は東京国立博物館へ(1)長谷川等伯にうなった後、縄文と埴輪のエナジーに触れる」(2010年3月6日)
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10436635/
その後は、途中で関心が低かったり、写真映えしそうにない作品は、さーっと見るだけでほとんどスルーして、時間を稼ぎました。
最初の国宝室に展示されていた雪舟の「秋冬山水図」などは、人が群がっていて撮影どころかゆっくり鑑賞するのも難しそうだったので、もったいないけれどこれもスルーしました。
でもやっぱり35分間では時間が足りませんでした。
特に残念だったのは、安土・桃山・江戸の「暮らしの調度」や江戸の「浮世絵と衣装」です。
あんなに大急ぎではなく、もっともっとゆっくり眺めていたかったのに。
プリミティブアートにうっとりしているときには、今が幸せならそれでいい!と思ったりしたのですが、やっぱり時間配分のヘタな自分をちょっと呪いました。
でも、常設展です。
今回でも、2度3度目です。
いずれこうしてまた再訪する機会はきっとあるでしょう。
せっかくの本館リニューアル特別公開なのに見られなかったものがいくつもありますが、狩野永徳の「檜図屏風」と、尾形光琳のあの超有名な「風神雷神図屏風」は、間近でちゃんと眺めることができただけでも上等です。
いくらでも写真や複製がちまたに出回っていると分かっていても、やっぱりカメラを構えてしまいました。
<観劇ついでに新春の上野公園の旅行記のシリーズ構成>
□(1)迷い迷って冬ぼたん苑に向かう
□(2)新春を祝う冬ぼたんを詠もう
□(3)東京国立博物館に初もうで───美術の中の陽気なウサギたち
■(4)東京国立博物館で日本の美の源流をふり返る
<タイムテーブル>
13:10 上野公園に到着
13:30-15:15 上野東照宮ぼたん苑の冬ぼたん
15:50 東京国立博物館に入館
15:55-16:20 新春企画「博物館に初もうで」
16:25-17:00 本館2階常設展示「日本の美術」
17:20 東京文化会館入場
18:00-20:05 ベルリン国立バレエ「シンデレラ」鑑賞
東京国立博物館の公式サイト
http://www.tnm.go.jp/jp/servlet/Con?pageId=X00/processId=00
PR
-
現在も利用されている……!?───貴賓室
階段を上がってすぐ目の前に現れる部屋です。
中には入れないので入口からパチリ。
「貴賓室(通称:便殿(びんでん))
この部屋は昭和13年に東京帝室博物館の本館として、この建物が会館したときに貴賓室として造られました。両脇に控えの間が付属しています。通称を便殿といいますが、これは中国では貴人が休憩するための仮の御殿を意味しています。このことからも理解されますように、この部屋は天皇はじめ皇族方が博物館にお出でになられたときのご休憩所として使われました。
完成当時は、床を寄木で貼り、壁は布貼りで上部は漆喰で塗り、天井は石膏の彫刻でペンキが塗られていました。平成6年にこの部屋の大修理をおこない、現在のすがたとなりました。
帝室博物館から国立博物館となった今日では、この部屋は皇族方だけではなく、国賓や公賓など国の大事なお客様の休憩室として利用されています。」
(展示の説明より) -
第1-1室「日本美術のあけぼの(縄文・弥生・古墳)」にて、早速、縄文土器に飛びつく!
写真では見慣れていますが、実物は意外と大きくて迫力があります。
去年2010年3月に平成館の考古学ジャンルを見学&散策したとき、縄文土器ももちろんありましたが、この火焔土器はありませんでした。
去年、平成館の考古学ジャンルで撮った縄文土器の写真
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/18513484/
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/18513485/
関連の旅行記
「雨の週末の上野公園は東京国立博物館へ(1)長谷川等伯にうなった後、縄文と埴輪のエナジーに触れる」(2010年3月6日)
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10436635/
2010年2月に見に行った「国宝土偶展」にも、類似の土器はあってもこれはありませんでした。
関連の旅行記
「ペンギンのお散歩と冬ぼたんと土偶が見たくて木曜日の祝日は上野公園へ(1)寒桜の咲く冬の上野公園と国宝土偶展」(2010年2月11日)
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10428523/ -
この美しくも複雑なデザインは、なにかモデルがあるのかしら
「火焔土器(縄文時代・中期(前3000〜前2000年))
複雑に発達した把手(とって)が、燃え盛る焔のようにみえることからこの名がついた。過度ともいえる立体的で躍動的な装飾が、本来煮炊きの器である深鉢の形にとらわれることなく全体を覆いつくす。縄文中期の造形力の豊かさがここにある。」
(展示の説明より) -
埴輪3体並んで親子のよう!?
手前は「胡座の男子」、後ろの向かって左は「正装の女子」、右は「正装の男子」と呼ばれている埴輪です。
まんまやね。
「埴輪・胡座(こざ)の男子(古墳時代・6世紀)
フチが欠けた編笠状の帽を被り、左腰には柄頭を欠いた大刀を佩(は)いている。大刀に左手を添えて右手は腰に置かれ、あぐらをかき、顔や美豆良(みずら)、手足に赤彩を施している。他に女子像や男子像が出土しているが、胡座の男子はそのなかの中心人物であろう。」
(展示の説明より) -
両手を腰に当てて、一生懸命えらそうなポーズ@
去年2010年3月に平成館の考古学ジャンルを見学&散策したときに、この子はあちらにいましたネ。
だから1年近くぶりの再会です。
関連の写真
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/18513536/
関連の旅行記
「雨の週末の上野公園は東京国立博物館へ(1)長谷川等伯にうなった後、縄文と埴輪のエナジーに触れる」(2010年3月6日)
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10436635/
「埴輪・正装の男子(古墳時代・6世紀)
人物埴輪には半身像と少数の全身像があるが、これほどの正装の例は稀である。沓を履き、上顎・筒袖の上着に膨らんだズボンを足結で結ぶ。髪は美豆良(みずら)に結い、帽子・首飾に腰帯・篭手、腰には大刀・鞘などを着け、威儀を正した当時の有力者がモデルと考えられている。」
(展示の説明より) -
ちょっと泣きそうな憂い顔
3体のうちこれだけが重要文化財に指定されいるようです。
女子の全身埴輪の例が少ないからかな。
「埴輪・正装の女子(古墳時代・6世紀)
女子を表した人物埴輪としては、稀な全身像である。裳状スカートと筒袖で左前合わせの上着を身に着ける。頭には島田髷を結い、額には竪櫛を挿し、玉類を連ねた耳飾・首飾・腕飾で全身を装う。上着には鱗状、裳には短冊状文が線刻され、白・赤色などの彩色が残る。」
(展示の説明より) -
宇宙人のような土偶にも再会!
去年2010年3月に平成館の考古学ジャンルを見学&散策したときに、この子もいました@
関連の写真
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/18513472/
関連の旅行記
「雨の週末の上野公園は東京国立博物館へ(1)長谷川等伯にうなった後、縄文と埴輪のエナジーに触れる」(2010年3月6日)
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10436635/
「(重要文化財)土偶(縄文時代・後期(前2000〜前1000年))
極端にデフォルメされた顔の表情が鳥のみみづくに似ていたことから、「みみずく土偶」と呼ばれる。耳には丸い耳飾りをつけ、頭部の突起は結った髪型や櫛をさしている状態を表すと考えられている。土偶の身体表現は縄文時代の風俗をうかがう一材料となっている。」
(展示の説明より) -
癒されそうな顔つきのお面@
「土面(縄文時代・後期(前2000〜前1000年))
土製の仮面で、縄文時代後期から晩期にかけての北・東日本の各地でみられる。土面には目や口をくりぬいた顔面大のものと、それより小型のものの二種類がある。多くは集落内から出土し、顔面にあてるなどして何らかの儀礼で遣われたと考えられる。」
(展示の説明より) -
世界に共通、プリミティブアートの渦巻き模様!?
海外旅行中でもプリミティブアートを鑑賞するような気持ちで博物館の考古学時代の出土品を眺めますが、渦巻き模様はよく見かけました。装身具に多かったように思います。
去年2010年3月に平成館の考古学ジャンルを見学&散策したときは、銅鐸の上の部分のデザインに注目しました。
そちらもやはり渦巻き模様に惹かれたせいです。
関連の写真
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/18513493/
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/18513494/
関連の旅行記
「雨の週末の上野公園は東京国立博物館へ(1)長谷川等伯にうなった後、縄文と埴輪のエナジーに触れる」(2010年3月6日)
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10436635/
「袈裟襷文(けさだすきもん)銅鐸(弥生時代・中期(前2〜前1世紀))
一般的に銅鐸は吊り手や身、身の左右につく鰭(ひれ)をさまざまな文様で飾る。本例は各部を鋸歯文(きょしもん)と斜格子文、そして渦文を基調として飾られている。銅鐸に描かれる文様は儀礼用と考えられる土器や木器とも共通するものが多く、神聖な意味をもつともいわれている。」
(展示の説明より) -
これでご飯をよそって食べたいという妙ななつかしさを覚える@
去年2010年3月に平成館の考古学ジャンルを見学&散策したときに写真を撮ったのと、同じ須恵器だと思います。
関連の写真
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/18513562/
関連の旅行記
「雨の週末の上野公園は東京国立博物館へ(1)長谷川等伯にうなった後、縄文と埴輪のエナジーに触れる」(2010年3月6日)
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10436635/
「(重要美術品)須恵器・子持高杯(古墳時代・6世紀)
器台に5点の杯が載った形態をなす。杯は1個を除いて、蓋は2点を除いて復元である。器台中心部には小孔を、器台の脚部には方形と三角形の透孔をあけている。稀に器の中に骨や貝が残っている例があることから、本例も器に食物を入れていたと思われる。」
(展示の説明より) -
第1-2室「仏教の興隆(飛鳥・奈良)」にて
この展示室の展示はほとんどスルーしたのですが、この造形美には注目。
見慣れていると思ったけれど、つくづく眺めるととても美しいです。
「銅錫杖頭(しゃくじょうとう)(奈良時代・8世紀)
錫杖は修験者や僧が山野を遊行する際、これを揺すって音を立て、毒蛇害虫を防いだ。杖頭部・木柄部・石突きの3部からなり、杖頭は鋼または鉄製で輪を作り、ここに仏像・塔・相輪・宝瓶などを飾り、輪に音を立てるための遊鐶(ゆうかん)をつけた。」
(展示の説明より) -
表情のわりには静けさを感じる不動明王像(鎌倉時代・13世紀)
第3-1室「仏教の美術(平安〜室町)」です。
この部屋もさらっと見学しました。 -
苦虫つぶしたようなお顔@
次の第3-2室「宮廷の美術(平安〜室町)」は、絵巻物や歌が描かれたものが多かったです。
この時代の古典文学は好きなので興味がないわけでもなかったのですが、じっくり見ている時間はなかったのでスルーしました。 -
第3-3室「禅と水墨画(鎌倉〜室町)」にて、屏風の一部
そこから眺める景色はさぞやすばらしいでしょう。
「(重要美術品)囲碁観瀑図屏風/伝・狩野元信(室町時代・16世紀)
元信は、正信の後を継ぎ、大規模な制作をこなす画家集団としての狩野派と作画システムを作り上げ、狩野派発展の基礎を確立した画家。狩野派は、周文や雪舟といった画僧(禅宗寺院所属の僧侶画家)にかわり、15世紀末には水墨画制作の担い手として台頭した。」
(展示の説明より) -
幽玄の美
-
複雑なラインを描く松
-
まるで昇り龍のような松の木の下で
-
第4室「茶の美術」にて、ちょっとクローバーを思わせる形に絶妙な色と模様の鉢
陶器には関心があるので、この展示室には惹かれる茶器がいくつかありました。
「織部洲浜形手鉢/美濃(江戸時代・17世紀)
岐阜県頭部に広がる美濃窯は、慶長年間に織部を作り出し、円形をも打ち破る破格の造形美を作りだした。この手鉢も器形は伝統的な王朝意匠である洲浜に取材し、白土に緑釉をかけ鉄絵用の素地に赤土と、粘土と釉法を組み合わせるのも織部陶の妙技であった。」
(展示の説明より) -
一見、素朴だけど、しっかり描き込まれた模様
-
描かれた模様は1つ1つが微妙に異なる@
「志野草図向付(むこうづけ)/美濃(安土桃山〜江戸時代・16〜17世紀)
向付とは茶の湯の食事に使う器で、その名は飯椀、汁椀の向に置くためという。器は円形という常識を、四方に開いた口縁であっさりと打ち破る。そこによくぞここまでと思わせる描き込みを行う。この密度こそまさしくこの時代の志野の特色といえる。」
(展示の説明より) -
これでお茶を飲みたい!───基本的に酒は飲まないので
1番左は志野酒呑(ぐいのみ)、真ん中は唐津酒呑、右は色絵花鳥文銚子です。
「色絵花鳥文銚子/伊万里(古九谷五彩手)(江戸時代・17世紀)
茶の湯で料理をふるまう際に、酒を入れ客に差し上げる器。本来は漆塗や金属製であるものを、色絵磁器で手掛けている。濃厚な絵具を遣った菊と鶯宿梅のデザインは伊万里ならではの発案。底に生じたヒビ割れを上絵具で埋める融通無碍な制作態度がみられる。」
(展示の説明より) -
第5室「武士の装い(平安〜江戸)」にて、雌雄並び立つ!?
刀剣や鎧兜の展示が中心だったと思います。
スルーしようと思ったのですが、なかなか素敵なデザインのこれらの鎧兜が気になりました。
向かって左は白糸威胴丸具足、右は茶糸威四枚胴具足です。
「白糸威胴丸具足(江戸時代・17世紀)
慶長6年(1601)に美濃岩村城主となった松平家乗(1575〜1614)所用の具足。胸板や草摺(くさずり)の裾板(すそいた)に家紋の丸に鳶を金蒔絵としている。全体に質実で、かつ華かな仕立てであり、胴や佩盾(はいだて)には威糸の増減を巧みに利用して日の丸を表している。」
(展示の説明より)
「茶糸威四枚胴具足(江戸時代・19世紀)
越前福井藩主、松平齋善(なりさわ)(1820〜38)所用の具足。兜は鉄地で正面に眉形を打出した蒙古鉢風で、山勢の立物といわれる菊桐唐草透の頭立(ずたて)を付ける。胴は短冊形の札(さね)を葦包(かわづつみ)黒漆塗とし、両脇と背面中央に蝶番を入れた珍しい四枚胴で、全体を茶糸で威す。」
(展示の説明より) -
当然、後ろもぬかりなし!
鎧兜は正面から見ることは多いですが、後ろも見られるのは少ないと思いますが、なかなか興味深いです。
左の兜の上の「頭立」がなんだかお茶目@ -
第6室「武士の装い(平安〜江戸)」にて、菊と蝶の模様に惹かれて
「菊唐草蝶蒔絵鞍鐙(江戸時代・18世紀)
戦野を疾駆る武士たちの必需品であった鞍も、泰平の世が続くとともに次第に身辺を飾る道具としての性格が濃くなり、華美な装いが凝らされることになった。これもその典型的な例で、金銀の高蒔絵を用いて表面全体に菊唐草と蝶が賑やかに描かれている。」
(展示の説明より) -
第7室「屏風と襖絵(安土桃山・江戸)」にて、さすが国宝に選ばれた迫力と美しさ!
そして古さとここまで大事に保存されてきたことも、価値があるでしょう。いわばアンティークの価値。
これは本館リニューアル記念の特別公開でした。
「(国宝)檜頭屏風/狩野永徳(安土桃山時代・16世紀)
檜の大樹が幹をうねらせ、大技を振りかざす豪放な形態と濃密な色彩は、当時の美意識を余すところなく体現している。天正18年(1590)に落成した八条宮(後の桂宮家)邸を飾った襖絵であったとされ、永徳の晩年作と考えられる。」
(展示の説明より) -
神々しさすら伝わってくる檜
-
第8-1室「暮らしの調度(安土桃山・江戸)」にて、貝合わせの豪華な入れものにまず惹かれた@
「松竹蒔絵貝桶(江戸時代・19世紀)
貝合わせは、裏側に和歌や絵を描いた2枚貝を左右別々にして置き、もとの一組を引き当てる遊び。元の組み合わせ以外は、左右がぴたりと合わないことから、はまぐりの殻が使われる。夫婦円満の象徴とされ、婚礼調度としてこれを収める豪華な貝桶が作られた。」
(展示の説明より) -
豪華な一枚一枚が集まって、とても壮観
-
源氏物語かしら?
-
アールヌーヴォーの先駆け!?───虫のデザインがとても巧み@
「松竹梅蒔絵挟箱(はさみばこ)(江戸時代・19世紀)
挟箱は携帯用の物入れで、箱の長側面に付けた金具に棒を通して肩に担ぐ。大名の参勤交代や婚礼の行列には、必ず家紋を表わした挟箱を担ぐ、挟箱持ちを従えていた。中に主として衣類を収め、蓋の上には雨露を防ぐ革や毛織物で作った油箪(ゆたん)をかけて用いた。」
(展示の説明より) -
日本の原風景のようなのどかな田園風景と蒔絵の豪華さが絶妙にマッチ!?
-
こういう箱や盆に無性に惹かれます@
「山水蒔絵香道具箱(江戸時代・17世紀)
入角形で身の内に盆を収めており、元は香炉や焚殻入、重香合などの香道具を収納していたとみられる。高蒔絵や平蒔絵に切金を交えて、箱の外側には山水、盆の見込みに汐汲の図を描いている。波や岩、水禽などの精巧な作行が、江戸時代前期の伝統的な蒔絵の特徴を示している。」
(展示の説明より) -
こんな高枕じゃ眠れそうにない(苦笑)
江戸時代の人は髪を結ったまま寝るんでしたっけ?
「獏南天蒔絵枕(江戸時代・19世紀)
大名家の婚礼の際、床入りの儀式に用いられた祝いの枕。片方の側面に悪い夢を喰うといわれる獏、もう一方の側面には、その音が「難転」に通じ厄払いの効能があるとされた南天を描く。いずれも魔除の意味で、初夜の床を飾る枕に描き込まれたものであろう。」
(展示の説明より) -
大胆な構図と荘厳さに惹かれて
「雪中老松図/円山応挙・筆(江戸時代・明和2年(1765))
墨色の濃淡によって松の幹と枝の立体感をあらわし、背景に薄く金泥を刷いて、絹地の白さを生かし枝上の雪を浮かび上がらせる。応挙の特質である平易な画風がよくあらわれた作品である。当時の京都において、この画風で応挙は一世を風靡した。」
(展示の説明より) -
第8-2室「書画の展開(安土桃山・江戸)」にて、出たーっ! 超有名な作品のホンモノに触れる
さきほどの国宝の狩野永徳の「檜図屏風」より有名だと思いますが、国宝クラスではなく重要文化財品でした。
超有名なのは───あるいはそう思うのは、あちらの図柄の方が似たようなのが他にはないとはいえず、逆にこちらは屏風絵として独特で、一度見たら記憶に残りやすいからかもしれません。
「(重要文化財)風神雷神図屏風/尾形光琳(江戸時代・18世紀)
天空を疾走する風神と、雷鳴を轟かせる雷神。二神は仏教では風雨を司り、仏法を守る役割をもつ。左右2つの画面に配置された二神の視線は互いに交錯し、対称的に配置されている。この理知的な画面構成に、光琳絵画の造形的特質が鮮明にあらわれている。」
(展示の説明より) -
ギョロ目が可愛い風神@
-
ブタさんみたいな雷神@
次の第9室「能と歌舞伎」はスルーするしかありませんでした。
歌舞伎はともかく、能・狂言は去年2010年11月に初めて見に行って、また見たいと関心を抱いたのに。
(今年2月の能・狂言の定例公演も見に行く予定@) -
第10室「浮世絵と着物(江戸)」にて、着物ってすばらしいキャンバスだと思う
「振袖・白綸子(りんず)地松梅模様(江戸時代・17世紀)
刺繍と型鹿の子で模様を表した振袖。常緑の松は永遠の若さの象徴、梅は寒い早春にいち早く咲き香り春の訪れを知らせる生命力の象徴である。武家伝来の晴れ着。」
(展示の説明より) -
なんのお花かな
-
部分と全体では印象が変わる@
「間着(あいぎ)・紅綸子地亀甲繋橘模様(江戸時代・18世紀)
綸子を鮮やかな紅に染め、亀甲文を藍で絞り染にし、繊細な線で橘の立木模様を鹿の子絞りと刺繍で表わす。袖の模様は途中で切れており、本来は振袖で婚礼に用いられたと考えられる。「常葉の樹」と詠われた橘と万年生きると言われる亀を表わす亀甲文の晴着。」
(展示の説明より)
この同じ部屋に本館リニューアル記念として、葛飾北斎の浮世絵シリーズ「富嶽三十六景」46枚のうち約半分の22枚が一堂にお目見えしていたのですが……浮世絵は一枚一枚が小さいし、17時すぎてもたくさんの人が群がっていたので(苦笑)、スルーするしかありませんでした。
(そもそも閉館の17時を過ぎたので、早く出ましょうね。) -
ライトアップされた妖しい魅力の東京国立博物館の本館
閉館は17時だけど、17時から出口に向かい始めたので、外に出たときには17時をとっくに過ぎていました。
さて、この後は、急いでバレエ観劇会場の東京文化会館に向かうことにしましょう。
同じ上野公園内とはいえ、東京国立博物館から東京文化会館までは少し距離があります。
どこかで軽く夕食をとろうと思っていたのですが、会場にぎりぎりに飛び込むのはいやなので、どこにも寄らずに真っ直ぐ向かうことにしました。
このあとはちょっとだけ、バレエ公演会場の東京文化会館の写真が続きます。
<これまでの上野公園と博物館の旅行記>
2010年11月13日
「境内に錦を添える湯島天神菊まつり(後)名残りを惜しみながらも観劇会場の上野公園・東京文化会館へ」(上野公園の写真は後半に少しだけ)
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10520612/
2010年3月20日
「連休は甥っ子姪っ子と国立科学博物館の「大哺乳類展」」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10441401/
2010年3月6日
「雨の週末の上野公園で3大早咲き桜を愛でる」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10436563/
「雨の週末の上野公園は東京国立博物館へ(1)長谷川等伯にうなった後、縄文と埴輪のエナジーに触れる」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10436635/
「雨の週末の上野公園は東京国立博物館へ(2)おひなさまと人形の魂に触れた後、神韻SHEN YUN公演にしびれる」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10436640/
2010年2月11日
「ペンギンのお散歩と冬ぼたんと土偶が見たくて木曜日の祝日は上野公園へ(1)寒桜の咲く冬の上野公園と国宝土偶展」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10428523/
「ペンギンのお散歩と冬ぼたんと土偶が見たくて木曜日の祝日は上野公園へ(2)雪よけのおこもり姿の冬ぼたんは絶好調!」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10428524/
「ペンギンのお散歩と冬ぼたんと土偶が見たくて木曜日の祝日は上野公園へ(3)お散歩するペンギンは可愛かった@」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10428525/
2009年4月3日
「2009年度のお花見は?(3)満開の上野の花見は恐竜と共に」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10323628/
2009年3月29日
「2009年度のお花見は?(2)ついでに少し早めの上野の桜詣」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10321852/
2008年12月10日
「上野公園のクリスマス・イルミネーションで遊ぶ」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10294280/
2008年4月1日
「念願の桜の季節の上野公園(1)提灯桜通りの桜トンネルと東京国立博物館・常設展「博物館でお花見を」」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10230308/
「念願の桜の季節の上野公園(2)念願中の念願!───不忍池の桜」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10230318/
2007年11月24日
「ひさびさの美術展はしご&クリスマス・イルミネーション」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10199844/
2007年5月3日
「ゴールデンウィークの上野公園:こんな側面もいかが」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10144171/
2007年1月30日
「上野公園東照宮冬ぼたん祭り(1)思った以上に撮っちゃいました@」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10122203/
「上野公園東照宮冬ぼたん祭り(2)これぞ撮りたかった、ステキな脇役たち」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10122234/
2006年5月3日
「何十回と訪れて、初めてまともに歩いた上野公園その1:上野東照宮」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10065816/
「何十回と訪れて、初めてまともに歩いた上野公園その2:不忍池」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10065820/
「何十回と訪れて、初めてまともに歩いた上野公園その3:もろもろ&最近の上野での過ごし方」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10065823/
2006年4月30日
「牡丹づくしにクラクラ!その3:上野東照宮のぼたん苑」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10065566/ -
東京文化会館大ホールのドリンク・フード・コーナー
おなかすいちゃった!
観劇中におなかがすいていると気が散るので、会場値段でちょっと高いけれど、ここで何か食べ物を調達することにしました。 -
カツサンド700円とアイスコーヒー400円でひといきつく@
立席で相席です。
会場で食事をするのは落ち着かないけれど、仕方がないです。
でも、あーおいしかった@ -
今回はこういうバレエグッズのお店が会場に来店
食事後、まだ開演まで少し時間があったので、ちょっとだけロビーを散策。
もう何十回と来ている会場なので、さほど物珍しいものがあるわけではないのですが。
プログラムは買わないことにしています。
毎度買っていたら置き場所に困るし、私はどうも演目そのものに関心が高いけど、ダンサーへの関心はあまり高くないため、ダンサーのプロティール・ページと宣伝ページが大半のプログラムは買ったとしてもお荷物。
ページ数にしては高すぎますしネ。
そんなプログラムが主催者側としては大事に興行収入だと理解してはいますけど。 -
本日の公演タイムテーイブルと公演ポスター
もっともポスターの写真は、今度の木曜日(1/20)に見に行く、同じベルリン国立バレエ団の「チャイコフスキー」のものです。
<バレエの感想>
バレエ「シンデレラ」の定番の楽しみといえば……。
男性ダンサーが踊ることが多い、コミカルな2人のいじわる姉さん。
舞踏会に行くためにシンデレラが魔法にかかるシーンで、どのように魔法っぽく演出するか。
12時のタイムリミットでシンデレラの魔法が解けて、ガラスの靴を落して去るシーン。
王子が探しているのがシンデレラだと分かる、ちょっと胸のすくシーン。
そして、玉の輿が決まったシンデレラが、いじわる姉さんや継母と和解するかどうか、あるいは自分の幸せに浸ってさらっと無視するか、といった、シンデレラの性格の解釈がよく出るシーン。
群舞やプリンシパルの踊りはもちろん楽しみだけれど、やはり魔法シーンをどうやってそれらしく演出するのかなぁというところが楽しみでわくわくします。
私が思い浮かべているのは、アシュトン版や、それに近いやつです。
でも、マラーホフ振付・演出の「シンデレラ」には、残念ながら魔法は出てこないのです。
設定も、童話のシンデレラとは違います。
主役のシンデレラは、才能があるけれどチャンスに恵まれない新人ダンサー。
その彼女が所属するバレエ団の新作にスターダンサーが客演することになり、彼女はその相手役に抜擢されるという、シンデレラ・ストーリー。
だけどその「玉の輿」には魔法の助けは一切なくて、シンデレラがもともと持っている才能とそれを開花させた本人の努力、それからシンデレラを支えた元プリマやバレエ・マスターの励ましのおかげで、自らその役をつかむ、ということのようです。
魔法シーンはなけれど、コミカルないじわる姉さんと継母の代わりはいました。
甘いもの好きのバレリーナと酔っ払いのバレリーナで、こちらもキャストは男性でした。
その2人をえこひいきする芸術監督が継母の代わりでしょう。
そして、シンデレラを励まし支える元プリマやバレエ・マスターが、魔法使いやシンデレラの実の父の代わり。
男性キャストによる、いじわる姉さんの代わりのダンサー2人はとても良かったです。
女性役を男性がコミカルに踊るのは、今ではさほど珍しくないと思いますし、トロカデロ・デ・モンテカルロ・バレエ団やグランディーバ・バレエ団など、男性のみのバレエ団で、男性ダンサーが女性役をコミカルに踊るバレエ公演も見たことがあります。わりと好きです。
定番の「シンデレラ」でもマラーホフ版の「シンデレラ」でも、2人はコミカルで笑いをとるためにわざとヘタに踊ったりもするのですが、それでも上手いからやれることだなぁとうなりました。
男性の力強さに女性の優雅さや繊細さが加わって、女性が優位であるはずのバレエであっても、男性の肉体的な優位さを改めて感じました。
私をはじめ、なかなか笑わない真面目な日本人観光客でさえも思わず笑えるシーンもありました。笑わせるには巧みな間合いや演技力が必要ですから、それだけ上手いといえるでしょう。
実は、観劇前にちゃんと予習をしていなかったので、魔法のシーンがないのは知らず、がっかりしてしまいました。
12時のタイムリミットも、ちょっと慌てて退場するだけ。
ガラスの靴も落さないし、魔法も解けません。
そして舞踏会のシーンは実は夢落ちでした。
設定からしても、衣裳や舞台全体にミーハーな華やかさはないです。
ベルリン国立バレエに限らないのですが、西欧の来日バレエ団の演出は、舞台装置や衣装なども含めて、日本のバレエ団のものよりは全体的にシンプルなものが多いように思います。
代わりにバレエのテクニックと演技力で勝負!というところでしょうか。
レニングラード国立バレエ団くらいになると、私のようなミーハーなファンを喜ばせるような豪華さが満載なのですが。
私など、クラシックバレエにはつい、演出全体に西欧の宮廷文化や民族衣装をベースにしたような華やかさを求めてしまうのですが、西欧バレエ団の演出家にとっては、自国の昔のものをなぞるだけでは物足りなく、あまりに回顧趣味的すぎて、いまさらだと思ってしまうのかしら───などと考えてしまったりして。
辛口で言うと、お金をあまりかけないようにしているな、と感じることがあります。
今回の「シンデレラ」も稽古シーンなどでは、みんな本当にふだんの稽古の服装のまま舞台に立っているのでは、と思えてしまいました。
ただ、華やかさに目移りすることが少ない分、ダンサー一人一人の踊りにしっかり集中できます。
主役のシンデレラはもちろん上手なのですが、どのダンサーもプリンシパルになりうるようなしっかりとした技術を持っているように思えました。
私が見たときのシンデレラのキャストはヤーナ・サレンコさんでした。
Wキャストのポリーナ・セミオノワさんの方が私もよく知っている上に、マラーホフがこの「シンデレラ」を作るにあたってポリーナさんからインスピレーションを得たといわれているので、ポリーナさんでなかったのは残念でしたが、ヤーナ・サレンコさんもとってもステキでした。
ポリーナさんは手足が長くて背が高い女性ですが、ヤーナさんはとっても小柄で華奢でした。他のダサーに囲まれると、埋もれてしまいそうなくらい。
だからシンデレラはとても可憐でした。
だけど、スピッツが大型犬に立ち向かうように(!?)、負けちゃいないのです。
いや、第一幕では負けかけていました。いじわるな義姉たちにあたる先輩ダンサー2人と、その先輩ダンサーをえこひいきする芸術監督にいじわるされて。
だけど、第二幕第一場で、夢の中で魔法使いとして現れた元プリマのやさしい先輩に励まされ、スターダンサーと舞踏会で踊って、現実でもスターダンサーと踊りたい、という願いを強く持ち、負けないぞ!と闘志を固めたに違いありません。
いよいよスターダンサーがやってきた第二幕第二場では、いじわるな先輩ダンサーたちは、彼の相手役としてはあきらかに不似合い。
えこひいきの芸術監督が2人を指名しますが、スターダンサーも嫌がってしまうし、他のダンサーたちもスターダンサーにすがりつく2人を引き離してしまうくらいです。
そしてシンデレラも負けていません。
スターダンサーが来る前に何かいじわるを言われたかされたようですが、第一幕ではそれで引っ込んでしまっていたのに、第二幕第二場では、手にしていた布で先輩たちをペシッ、ペシッ!
スターダンサーがシンデレラを相手役に選んだところは、シンデレラががんばったという風にはいまひとつ見えなかったけれど───単にスターダンサーがシンデレラに一目ぼれしたように見えましたが(苦笑)、バレエ団の他のダンサーもこぞってシンデレラのデビューを喜んでくれたところを見ると、ふだんから彼女の才能は光っていて、いつか羽ばたく日が来るのをみんな分かっていたのでしょう。
定番の「シンデレラ」のストーリーを上手になぞりながらも、こういう新しいシンデレラもありか、と私には絶妙に思えた新解釈の「シンデレラ」でした。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
まみさんの関連旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
45