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香川県善通寺(ぜんつうじ)市は弘法大師・空海の生誕地である。真言宗善通寺派の総本山で弘法大師が創建した善通寺という大きな寺院がある。「四国巡礼八十八ヶ所霊場」の第75番札所でもある。
私がこの地を訪れるのはこれが初めてではないが、前回の訪問時の記憶はほぼ残っていない。
令和3年2月に丸亀市を再訪した折に善通寺市を訪れることにした。
(2021.03.03作成開始)
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【善通寺訪問の前日】
高松市での所要を済ませた後に丸亀市を再訪した。JR丸亀駅近くにある前回の時と同じホテルに宿泊した。丸亀駅 駅
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昼食をまだ済ませていない。ホテルに大きな荷物を預かってもらい外出。
前回の滞在時に気に入ったうどん屋さん「つづみ」に入る。つづみ グルメ・レストラン
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13時を過ぎているため空いている。
天ぷらぶっかけうどん(税込500円)を食べた。注文してから天ぷらを揚げてくれる。天ぷらを作り置きする全国チェーンの丸○製○などとは違い、天ぷらがとても美味しい。 -
食後はしばらく町をぶらぶらし、夕食の買い物も済ませる。
この写真は、うどん屋とホテルの間にあるアーケード商店街。シャッターを下ろしている店も少なくない。 -
商店街の中にある呉服屋さん。
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節句が近いため、呉服屋さんの店先には雛人形が飾られていた。
15:00過ぎにホテルに戻る。夕食は駅ナカにあるスーパーで買った刺し身やちらし寿司を食べた。 -
【善通寺を訪問】
上の写真は私が宿泊したホテルからアーケード商店街を通って「つづみ」へ行く途中のとあるホテルの表玄関の横。二頭の麒麟で何を表現したいのか不明である。 -
宿泊したホテルは2月1日から朝食の提供を再開していた。メニューはうどんのみ。税込み500円。
しかし、昨日の昼に利用した「つづみ」は何もトッピングしなければ「かけ」「ぶっかけ」どちらも300円(税込み)である。麺を中麺1.5倍にしてもプラス40円(税込み)。 -
というわけで、この日善通寺へ行く前に遅い朝食を「つづみ」でいただくことにする。この店は朝09:00から開いている。
かけうどんの天ぷら載せ、中麺。税込み540円である。この店のうどんは手打ちで腰がかなり強い。普通盛りの1.5倍を食べ終えると顎がかなり疲れた。つづみ グルメ・レストラン
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午前10:00善通寺駅に到着。丸亀駅からは20分程度だが、列車は1時間に1本の間隔。
善通寺駅 駅
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善通寺駅舎。小さいが風格がある。
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駅の近くに人目を引くポスターが何枚か貼られている。
この旅行記の表紙もその一枚である。 -
こちらのコンクリート像は行脚僧の姿をした弘法大師のようだ。
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善通寺の東に延びる赤門筋商店街にある「赤門七佛薬師」。
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右端に薬師如来像を守る犬の像が立つ。名前を「ころころ」という。
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目の前に善通寺が見えて来る。駅から平坦な道をゆっくり歩いて20~25分程度の距離である。
総本山善通寺 寺・神社・教会
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善通寺の東側の入口にある赤門。過去の訪問の際にこの門を見た記憶がない。
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上の写真は境内から眺めた赤門。
善通寺の境内は東院と西院に分かれている。東院には赤門、南大門、金堂、五重塔といった最も古い建物が建てられている。 -
こちらが南側にある南大門。善通寺のいわば正面玄関である。
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遠景。五重塔とのコントラストが写真に映える。
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東院の中心近くに建つ金堂。国の重要文化財。
本尊は薬師如来。建物は江戸初期の再建によるもの。 -
金堂の正面左側に建つ弘法大師像。子どもを抱いている像は珍しい。
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東院に建つ五重塔(五重大塔)。国の重要文化財。善通寺のシンボル。高さ43メートルは日本で3番目の高さである。
空海が創建したのち、焼失したものを再建。現在の塔は明治35(1902)年に完成。 -
東院の境内に楠の大木「大楠」が二本ある。南大門に近い方(上の写真)は弘法大師が生まれた頃にはすでに生い茂っていたと伝えられる。
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大楠の前にはお遍路さんの顔出しパネルが設置されている。
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東院の境内の隅に建つ「足利尊氏利生塔」。解説板の類は見当たらない。
気になって調べてみた。善通寺のwebには次の解説が載っている。
「足利尊氏・直義が、暦応元年(1338)、南北朝の戦乱犠牲者の菩薩を弔い国家安泰を祈念し、国ごとに一寺・一塔の建立を命じたことに由来する多層塔。」
讃岐国に関しては、ここ善通寺が利生塔の設置場所に選ばれたということなのであろう。 -
東院の境内には「法然上人逆修之塔」もある。これも解説板はない。
善通寺市のwebには次のような解説がある。
「逆修とは生きている内にあらかじめ仏事を修め自らの死後の冥福を祈ることで、法然上人が善通寺に詣でた時に、参拝者の後世の往生を祈って建立されたと伝えられています。」 -
東院に建つ「佐伯祖廟」。弘法大師の父君である地元の豪族・佐伯善通(よしみち)卿「佐伯明神」と母君・玉寄御前「玉寄明神」を祀っている祠。善通寺は父君の名に由来する。
もとは善通寺の南西に位置する香色山のふもとにあった小高い丘(今は駐車場になっているようだ)の上に「佐伯八幡宮」として祀られていたとのこと。 -
道路で隔てられた西側の西院へ向かう。上の写真は西院の正門に当たる「仁王門」。
門の正面左右には金剛力士像(仁王)が立ち、西側には大草履が奉安されている。現在の建物は明治22(1889)年の再建だが、金剛力士像は南北朝時代の応安3(1370)年に製作されたものとのこと。 -
西院の中心部に建つ御影(みえ)堂。大師堂とも呼ばれ、空海の両親の館跡に建てられている。その館で空海が産まれたという。
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西院の境内にある建物で私が最も興味を引かれたのがミャンマー(ビルマ)の仏塔そっくりのこの黄色の塔である。
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塔の前にある石板には「ビルマ戦没者慰霊塔」と記されている。納得する。
善通寺のwebではこの塔を「パゴダ供養塔」と呼び、次のような解説を載せている。
「太平洋戦争中にビルマ戦線で亡くなられた全国18万有余の方々、また、ビルマ国独立のために戦死した人々、イギリス・インド軍の戦士の霊を合祀しています。昭和45年(1970)8月15日建立。」
「パゴダ」(ミャンマー語では「パヤー」)は仏塔、仏塔のある寺院という意味なので、「ビルマ戦没者慰霊塔」と呼ぶ方が良いかもしれない。 -
西院の目立たない場所に塔婆の形にも見える大きな柱が立っている。五輪塔の一種であろうか。
変な連想だが、約1年前にミャンマーの地方都市ロイコーで見た少数民族の祭祀用の巨大な柱を思い出した。 -
途中で休憩を取りながら、約2時間かけて善通寺の境内をゆっくり見学した。
駅へ戻る途中で道路沿いにあるうどん店に立ち寄った。ちょうど昼時である。土曜日だが地元の客が多く利用していた。 -
釜揚げうどんの一番小さいサイズ(税込み320円)と、ちくわ天(100円)を食べた。
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立ち寄ったうどん屋の道路をはさんだ反対側に四国学院大学のキャンパスがある。
食事の後は駅へ向かい、丸亀へ戻った。 この日は天気が良く2月にしては暖かい陽気であったが、善通寺以外の観光スポットはかなり距離が離れている。電車と徒歩での移動しかできない私には訪れるのが困難であった。 -
15時までに丸亀市のホテルに戻った(部屋から見える丸亀城)。しばらく休憩した後、丸亀の町をぶらぶらした。
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海の方角にある大型スーパーの手前で派手な色をした門を見つけた。私の中で何かがビビビッと反応した。
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真言宗御室(おむろ)派の遍照寺という寺院である。
門前には「海援隊解散の地」と刻まれた石柱が立っている。
webの情報によると
正式名は百光山宝厳院遍照寺
本尊は阿弥陀如来
77番札所道隆寺の宝厳和尚が正徳4年(1714年)に開いたお寺
道隆寺歴代の隠居寺となる
丸亀藩主の京極家の祈祷寺
明治36年(1903年)に本堂を鶏鳴学館の学舎として使う
https://kaxtukei.com/marugame-henjyojiより -
境内に入ると詳細な解説板があった。幕末の戊辰戦争の最中に海援隊の本部がこの寺に置かれ、この場所で土佐藩からの解散命令を受けたようだ。
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遍照寺の本堂。かつて海援隊の本部があった位置に建てられたとのこと。
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宿泊したホテルとうどん屋「つづみ」との間に立っている遍路道の標識。善通寺市と丸亀市には「四国巡礼八十八ヶ所霊場」の札所が多数ある。
【了】
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