2021/07/01 - 2021/07/03
110位(同エリア413件中)
kojikojiさん
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- 旅行記1484冊
- クチコミ1138件
- Q&A回答73件
- 2,684,400アクセス
- フォロワー151人
苫小牧からは大平洋フェリーの3船目の「いしかり」で名古屋に戻ります。午後7時に出港して翌日の午前10時に仙台港へ入り、午後0時50分に仙台港を出港して翌々日の午前10時に名古屋港に到着です。つまり苫小牧から2泊3日のフェリー旅になります。チェックイン時に東海から関東と太平洋上まで伸びた梅雨前線の低気圧と線状降水帯のせいで、船の揺れが大きいであろうことと遅延するかもしれないという説明があり、承諾書にサインを求められました。カードキーと3日分5回の食事のバウチャーを受け取って乗船します。「いしかり」では右舷の特別室だったので、一応陸地側なので天気が良ければ眺めが良いかもしれません。往路と同じく乗客は30人もいらしたかどうかといった人数でレストランの空いた席は気の毒なほどでした。普通ビュッフェの場合は料理が無くならないか心配するものですが、余った料理はどうするんだろうということが心配でした。苫小牧を定時に出港して仙台に向かいますが、船は揺れることも無く、翌朝には松島の美しい島々まで見ることが出来ました。仙台港では手続きをすれば2時間ほど下船することが出来るのですが、もうへとへとで疲れていたし、周囲に行きたいところも無いので船の中でくつろいでいました。2回目でも仙台港の出港はデッキで見てしまいました。昼と夜の違いもあるのでそれなりに面白かったです。仙台から名古屋は船の揺れの恐れがありましたが、全く揺れることも無く食事も美味しくいただけました。以前上海から大阪南港への蘇州号のフェリーが大時化で船酔いに苦しんだことがあるので酔い止めをちゃんと飲んだのもよかったのかもしれません。結局名古屋まで天候もよく心配はありませんでした。ただ沖合を通った熱海では大変なことが起こっていました。そんなことを知る由もなく、名古屋港に着いた後は名古屋の旅が始まります。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.5
- ショッピング
- 4.5
- 交通
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 15万円 - 20万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 船 タクシー 新幹線 JRローカル 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行なし)
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大平洋フェリー創立50周年3船乗り比べツアーの4泊も終わり、苫小牧から1泊で仙台に向かい、そのままもう1泊して名古屋に向かいます。「きそ」と「きたかみ」と乗り継いできた最後は「いしかり」です。
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苫小牧駅から西フェリーターミナルまではタクシーで1,510円でした。ターミナルに着くとすでに「いしかり」はトレーラの積み込みを行っていました。
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横に停泊しているシルバープリンセスは、川崎近海汽船が運航しているフェリーで、苫小牧を午後9時15分発で八戸まで向かいます。
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苫小牧駅と西フェリーターミナルは路線バスでも結ばれています。
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ターミナルの入口は手指消毒だけで、大平洋フェリーのカウンターの前で体温測定と問診がありました。他にも川崎近海汽船のシルバープリンセスのカウンターと商船三井フェリーのさんふらわあふらののカウンターもあります。
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受付でまず説明されたのは「本日出発のいしかりは低気圧の影響により揺れや遅延が予想されます。」とのことで、承諾書にサインを求められました。カードキーとレストランのバウチャーを受け取って手続きは終わりです。
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往路の名古屋と仙台間は台風5号の影響が心配されましたが、熱田神宮のお陰で進路がそれて問題がありませんでした。復路は熱田神宮の神様も面倒見てくれないのかと気持ちが沈みます。
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エレベーターで2階に上がるとお土産物屋が並び、レストランまでありました。ホッキカレーとか白い恋人ソフトクリームなんて惹かれますが、乗船したらすぐに晩御飯なので諦めます。
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しばらく待合室に座っていましたが、帰路は乗客が多いなと思っていたのですが、その多くは大洗行きのさんふらわのお客でした。
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3階にはポートミュージアムがあるので行ってみました。
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俯瞰した写真で西フェリーターミナルの形が良く分かります。鋸刃の形状のフェリー専用バースやターミナルビルから延びるボーディング・ブリッジもよく見えます。
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ミュージアムにはフェリーの大型模型が置かれてありました。こちらはシルバーフェリーの「シルバーティアラ」です。現在ターミナルに停泊している船の模型です。
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こちらは日本沿海フェリーの「しれとこ丸」で2代目「えりも丸」の就航により、1989年に引退し、ギリシャのミノアンラインズに売却され、METROPOLIS(大都會)と改名して香港でカジノ船として就航しています。METROPOLISは2006年の夏に香港で見掛けたことがあります。
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そして大平洋フェリーの初代の「いしかり」です。1974年に就航して1991年に引退して、ギリシャの船会社に売却されてイタリアのブリンディジからコルフやイグメニツァ辺りに就航していたので、知らないで乗っていたかもしれません。
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展望デッキからは貨物を積み込んでいるフェリーが良く見えます。
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来押し合うように「石狩」は船首を大きく開けています。
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フェリーに乗るのもこれが最後だと思うと少し寂しい気分になります。
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一番右のバースではさんふらわあふらのも見えます。
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さんふらわあのフェリーには一度だけ有明港から横浜港を経由して那智勝浦まで乗ったことがあります。その航路も現在はありません。乗る前に無くなってしまったオリエントフェリーの下関と青島航路は残念で仕方ありません。国内でも高松港から宇部港へのフェリーも無くなりました。
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「いしかり」では2泊3日の旅になるのでアルコール類を少し買い求めておきます。ここでも市内より少々高めの値段ですが、船内はさらに高いですから。
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このお店はお土産物以外にも生活必需品を含め売っている者は種類が多かったです。
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そろそろボーディングの時間になったので船内に向かいます。
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ワクワクする気持ち半分、もうすぐフェリーの旅が終ってしまう寂しさ半分です。
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「きそ」と「きたかみ」も乗客は20人から30人ほどでしたが、名古屋行きの「いしかり」も同じようでした。
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我々が最後に乗船したようです。すぐに扉が閉まりました。
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部屋は往路と同じ特別室で6階の616号室でした。右舷の中ほどの部屋で、陸地側になるので景色が楽しめるはずです。天気が良ければですが。
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基本的にどのフェリーの特別室も同じ造りでした。「きたかみ」は新しかったですが、「いしかり」は少しくたびれた感じもあります。
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クローゼットの仕様もほぼ同じでした。
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洗面台は小さめですが使い勝手は良いです。トイレも洗浄機付きです。
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バスタブは大きいですが、部屋の風呂は使いませんでした。
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まずは買ったばかりの缶チューハイのカシスオレンジで乾杯です。
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出港前に一度デッキに出てみます。先ほどまでいた展望デッキが見えます。もう乗船してしまったので北海道から離れてしまっています。北海道で1泊2日の旅をするために5泊6日掛けてやってきたわけです。
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「いしかり」より先に出港する「ふらの」は積み込みも終わりそうです。
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後を見ると「シルバープリンセス」の姿が見えます。
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こんなにたくさんのフェリーが集まっているのはギリシャのピレウス港やコルフ港、ロードス島などを旅していた十数年前以来です。
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東京と苫小牧を往復している栗林商船のRORO船「神加丸」が出港していきます。トレーラーシャーシ152台と乗用車267台積み込めるようです。
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出港が近づくとウミネコの数が多くなってきます。
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一度部屋に戻ります。プロムナードはこんな感じでいつも人がいませんでした。
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「いしかり」は名古屋と仙台と苫小牧を結ぶ総トン数15,762トンのフェリーで、デザインコンセプトは「エーゲ海の輝き」だそうです。ホワイトとブルーを基調としたカラースキームになっています。
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壁にはトルコの陶器が飾られています。現在はいろいろな土地で造られていますが、イズニックのタイルや隣町のキュタフヤの陶器が有名です。どれも50センチほどのものでかなりの値段なのを知ってます。
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午後7時の出港までは少し時間があるので部屋に戻り、夕食に行く準備をしてもう一度デッキに出てみます。
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この日の晩ご飯と明日の3食と明後日の朝ご飯がツアー代金に含まれています。これだけでも1人7,500円になります。
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最後の「いしかり」でも記念写真を撮りました。もちろんスタンプもスケッチブックに押しておきます。
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「いしかり」出港の少し前の午後6時45分に「ふらの」が出港していきます。翌日の午後2時に大洗に到着します。
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ウミネコの動きが慌ただしくなってきました。出港時にスクリューを回転させると海水がかき混ぜられ、浮いてきた小魚を狙っているようです。
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さすがに北海道の夕方の出港は涼しいというよりは寒いくらいです。
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「シルバープリンセス」は「いしかり」より遅い午後9時15分出港で、八戸には翌朝の午前4時45分に到着だそうです。
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ついつい動き回るウミネコをカメラで追ってしまいます。
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午後7時の定刻に出港しました。ここで頭に浮かんでくるのは吉田拓郎の「落陽」ですね。土産にさいころはもらえなかったけど。
https://www.youtube.com/watch?v=U3X0KvdRcTk -
出港シーンを見た後はすぐに晩御飯にします。「いしかり」のメインダイニングは「サントリーニ」というレストランです。ここでも手指消毒の後に手袋をしてからトレーを手にします。
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ウォーマーに乗った料理が20種類ほど並んでいます。基本的には3船とも同じメニューが並んでいます。
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この日のメインはローストビーフでした。水餃子とカレーをチョイスしてみました。一口ヒレカツもあるのでカツカレーにしてみます。
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しかし毎日よく食べたと思います。大きな窓からは暮れてゆく太平洋の海原が眺められます。何とも贅沢な食事です。
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料理を撮るときはこのような姿になります。
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デザートはソーダ水とマンゴにアイスクリームを乗せてみました。
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この日もお客さんの姿はほとんどありませんでした。窓際には4人掛けのテーブルと中央には丸テーブルが並びますがソーシャルディスタンスで使えるのは半分だけです。
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壁際にはベンチシートのお長いテーブルが並びます。
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その壁には古い地図が出力して貼られています。デザインコンセプトは「エーゲ海の輝き」なので、その周辺の地図なので目で追ってしまいます。最後に行った海外旅行が2年前のトルコ15日間のツアーでしたが、イスタンブールからマルマラ海を東に進んだことや、最後にダーダネス海峡を渡ってイスタンブールに戻ったことを思い出します。
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トルコの地中海沿岸のリゾートを巡った旅やクルーズ船で島々を巡った何度かの旅も思い出します。村上春樹の「雨天炎天」という紀行が好きなのですが、アトス半島の地図を眺めているとそんなことを思い出しました。「遠い太鼓」で紹介されているロードス島の西6キロのハルキ島をクルーズ船から探したこともありました。
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晩御飯の後は旅の前半の疲れもあって、大浴場で波とシンクロした湯に体を持っていかれながら入浴して早くに寝てしまいました。早く寝ると夜中に目が覚めてしまうのは常で、テレビ画面で現在位置を確認してしまいます。
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早い時間に大浴場に行って、閉店の時間から逆算して「サントリーに」に入ります。
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朝ご飯のメニューもいつもと変わりありません。
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そしていつものように誰もいません。
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お気に入りは愛媛のじゃこ天と白こんにゃくの梅肉和えと小鉢の大根おろしとなめ茸です。
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卵かけご飯も美味しそうです。
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大きな窓が並ぶのでレストランからの景色は最高です。
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部屋が左右で30ほど並んでいますが、使われているのは3部屋くらいです。
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朝食が済んでしばらくデッキに出てみました。それくらいしか船内で体を動かすことは無いですから。金華山の沖合を通過したのでそろそろ仙台港に入港するのが分かります。
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右舷には石巻港が見えました。昭和41年の1966年に父と陸中海岸を旅したのはここがスタートだったと思うと感慨深いものがあります。
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そして松島湾が見えてきました。遊覧船に乗ったのはほんの3日前ですが、遠い昔のように思えてきます。
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左側に見える白い灯台みたいな建物は松島の遊覧船から見えた多門山の東京電力の仙台火力発電所です。無粋な建物ですが、これが無ければ沖合から松島湾の大体の位置をつかむことは出来ませんでした。
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仙台港へラストスパートです。
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後方には大きな自動車運搬船が見えます。
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石巻の町が大きく見えてきました。
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松島から塩釜にかけての海岸線は美しい松林と岩の間にコンクリートの防波堤が見えます。
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「いしかり」と入れ違いに「駿翔丸」が出港していきました。よく見ると尾道の文字が読めました。このまま太平洋を越えて瀬戸内海へ向かうのでしょうか。
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仙台港では巨大な船が見えました。「NIKOLAY URVANTSEV」(ニコライ・ウルヴァンツェフ)は香港のLNGタンカーです。液化天然ガスをロシアから運んだ帰りのようで、ネットで検索してみると現在ベーリング海からシベリアを越えて2週間かけてロシアのサベッタへ戻る途中でした。
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LNGタンカーには大きく球形タンク方式とメンブレン方式があり、この船はメンブレン方式なのだと思います。この方式の特許はフランスの会社が所有していて、韓国の造船会社が大量に造船を受注しても1隻建造するにあたって10億円以上の特許料を払って大赤字になると聞いたことがあります。
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接岸に向けてタグボートが船体を押しています。よく見ると船体には矢印とTUGの文字があり、その場所を押すのだと分かりました。
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甲板員の方が入港の準備を始めました。
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仙台のウミネコが手摺りに遊びに来ました。
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FUJITRANSの「蓉翔丸」が停泊していました。乗用車 688台とトレーラー 150台を積み込むことが出来て名古屋と仙台と苫小牧の間を運行しています。
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ライン・スローワー(Line thrower)と呼ばれる索発射銃が準備され、圧搾空気が注入されています。圧搾空気の場合は免許がいらないはずです。
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続いて入港して来る船がすぐ近くまで来ています。
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ホイッスルが吹かれてワイヤーが発射されました。圧搾空気でも結構大きな音がします。
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港の人たちがくるくる回りながらワイヤーを引っ張ります
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日徳汽船の RORO船「豊徳丸」がすぐ後ろを入港してきました。乗用車2,057台を積み込むことが出来ます。
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ウミネコは1メートルくらいまで近づいても逃げません。
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ウミネコとイルカ。
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何か見つけたようで一斉に飛び立ちました。
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妻が来たのでカモメが逃げたわけではないと思います。
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枚数をたくさん撮ったら飛んでいるウミネコをうまく撮れるようになりました。フィルムカメラの時代では絶対に出来なかったことです。
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仙台港では午前10時に入港した後は、手続きをすれば下船することが出来ますが、行くところも無いので船内でくつろぐことにしました。
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心配なのは仙台から名古屋の間の航路なのですが、テレビのニュースを見たら絶望的な気持ちになりました。東京の友人にLINEで尋ねても「ずっと土砂降りだよ。気をつけてね。」
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停船中は清掃のスタッフが30人くらい来られて船内は大掃除です。その手際の良さには感心しました。あっと思ってタオルの交換とゴミ箱の掃除をお願いしました。下船していたらそのままだったのかもしれません。
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ショップで小さい帆布のバックをお揃いで買い求めました。妻に赤い方をあげようとしたら青い方を取られました。空いた時間に絵葉書を書いておきました。
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出港前に「サントリーニ」でお昼を食べることにしました。
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これから船が揺れることを想像したら食欲が落ちるかと思いましたが、たっぷり食べてしまいました。特にマカロニのカルボナーラは美味しかったです。
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乗船はすでに始まっていますがレストランは相変わらずガラガラです。
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下船の30分前から清掃中は入浴が出来ません。掃除中も見てみましたが、全部お湯を抜いての大掃除でした。
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ということでお昼の後に1番風呂に入りました。低気圧で波が大きくなるとお風呂に入れないかもしれませんから。
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昼間っから風呂に入る人は他にいませんでした。
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波で揺れていないジャグジーバスはこの時だけでした。
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何故ミケランジェロのシスティーナ礼拝堂のフレスコ画なのか分かりませんでした。ギリシャのモチーフなんていくらでもあると思うのですが。
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定刻の午後0時50分に仙台を出港しました。
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これから低気圧に向かって行くかと思うと気が重いです。
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セメント船の「しんあき丸」とすれ違いました。こんな船は初めて見ました。船名が読み取れるとネット検索できるので楽しいです。
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船内放送があって数人の人がデッキに出てきました。しばらくすると左舷に「きそ」が見えてきました。
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4日前にはあの「きそ」に乗って仙台を目指していたのが遠い昔のようです。
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やはり20ノット同士ですれ違うのであっという間です。
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乗客の姿が20人くらい見えました。
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こちらの「いしかり」は5人くらいの人しかデッキに出ていませんでした。仙台から名古屋までの乗客も30人もいなかったと思います。
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梅雨前線の低気圧を越えてきたのがどうだったか聞いてみたいところです。
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後は晩御飯までやることがありません。
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午後6時前に梅雨前線に突入しました。
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ところが波は穏やかで、普通に夕暮れが迫っている感じです。雨も降っていません。テレビの天気予報では線状降水帯の中にいるのですが。
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特に揺れも無く晩御飯の時間になりました。今日のメインはステーキです。
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船が揺れないのをいいことにがっつりいただきました。船内では4晩ディナーをいただきましたが、レストランがアルコールのサービスが停止になっているのだけが残念でした。
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4人テーブルもソーシャルディスタンスで対角線に座ります。
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食事中にいい具合に陽が沈みました。夕焼けにならなかったのが残念です。
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午後10時ころに千葉県の銚子岬を越えました。雨が降っている様子もなく揺れもありません。夜中に揺れると嫌なのでさっさと寝てしまうことにします。
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午前3時に伊豆半島沖を通過しました。
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午前6時過ぎに浜名湖沖を通過しました。
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朝焼けは見えそうも無かったので午前7時30分にデッキに出てみました。夜中に雨が降ったようでした。
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関東から東海にかけての線状降水帯は太平洋上には影響はありませんでした。
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遠州灘沿いに浜名湖から渥美半島の伊良湖岬まで続く表浜といわれる長大な伊古部海岸の辺りを航行しています。島崎藤村の親友の柳田國男は知り合いの画家から風光明媚な地と聞いた愛知県渥美半島の伊良湖で1ヶ月余りを過ごしました。ある日の早朝、伊良湖岬の恋路ヶ浜で、南の島から黒潮に乗って何年もかかって浜辺に打ち上げられている椰子の実に遭遇しました。
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帰京してその感動を島崎藤村に話した所、心を動かされた藤村は椰子の実の漂流の旅に故郷を離れて居を転々としてさまよう漂泊の詩人である自らの憂いを重ね、抒情詩「椰子の実」を書いています。
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赤い灯台は赤羽根港東防波堤灯台なので伊良湖岬はもうすぐです。沖合の波は穏やかですが、海岸線や防波堤には高い波が見えます。
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井本ラインの「ひよどり」という貨物船を追い抜きました。一見変な形をしていますが、後方にある操舵室が高い場所にあるのは、そこまでコンテナが積み込めるという事です。後ろにも積めるので、積載の20%くらいで航行している姿です。
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伊勢湾に向かって航路を変えます。
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渥美半島は全体的に太平洋側が洪積台地となって高く、三河湾に向かって低くなる地形となっているのが良く分かります。
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名古屋に向かってどんどん天気が良くなってきます。この後の名木屋では3日間の予定があるので、天気が良いのはありがたいです。
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伊勢湾方面は晴れ渡っています。
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伊良湖岬の灯台と伊勢湾海上交通センターが見えます。
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雲が低く垂れこめて幻想的な雰囲気です。
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紀伊半島との間には三島由紀夫の小説「潮騒」の舞台となったことで知られる神島があります。これについては船内放送で知りました。
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5回の映画化ではロケ地になり、映画のクライマックスシーンにも描かれた「監的哨跡」は、戦時中に旧陸軍が伊良湖から撃つ大砲の試着弾を目視して確認するための施設だったそうです。
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神島と伊良湖岬の間にある伊良湖水道は「阿波の鳴門か音戸の瀬戸か伊良湖度合が恐ろしい」と船頭歌に歌われ、日本の三海門の1つで昔から海の難所だったそうです。
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そんなところでも漁船が漁をしていました。
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伊勢湾フェリーが見えないかと思いましたが、朝早いので見えませんでした。
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妻の準備が出来たので最後の食事に向かいます。今回のフェリー乗り比べでは4泊で10回食事をしました。それも最後だと思うとちょっと寂しい気もしますし、さすがに飽きてきました。
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お昼は名古屋で味噌カツの予定なので、気持ち少なめにするつもりでしたが。仙台の笹かまも食べ納めですし、なめ茸も。
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今日も1日長いのでしっかり食べておかないといけません。天気予報によると名古屋は晴れで、気温が33℃ということです。
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一度部屋に戻って荷造りを済ませます。
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そうこうしていると午前9時を過ぎたのでデッキに出てみます。右舷側にはセントレア空港が見えてきました。往路では夜だったので見えませんでした。この変な形の貨物機はボーイング747LCFという機種で、大型貨物を搭載する機体で愛称は「DREAM LIFTER」といいます。セントレアからボーイング787の大型部品をシアトルまで運んでいます。
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セントレアでしか見ることのできない貨物機を見ることが出来てテンションが上がりました。セントレア空港では離発着する機体を見ることは出来ませんでした。
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モスタイプLNG船 「GRAND MEREYA」で、ファンネルマークはサハリン (樺太) の地形が描かれています。ロシアのサハリンからのLNG輸送を行っています。仙台港で見たタイプとは違う球形タンク方式の液化天然ガスを運搬する船です。
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伊勢湾は波も無く静まり返り、空の美しさが映えます。線状降水帯のせいで名古屋の天気は諦めていましたし、前日の仙台停泊時に木曽川の鵜飼の会社から予約していたこの日の鵜飼が中止になったと連絡がありました。
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四日市のコスモ石油の四日市精油所が見えてきました。
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「いしかり」は鏡のような海面を進んでいきます。
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伊勢湾の奥になるにつれて貨物船などの数が多くなってきます。
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タグボートの行き来も多いです。
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そしてナガシマスパーランドが見えてきました。走路全長2,479メートルの世界最長のスチールドラゴン2020が見えます。観覧車よりも高い最高部97メートルから一気に下るそうです。
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井本ラインの貨物船の向こうにガントリークレーンが並んでいます。
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紀伊半島方面には雲がかかっていますが、伊勢湾から名古屋は晴れています。
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愛知県側は火力発電所や製油所が並ぶ一大工業地帯です。
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名古屋港からの水の流れとフェリーの航跡波が一直線になっていて面白かったです。
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ガントリークレーンが全部頭をあげてキリンのように見えます。
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巨大なキリンに迎えられての名古屋港入港です。
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名古屋港海上交通センターの向こうに「名港トリトン」の3つの橋のうちの「名港中央大橋」が見えます。
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黒崎播磨 名古屋マッド工場はすごい迫力です。
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子供の頃に描いた日本の工場の典型のような姿です。
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「名港西大橋」が見えてきました。ここまで来るとクルーズの終わりを感じます。
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橋の下を潜り抜けます。
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煙突と橋の間は2メートルあるのですが、下から見上げるとすれすれのように見えます。
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橋の右側にはレゴランドも見えます。
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無事にフェリーターミナルに到着しました。
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着岸前にはウミネコが寄ってきますが、名古屋港ではウミウも来て、潜って魚を獲っていました。今晩の鵜飼は中止になったのでこれで我慢かと思いました。
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懐かしい名古屋港フェリーターミナルの建物が見えました。
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最後の索発射銃の用意が始まりました。
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ドン!という音と共に6泊7日の「大平洋フェリー創立50周年3船乗り比べツアー」が終わりました。
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お疲れさまでした。
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ボーディング・ブリッジを歩きながら「いしかり」とお別れです。
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フェリーターミナルで絵葉書を3枚投函してミッション終了です。
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1週間前にお世話になった大平洋フェリーのカウンターは湯型の手続き開始まで誰もいません。
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フェリーふ頭から名古屋駅のバスターミナルへ戻る往路のようなバスは無いので、最寄りの野跡(のせき)駅までバスで移動します。バスは到着に合わせて午前10時45分と11時32分しかありません。混雑していなければ10時45分のバスに十分間に合います。
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バスに乗ると鵜飼の会社から電話があり、翌日も増水のために鵜飼は催行されず、明後日なら営業できるかもしれないという事で、2日ずらして予約を入れました。結果的には台風5号にも合わず、低気圧の影響も無くておおむね天候にも恵まれた旅でした。この後は怒涛の名古屋とその周辺の旅が始まります。
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2021/07/06~
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旅行記グループ 2021 大平洋フェリー50周年3船乗り比べの旅
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