2025/02/01 - 2025/02/01
16位(同エリア446件中)
万歩計さん
この旅行記のスケジュール
2025/02/01
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飛行機での移動
JAL 伊丹空港(7:30)→青森空港(9:18)
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バスでの移動
JRバス 青森空港(9:30)→青森駅(10:18)
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バスでの移動
弘南バス 青森駅(10:43)→五所川原駅(11:46)
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津軽鉄道「ストーブ列車」で津軽中里へ
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津軽中里からタクシーで十三湖を一周(津軽大橋、十三湊遺跡、十三之民謡砂山の碑、十三湖湖畔)
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津軽中里駅で昼食
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電車での移動
津軽鉄道 津軽中里駅(14:53)→芦野公園駅(15:04)
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芦野公園散策(駅舎、津軽三味線発祥の碑、太宰治文学碑)
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徒歩での移動
芦野公園から斜陽館まで徒歩20分
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斜陽館見学
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電車での移動
津軽鉄道 金木駅(16:12)→五所川原駅(16:38)
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電車での移動
JR五能線、奥羽本線 五所川原駅(16:46)→青森駅(18:23)
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この旅行記スケジュールを元に
東北を5エリアに分けた秘湯行、今回が最後で冬の青森。当初は酸ヶ湯温泉と黒石温泉郷に、雪の八甲田・氷瀑の奥入瀬を加えて計画を始めた。ところが司馬遼太郎の”街道を行く~北のまほろば”を読んで、これまで気付かなかった青森の奥深い魅力を知った。
司馬さんは”北のまほろば”で青森県をこう評している。
『この県は奥が深く、なにやら際限もない。夜になると太古のにおいがする。
縄文時代には”亀ヶ岡式土器”というほどすぐれた土器を生み出すほど豊かで、当時貧寒たる暮らしをしていた縄文西日本に対して優位に立ちながら、その後、西方からの力と文化に押されるにつれて、僻陬の地になってゆくという地である。
しかしなお、地下三尺に、他地方にない感覚の豊かさを秘めているという不思議な地である』
【旅程】
★2/1(土)伊丹空港→青森空港→青森駅→津軽半島(ストーブ列車、十三湖、金木)→青森市内観光(津軽三味線ライブ)(泊)
★https://4travel.jp/travelogue/11965175
https://4travel.jp/travelogue/11966745
2/2(日)三内丸山遺跡と県立美術館(棟方志功)→青森市内観光(ベイエリア)→奥入瀬渓流氷瀑ナイトツアー→十和田市(泊)
https://4travel.jp/travelogue/11966978
https://4travel.jp/travelogue/11967476
2/3(月)十和田市→青森駅→酸ヶ湯温泉(泊)
https://4travel.jp/travelogue/11967561
2/4(火)酸ヶ湯温泉→青森駅→黒石温泉郷・温湯温泉→青荷温泉(泊)
https://4travel.jp/travelogue/11967792
https://4travel.jp/travelogue/11968015
2/5(水)青荷温泉→黒石市重伝建地区→弘前市内観光(弘前市重伝建地区、弘前城、レトロ建築巡り)→青森空港→伊丹空港
https://4travel.jp/travelogue/11968726
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 高速・路線バス タクシー JALグループ 私鉄
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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2023年5月にNHKBSで”新街道を行く~北のまほろば”が放送され、これまで知らなかった青森の奥深さに気付きました。早速原作を読みゆかりの地を旅程に組み入れました。
以後の写真のコメントにある『』書きは”北のまほろば”の文章の引用です。 -
もう一冊は太宰治の”津軽”。太宰治は昭和19年に故郷の野や浦を旅し、”津軽”を著しています。司馬さんはこの作品を絶賛し”北のまほろば”で何度も取り上げています。
『太宰の”津軽”は、その代表作の一つである
津軽への愛が、ときに含羞になり、自虐になりつつも、作品そのものを津軽という生命に仕上げていて、どの切片を切り取っても、津軽の皮膚や細胞でないものはなく、明治以後の散文の名品といっていい』 -
計画開始以来3年。この間見直しを重ねて最終版はVer18。楽しい計画づくりでした!
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今回のテーマは
①国内NO1の豪雪地帯酸ヶ湯温泉に泊まる
②黒石温泉郷の秘湯巡り
③「北のまほろば」ゆかりの場所を訪ねる(十三湖、金木、三内丸山遺跡、弘前他)
④奥入瀬渓流の氷瀑ナイトツアー
⑤重伝建巡り(弘前市仲町、黒石市中町) -
7:30伊丹空港を離陸。今回は4トラで貯めたJALの特典航空券を使用。
大阪国際空港 (伊丹空港) 空港
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40分後には雪の北アルプス上空を通過し、
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青森市上空でしばらく旋回しながら、着陸のタイミングを図り
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9:18 青森空港に無事着陸。周囲が霞むほどの雪です。
青森空港 空港
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9:30 青森空港からシャトルバスに乗り、
空港路線バス(JRバス東北) 乗り物
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雪景色の中を青森市内に向かいます。
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10:18 青森駅で下車。と、ここまでは順調。
青森駅 駅
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ここから弘南バスで五所川原に行くのですが雪で到着遅れ。五所川原から中泊行きバスの乗換え時間が5分しかないのでハラハラドキドキ。
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結局青森駅前を20分遅れで出発。途中で遅れをかなりリカバーしましたが、
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結局五所川原駅に着いたのは、乗継バスが出発した3分後。
五所川原駅 駅
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仕方がないので、とりあえず津軽鉄道で津軽中里まで行くことに。
津軽五所川原駅 駅
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憧れのストーブ列車は既に入線してました。
津軽鉄道 ストーブ列車 乗り物
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ストーブ列車はほぼ満席。団体ツアーのお客さんが、ストーブの前で入れ替わり記念撮影
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車内販売のスルメは800円、地酒は1合400円也。
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イチオシ
買ったスルメはストーブで焼いてくれます。
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切符は車内で購入。終点の津軽中里まではストーブ列車券500円を入れて1370円。
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12:00 津軽五所川原駅を出発
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直ぐに一面の雪原。
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車内風景
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隣のお姉さんたちはスルメでチビチビやってます。
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約30分で金木駅に到着。お客の大半がここで下りました。
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ガラガラになったところで列車を観察。ダルマストーブの燃料は石炭
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煙突が天井に出ています。
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津軽鉄道の五所川原、中里間が開通したのは1930年7月で約100年の歴史。ストーブ列車が運行されるのは12月1日から3月31日で、この間は全国から観光客が押し寄せます。
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12:45 終点の津軽中里駅に到着
津軽中里駅 駅
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イチオシ
日本最北の私鉄駅だそうです。
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中里駅は帰りにゆっくり見るとして、
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駅前の中里タクシーへ。「十三湖に行きたい」と言ったら1万円で一周してくれることになりました。
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走っているのはコメ・米ロード。”北のまほろば”で司馬さんは津軽のコメについて書いています。
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『コメというのは食料という以上に通貨であり、その多寡は身分をあらわした』
『津軽藩初期の高は四万五千石に過ぎなかった。もし津軽藩が表高をその程度にとどめ、小大名並みに我慢していれば出銭が少なくて済む』
『ところが現実の津軽藩はそのようには向かわなかった。コメがこの藩の気候の上から危険な作物であるにかかわらず、コメに偏執し相次ぐ新田開発によって江戸中期には実高三十万石を上げるに至った。無理に無理をかさねた』
これによってもたらされた悲劇はのちほど -
岩木川に架かる津軽大橋でフォトストップ
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岩木山を水源とする岩木川はこれから向かう十三湖に注ぎます。
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十三湖の砂洲に造られた道の途中に
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十三湊遺跡。14~15世紀に築かれた中世国際港湾都市の遺構です。
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十三湊を築いた安藤(東)氏は、ここを中心に北海道、樺太、沿海州、朝鮮、中国まで円内に入れ、日本中世史上最も活動的なグループで海上王国を築いていました。
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『青森県の歴史は、縄文時代や弥生時代が、むしろ明快である。その後、闇に似た時間が、長々と続く』
『その無明長夜のような中世の時間の中で、平安末期の12世紀末からー最盛期といえば14.15世紀ーの二、三百年のほどの間だけ、炬火のように輝いたのがこの十三湊であった。』 -
『中世という時期には、十三湊とその周辺こそ、“北のまほろば”だったかもしれない』
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十三湖が日本海に出る場所に十三湖大橋
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橋から眺めた十三湖。
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現在は何もありませんが往時は砂洲の真ん中に幅6mの中軸道路が1.5kmにわたって続き、全体で五千人が暮らしていたと推定されています。
現在の荒涼とした風景とのギャップにロマンを感じます。 -
イチオシ
反対側は日本海。ここから南に七里の鯵ヶ沢まで、ピアノ線を撓ませたように砂浜が続きます。
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津軽藩では回米を鯵ヶ沢から上方に送り出しました。しかし新田開発で無理を重ねた藩は、大阪の商人からの借金がかさみ、度重なる飢饉で領民が飢えようが死のうが、借金返済のために回米を出さねばならない台所事情でした。
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砂浜近くに立つ「十三之民謡 砂山の碑」
哀調溢れる唄と津軽三味線を動画どうぞ
十三の砂山 ナーヤーエ 米ならよかろ ナー
西の弁財衆にゃ エー ただ積ましよ ただ積ましよ
https://www.youtube.com/watch?v=4O_7ao_diLk&list=RD4O_7ao_diLk&start_radio=1 -
『津軽の西海岸に多いのは、砂である。いっそあれが米ならばなぁ、と思う』
『船乗りたち(弁財衆)に、文句なしに積ませるんだ、と歌いあげるときに、詩的快感がおこる。空想の中で砂が米に化る』
『この詩が、もし豊かな南国で成立すれば、単に駄洒落に過ぎない。米と材木のほか、全国の流通の中に送り出す物産が乏しかった津軽でこそ、哀調を帯びた詩と歌になる』 -
十三湖に浮かぶ中之島。ここには十三湊で出土品を展示した市浦歴史民俗資料館があります。見学したかったが冬季休館中でした。
中の島ブリッジパーク キャンプ場
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ブリッジパークに長山洋子が歌った「恋の津軽十三湖」の歌碑
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これから十三湖の北岸を通って津軽中里に戻ります。途中にアイヌ語起源と思われる地名が数か所ありました。
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福島城跡
蝦夷管領でもあった安藤氏の居城と伝えられてきました。しかし造りがアイヌの城塞に似ていることから、現在は奥州平泉より古い可能性も指摘されています。福島城跡 名所・史跡
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しじみ亭のある展望所でフォトストップ。十三湖では縄文の昔からしじみ漁が行われていました。
しじみ亭 奈良屋 グルメ・レストラン
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イチオシ
太宰はバスで小泊に向かう途中、車窓からみた十三湖をこう表現しています。
『やがて、十三湖が冷え冷えと白く眼前に展開する。浅い真珠貝に水を盛ったやうな、気品はあるがはかない感じの湖である。』
『波一つない、船も浮かんでいない。ひっそりしている。さうして、なかなかひろい。人に捨てられた孤独の水たまりである。流れる雲も飛ぶ鳥の影も、この湖の面には写らぬというふうな感じだ』 -
司馬さんは
『真珠貝の貝殻を裏返しにして水を盛ったようだ、といったことが、よく理解できた。心もとなく、はかなく、寄る辺ない美しさといっていい。』
と述べて、この砂地の下に埋もれた中世都市に思いを馳せています。 -
ここには吉田松陰も訪れていました
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14:22 津軽中里駅に戻ってきました。
津軽中里駅 駅
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土曜日の午後で駅中でジャズのライブをやってました。
津軽中里 駅ナカにぎわい空間 専門店
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駅中ちゃんこ食堂で遅い昼食
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14:53発の列車で戻ります。ストーブ列車を牽引するのはディーゼルの走れメロス号
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15:04 芦野公園駅で下車
芦野公園駅 駅
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瀟洒な洋風駅舎はカフェ。この先でちょっと見たい場所があります。
赤い屋根の喫茶店 駅舎 グルメ・レストラン
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それは「津軽三味線発祥の地」の碑と、
芦野公園 公園・植物園
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芦野湖畔に建つ太宰治の文学碑。
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太宰治の生家のある金木までは徒歩20分
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行く手に紡績工場のような巨大な赤煉瓦の塀が見えてきました。
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15:48 太宰治の生家。太宰治はこの家の6男として生まれ、20才で上京し流行作家になりました。
太宰治記念館「斜陽館」 美術館・博物館
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建物は明治40年に建てられ、階下11室278坪、2階8室116坪、付属建物や泉水を配した庭園など合わせて宅地約680坪の大豪邸。昭和25年から旅館として使用されましたが、現在は太宰治記念館「斜陽館」になってます。
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太宰はこの家を『この父は、ひどく大きい家を建てた。風情も何も無い、ただ大きいのである』と言い、あまり好きでなかったようです。
太宰治記念館「斜陽館」 美術館・博物館
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太宰の生家は小作人300人を有する大地主。父の納税額は青森県で第4位で、このため貴族院議員にもなっています。
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太宰治が生まれた部屋
太宰治記念館「斜陽館」 美術館・博物館
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金ぴかの大仏壇
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雪囲いされた庭園
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店。ここで農民相手に金貸しをしていました。担保は収穫する米か土地でした。
太宰治記念館「斜陽館」 美術館・博物館
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”津軽”には飢饉の記録が書かれています。それを見ると近世津軽は飢饉だらけで、「元和元年 大凶」に始まる凶作の年表はえんえん4ページに及んでいます。
豊作になれば米が手に入る。飢饉でも最低土地が手に入る。太宰はこのような当時の地主商売が嫌だったそうです。 -
次は2階へ
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鹿鳴館風の洋室
太宰治記念館「斜陽館」 美術館・博物館
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和室
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最後に奥の米蔵へ
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蔵まで総ヒバ造りでした。
太宰治記念館「斜陽館」 美術館・博物館
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16:12 斜陽館をでて金木駅に来ました。
金木駅 駅
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津軽鉄道で五所川原へ
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地吹雪を避ける柵。見た以上に効果があるそうです。
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イチオシ
真冬の地吹雪を体験するツアーがあるそうで、外国人に人気と聞いたことがあります。
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16:46 終点の津軽五所川原駅に到着
津軽五所川原駅 駅
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雪の中、昔の客車と牽引したラッセル車が静態保存されていました。
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イチオシ
津軽鉄道100年のオーラ、廃墟ファンにはたまりません
津軽五所川原駅 駅
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こちらは現役車両の車庫
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隣接するJRで五能線に乗り換え。
五所川原駅 駅
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イチオシ
列車は弘前方面に向かいます。正面に見えるのは岩木山の裾
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途中の駅で行き違いを利用して一枚
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列車は暮れかけたリンゴ畑の間を走り、
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17:40 終点の川部駅で下車。ここで奥羽本線に乗り換え。
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18:32 青森駅に到着
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