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令和3年5月末、広島県の尾道市を訪れた。<br />以前から西願寺という寺院へ行ってみたいと考えていた。<br />西願寺は故・大林宣彦氏がメガホンをとった青春映画『さびしんぼう』(1985年公開)のロケ地として有名である。映画のラスト近くで主演の尾美としのりと富田靖子がこの寺の階段に腰掛けて心を通じ合わせるシーンには、何度観ても泣かされたものである。<br />今回の旅でその階段を実際に目にすると、熱くこみ上げるものがあった。<br />西願寺の建物や裏手にある墓地はやや荒廃している。映画のロケが行われた墓地(尾美としのりと故・浦辺粂子がやり取りする印象的なシーンがあったような記憶)とは別のようだ。※<br />(2021.06.08作成開始)<br /><br />※ この旅行記を書いた後に何十年ぶりかで映画『さびしんぼう』を視聴した。映画に登場する墓地は西願寺の墓地とみて良いようだ。

尾道ノスタルジック紀行~映画『さびしんぼう』のロケ地・西願寺ほか~

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2021/05/27 - 2021/05/28

97位(同エリア1140件中)

さっとん姉

さっとん姉さん

この旅行記スケジュールを元に

令和3年5月末、広島県の尾道市を訪れた。
以前から西願寺という寺院へ行ってみたいと考えていた。
西願寺は故・大林宣彦氏がメガホンをとった青春映画『さびしんぼう』(1985年公開)のロケ地として有名である。映画のラスト近くで主演の尾美としのりと富田靖子がこの寺の階段に腰掛けて心を通じ合わせるシーンには、何度観ても泣かされたものである。
今回の旅でその階段を実際に目にすると、熱くこみ上げるものがあった。
西願寺の建物や裏手にある墓地はやや荒廃している。映画のロケが行われた墓地(尾美としのりと故・浦辺粂子がやり取りする印象的なシーンがあったような記憶)とは別のようだ。※
(2021.06.08作成開始)

※ この旅行記を書いた後に何十年ぶりかで映画『さびしんぼう』を視聴した。映画に登場する墓地は西願寺の墓地とみて良いようだ。

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  • 令和3年5月末、JRの列車で尾道駅に到着した。

    令和3年5月末、JRの列車で尾道駅に到着した。

    尾道駅

  • 改札は海側の1箇所のみ。改札を出てすぐ右手の駅ナカに観光案内所があり、尾道の観光案内の地図やパンフレットを無料で貰える。

    改札は海側の1箇所のみ。改札を出てすぐ右手の駅ナカに観光案内所があり、尾道の観光案内の地図やパンフレットを無料で貰える。

    尾道駅観光案内所 名所・史跡

  • 改札を出てから歩いて10分足らずの線路際にあるホテルに宿泊する。

    改札を出てから歩いて10分足らずの線路際にあるホテルに宿泊する。

    ホテルアルファーワン尾道 宿・ホテル

  • 夕食の買い物のついでにアーケード商店街をぶらぶらする(写真は「尾道本通り商店街」の一番駅に近い場所)。<br />広島県下に緊急事態宣言が発令されている。それだけが理由ではないだろうが、シャッターを下ろした店舗が少なくない。

    夕食の買い物のついでにアーケード商店街をぶらぶらする(写真は「尾道本通り商店街」の一番駅に近い場所)。
    広島県下に緊急事態宣言が発令されている。それだけが理由ではないだろうが、シャッターを下ろした店舗が少なくない。

    尾道本通り商店街 市場・商店街

  • 商店街のすぐ南側の海辺に出る。向島(むかいしま)との間の狭い海峡である。奥(東側)には二つの橋(手前の新尾道大橋と奥の尾道大橋)が重なって見える。

    商店街のすぐ南側の海辺に出る。向島(むかいしま)との間の狭い海峡である。奥(東側)には二つの橋(手前の新尾道大橋と奥の尾道大橋)が重なって見える。

    尾道海峡 自然・景勝地

  • 尾道と対岸の向島とを結ぶ福本渡船の小型フェリーが出航した。

    尾道と対岸の向島とを結ぶ福本渡船の小型フェリーが出航した。

    福本渡船 乗り物

  • 翌朝。ホテルの1階にある食堂(夜は居酒屋として営業)でビュッフェ形式の朝食を取る。

    翌朝。ホテルの1階にある食堂(夜は居酒屋として営業)でビュッフェ形式の朝食を取る。

  • 09時25分に外出する。朝から晴れて良い天気である。<br />宿泊しているホテルでは無料で貸し出すための自転車が3台用意されている。その1台を借りて観光スポット巡りに出かける。<br />最初に目指すのは西願寺である。<br />ホテル近くの踏切を越えて線路脇から西北へ進む。

    09時25分に外出する。朝から晴れて良い天気である。
    宿泊しているホテルでは無料で貸し出すための自転車が3台用意されている。その1台を借りて観光スポット巡りに出かける。
    最初に目指すのは西願寺である。
    ホテル近くの踏切を越えて線路脇から西北へ進む。

  • 西願寺は昨日貰った観光地図には載っていないがGoogle Mapで位置が確認できる。国内外を問わず旅先で道に迷うことを常にしている私なのに、まったく迷うことなく出発から15分くらいで着いてしまった。少々拍子抜けする。<br />寺の下にある専用駐車場に自転車を停める。

    西願寺は昨日貰った観光地図には載っていないがGoogle Mapで位置が確認できる。国内外を問わず旅先で道に迷うことを常にしている私なのに、まったく迷うことなく出発から15分くらいで着いてしまった。少々拍子抜けする。
    寺の下にある専用駐車場に自転車を停める。

  • ちなみに西願寺の正面は写真のような急階段になっているが、階段を上がった場所から左右に勾配の緩やかな坂が続く。私はやや遠回りして寺に向かって左手の坂から上って来た。

    ちなみに西願寺の正面は写真のような急階段になっているが、階段を上がった場所から左右に勾配の緩やかな坂が続く。私はやや遠回りして寺に向かって左手の坂から上って来た。

  • なんともあっけなく映画『さびしんぼう』に登場した階段の下に到着。<br />映画のラスト近く、夜、雨の降る中でヒロキ(尾美としのり)とさびしんぼう(富田靖子)が座っていたあの階段である。

    なんともあっけなく映画『さびしんぼう』に登場した階段の下に到着。
    映画のラスト近く、夜、雨の降る中でヒロキ(尾美としのり)とさびしんぼう(富田靖子)が座っていたあの階段である。

    西願寺 寺・神社・教会

  • 寺の入口には見学していいとも悪いとも表示されていないので、迷惑をかけないことに留意しつつ境内を見学する(写真は本堂)。

    寺の入口には見学していいとも悪いとも表示されていないので、迷惑をかけないことに留意しつつ境内を見学する(写真は本堂)。

  • 鐘楼の奥から本堂の方向を眺める。植栽の生え方はかなり異なっているようだが、36年前の映画に登場したシーンと同じである。

    鐘楼の奥から本堂の方向を眺める。植栽の生え方はかなり異なっているようだが、36年前の映画に登場したシーンと同じである。

  • 裏山にある墓地へ行ってみる。手入れが行き届かないのだろう。やや荒廃している印象である。<br />映画には、寺の墓地で主人公ヒロキ(尾美としのり)と祖母フキ(故・浦辺粂子)やさびしんぼうとのやり取りが印象的なシーンが登場する。

    裏山にある墓地へ行ってみる。手入れが行き届かないのだろう。やや荒廃している印象である。
    映画には、寺の墓地で主人公ヒロキ(尾美としのり)と祖母フキ(故・浦辺粂子)やさびしんぼうとのやり取りが印象的なシーンが登場する。

  • 墓地の中央の通路沿いに目立つ墓がある。<br />薩谷和夫(さつや かずお、1935~1993)氏の墓である。

    墓地の中央の通路沿いに目立つ墓がある。
    薩谷和夫(さつや かずお、1935~1993)氏の墓である。

  • 薩谷氏は著名な映画美術監督。『さびしんぼう』のほか、大林宣彦氏の監督作品の美術を数多く手がけている。<br />大林氏の直筆で「尾道と映画とさっちゃんはよく似合う」と記されたプレートが添えられている。

    薩谷氏は著名な映画美術監督。『さびしんぼう』のほか、大林宣彦氏の監督作品の美術を数多く手がけている。
    大林氏の直筆で「尾道と映画とさっちゃんはよく似合う」と記されたプレートが添えられている。

  • 西願寺の墓地から眺める尾道の市街と尾道水道。<br />『さびしんぼう』にも登場する風景である。

    西願寺の墓地から眺める尾道の市街と尾道水道。
    『さびしんぼう』にも登場する風景である。

  • 名残惜しいが西願寺を後にする。ここを訪れたいとの永年の希望が叶えられ大満足な私。

    名残惜しいが西願寺を後にする。ここを訪れたいとの永年の希望が叶えられ大満足な私。

  • 来た時とは反対側の寺に続く坂の途中。映画の中では、主人公ヒロキと橘百合子がこの場所で遭遇する重要なシーンがあるのだが、映画の中の風景と実際に目にするこの場所の風景はかなり違って見える。

    来た時とは反対側の寺に続く坂の途中。映画の中では、主人公ヒロキと橘百合子がこの場所で遭遇する重要なシーンがあるのだが、映画の中の風景と実際に目にするこの場所の風景はかなり違って見える。

  • (写真はやや離れた場所から見上げた西願寺)<br />この後訪れたいと強く思うスポットは特になかった。西願寺から見えた大きな建物を探してみた。

    (写真はやや離れた場所から見上げた西願寺)
    この後訪れたいと強く思うスポットは特になかった。西願寺から見えた大きな建物を探してみた。

  • 寺院だと思って訪れたが違うようである。尾道の谷の奥にこれほど立派な屋敷が建っているのは驚きである。

    寺院だと思って訪れたが違うようである。尾道の谷の奥にこれほど立派な屋敷が建っているのは驚きである。

  • 線路沿いの道へ戻る。途中の街角で立派な石燈籠を見かけた。「明治八年」と刻まれている。

    線路沿いの道へ戻る。途中の街角で立派な石燈籠を見かけた。「明治八年」と刻まれている。

  • 駅手前の大きな通りを山側に入り、観光地図に載っている済法寺という寺院(曹洞宗)を訪れる。

    駅手前の大きな通りを山側に入り、観光地図に載っている済法寺という寺院(曹洞宗)を訪れる。

    済法寺 寺・神社・教会

  • 済法寺の本堂。済法寺は宝暦3(1753)年広島国奉寺11世笑堂の開基。<br />境内に立つ解説板によると、境内の山中の岩には釈迦や十六羅漢像など二十六尊者の石仏が刻まれている。<br />また、この寺の9世物外(もつがい)不遷は「柔術不遷流」の開祖で多くの弟子を抱え、晩年は幕末動乱の中、平和を願い奔走し旅中に果てた。武術の他にも多くの俳句や書画を残し「拳骨和尚」として親しまれている。

    済法寺の本堂。済法寺は宝暦3(1753)年広島国奉寺11世笑堂の開基。
    境内に立つ解説板によると、境内の山中の岩には釈迦や十六羅漢像など二十六尊者の石仏が刻まれている。
    また、この寺の9世物外(もつがい)不遷は「柔術不遷流」の開祖で多くの弟子を抱え、晩年は幕末動乱の中、平和を願い奔走し旅中に果てた。武術の他にも多くの俳句や書画を残し「拳骨和尚」として親しまれている。

  • 「拳骨和尚」物外不遷の墓。

    「拳骨和尚」物外不遷の墓。

  • 墓地の奥の高い場所に岩盤に彫られた仏像がある。<br />案内板がなく足場も良くないので、無理のない範囲で見学する。

    墓地の奥の高い場所に岩盤に彫られた仏像がある。
    案内板がなく足場も良くないので、無理のない範囲で見学する。

  • 私が見た中ではここが一番迫力があった。帰る前に、岩に彫られた仏様に手を合わせる。

    私が見た中ではここが一番迫力があった。帰る前に、岩に彫られた仏様に手を合わせる。

  • 自転車での移動だったので西願寺から済法寺へ行く途中や、済法寺から駅前へ戻る前にスーパーマーケットなどに寄り道をした。<br />ランチは尾道駅のすぐ近くにあるラーメン専門店へ。

    自転車での移動だったので西願寺から済法寺へ行く途中や、済法寺から駅前へ戻る前にスーパーマーケットなどに寄り道をした。
    ランチは尾道駅のすぐ近くにあるラーメン専門店へ。

    味麺 グルメ・レストラン

  • 醤油味のオーソドックスな尾道ラーメンである。<br />大昔に初めて尾道を訪れた時、故大林宣彦氏が贔屓にしていた朱華園(しゅかえん)という有名店の尾道ラーメンを食べたことがある。<br />そのときの味を思い出した。尾道を訪れたら一度試してみることをお勧めする。<br />( 現在、数多くの店で尾道ラーメンを提供している。競争が激しいゆえか、ネットではヤラセと思われるような口コミも散見される。お気をつけあれ。)

    醤油味のオーソドックスな尾道ラーメンである。
    大昔に初めて尾道を訪れた時、故大林宣彦氏が贔屓にしていた朱華園(しゅかえん)という有名店の尾道ラーメンを食べたことがある。
    そのときの味を思い出した。尾道を訪れたら一度試してみることをお勧めする。
    ( 現在、数多くの店で尾道ラーメンを提供している。競争が激しいゆえか、ネットではヤラセと思われるような口コミも散見される。お気をつけあれ。)

  • 昼食の後は海沿いをぶらぶら。昨日の夕方散歩した場所からさらに東へ進み、尾道大橋の袂まで行くことにした。<br />市役所の手前にある住吉神社。神社の横には再築された雁木(がんぎ)があり、港町尾道の住時をしのばせている。

    昼食の後は海沿いをぶらぶら。昨日の夕方散歩した場所からさらに東へ進み、尾道大橋の袂まで行くことにした。
    市役所の手前にある住吉神社。神社の横には再築された雁木(がんぎ)があり、港町尾道の住時をしのばせている。

  • 反対側から見た社殿。小さな神社だが独特の雰囲気がある。<br /><br />以下はネット情報による。<br />元文5(1740)年に尾道の町奉行に着任した平山角左衛門は翌年の寛保元(1741)年に住吉浜を築造し尾道発展の基礎を築いた。<br />その際、浄土寺(尾道の市街地の東端にある古刹)境内にあった住吉神社をこの住吉浜に移して港の守護神とした。<br />毎年旧暦の6月28日前後の土曜日、平山奉行の功績を称えるため「おのみち住吉花火まつり」が開催され、尾道の夏の風物詩になっている。

    反対側から見た社殿。小さな神社だが独特の雰囲気がある。

    以下はネット情報による。
    元文5(1740)年に尾道の町奉行に着任した平山角左衛門は翌年の寛保元(1741)年に住吉浜を築造し尾道発展の基礎を築いた。
    その際、浄土寺(尾道の市街地の東端にある古刹)境内にあった住吉神社をこの住吉浜に移して港の守護神とした。
    毎年旧暦の6月28日前後の土曜日、平山奉行の功績を称えるため「おのみち住吉花火まつり」が開催され、尾道の夏の風物詩になっている。

  • 寛政9(1797)年と刻まれている立派な石燈籠。<br />この石燈籠周辺は小津安二郎監督の名作映画『東京物語』(海外でも高く評価されている)冒頭のロケ地となっている。

    寛政9(1797)年と刻まれている立派な石燈籠。
    この石燈籠周辺は小津安二郎監督の名作映画『東京物語』(海外でも高く評価されている)冒頭のロケ地となっている。

  • さらに東へ進むと尾道水道に面した船溜まりに出た。漁港のようだ。

    さらに東へ進むと尾道水道に面した船溜まりに出た。漁港のようだ。

  • 線路と海に挟まれた車道の端を走る。

    線路と海に挟まれた車道の端を走る。

  • 二つの橋の下をくぐり、東側から尾道の市街地を眺める。このあと引き返した。

    二つの橋の下をくぐり、東側から尾道の市街地を眺める。このあと引き返した。

  • 海岸通りを駅方向へ戻り、尾道市役所の前に建つ「おのみち映画資料館」に来た(写真は資料館の前に置かれた巨大な映写機)。<br />残念ながら、緊急事態宣言発令中のため臨時休館である。<br />駅の周辺をしばらくぶらぶらした後ホテルに帰った。<br />【了】

    海岸通りを駅方向へ戻り、尾道市役所の前に建つ「おのみち映画資料館」に来た(写真は資料館の前に置かれた巨大な映写機)。
    残念ながら、緊急事態宣言発令中のため臨時休館である。
    駅の周辺をしばらくぶらぶらした後ホテルに帰った。
    【了】

    おのみち映画資料館 美術館・博物館

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