2026/06/25 - 2026/06/25
214位(同エリア214件中)
kojikojiさん
- kojikojiさんTOP
- 旅行記1907冊
- クチコミ1224件
- Q&A回答73件
- 3,895,352アクセス
- フォロワー181人
早朝の散歩の後は簡単な朝食を食べて午前9時30分に「ホテル・ラダック・パレス/Hotel Ladakh Palace boutique」を出発します。この日もドライバーはディグダンで、いつものメンバー4人で「マト・ゴンパ/Matho Gompa」を目指します。方角的には昨日行った「ヘミス・ゴンパ/Hemis Gompa」より少し手前にあたります。そのために昨日眺めた風景と同じルートを走り抜けますが、この日も快晴なので飽きることはありません。そして車内にはチベット音楽が流され、歌詞の「オンマニペメフム」を唱えながらのドライブです。1時間ほど走ったところで山腹にそびえる僧院の建物に到着しました。ここで1時間ほどの参拝と見学になりますが、昨日の「ヘミス・ゴンパ」の人混みとは打って変わって参拝者の姿もほとんどありません。本堂への扉も閉まったままなので、現地のガイドさんが僧侶を探しに走りまわるほどです。まずは博物館の見学をしましたが、ここは写真撮影が可能ということで、ここまでのフラストレーションがようやく解放されました。その中で「カーパラ(髑髏杯)」という仏具が印象に残りました。カパーラとはチベット密教の法具のひとつで、本来は高僧本人の遺志に基づきその頭蓋骨からつくられる杯です。中にいれたものを浄化し、水を入れると聖水になるといわれます。金属で造った物で、その精巧な出来具合に魅了されました。その後は本堂を参拝しましたが、この堂内も写真を撮ることが出来たので、後になって何という仏なのかなどを調べることも出来ました。忿怒仏の姿には昨日「ヘミス・ゴンパ」で観た仮面舞踏を思い出します。壁画の中では「六道輪廻図(バーヴァチャクラ)」がどうしても気になってしまいます。このタンカを何枚か持っているということと、子供の頃から祖母に人間界、畜生界、餓鬼界、地獄界などについて語り聞かされたことがルーツにあるのかもしれません。我々のツアー以外に訪れる人も少なく静かに参拝できたのが良かったです。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 4.0
- ショッピング
- 4.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 観光バス 徒歩 飛行機
- 航空会社
- エアインディア
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行なし)
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午前9時30分に「ホテル・ラダック・パレス/Hotel Ladakh Palace boutique」を出発します。
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町中に入ると祝い事で集まった民族衣装の正装をした男性たちが集まっていました。ラダック地方の伝統衣装は寒暖差の激しい高地に対応する機能性と身分や特別な日を表す華やかさを兼ね備えています。 ゴンチャ(Goncha)は男性たちが着用しているウールやベルベット、高級なシルクで作られた厚手の厚いローブ(長着)です。スケラック(Skeragは腰に巻かれている太い帯のことでで、ただ衣装を固定するだけでなく、お祝いの席ではカラフルで長いフリンジやタッセルがついた特別な帯を使い、後ろに垂らして華やかさを演出します。チベット・ラダック文化圏では頭部を飾る帽子やジュエリーに非常に重要な社会的や宗教的意味を持たせています。
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昨日も通過した「カーラチャクラ・ストゥーパ/Kalachakra Stupa」に差し掛かりました。
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「シンゲイ・ナムギャル騎馬像/King Singay Namgyal Chowk」ともしばらくお別れです。この日向かっているのは昨日祭りを観に行った「ヘミス・ゴンパ」の少し手前の僧院なので同じルートをたどることになります。
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このゲートを越えると軍事施設が並びレーの町ともお別れです。
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民族衣装のゴンチャ(Goncha)を着てロイヤル・エンフィールド(Royal Enfield)のバイクにまたがって、テンガロンハットのようなつばのある帽子を被って疾走していきます。かっこよすぎます。
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中国の四川省と雲南省の境界辺りの山の中にある瀘沽湖(ルーグーフ)へ行った際に摩梭人(モソレン)という少数民族の村に宿泊しました。その村の男性たちが白いテンガロンハットのような帽子を被っていてかっこよかったので欲しかったことを思い出しました。
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昨日と同じ鉄橋でインダス川を渡ります。
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この日もドライバーのディグダンの選曲でチベット仏教のマントラが歌詞になった曲を聴かせてもらいました。
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1時間近く走ったところでディグダンが前方を指さして、「マト・ギンパだよ。」と教えてくれました。
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背後に雪山を背負って「マト・ゴンパ/Matho Gompa」が見えてきました。
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メイン道路を右折して僧院へ向かうのは昨日の「ヘミス・ゴンパ」と同じです。
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「マト・ゴンパ/Matho Gompa」は1410年にラマ・ドゥグパ・ドルジェによって創設されサキャ派に属しています。600年の歴史を持つタンカとマト・ナグラン祭で知られています。この僧院はラダックで唯一サキャパ派に属するもので、近年僧侶の数が増加している数少ない僧院の1つと言われているそうです。
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この僧院はレーからの主要幹線道路沿いに位置していますが、ヘミスやティスケ、シェイなどの僧院よりも訪問者が少ないそうです。しかしチベット暦の初月の14日と15日に開催される「オラクル・マト・ナグランの祭り」で外部の人々には知られています。
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この祭りは「ロンツァン」と呼ばれる2人の神託僧が登場することです。彼らは修行離の期間を経て神懸かりの状態に入り、人びとの問いに答えたり、その年の先行きを予言したりするとされます。
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祭りでは仮面舞踊のチャムが行われます。色鮮やかな法衣と面をつけた僧たち、中庭で悪を退ける象徴的な舞を演じることで知られています。そう聞くとまたラダック地方を旅してみたくなります。
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摩尼車を回しながら本堂へと上がっていきます。「オンマニペメフム」を唱える声も途切れ途切れになってきます。
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ようやく僧院の中庭までたどり着きました。参拝者や観光客の姿はおろか僧院の人の姿もありません。
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現地のガイドさんは知り合いの僧侶の名前を呼びながら探しに走っています。その間にガイドのダイヤさんに写真を撮ってもらいます。
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今回幾つか参拝した僧院の中では一番カラフルな建物でした。多分増築を続けているのだとも思えます。
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中庭に立てられた「ダルシン(幟の支柱)」と結ばれた祈りの旗「タルチョ」です。ダルシンは寺院や聖地の門前など人々が集まる場所に立てられる大きな柱です。経文などが書かれた布や旗が取り付けられます。タルチョは風にたなびくことで経文の教えが世界に広まると信じられています。
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基壇をよく見ると楊の小枝が積み上げられています。その断面が花のように見えてきれいでした。
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到着から肝心なところはずっと天気が良かったので最高の旅が続けられました。毎年平均して120日ほど旅行を続けていますが、ほとんど雨が降ることが無いのが不思議です。
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映画のセットのようにも見える「マト・ゴンパ」の建物です。ラダックの高地僧院では乾燥、寒暖差、雪、雨水浸入、土壁や木部の劣化が大きな課題となっているようですが、ここは美しい姿が保たれています。
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法輪(ダルマ・チャクラ)と一対の金色の鹿の伝統的な装飾は、法輪(中央の車輪状の形)は仏教の教えが世界に広まる様子を象徴しています。一対の鹿は仏陀が初めて説法を行ったインドの鹿野苑(ろくやえん)で従順な鹿たちがひざまずいて教えを聞いたという故事に由来しています。東南アジア各国で何度も見てきたものですが、2月に東インドを旅した際にその地を訪ねて以来見え方が変わりました。
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屋根には東南アジアではマカラ(Makara)と呼ばれ、チベット仏教圏ではチュシン(Chu-srin)と呼ばれる仏教美術などで海竜や水竜のような想像上の水棲獣が鎮座しています。大きな口からは水を吐くとされることから火災除けとして置かれます。
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屋根の上にはまだまだ飾りがあり、これは伝統的な仏教の法具・装飾である「ギェルツェン(勝利の旗 / 幢幡)」です。ギェルツェン(勝利の旗)とは仏教が煩悩や悪魔(マーラ)に勝利したことを象徴する非常に神聖なシンボルです。チベット様式の寺院の屋根の四隅や中央に円筒形の金色の飾りとして設置されるのが特徴です。円筒形の胴体部分には摩尼車のように経文(オム・マニ・ペメ・フム)や縁起の良い吉祥文様が刻まれています。
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彫刻家の富松篤による流木を用いたシカやアイベックスなどの造形作品が置かれてありました。海岸などに漂着した流木を組み合わせて制作され、作者は1985年和歌山県生まれで宮城県石巻市を拠点に活動しています。
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誰もいないので本堂も僧院の入り口も扉が固く閉ざされています。ツアーでなければいきなり着いても見学できないかもしれませんね。過去にギリシャやキプロスなどの山の中の教会に付いた後に閉ざされた鍵を開けてもらうのに苦労したことが何度もありました。
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ようやく僧侶の方と連絡がついて、現地のガイドさんも一安心のようです。まずは博物館の見学を先に行います。
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昨日の「ヘミス・ゴンパ」のツェチェ祭りでもグル・リンポチェの八変化の何人かが踊る際に持っていたのがこの「金剛鈴(ドリルブ/dril bu )」と「金剛杵(ドルジェ/rdo rje )」です。「金剛鈴」はチベット仏教では金剛杵と一対で用いられ、空性や智慧を象徴する法具 とされます。「金剛杵」ははもともと雷霆や金剛を表す語で、そこから壊れない強さと一切を打ち砕く力という意味を持つようになりました。チベット仏教では煩悩や無明を断ち、悟りの力を象徴する法具とされます。
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ネワール族の職人が丹精込めて手作りした美しい「カーパラ(髑髏杯)」です。この伝統的な金剛乗の儀式用器は銅を巧みに加工し、輝く銀メッキで仕上げられています。カーパラには精緻な手彫りの花模様が施され、神聖なデザインに洗練された優雅さと象徴的な美しさを添えています。カーパラはチベット仏教の金剛乗の伝統において深い意味を持ち、変容、無常、そして魂の浄化を象徴する神聖な供物器として用いられます。
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ガラスケースに入ったカーパラは外光が反射して上から写真を撮るしかありませんでしたが、実際の姿はこのような形です。これはこの日の夕方にレーのアンティークショップで購入したものです。杯台と杯と蓋の3つになっていますが、中央の杯の形が頭蓋骨の頭頂部を逆さまにした形をしているので「カーパラ(髑髏杯)」と呼ばれます。
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こちらも昨日の祭りで使われていた法具である「ティンシャ(チベタンシンバル)/Tingsha」です。鳴らし方:はつないでいる革紐や牛革の部分を持ち、2つの金属の円盤を軽く打ち合わせて美しい音色を響かせます。
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阿弥陀仏の四方に法・利・因・経の四親近菩薩を配した「阿弥陀五尊曼荼羅」で、16世紀に造られたものです。曼荼羅に興味を持ったのは仕事先でもあった西武池袋本店の12階にあった西武美術館で開催された「マンダラ=[出現と消滅]展」だったと思います。本物の僧侶が館内で砂絵の曼荼羅を制作しているのは驚異的でした。
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赤い台座の上に安置された極彩色で装飾された壺状の造形物です。下部のラベルには「Immortality Vase of Sandal (1300 AD)」といった英語表記が確認でき、「不死の宝瓶」という名前が気になってしまいます。
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「象の宝(ハスティ・ラトナ/hasti-ratna)」を模した金属製の置物です。主に理想の王が備える宝物を表す文脈で使われ、王権を支える特別な象という意味があります。
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ネパールやインドなどの礼拝や儀式で使われる伝統的な水差し(別名「カルワ」や「ロタ」などと呼ばれる金属製の容器です。昨日ホテルで観た伝統舞踊の中で男性が頭の上に乗せて踊っていたのを思い出します。
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インド系文字を起源とするチベット文字が黒色のパネルの下地に金泥で丁寧に書写されており、チベット仏教の重要な経典やマントラ(真言)の一節が書かれているようです。
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チベット仏教の経典は広くいうとチベット大蔵経で、これはチベット語に訳された仏典の集成です。大きく「カンギュル(Kangyur)」と「テンギュル(Tengyur)」に分かれます。
「カンギュル」は仏説部で仏陀の言葉として伝えられる経と律が入ります。日本語では経典に最も近い部分です。
「テンギュル」は論疏部で、書が中心で経典そのものではなく解説書と学術的注釈の集まりとされます。 -
ここで経典を見た後にレーの町のアンティーク屋で木製のパネルに納められた経典を見つけてしまうと欲しくなってしまいました。ミャンマーのインレー湖の上のお土産物屋で古いシャン族の経典を見つけたときは迷わずに買ってしまいましたが、その美しさは今でも宝物です。
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古い木製の漆器が納められていましたが、その形状はミャンマー漆器によく似ていました。この辺りでは漆が採れるわけもなく、もしかするとはるばる交易でもたらされたのかもしれません。
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チベット仏教圏で作られた粘土製の小型仏像で護符である「ツァツァ(Tsha Tsha)」のようです。蓮華座に座し、緑や赤や金色などの彩色が施されたタラ菩薩を象った作風が特徴です。「ツァツァ(Tsha Tsha)」は功徳を積むための奉納物として作られます。完成したものは仏塔の内部、聖地、祠、祭壇、護符箱などに納めたり置いたりします。場合によっては高僧の遺灰を混ぜて作ることもあるようです。
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「金剛手菩薩(ヴァジュラパーニ)」の「ツァツァ(Tsha Tsha)」です。恐ろしげな憤怒相(ふんぬそう)をし、右手に金剛杵を持っています。鮮やかな赤やオレンジの火焔光背(かえんこうはい)を背負って、蓮華を模した伝統的な造りの台座の上に立っています。
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この地方の古い錠前で、アジア圏の他の国で観るタイプとは違っていて欲しくなりました。特にコレクターというわけではありませんが、過去に韓国やベトナムで買い求めた古い家具についていたことから集まるようになりました。これもアンティーク屋でいくつか見つけたのですが、どれもシリンダー部分が補修してあったので買いませんでした。
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「五仏宝冠(ごぶつほうかん/五智宝冠)」にはそれぞれ五智如来などの仏の手描きの尊像や装飾が施されています。これは高僧などが儀式の際に着用する冠と思われます。金剛杵(バジュラ)は煩悩を打ち砕き仏の知恵を表す密教の法具「金剛杵(五鈷杵など)」です。
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チベットの横長の経典は一般に「ペチャ/dpe cha」と呼ばれます。「カンギュル」や「テンギュル」もこの形で作られます。細長い紙葉を重ねて上下を板で挟み、布で包むのが基本です。日本や中国の綴じ本とは違い、折らずに重ねる折本以前の貝葉経系の形を残しています。
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「パグモドルパ・ドルジェ・ギャルポ/Pagmodrupa Dorje Gyalpo」の金銅仏です。彼はこの僧院のカギュ派の重要な祖師の1人です。
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13世紀に造られた円形の「サルヴィド・マンダラ(Sarvavid Mandala / 一切如来曼荼羅)」で、中心尊は毘盧遮那仏です。Sarvavid はサンスクリットで、すべてを知る者という意味で一切智者毘盧遮那の曼荼羅 あるいは全知の毘盧遮那曼荼羅 という意味になります。四門をもつ宮殿形の構成で、多くの尊格が同心円状に配されています。
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チベット密教の憤怒尊である「マハーカーラ(大黒天)」の姿をした金属製の仏像です。赤い顔に鋭い目を見開いた迫力のある憤怒相で、持物(じもつは両手で横たわるガーンディーロなどを持っている姿で表されています。
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別の部屋には豪華な舎利塔(ストゥーパ/チョルテン)が納められていました。その壁面にはオドロオドロしくも美しいタペストリーが掛かっています。
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「シティパティ/Chitipati(尸陀林主/しだりんしゅ)」はチベット仏教およびヒマラヤの金剛乗仏教における守護神です。それは2体の骸骨の男性と女性の神で、両者は変化を表す炎の輪の中で四肢を絡めて激しく踊っています。シティパティはマハーカラの75の形態の1つと言われ、彼らは死の永遠の舞踏を象徴しています。彼らは怒りに満ちた神々として呼び出され、凶暴な姿を持つ慈悲深い守護者として語られます。
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シティパティは元々は墓地の近くで瞑想していた禁欲的な2人の男女でした。深い瞑想状態の中で彼らは忍び寄ってきた泥棒に気づきませんでした。泥棒は彼らの首をはねて土に投げつけ、それが彼らを次の苦行の段階へと導きました。この行為に激怒したシティパティは盗賊に復讐を誓い、盗賊や他の犯罪者の最大の敵となりました。シティパティは墓地からは出ることができず、通りかかった盗賊を捕まえることしかできません。犯罪者を待つ間にチティパティは踊りや角笛を吹いて時間を過ごします。彼らの髑髏の姿は生命の無常さと永遠の変化を思い起こさせるものです。シティパティは墓地の守護者であり、墓地の領主または火葬場の領主として知られています。大乗仏教ではチティパティは「シラ・パーラミタ」と「ディヤーナ・パラミタ」の両方に解釈されました。
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壁面には先ほど博物館で見たチベットの横長の経典「ペチャ/dpe cha」が納められています。細長い紙葉を重ねて上下を板で挟み、布で包むのが基本です。
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金細工や銀細工、そしてたくさんの宝石で装飾された見事なストゥーパです。チベット仏教で、一般の人の遺体は鳥葬、地域によっては火葬や水葬などで弔われることが多く、個人ごとの墓石墓地が強く発達した地域ではありません。高僧や特別な人物には、チョルテンと呼ばれる仏塔が建てられることがあり、これは日本の墓に少し近い役割を持つ場合があります。一般の墓地というより宗教的記念塔に近いものです。
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チベット語で靴や履物全般を指す言葉は 「ラム/Lham」 と呼ばれます。チベットの伝統的な靴には素材や形状によっていくつかの具体的な呼び名があり、僧侶が履く靴にはいくつかの名前や特徴があります。これは「ソンパ/Sumba 」と呼ばれるチベットの伝統的な型の履物を室内用にしたもののようです。
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博物館を見学するとジェノヴァから来たというイタリア人のツアーの人たちに出会いました。来年の2月はイタリアと南仏のカーニバルと西地中海のクルーズを計画していて、その出発地がジェノヴァなので少し話をしました。
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年配の彼らが急な階段を降りる際には思わず後ろから「piano, piano!」と声を掛けてしまいました。
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テラスからの景色もあまりにも美しくガイドさんにシャッターを押してもらいました。
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続いて本堂の参拝に移りますが、この寺院も堂内を写真撮影することが出来ました。
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四天王の1人である西方広目天でチベット名で「チェミザン(Chenmizang)です。チベットの伝統的なタンカや壁画において広目天は一目で判別できる赤または赤褐色の身体で描かれます。チベット美術の広目天は右手に仏塔、左手に蛇を絡ませて持つのが代表的なスタイルです。
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北方守護を司る多聞天「ヴァイシュラヴァナ(Vaishravana)」を描いたものです。オレンジがかった顔立ちに威厳のある大きな目、口ひげやあごひげ、燃え盛るような眉やもみあげが表現されています。宝物を吐き出すマングースや勝利の幢を手に持ち、豪華な鎧や装飾品を身にまとった姿が特徴です。鮮やかな青色の背景に雲や宝物、蓮華座などが描かれる伝統的なスタイルです
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東方を守護する持国天「ドリタラーシュトラ(Dhritarashtra)」の姿です。持国天は天上の楽師であるガンダルヴァ(乾闥婆)の王とされ、音楽の力で人々に調和や慈悲をもたらす守護神として描かれます。鮮やかなオレンジや緑を基調とした伝統的な衣装をまとい、雲の上や蓮華座に似た台座に座って、琵琶を両手で持ち、演奏しているような姿が表現されています。
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南方を守護する増長天「ヴィルーダカ(Viru?haka)」 が青い身体(肌)で描かれています。また頭部にゾウの被り物を戴いている点も特徴的です。両手で剣を持つ姿が一般的で、この剣は邪悪なものを打ち払うだけでなく、「人間の無知や迷いを断ち切る智慧」を象徴しています。
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「六道輪廻図(バーヴァチャクラ)」
六道とは仏教の宇宙観における生と死と再生の終わりのないサイクルである輪廻の中で存在者が生まれ変わる6つの状態のことです。これらを理解することで目にするほぼ全てのチベット仏教美術作品の解釈が変わります。輪廻転生の六道とは神界(デーヴァ)、阿修羅界(アスラ)、人間界、畜生界、餓鬼界(プレータ)、地獄界(ナラカ)のことです。それぞれがカルマと支配的な精神毒によって引き起こされる輪廻転生の形態です。 -
中心から外側に向かって4つの環で読み進め、3番目の環には六道が描かれています。この構成を理解すれば絵全体が複雑な人物像の渦巻きから、明確な教えの図へと変わります。「中心地(3つの毒)」の 中心にある「豚」「鶏」「蛇」はそれぞれ「無知」「執着」「嫌悪」はこのサイクル全体を動かす根本原因と考えられます。2つ目の「環(カルマ)」:は通常は光の半分と闇の半分に分けられ、善行によって上昇する存在と有害な行為によって下降する存在を表します。「第三の環(六つの領域)」の6つの楔形の区画はそれぞれ1つの領域を描いており、上部に神々、下部に地獄、残りの4つは左右の側面に配置されています。外側の縁の「縁起の十二支」とは無知がどのようにして「生」「老」「死」へと繋がるのかを段階的に示したものです。顔を覗かせている死の神ヤマ(Yama)は無常を示すために車輪全体を握りしめていて、小さな仏像は車輪の外側にある解脱の方向を指し示している。
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「生命の輪(バヴァチャクラ)」では通常6つの世界がまとめて描かれています。この絵では6つの世界が中心のハブを囲むように配置されており、「無知」「執着」「嫌悪」という三毒が衆生をこれらの世界を巡り巡らせている様子が示されています。左上の「鶏」は「貪欲」という、行き過ぎた欲望を象徴しています。
右上の「蛇」は「瞋恚」という抑えきれない怒りや憎しみを象徴しています。下の「豚」は「愚痴」という道理に暗い愚かさを象徴しています。この3匹の獣が生命輪廻の木を維持する動力として走り続けています。三毒の外輪に描かれているのは「因果応報」という原因と結果の法則の姿です。善い行いをすれば善い世界へと上昇し、悪い行いをすれば悪い次元へと下降する「カルマ(業)」の力です。カルマとは、結果への原因となる行為をいいます。黒い道は悪いカルマによる下降、白い道は善いカルマによる上昇を示しています。善い行いをして低次元から上昇しようとする力と、悪い行いをして高次元から転落する力が回転を生み出します。善いと悪いを繰り返すカルマの回転に翻弄されながら上昇と下降を繰り返す我々の姿がそこに見えてきます。 -
「天道(上部)」
美しい天人(天女や神々)が楽しむ姿が見えます。苦しみが少なく喜びの多い世界に天界に住む神々や天人がいます。しかし、この世界も輪廻の中にあり、徳が尽きるとまた下の世界に転生することになります。快楽に満ちた世界ですが永遠ではなく、修行をしないと次の生で落ちる可能性を示唆しているようです。 -
「人間道(右上)」
人間の生活を送る人々六道の中で最もバランスが取れた世界が見えます。苦しみも楽しみも両方ありますが「悟りへの道」を進むことができる唯一の世界でもあります。知恵を持ち修行を積めば輪廻から抜け出すことができると考えられます。人間として生まれたことは貴重であり、この世界で修行すれば悟りに至る可能性があります。 -
「餓鬼道(右下)」
骨と皮ばかりの餓鬼が食べ物を求めている姿が見えます。強い欲望や貪りの業(カルマ)を持つ者が生まれる世界です。どれだけ食べても満たされず飢えと渇きに苦しみます。財産や名声に執着しすぎた者が生まれるとされます。物欲や執着にとらわれると満たされることなく苦しみ続ける姿に自分が重なります。 -
「地獄道(下部)」
焔に包まれた獄卒が亡者を責め苦しめている場面です。最も苦しみの大きい世界 で怒りや憎しみの業(カルマ)を持った者が生まれます。常に炎の苦しみ、責め苦を受ける世界であり、逃れることができません。殺生や極端な悪行をした者がここに落ちるとされます。怒りや恨みを持ち続けるとこの世界に生まれ変わる可能性は恐ろしいです。 -
「畜生道(左下)」
動物たちが互いに争っている姿が見えます。理性がなく本能のままに生きる存在の世界です。強い者が弱い者を支配する弱肉強食の世界で、人間でも自己中心的に生きる人はこの道に落ちるとされます。知恵を持たずに自分の利益だけを追求すると畜生道に落ちる可能性があります。 -
「修羅道(左上)」
武器を持ち戦う修羅(阿修羅)の姿が見えます。 怒りや闘争心に満ちた者が生まれる世界は他人と比較し絶えず競争や争いをしています。地獄ほどではありませんが、平穏がなく常に怒りや嫉妬に苦しみます。 他人と争うことばかり考えていると心が平穏にならず、修羅道に落ちるようです。 -
子供の頃に京都から長野の善光寺に参拝した祖母がお土産に「地獄と極楽」の絵本を買ってきてくれたことがありました。もう60年ほど前の事ですが、よく覚えています。何年か前に善光寺を参拝した際に、妻にも読ませようと同じような絵本がないか探したこともありました。堂内に入る前の「四天王図」と「六道輪廻図」を読み解くだけで時間がかかってしまいます。
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「六道輪廻図」について考えるとダンテ・アリギエーリ(Dante Alighieri)の「神曲」にも想いが飛躍してしまいます。地獄篇、煉獄篇、天国篇の3部の叙事詩はポール・ギュスターヴ・ドレ(Paul Gustave Doré)の挿絵入りのもので読みました。30歳になるころにはかなり傾注していて、イタリアのラヴェンナのサン・フランチェスコ聖堂の近くの小さな霊廟にも墓参しました。
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壁画はチベット密教の宇宙観を1枚に凝縮した非常に緻密な集会図(ツォクシン / 帰依曼荼羅)で、大日如来(ヴァイローチャナ)を中心とした曼荼羅のようです。中央の尊格(主尊は4つの顔(四面)を持ち、静かに瞑想の結印(法界定印)をしている姿から、密教における最高の智恵の象徴である普明大日如来(クンリ・ナンパル・ナンゼ / Sarvavid Vairocana)と思われます。
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主尊を囲むようにサキャ派の伝承に基づく歴代の偉大な師(ラマ)や緑多羅菩薩(グリーンターラ)などの諸菩薩、そして下部には寺院を守護する憤怒相の護法尊(ダルマパーラ)たちが円環状に隙間なく描かれています。画面中央下部に見える赤い門のような構造は仏教の聖なる領域や曼荼羅の「城門」を視覚的に表現したものです。
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主仏堂(ドゥカン)の祭壇です。「マト・ゴンパ」はラダック地方において非常に珍しいチベット仏教サキャ派(Sakya)の唯一の僧院として知られています。 15世紀前半に建立された歴史ある僧院でサキャ派の教えを今に伝えています。写真中央にある美しい金色の釈迦如来(シャキャ・トゥバ/Sakyamuni)像の周りには歴代のサキャ派の高僧や祖師たちの肖像や塑像が並んでおり、極彩色の精緻な装飾が空間を彩っています。
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緑色の丸い後光(光背)を背負い、赤いローブをまとった高僧や三十五仏などが整然と描かれています。伝統的な手描きのチベット仏教美術であり、細密な彩色が堂内全面に施されています。
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「マト・ゴンパ」は14世紀から15世紀頃の古いタンカや壁画が数多く残されていることで世界的に有名です。近年ではフランスの専門家と地元の女性修復チームによって数百年分に及ぶ古い壁画やタンカの熱心な修復プロジェクトが行われ、貴重な文化財として美しく蘇っています。
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サキャ派の美術は精緻な描写や美しい色彩構成が特徴的ですが、この壁画も鮮やかな赤や緑の光背(オーラ)や細やかな衣服の表現など、非常に洗練された伝統技法が見て取れます。
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緑度母(グリーン・タラ)の右足を一歩踏み出した活動的なポーズは人々の苦難にすぐ駆けつける慈悲を表しています。横に並ぶのが白度母(ホワイト・タラ)であれば通常の二臂(2本の手)ではなく、複数の腕(六臂など)を持つバリエーションで描かれているようです。
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仏頂尊勝母は仏陀の頭頂部の肉髻(にっけい)を神格化した仏で、長寿や浄化の徳を持つ尊格として信仰されています。白い身体に3つの顔と8本の腕を持ち、それぞれに象徴的な持物(じぶつ)を持っているのが特徴です。
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壁画に描かれているのは「マト・ゴンパ」に深く関わりのある強力な土地の守護神(チベット仏教の護法神)である「ロンツェン・マルポ/Rongtsen Marpo」です。15世紀に「マト・ゴンパ」を創建した高僧ドルジェ・パルザンがチベットのカム地方にある聖山「梅里雪山(カワカルポ)」から連れてきたとされる高名な兄弟神の一尊です。
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マト・ゴンパには「ロンツェン・カルポ(白い神)」と「ロンツェン・マルポ(赤い神)」という2人の兄弟神が土地神として祀られており、こちらは白い顔の「ロンツェン・カルポ(白い神)」です。
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チベット仏教のゲルク派の創始者であるジェ・ツォンカパ大師(Tsongkhapa)を描いたタンカ(仏画)のようです。「マト・ゴンパ(Matho Gompa」はサキャ派(赤帽派)の寺院として有名ですが、この新堂(ラカン・ソマ)などの壁画にはサキャ派の開祖や高僧たちと並び、ゲルク派の祖であるツォンカパの姿も美しく鮮やかな色彩で描かれています。
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トンミ・サンボータはチベット文字を創成したと伝えられる7世紀の学者でソンツェン・ガンポ王に仕え、インド系文字をもとにチベット文字の整備に関わった人物として知られます。
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ソンツェン・ガンポ王というとチベット初の統一王国(吐蕃)を樹立し、チベットに初めて仏教を導入した人物として知られます。漢文史料では松賛干布、棄宗弄讃と表記され、以前に九塞溝を旅した際にいろいろ勉強した王でした。
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宰相のガル・トンツェン(ガル・トンツェンユルスン)の補佐を受けてチベット高原の大部分を支配下に置き、吐谷渾・パイラン(白蘭)・タングートなどの周辺の部族に勝利を収めていきます。640年ごろまでに吐蕃は北東はツァイダム地方、東は松州、西はラダック、南はヒマラヤ山脈に支配領域を広げていきます。
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641年に唐王室の娘である文成公主を息子のグンソン・グンツェンの妃として迎得ますが、成都から九塞溝へ向かう途中に立ち寄った「松州古城」の入り口にある像を思い出します。息子のグンソン・グンツェンはその後落馬で亡くなってしまい、3年の喪に服した後はソンツェン・ガンポと再婚します。
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文成公主は観音菩薩の涙から生まれた多羅菩薩の化身とする見方もあり、今回の旅と九塞溝の旅が繋がった気がしました。生徒から九塞溝への高速鉄道が完成した現在では成都からバスで1日かけて移動するツアーは激減したようです。いい時代に旅が出来たと思います。
松州古城:https://4travel.jp/travelogue/11129689 -
白い身体と複数の顔を持つ「大日如来/ヴァイローチャナ(Vairocana)」が描かれています。白い肌に冠を戴き結跏趺坐(けっかふざ)で瞑想する姿が鮮やかな色彩で表現されています。背後には赤い光背や青い光、下部には色鮮やかな蓮華座(れんげざ)も描かれています。
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チベット仏教美術ではガルーダは鳥のくちばし、翼、鋭い爪を持った半人半鳥のように表されます。忿怒尊や護法尊の意匠の一部に現れることもあり、漢訳仏教では「迦楼羅(かるら」)あるいは「金翅鳥(こんじちょう)」と呼ばれ、仏を背負って三世、宇宙、世界を飛ぶとされます。チベット仏教ではガルーダは仏や菩薩そのものというより、護法的で象徴的な存在として現れることが多いようです。
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青い体色に3つの目に牙を剥いた怒りの表情をした財宝神である「黒財神(ブラック・ジャンバラ /Dzambhala )」の姿が見られます。足元で踏みつけられている人物(死体)は人間のエゴや強欲、煩悩の克服を象徴しています。手に持っているマングースは宝物を吐き出し、富や繁栄、貧困からの解放を表しています。右手に持っているのはカーパラ(髑髏杯)です。
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男女合体尊である「ヤブヤム(Yab-Yum)」はチベット語で「父上・母上」を意味します。男性尊格は「慈悲(方便)」を、女性尊格は「智慧(般若)」を表します。 二者が1つに結びつくことで悟りの境地である絶対的な調和や大楽(究極の歓喜)を象徴しています。
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女神である「獅子面空行母(シンハムカ / センゲ・ドンマ / 獅子面ダキニ)を描いた伝統的な壁画です。青緑色の体を持ち、白い獅子の顔をした激しい姿で表現されています。左手にフラガ(頭蓋骨の椀)やカトヴァンガ(杖)を持ち、片足を上げて踊るようなダイナミックな姿勢をしています。障害や魔を払い、ネガティブな感情を知恵に変える力を持つ守護神とされています。
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チベット仏教で非常に信仰されている富と財運の守護神「白マハーカーラ(Gonpo Karpo / 白大黒天)」の姿です。壁画に描かれている「白マハーカーラ」の特徴は六本の手(六臂)で憤怒相を持ちながらも、身体が白いのが最大の特徴です。胸の前で願いを叶える如意宝珠(チンターマニ)や血の滴るカーパラ(髑髏杯)を抱えるように持っています。通常の白マハーカーラは財宝を吐き出す象頭の神(ガネーシャ / 歓喜天)を踏みつけて立っています。これは、現世の障害や貧困を克服することを象徴しています。
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壁画の最大の特徴である腹の上にいるマングースから、この尊像はチベット仏教における富と豊穣の神の「赤いジャンバラ(Red Jambhala / 紅財神)」のようです。チベット仏教の富の神(ジャンバラやクベーラ)は口から宝石を吐き出すマングースを抱えているのが最大の特徴です。赤いジャンバラ(頭が3つ、腕が6つの姿が一般的)は特にサキャ派において重んじられる密教の富の神です。
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(ラダック地方)における弥勒菩薩は、日本の「半跏思惟像(はんかしゆいぞう)」のような静かに瞑想する姿とは大きく異なり、きらびやかな王族の装飾を身にまとった絢爛豪華な姿で表されます。
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頭部には精巧に彫刻された大きな冠(五仏冠)を戴き、耳飾りや胸元にはラダック伝統の緻密な装飾が施されています。:胸の前で結ばれている手の形は釈迦が初めて説法を行った際と同じ「法輪を回す(教えを説く)」意味を持つ「転法輪印(てんぽうりんいん)」を表現しています。
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仏像の背後や周囲には色彩豊かな花々、神鳥ガルーダ、吉祥のシンボルなどが立体的にびっしりと配置され、1つの曼荼羅(世界観)を作り上げています。
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チベット仏教において弥勒菩薩は「未来仏」として絶大な信仰を集めています。釈迦が入滅した後の56億7千万年後の未来にこの世に現れ、すべての人々を救うと約束されている仏です。
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未来の降臨に備えて現在は「兜率天」という天上界の浄土で神々や人々に説法をしながら修行を続けているとされています。ラダックの人々は未来への希望や救済の象徴として各僧院に巨大で美しい弥勒菩薩像を建立して熱心に祈りを捧げています。
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この弥勒菩薩が安置されている堂の内部は何百年もの歴史を持つ色鮮やかな宗教画(壁画)やチベットの伝統的な掛け軸「タンカ」に囲まれており、非常に厳かで神秘的な空間となっています。
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ようやく「マト・ゴンパ」の参拝が終わりました。本堂の仏たちの圧倒的な迫力に少し疲れました。写真に残せたことで帰国後も詳しく分からなかったところを調べることが出来ました。
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少し周辺の絶景を見渡して頭の中をクールダウンしないと情報過多の状態になってしまいました。
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僧院の裏手には皮をむいて乾燥させている楊の枝がありました。ラダック地方の川沿いにはこの楊の木が続き、その周囲を覆うようにポプラの木が並んでいます。
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そして、それらの木はラダック地方の民家や僧院の大切な建築資材となって行きます。
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さらに小高い丘の上には無数のタルチョが風を受けています。両親もすでに亡くなり、大切なのはもう妻だけとなり、自分の人生も終盤を迎えるといろいろなことを考えるようになります。
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再び車に戻り、Bluetoothでリンクさせた音楽を聴きながら同じルートを戻ります。
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今回は祭りに目が行って予約したツアーでしたが、これまでに感じたことのなかったチベット仏教の宗教観を学ぶことが出来たと思います。
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要塞僧院という言葉がよく似合う「マト・ゴンパ」でした。
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カラフルな僧院はレーで参拝した僧院の中でも唯一でした。麓のビューポイントから写真を撮ることが出来ました。
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