2012/07/05 - 2012/07/05
210位(同エリア478件中)
まみさん
開演時間ぎりぎりに飛び込んでしまい、最初の2曲分だけ扉の外で待ち、上演中に座席に案内される、という失態を初めてやらかしてしまった、北千住のシアター1010(センジュ)での観劇。
休憩時間にロビーに出たら、さして広くないロビーは花輪でいっぱい!
芸能界話題にとんと疎い私ですら知っている超有名人から出演者に贈られたものもありました。
とはいえ、私を魅了したのは、やっぱり花そのもの。
そして、予想はしていたけれど、いや予想以上に強烈だった、沖縄女子学徒隊を描いたミュージカル「ひめゆり」。
第二次世界大戦終戦間際の沖縄の悲劇のことも、「ひめゆりの塔」は知っていても、ではどなんふうに悲惨だったのか、情けないことにろくに知らなかった私にとって、驚きと怒りと哀しみに打たれたミュージカルでした。
と同時に、ミュージカルとしても、話の構成・役者の歌唱力と演技・舞台演出など、とてもすばらしかったです。
上演中や客席の写真はもちろん撮れないのですが、そんなわけで、感動の記念に、初めて訪れた北千住のシアター1010(センジュ)で、劇場シリーズの1つの旅行記を作成することにしました。
シアター1010の公式サイト
http://www.t1010.jp/
ミュージカル座7月公演ミュージカル「ひめゆり」紹介
http://www.t1010.jp/html/calender/2012/200/200.html
ミュージカル座の公式サイト
http://www.musical-za.com/
ミュージカル「ひめゆり」公式サイト
http://www.musical-za.com/STAGE/himeyuri12/stage.htm
<これまでの劇場シリーズの旅行記(観劇感想付き)>
東京宝塚劇場(有楽町)
2006年3月:宝塚「ベルサイユのバラ<アントワネットとフェルゼン編>」
「手にしたばかりのオモチャに夢中:デジカメ持って宝塚劇場へ(その1)」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10059201/
2006年4月:宝塚「ベルサイユのバラ<オスカルとアンドレ編>」
「手にしたばかりのオモチャに夢中:デジカメ持って宝塚劇場へ(その2)」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10062015/
東京文化会館(上野)
2006年5月:ボリショイ・バレエ団「バヤデール」
「何十回と訪れて、初めてまともに歩いた上野公園その3:もろもろ&最近の上野での過ごし方」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10065823/
2011年1月:ベルリン国立バレエ団「シンデレラ」
「観劇ついでに新春の上野公園(4)東京国立博物館で日本の美の源流をふり返る」(※劇場写真は後半のおまけ)
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10538004/
2011年5月:バーミンガム・ロイヤルバレエ団「眠りの森の美女」
「観劇前に、上野公園でパンダお菓子とパンダグッズ三昧!」(※劇場写真は後半のおまけ)
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10571306
2012年3月:モンテカルロ・バレエ団のマイヨー版「シンデレラ」
「一眼レフで捉えた夜のバレエ観劇会場の東京文化会館」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10652883
新国立劇場(初台)
2007年3月:オペラ「さまよえるオランダ人」
「今宵は初台の新国立劇場へ」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10130385/
2008年12月:バレエ「シンデレラ」
「クリスマス色の新国立劇場でバレエ「シンデレラ」を鑑賞」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10296524/
2010年5月:バレエ「ガラントゥリーズ&カルミナ・ブラーナ」
「観劇前にゴールデンウィークの新宿御苑!───記念に楽羽亭でお茶をいただいた他、満開の八重桜「関山」と黄色い桜「鬱金」を愛でる」(※劇場写真は後半のおまけ)
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10457799/
2010年6月:オペラ「カルメン」
「新国立劇場の3階客席からオペラ「カルメン」を鑑賞」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10469761/
2011年1月:バレエ「ラ・バヤデール」/2月:オペラ「夕鶴」/5月:バレエ「アラジン」/6月:オペラ「蝶々夫人」&バレエ「ロメオとジュリエット」
「2010/2011年シーズン後半の新国立劇場バレエ・オペラ観劇時のロビーの生け花写真コレクション」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10579477
新橋演舞場(東銀座)
2007年3月:ミュージカル「阿国」
「今宵は東銀座の新橋演舞場へ」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10131883/
国立劇場・小劇場(半蔵門)
2007年5月:文楽「絵本太閤記」
「国立劇場で文楽を見たよ@」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10150477/
国立劇場・大劇場(半蔵門)
2009年6月:歌舞伎「歌舞伎のみかた/華果西遊記」
「歌舞伎の西遊記を観に行こう!───国立劇場の大劇場は日本画の宝庫@」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10349807/
2011年12月:歌舞伎「元禄忠臣蔵」
「クリスマスどころか早くも正月気分!?───12月の国立劇場で歌舞伎観劇」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10629880
帝国劇場(有楽町)
2007年12月:ミュージカル「モーツアルト」
「帝国劇場でミュージカルを見よう」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10206152/
2011年8月:ミュージカル「三銃士」
「東京みやげを買いたくなる帝国劇場───帝劇開場100周年記念のミュージカル「三銃士」を観劇」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10591281
2011年12月:ミュージカル「ダンス・オブ・ヴァンパイア」
「帝国劇場でミュージカルを見よう第3弾───帝劇開場100周年記念最後の公演ミュージカル「ダンス・オブ・ヴァンパイア」再び」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10626593/
東京国際フォーラム(有楽町)
2007年12月:国立モスクワ音楽劇場バレエ「白鳥の湖」(ブルメイステル版)
「国際フォーラムでもバレエを見るよ」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10206978/
2011年9月:ミュージカル「ドラキュラ」
「スタイリッシュな東京国際フォーラムで、あまりに美しかった女ドラキュラのミュージカル」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10598932
東京芸術劇場(池袋)
2008年1月:ミュージカル「妊娠させて!」
「池袋の東京芸術劇場、ミュージカル観劇の日は雪でした」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10216358/
劇団四季・自由劇場(浜松)
2008年3月:ミュージカル「赤毛のアン」
「劇団四季・自由劇場ときれいになった浜松町駅界隈」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10228045/
劇団四季・海劇場(新橋)
2009年11月:ミュージカル「アイーダ」
「ちょっとだけクリスマス・イルミネーションの汐留の四季劇場「海」でミュージカル「アイーダ」を鑑賞」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10401655/
劇団四季・夏劇場(大井町)
2010年10月:ミュージカル「美女と野獣」
「大井町の四季劇場「夏」でこけら落とし公演「美女と野獣」を見に行こう!」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10515432
赤坂ACTシアターと赤坂サカス(赤坂)
2008年12月:K-Companyバレエ「くるみ割り人形」
「イルミネーションの赤坂サカスでバレエ「くるみ割り人形」を鑑賞」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10297306/
2011年12月:K-Companyバレエ「くるみ割り人形」
「クリスマス恒例のバレエ「くるみ割り人形」観劇ナイトのイルミネーション散策(2)赤坂サカスと赤坂ACTシアター編」(※イルミネーションの写真が主役)
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10631357/
マッスルシアター(渋谷)
2009年9月:マッスルミュージカル「祭(MATSURI)」
「残暑厳しい9月の連休にマッスルミュージカルを見に行きました@」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10378257/
新ビッグトップ(原宿)
2009年12月:シルク・ド・ソレイユ「コルテオ」
「一度は当日公演中止の憂き目にあったシルク・ド・ソレイユの「コルテオ」リベンジ!」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10405973/
2011年3月:シルク・ド・ソレイユ「クーザ」
「シルク・ド・ソレイユ「クーザ」───原宿ビックトップで開演前にパチパチ」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10551341
紀尾井ホール(麹町)
2010年7月:ニュー・オペラ・プロダクション「末摘花」
「真夏の夜の紀尾井ホールで女だけのオペラ「末摘花」を観劇」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10484515/
彩の国さいたま芸術劇場(与野本町)
2010年8月:音楽劇「ガラスの仮面〜二人のヘレン」
「なつかしの「ガラスの仮面」を久しぶりの彩の国さいたま芸術劇場で観劇」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10494901/
ゆうぽうと(五反田)
2010年10月:谷桃子バレエ団「レ・ミゼラブル」
「60周年記念公演で花に飾られた五反田ゆうぽうと」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10512012
国立能楽堂(千駄ヶ谷)
2010年11月:狂言「鳴子」&能「俊寛」
「ベールを脱いだ能舞台にワクワク@───能・狂言鑑賞に初チャレンジ!」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10522513
東京ディズニーランドZEDシアター(舞浜)
2011年8月:シルク・ドゥ・ソレイユ「ZED」
「東京ディズニーランド常設のシルク・ドゥ・ソレイユの「ZED」観劇で終えた夏」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10598371/
渋谷文化村オーチャードホール(渋谷)
2012年1月:ウクライナ国立オデッサ歌劇場オペラ「イーゴリ公」
「劇場撮影はやっぱりコンデジの出番!───渋谷文化村オーチャードホールでオペラを鑑賞した夕べ」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10638443
PR
-
ロビーに飾られたキラキラの花輪に惹かれて・その1
できれば会場入りするところから順番に写真を撮り、アップしたかったのですが、上演時間すれすれの遅刻だったので、それは無理でした。撮った順番にアップします。 -
ロビーに飾られたキラキラの花輪に惹かれて・その2
もっとも、駅前百貨店の上階にあるシアターなので、あまり大きくないシアターに写欲がそそられるものはろくにないだろうと思っていましたから、始めは旅行記用の写真を撮るつもりはありませんでした。 -
ロビーに飾られたキラキラの花輪に惹かれて・その3
ロビーにあったパネルの説明ですと、沖縄女子学徒隊は10校9学徒505名いて、189名も戦死したそうです。
その数字でもショッキングなのに、その中の県立第一女子高校の、いわゆるひめゆり学徒隊は、ひめゆり平和祈念資料館の資料によると、動員数240名のうち、戦没者は136名で、実に半分以上!
さらにショックを受けました。
観劇後に調べたところによると、「敗色濃厚となった6月18日に突然解散命令が出され、翌日の6月19日をはじめとする約1週間の間に多数の犠牲を出した(死亡者のうち実に80%がこの間に集中している)。最終的には教師・学徒240人のうち136人が死亡」(Wikipediaフリー百科事典より引用)とありました。
ミュージカルの第2幕がまさにこの解散命令後の約1週間を描いたものでした。 -
1階客席への階段脇を飾る花籠
-
花で飾られた1階客席の中央入口への階段
-
1階客席の中央入口への階段前の様子
ロビーはほんとに狭くて、飲食コーナーは劇場のすぐ外のエリアにありました。
再入場には半券が必要です。
めんどくさかったので、休憩中は出ないようにしました。 -
有名人からの花がぞろぞろ@
-
おおっ
-
2階客席に上がる階段の前にも
-
さして広くないロビーの様子
-
終演後にここでDVDを購入
DVDに収録されたのは本日のキャストではなく、2010年時のものですが、それは構いませんでした。
主役ともいえるキヨ役は知念理奈さんで、むしろ私のよく知っている、ミュージカルによく出演している役者さんでした。
DVDは税込みで6,300円でしたが、会場特別割引で5,800円となりました。
2枚組みで、本編約140分が第1幕と第2幕分で1枚各70分に分けられ、さらに特別編として、1枚目には30分のダイジェスト版、2枚目にはメイキング編もあります。 -
終演後に撮ったシアター入口・その1
-
本日のミュージカルの特大ポスター
-
飲食コーナーもある劇場前の広々としたロビーと公演予定のポスターの壁
-
終演後に撮ったシアター入口・その2
-
会場で買ったDVD2枚組とチケット半券
<感想>
※あらすじを含んだネタばれがありますので、あしからず。
ミュージカルでは1クラス分くらいの30名ほどの少女たちを主役に描いていました。
生き残ったのは、途中でみんなとはぐれ、自力で故郷まで帰り着いた姉妹2人、最後に米軍の捕虜になってしまう形で結果的には助かった3人組、それから30人の中でも主役扱いのキミの6人だけでした。
キミしか助からなかった場面はクライマックスで、壮絶であり、皮肉でした。
米軍の呼びかけに答えて、これから白旗を掲げて隠れていた洞窟から出て行こうってところで、間に合わず、洞窟の中に毒ガスのようなものを投げ込まれてしまって、キミ以外全員死んでしまったのです。
なにしろ、彼女らは命だけは助かるかもしれない、と思わせたところでの逆転劇ですから。
第2幕はそんな風にショッキングなエピソード続きでした。
第1幕は、女学校の校長先生が、生徒達に看護要員として働くことを呼びかけるところからでてす。
確かに募ったのは志願でした。
でも、「理想の生徒になって、お国のために働きなさい」と校長や教員みんなから諭され、本当は行きたくない子もいたのに、狭い故郷なので、ここで拒否したら非国民として後ろ指さされて生きていけない、と覚悟を決めさせられたのですから、強制も同然です。
こういった、個人の意志が無視されて、集団の意志、しかも往々にして過激な意志に構成員が全員強制的に従わされる状況になるというのは、人間の集団心理として、どの民族でもありうることは心理学的に立証されているようですが、和を大切にする日本人にはこの傾向がさらに強いはずです。
戦争のない現代にだって、たとえ数名ぽっちの仲良しグループであっても、そこからハブされることを恐れるあまり、不本意ながら従うというのはいくらでもあるでしょう。
これが戦争のような非常時となったら、と思うと、恐ろしいです。
まだ現代の日本は戦争と無縁だから、命の危険や人間の尊厳を侵すことまでにはならないから───いや、いじめの問題で自殺者が出るなど、全くないとは言えないですが、疑問視する声やまっとうな意見が出て、少なくともどこかでストップがかかり、日本全国で狂うことがないと思いますし、思いたいです。
でも、現代日本人の方が戦時中の日本人よりも精神的にずっと脆弱で、非情な集団心理に容易に狂わされやすい気がします。
そういう意味でも、ほんと、戦争という事態はあって欲しくないです。
人間の弱さでいえば、たとえば少女たちが働いていた軍病院を管理していた鬼軍曹が、第2幕でみんなと洞窟の中に隠れていたときに、赤ん坊の泣き声で敵に見つかることを恐れるあまり、赤ん坊と母親を殺してしまったり。
降伏か、死か、を呼びかける米軍の放送に対し、このままではみんな全滅するだけだ、とキヨが白旗を持って出ようとした時に、軍曹は彼女を止めるために彼女にも銃を向けたり、手近にいた彼女の友達の女子学生を人質にとったり。
その銃は、日本人を守るためのものではなかったのか、なぜ敵に向けずに、味方、それも守るべき弱い女子供に向けるのか、と問いたかったです。
一方で、軍曹の心の弱さも分かりやすかったです。
彼だって、小さい頃にこの故郷沖縄で母親とホタルを見た思い出をなつかしむ歌を歌い、戦う意味を見いだそうとしていました。
かといって、その軍曹の行為が許せるものではありませんが、分かりやすい悪役の存在はミュージカルに感情移入しやすくしてくれ、上手い演出だと思いました。
その軍曹を別の者が撃ち殺し、間一髪でキヨを助けた場面への伏線も見事でした。
撃ったのは、命の尊さと生きる勇気を歌い続けていた、ナイチンゲールのような婦長でした。
彼女が持っていた銃は、死んだ教員から託されたものでした。
その教員は、逃げる途中、今まで自分が生徒達に、死ぬことを教えてきたことを恥じた後、生徒達のために、生きるために、決死の覚悟で近くの畑にキャベツを取りに行きますが、結局米軍に撃たれて死んでしまいます。
教員のそばにゴロリとキャベツが転がったけれど、ショックを受けた少女たちは誰もキャベツに見向きもしませんでしたし、ほぼ同じ時に女子学生の何人かも銃弾に倒れて、彼女らもその場から逃げ出すしかありませんでした。
話は戻りますが、第1幕は、軍病院で働く彼女たちと、傷病兵の悲惨な様子と劣悪な環境、そしてついに病院も攻撃のターゲットとなり、全員に解散命令が出てくるところまででした。
全員といっても、ケガなどで歩けない兵士は、青酸カリ入りの牛乳で始末されてしまいました。
キヨが手術に立ち会い、懸命に看病した兵士も例外でなく、しかも彼は、「足を切断されるくらいなら殺してくれ!」と叫んだ手術で命をとりとめたのに、結局、殺されてしまったのです。
軍病院に配属される前に彼女らの卒業式がありましたが、戦時下でも希望と意欲にあふれて、新しい門出を明るく歌っていました。
あんなに光に溢れていた彼女らを待ち受けていた、劣悪な労働環境。
どうもほとんど休みもとらせてもらえず、今では考えられないような過重労働です。
飯炊きには、銃弾をくぐって行かなくてならず、いつも犠牲者が出ていました。
正規の軍人ではなく、年端のいかない少女たちにそんな危ない任務をやらせるなんて。弱い者が消耗品のようにいいように使われていたんだろうと思います。
第2幕の逃走シーンは、第1幕にも増して、重い場面ばかりでした。
だからか、みんなとはぐれた3人組の場面は、だいぶコミカルになっていました。
本人たちが必死であればあるほど、見ている観客の私達には的外れなのが分かるので、滑稽なのです。
米軍の捕虜になるのはイヤだから、今のうちに死んでしまおう、青酸カリが一人分しかないから、ジャンケンで決めよう、とか。
米軍の捕虜になったら、すっぱだかにされるんだ、すっぱだか、すっぱだか……と、歌も踊りもなかなか楽しかったです。
3人組は米軍に連れて行かれるのですが、差し出された水筒の水は「毒が入っているに違いない!」と恐れていったんは拒否しますが、「どうせ死ぬならこれを飲んでから死にたい!」、差し出されたお菓子も、「どうせ死ぬなら、これを食べてから死にたい!」と、口いっぱいにほおばり、もくもぐしながら叫ぶシーンは、笑っている場合ではないのに、笑いがこみあがってきました。
結局、捕虜になっただけと悟った彼女たちが大声で泣き出したのは、捕虜になる恐ろしさよりも、ろくに食べ物も得られず、銃弾の中をかいくぐり、必死に脱出してきた辛い日々が終わったことで、むしろほっとしてしまったせいもあったことでしょう。
また、自力で故郷に辿り着いた姉妹が母親と無事に再会できたシーンは、ジーンときました。ほっとしました。
途中で妹が熱を出して動けなくなったときは……姉が妹をおぶって進むのですが、それなのに妹は途中で死んでしまった、という結末になりやしないかと、はらはらしたものです。
なにしろ、ほっとできたと思ったら、またどん底に突き落とされる、というエピソード続きでしたから。
セリフが多いミュージカルもありますが、これはほとんど歌いっぱなしでした。
内容も、色々考えさせる戦時エピソードで盛りだくさんでしたが、歌も音楽もとても欲、訳者達の歌唱力と演技もすばらしく、踊りの要素もたっぷりあって、本当に見応えがあるミュージカルでした。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
まみさんの関連旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
16