2011/08/11 - 2011/08/11
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まみさん
木曜日ナイトに、帝国劇場へミュージカル「三銃士」を見に行きました。
バレエの次にミュージカルはよく見に行くけれど、その会場として多いのは、劇団四季や東京宝塚劇場、赤坂ACTシアター。その次に最近はシアタークリエかな。
日生劇場や帝国劇場で見る回数は意外と少なくて、帝国劇場は2009年12月に観たスペクタクル・ミュージカル・アドベンチャー「パイレーツ・クイーン」以来です。
また、帝国劇場の劇場シリーズ旅行記は、2007年12月にミュージカル「モーツアルト」を見たときに作成しました。
関連の旅行記
「帝国劇場でミュージカルを見よう」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10206152/
それにしても、東京宝塚劇場もそうですが、帝国劇場のロビーも、つくづく、購買欲がそそられます。
売店の一角は、まるで駅ビルの東京みやげ物コーナーのようです。
帝国劇場に来るのが久しぶりだったせいもあり、ついそそられて買ってしまいました、ちりめんじゃことおかきを。
ミュージカル「三銃士」と全然関係ありません@
もっとも、ミュージカル「三銃士」にちなんだものとしては、ドイツ盤CDを買ってしまいました。
今回は、帝劇開場100周年ということで、ロビーにバラのアーチが飾られて射また。
その花は造花でしたけどね。
また、買ったみやげ、買わなかったみやげ、それからミュージカル出演者たちの寄せ書きの色紙など、カメラを向けたくなる興味深いものがいくつかあったので、また一つ、帝国劇場で旅行記を作成することにしました。
帝劇「三銃士」公式サイト
http://www.tohostage.com/three/index.html
<これまでの劇場シリーズの旅行記(観劇感想付き)>
東京宝塚劇場(有楽町)
2006年3月:宝塚「ベルサイユのバラ<アントワネットとフェルゼン編>」
「手にしたばかりのオモチャに夢中:デジカメ持って宝塚劇場へ(その1)」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10059201/
2006年4月:宝塚「ベルサイユのバラ<オスカルとアンドレ編>」
「手にしたばかりのオモチャに夢中:デジカメ持って宝塚劇場へ(その2)」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10062015/
東京文化会館(上野)
2006年5月:ボリショイ・バレエ団「バヤデール」
「何十回と訪れて、初めてまともに歩いた上野公園その3:もろもろ&最近の上野での過ごし方」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10065823/
2011年1月:ベルリン国立バレエ団「シンデレラ」
「観劇ついでに新春の上野公園(4)東京国立博物館で日本の美の源流をふり返る」(※劇場写真は後半のおまけ)
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10538004/
2011年5月:バーミンガム・ロイヤルバレエ団「眠りの森の美女」
「観劇前に、上野公園でパンダお菓子とパンダグッズ三昧!」(※劇場写真は後半のおまけ)
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10571306
新国立劇場(初台)
2007年3月:オペラ「さまよえるオランダ人」
「今宵は初台の新国立劇場へ」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10130385/
2008年12月:バレエ「シンデレラ」
「クリスマス色の新国立劇場でバレエ「シンデレラ」を鑑賞」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10296524/
2010年5月:バレエ「ガラントゥリーズ&カルミナ・ブラーナ」
「観劇前にゴールデンウィークの新宿御苑!───記念に楽羽亭でお茶をいただいた他、満開の八重桜「関山」と黄色い桜「鬱金」を愛でる」(※劇場写真は後半のおまけ)
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10457799/
2010年6月:オペラ「カルメン」
「新国立劇場の3階客席からオペラ「カルメン」を鑑賞」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10469761/
2011年1月:バレエ「ラ・バヤデール」/2月:オペラ「夕鶴」/5月:バレエ「アラジン」/6月:オペラ「蝶々夫人」&バレエ「ロメオとジュリエット」
「2010/2011年シーズン後半の新国立劇場バレエ・オペラ観劇時のロビーの生け花写真コレクション」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10579477
新橋演舞場(東銀座)
2007年3月:ミュージカル「阿国」
「今宵は東銀座の新橋演舞場へ」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10131883/
国立劇場・小劇場(半蔵門)
2007年5月:文楽「絵本太閤記」
「国立劇場で文楽を見たよ@」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10150477/
国立劇場・大劇場(半蔵門)
2009年6月:歌舞伎「歌舞伎のみかた/華果西遊記」
「歌舞伎の西遊記を観に行こう!───国立劇場の大劇場は日本画の宝庫@」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10349807/
帝国劇場(有楽町)
2007年12月:東宝ミュージカル「モーツアルト」
「帝国劇場でミュージカルを見よう」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10206152/
東京国際フォーラム(有楽町)
2007年12月:国立モスクワ音楽劇場バレエ「白鳥の湖」(ブルメイステル版)
「国際フォーラムでもバレエを見るよ」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10206978/
東京芸術劇場(池袋)
2008年1月:ミュージカル「妊娠させて!」
「池袋の東京芸術劇場、ミュージカル観劇の日は雪でした」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10216358/
劇団四季・自由劇場(浜松)
2008年3月:ミュージカル「赤毛のアン」
「劇団四季・自由劇場ときれいになった浜松町駅界隈」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10228045/
劇団四季・海劇場(大井町)
2009年11月:ミュージカル「アイーダ」
「ちょっとだけクリスマス・イルミネーションの汐留の四季劇場「海」でミュージカル「アイーダ」を鑑賞」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10401655/
劇団四季・夏劇場(大井町)
2010年10月:ミュージカル「美女と野獣」
「大井町の四季劇場「夏」でこけら落とし公演「美女と野獣」を見に行こう!」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10515432
赤坂ACTシアターと赤坂サカス(赤坂)
2008年12月:K-Companyバレエ「くるみ割り人形」
「イルミネーションの赤坂サカスでバレエ「くるみ割り人形」を鑑賞」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10297306/
マッスルシアター(渋谷)
2009年9月:マッスルミュージカル「祭(MATSURI)」
「残暑厳しい9月の連休にマッスルミュージカルを見に行きました@」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10378257/
新ビッグトップ(原宿)
2009年12月:シルク・ド・ソレイユ「コルテオ」
「一度は当日公演中止の憂き目にあったシルク・ド・ソレイユの「コルテオ」リベンジ!」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10405973/
2011年3月:シルク・ド・ソレイユ「クーザ」
「シルク・ド・ソレイユ「クーザ」───原宿ビックトップで開演前にパチパチ」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10551341
紀尾井ホール(麹町)
2010年7月:ニュー・オペラ・プロダクション「末摘花」
「真夏の夜の紀尾井ホールで女だけのオペラ「末摘花」を観劇」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10484515/
彩の国さいたま芸術劇場(与野本町)
2010年8月:音楽劇「ガラスの仮面〜二人のヘレン」
「なつかしの「ガラスの仮面」を久しぶりの彩の国さいたま芸術劇場で観劇」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10494901/
ゆうぽうと(五反田)
2010年10月:谷桃子バレエ団「レ・ミゼラブル」
「60周年記念公演で花に飾られた五反田ゆうぽうと」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10512012
国立能楽堂(千駄ヶ谷)
2010年11月:狂言「鳴子」&能「俊寛」
「ベールを脱いだ能舞台にワクワク@───能・狂言鑑賞に初チャレンジ!」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10522513
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「三銃士」の登場人物のパネル写真がいっぱいの帝国劇場正面入口
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帝劇開場100周年を記念するバラのアーチに迎えられて
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ロビーに展示されたミュージカル「三銃士」のポスター
<キャスト>
ダルタニアン:井上芳雄
アトス:橋本さとし
アラミス:石井一孝
ポルトス:岸祐二
リシュリュー枢機卿:山口祐一郎
ミレディ:瀬奈じゅん
ロシュフォール:吉野圭吾
コンスタンス:和音美桜
アンヌ王妃:シルビア・グラブ
ルイ13世:今拓哉 -
こんな缶入りのオリジナルのクランチチョコが出現していたとは@
帝国劇場だけでなく、日生劇場と東京宝塚劇場とシアタークリエの4劇場のイラスト入りの缶です。
東宝系列仲間?
それとも、どれも有楽町にお互い近くに並んで建っているということで、有楽町仲間?
缶にそそられて買いたくなりましたが……ちょっと高いかなと思ってやめました。
でも、次に見かけたら、買ってしまいそうです。 -
帝劇オリジナルグッズ展示コーナー
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本日のミュージカル「三銃士」のキャストたちによる寄せ書き色紙
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オリジナルグッズだけでなく、東京みやげも豊富なロビーの売店
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かわいいこうもりのストラップクリーナー(1,000円)
1000円はちょっと高すぎるし、ストラップはともかく、クリーナーはいらないので、写真を撮ることで我慢しました。
このこうもりは、ミュージカル「ヴァンパイア」あたりのオリジナル記念グッズのようです。 -
やわらかぬれおかき(300円)に目が吸い寄せられる@
電子レンジでちょっと温めるとあつあつホットなおかきがいただけます。 -
試食したら欲しくなってしまった、ちりめん120g(700円)
ごはんのお供にしたくて@ -
東京みやげ(!?)がずらりの売店
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フランスのお菓子もあり
老舗のフォーションのフワンボワーズのマカロンとティーマカロン。
ミュージカルがフランス舞台のものだからということでしょう。
前に「エリザベート」や「モーツアルト」を見に来たときは、ここには、オーストリアのかの有名な(!?)モーツアルトの肖像画が包装紙になったチョコがありましたもの。 -
「三銃士」や主演ダルタニアン役の井上芳雄さんのグッズ
アレクサンドル・デュマの原作の邦訳だけでなく、藤本ひとみさんによる小説「三銃士」とそのコミック版もありました。
ひょっとしたらミュージカルの下敷きはこちらでしょうか。 -
三銃士とダルタニアンも着用して宣伝していたオリジナルの黒いTシャツ
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ミュージカル「三銃士」のドイツ盤CDを買った!
最近はあまり音楽CDを聴くことがなくなったのですが、いくつか気に入った歌があったので、買ってしまいました。
ドイツ語版の歌詞を聴くことで、ドイツ語をちょっとくらい思い出す教材代わりになるかも、とも思って。
今回のミュージカルの中で歌われた歌のうち、特に気に入ったのは、アトスが昔の恋人(ミレディ)とのことを自嘲気味に歌った「クリスタルのエンジェル」です。
その次に気に入ったのは、リシュリューがプロテスタントを蹴散らすために戦争をしかけた戦いの前に自分の残虐な行為を正当化して歌っていた「私を信じろ」です。
CDではドイツ人のキャストが歌っているので、やはり日本人より少し声が低めでした。
もっともその差が際立ったのは、若者ダルタニアンだけでした。
ダルタニアン役は、チャーミングな外見もそうですが、ちょっと高めの若者らしい声も、本当は帝劇キャストの方が気に入っています。
他の男性陣は、日本人キャストの方が声は高めだったと思いますが、CDでドイツ人キャストで歌を聴き直しても、違いはほとんど気になりませんでした。
また悪女ミレディも、帝劇キャストは悪女らしく低い声だったので(元・宝塚の男役トップスターだったと知って納得@)、CDを聴いても違和感はありませんでした。よかった@
ドイツ人キャストのコンスタンスの声も、帝劇キャストよりは低い声ですが、今やディズニーアニメのヒロインの声に慣れているおかげで、低い声だからといって違和感を覚えることはありませんでした。
写真に写っているDVDは、前にNHKで放映していた、人形劇「三銃士」です。オンエアで見ました。
ずっと昔にやっていた人形劇「三国志」と、人形や番組のテイストがどことなく似ていた気がします。 -
ミュージカル「レ・ミゼラブル」の出演者より、東日本大震災からの復興を願った応援メッセージの寄せ書き・その1
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ミュージカル「レ・ミゼラブル」の出演者より、東日本大震災からの復興を願った応援メッセージの寄せ書き・その2
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ミュージカル「風と共に去りぬ」の出演者より、東日本大震災からの復興を願った応援メッセージの寄せ書き
米倉涼子さん主演の「風と共に去りぬ」はぜひ見たかったです。
でも、今年の夏のコーカサス旅行とバッティングしてしまったので、あきらめました。
きっといつか再演するでしょう。そのときもまだ観劇趣味にハマっていれば……。 -
軽食売店と壁の不思議な仮面
閉演後に撮ったので、売店はすでに営業終了。 -
ロビー側から見た、帝劇開場100周年記念のバラのアーチ
これも閉演後に撮りました。 -
バラのアーチのバラと2階への階段
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バラのアーチのバラ・その1
造花ですけどね。 -
バラのアーチのバラ・その2
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終演後にひとけがなくなった階段
<ミュージカル「三銃士」の感想>
主人公は、国王の銃士隊に加わるために田舎から出てきた、若くて希望あふれるダルタニアンです。
そのダルタニアンにつりあうヒロインは、まだ若くてけなげで一生懸命なコンスタンスです。
でも、このミュージカルでは、ダルタニアンよりはずっと先輩で(でもダルタニアンがまだティーンエージャーなら、20代半ばくらい?)、人生の酸いも甘いもそれなりに経験してきた、三銃士のアトスとミレディの大人のカップルの方にしびれてしまいました。
それは私がダルタニアンやコンスタンスよりは、アトスやミレディの方がまだ、年齢が近いからでしょう。
実年齢というよりは、現代の20代、いや少なくとも私が20代だったときよりももっと老成していて大人っぽかったと思われる、当時のフランスの20代の精神年齢の方です。
そして哀しいことに、いや原作により忠実なのでしょう、どちらのカップルも悲劇に終わります。女性陣の方が。
アトスとミレディは、カップルといっても、それはずっと昔の話で、そのときは運命の恋だと思っていたのに恋破れて、心にキズを負い、愛だの恋だのをすなおに信じられなくなっています。
それでも、互いに忘れられない……。
だけどミレディはすでに悪に手を染めすぎていました。
そんなミレディを断罪しなければならないアトスの苦悩。
そして、アトスが決断を下す前に自らの命を絶つミレディ。
ミュージカル中で最大の悲劇の場面のはず(たぶん)のコンスタンスの死とそれを嘆くダルタニアンよりもずっと、こちらの場面の方にジーンとしました。
ダルタニアンとコンスタンスについては、私は先輩三銃士のアトスたちと同じ心境で見守りながら観劇していたようです。
若いなぁ……と。
そうと気づいたときにはちょっとショックでしたが、自分の年齢を考えれば当然というか。
私が「三銃士」の原作を読んだときには、まだまだずっとダルタニアンの方に年齢が近かったものです。
デュマ原作の「三銃士」は、原作はずっと昔に邦訳で読んだけれど、海外映画やドラマの他に、日本ではアニメにもなりましたし、NHKの人形劇も見ました。
それから、比較的最近では牧阿佐美バレエ団のバレエ版で。
ディカプリオ主演の「仮面の男」は「三銃士」の後日譚ともいえます。
あの映画は大好きです。
それぞれ原作に適度に手を加えられてしまっているので、昔に読んだ原作がどうだったか、すでに記憶がごっちゃになっている自覚はあります。
海外映画は比較的原作に忠実に作ると思いますが、日本でアニメとかになると、思い切ったアレンジが加わります。
私の記憶にあるのは、三銃士のアラミスが実は男装の女性だったというNHKアニメ版。
そのアニメでは、コンスタンスをダルタニアンに寄り添うヒロインとしてもっとクローズアップさせていました。
しかもアテレコの声優さんが、「タッチ」の南ちゃんと同じ人でしたから、しっかりものの美少女というイメージになっていましたっけ。
でも、そういうのに比べると、今回のミュージカルはだいぶ原作に忠実だったのではないかと思いました。
特に、ヒロインらしいヒロインになれたはずのコンスタンスが、ラストでミレディに殺されたところ。
死なせないでダルタニアンとハッピーエンド、というところまで、原作を曲げることはしていませんでした。かわいそうだけれど。
ただし、原作ではコンスタンスはすでに人妻ですが、ミュージカルでは、まだ結婚していない婚約状態にしていました。それも家族を助けるためにお金が必要だから、自ら決めたこととはいえ、嫌々で。
コンスタンスが人妻だと、ダルタニアンと恋仲になると不倫になってしまうから設定を変えたのでしょう。
おそらく原作でコンスタンスを既婚にしたのは、ヨーロッパの中世騎士は未婚の娘でなく既婚の貴婦人にプラトニックな愛を捧げることを名誉としていた歴史背景があるからかもしれません。デュマの時代なら、不倫という側面よりも、騎士と貴婦人のようなカップルというところに読者のロマンがかきたてられてもおかしくないと思います。
それに原作のコンスタンスも夫と恋仲というより、夫は確か私のあやふやな記憶では、彼女よりずっと年上で粗野で、リシュリュー側の手引きをしたりしていました。コンスタンスの王妃の侍女という洗練されたイメージとも、コンスタンスがアンヌ王妃の見方という立場からも、彼女にふさわしくない夫でした。
そんな夫がいるからこそ、コンスタンスに捧げるダルタニアンの純情ぶりが際立ちますし、コンスタンス夫妻は昔の貴族たちの政略結婚を連想させるから、ダルタニアンにより騎士らしいイメージを重ねやすくなるかもしれません。
もっとも原作のダルタニアンは、確かミレディにも魅力を感じていたような。
原作を読んでいたころの私は、悪女にも惹かれるそんな男心がさっぱり分かりませんでしたが、今はとーってもよく分かります。
このミュージカルでは、ヒロインとして、コンスタンスの代わりにミレディがかなりクローズアップされていました。
ポスターでも三銃士やダルタニアンたちに張る位置に立っているくらいです@
それだけミレディがしっかり浮彫にされていたからこそ、ダルタニアンとコンスタンスのカップルよりもアトスとミレディのカップルの悲劇の方にジーンときたともいえます。
まずミレディは、キリスト教で女が男を誘惑させる存在としておとしめられていることに、怒り、嘆きます。
女は男に従属するものとして人間扱いされていない、女をなめるなーー!
哀しいことに、女が男を支配できるのは体を許すときだけ、と歌い上げます。
また、ミレディもそうだったのですが、信心深い銃士アラミスも含めて、現代人の感覚からするとキリスト教のそういう人道主義に反するようなところ、理不尽なところは、キリストの神のせいでなく、その信仰を代弁する聖職者が神の本当の教えをねじ曲げたものだ、とそれとなく主張しているところも、現代的でした。
だからこそ枢機卿のリシュリューを悪役にできたわけですし、そんなリシュリューを憎んでも、登場人物たちの神への信仰はゆるぎありませんでした。
ミュージカルのリシュリューは、女の扱いだけでなく、カトリックを守るためには───すなわちそれが己の権力を守ることにもつながっていたのですが───プロテスタントの血が流れること、いやカトリック教徒も含めてどんな犠牲を払っても仕方がないんだ、という非常にしびつな考えを堂々と主張していました。
いっそ気持ちがよいくらいの悪役でした。
なのに表面的には高位の聖職者らしく、上品で穏やかで人格者に見えるから、余計にそら恐ろしくなりました。
逆にミレディは……悪女というのはもともといろんな解釈がしやすいし、19世紀末のアールヌーヴォーのときにファム・ファタルの魅力を知ってしまった現代人の私たちにしてみたら、清らかな天使のようなヒロインよりも、ずっと人間味が感じられて魅力に感じてしまうものです。
キャラクターとしてもいじくりがいがあるし、悪女になった背景と経歴を付け加えることで説得力をもたせることもできます。
このミュージカルのミレディは、人生の道を誤ってしまったのも、リシュリューの手先として悪事働くのも、私たちに納得できる明確な理由と過去が設定されていました。
たぶん、ミュージカルのオリジナル……かな?
少なくとも、原作に彼女の過去がミュージカルのようにはっきり描かれていたら、当時の私もミレディに少しは同情したり共感したはずです。
ミレディはまだ世界を信じていた純粋で初々しい15歳のときに、聖職者に強姦されてしまいました。
しかもそれを聖職者を誘惑し、聖書で禁じられているのに聖職者と交わったとして、罪人の焼き印を肩に入れられてしまったのです。
15歳の少女が抵抗しきれるはずもないのに、女の方だけ断罪する理不尽さ。
ミレディはこのせいで、その後に出会った運命の相手と思ったアトスとは、焼き印を見られたせいで誤解されて別れることになりました。
たぶん、その後は、まじめに生きるのがばからしくなり、何か悪事か陰謀に関与するかした挙げ句、パリ追放の身になったようです。
その彼女がリシュリューに手を貸すのは、罪人の印の焼き印から自由になること、すなわちリシュリューを通じて、教会にこれを間違いと認めさせることでした。
そうでないと彼女はどこに行っても、世俗の罪よりもっと重い宗教上の前科者として、迫害されてしまうわけです。
若き日のアトスもこの焼き印一つでミレディを悪者と決めつけて、裏切られたと思い込んでしまったのです。
もっとも今のアトスはさすがに大人になっていて、ミレディが焼き印を隠していた気持ちが分かると歌っていました。
そのときの歌が私のお気に入りの「クリスタルのエンジェル」です。
総合すると、活劇は楽しく、ストーリーは分かりやすく、ところどころにまにまっと笑えるジョークあり、観客を引き込む主張とジンとさせるいい話が混ざっていて、とても見応えあるミュージカルでした。
「一人はみんなのために、みんなは一人のために」というのはもともと原作にもある有名な台詞ですが、他にもいろいろと、人生ノウハウ本みたいな(!?)、ためになるような名言や教訓や生き方がちりばめられていました。
ちょっと説教臭いところもありましたが、その点では子供が見るのにも悪くない内容になっていましたし、ダルタニアンの前向きな生き方には、元気づけられる大人もいただろうと思います。
ただその中で違和感を覚えたのは、フランスがイギリスと戦争になりそうになったとき、戦争なんか人が大勢死んでいいことなんかない、とダルタニアンが嘆くところです。
三銃士たちも、和平交渉に力を尽くそうとするなど、平和の大切さを謳っていました。
でも……彼らは銃士隊で、名誉のために戦うことに命と生き甲斐を感じているのではなかったかしら。
イギリスと戦争になったときこそ、彼らの活躍の場でもあり、日頃主張する名誉と勇気を実践する本番になるのだから、戦争被害や長引くことによる人や国の荒廃を心配することはあっても、戦争そのものをよくないという考えはあるのかしら。
ちょっとそこに違和感を覚えましたが、そこはあまり突っ込まない方がいいのでしょうね。
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この旅行記へのコメント (2)
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- 一歩人さん 2011/08/14 06:14:42
- 祝!祝!開場100周年。
- ふ、ふ、そうだったんですか。
祝!祝!開場100周年。
ふ、ふ、歌舞伎の大好きな私のコメントの入り方は。
明治44年(1911年)に歌舞伎座のライバルとして開場。
当初建物は、ヨーロッパのオペラ座のネオ・バロック様式の宮殿風だったとか。
なんて、ダブルキャストのミス、サイゴンを観て以来いっていませんでしたが、
100周年はすばらしいですね。
ありがとうございました。失礼しま〜す。
- まみさん からの返信 2011/08/14 23:52:16
- RE: 祝!祝!開場100周年。
- 一歩人さん、こんにちは。早速のコメントと投票ありがとうございます。
ふふふ、そうだったんですか、確かに歌舞伎座は帝劇開場にまけまいと改修された歴史があったんですねぇ。
いやぁ、開場100年!
あらためてすごいですよね。
帝劇ってもっと重厚な芝居をやるところかと子供の頃は思っていたけれど、いまの私にとってすっかりミュージカルの劇場です@ いや、そればかり見に行くからだけど。
外観は重厚でかっこいいけれど、中はおみやげに目移りする、劇場にしては楽しいところだなぁと思っています。
よく知る会場がロビーの売店はもっとシンプルだから。
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