都城で角野卓造さんのサイン色紙を発見～満開の桜を愛でつつ自転車でぶらり～

2021/03/24 - 2021/03/25

令和3年3月下旬、宮崎県南部にある都城市を訪れた。折しも桜が満開である。宿泊したホテルで借りた自転車に跨り都城市の中心部にあるスポットをぶらりと回った。
（2021.04.17作成開始）

エリア 都城(宮崎)

【一日目】
宮崎駅から乗った列車は正午過ぎにJR都城駅に到着した。駅ナカの観光案内所で都城市の地図を入手する。

都城駅 駅

駅から近いホテルで手続きを済ませて部屋に入れる時刻まで外出する。

ホテルアルファーワン都城 宿・ホテル

駅近くにあるラーメン店でランチ。この店の外観は中華料理屋風だがラーメンと餃子など少ない種類の食べ物しか提供していない。

千里十里 グルメ・レストラン

普通サイズのラーメンを注文する（メニューでは「ラーメン中」）。
あっさり味のとんこつラーメンに鳥の油が入っているようだ。
デフォルトで胡椒がたくさんかかっていた。周りの人を見ると、さらに胡椒を追加してかけている人もいた。
博多や熊本のラーメンに比べると麺がやや柔らかい。まずくはない。
スープはかなり美味しいと思うが、胡椒で舌がややピリピリする。
それでもスープを思わず全部飲み干してしまう。熊本、宮崎、鹿児島などのとんこつラーメンのスープはかなりこってりしているが、ここはそうではない。ある種個性的なラーメンである。あっさりしているが、また食べたくなる。

会計の時、お店の人に声をかけて壁にかかっていた角野卓造さんのサインの写真を撮らせてもらった。
（角野さんのサインがあることは事前にGoogle Mapの口コミで知っていた。）

昨年から今年にかけて旅先で利用した飲食店内で有名人のサイン色紙をしばしば見かけた。
アイドルでは乃木坂46の齋藤飛鳥さん（函館市）、俳優（女優）では国仲涼子さん（那覇市）、石田ゆり子さん（函館市？）などが記憶に残っている。

私は角野さんに関してファンというわけではないが、女性のお笑い芸人がテレビ番組で『角野卓造じゃねぇーよ！』と絶叫する十八番の芸がとても好きなのである。

ホテルに戻るにはまだ早い。少しぶらぶら歩くことにする。
駅から5分くらい歩いた先に都城市総合文化ホールが建っている。立派な施設である。

その近くに遠目でもキリスト教の教会だと分かる建物がある。外観はそこそこ綺麗だが、近くへ行ってみると閉まっている。
案内表示のようなものは何もない。比較的最近閉鎖されたようだ。後ほどネットでいろいろ調べてみたが、この建物の謂れは分からず終いである。

駅へ戻る途中、駐車場に生えている桜の大木に目を引かれる。

今まさに満開である。一瞬、疫病禍であることを忘れさせてくれる。

ホテルへ戻る前に近くのスーパーへ行き夕食の買い物をする。途中の飲食店の店先で昼寝中の猫に遭遇。

【二日目】
ホテルの食堂でビュッフェ形式の朝食。このホテルの系列は朝食ビュッフェのおかずの種類が豊富でなおかつ美味しいと思う。

前日チェックインした際、フロントの近くに停められている貸自転車のことを確認していた。
カードに記入して観光用に今日の昼間借りることにする。料金は無料である。

09時50分出発。晴れて気温も比較的高い。風がほとんどなく快適である。

昨日前を通った都城市総合文化ホールの裏手の駐車場の隅に旧制の「都城中学校跡」の記念碑がある。

神柱（かんばしら）公園の中を通る。

神柱公園 公園・植物園

神柱宮の鳥居。目的地とは逆方向にある神柱宮には後ほど参拝することにする。

西都城駅へ向かう途中に目についた浄土真宗の攝護寺。楼門が立派である。

境内の桜。

西都城駅が見えて来た。この駅の手前が都城市の市街の中心のようである。
私が宿泊したホテルがある都城駅周辺は市街地の外れにあり、飲食店も少なく大手のコンビニもかなり離れた場所にある。

西都城駅 駅

西都城駅前の広場。傍らの解説板によると、昭和48（1973）年に宮崎県で開催された植樹祭に際して昭和天皇のお召し列車をつとめた蒸気機関車C57117に使われていたもの。

駅構内の展示コーナー。近世の都城は島津家の分家が統治していたが、その家紋は鹿児島の島津本家と僅かに異なり、丸と十字の間に隙間がある。

西都城駅から都城歴史資料館へ向かう途中で大淀川に架かる橋のたもとに醤油と味噌の工場があった。
都城は醸造業が盛んな土地のようである。芋焼酎の生産量は県内随一であると何かで読んだ記憶がある。

大淀川の川岸。この辺りは家も少なく長閑な雰囲気である。

10時50分、都城歴史資料館のある城山公園に着いた。写真奥の丘を中心に近世の都城島津氏の居城があった。

丘の麓に建つ財部彪（たからべたけし）の銅像。
都城市出身の軍人、政治家。日清戦争、日露戦争での活躍が知られている。

平成6年に建設された城山大手門。
実際にこの場所にこのような門があったわけではないようだ。

門を潜り少し先へ歩いて行く。左へ曲がり都城歴史資料館が建つ城山へ向かう。

写真の右側が城の中心である本丸。左側の西城と呼ばれる郭には現在神社が建っている。
両者の間はこのように深い空堀となっている。
堀に枝がかかる満開の桜が美しい。

西城に建つ狭野（さの）神社。

南北走る空堀は現在は南側で日豊本線の線路に遮られている。長閑な雰囲気に微笑ましくなる。

平成初めの発掘調査の結果、都城の縄張りは線路の南側にも広がっていたことが明らかになっている。
縄張りの全体は、現在よく残っている本丸と西城を合わせた面積の数倍以上に相当する。

歴史資料館がある本丸跡へ向かう。

本丸の入口は鉄壁の防御施設・虎口になっていた。

本丸跡。かなり広い。
写真は門が建っていた場所。

近世の城郭をイメージして建てられた都城歴史資料館の建物。
実際にこのような建物があったわけではない。

資料館の中を1時間近くかけてのんびり見学する。

都城歴史資料館 美術館・博物館

資料館が建つ城山は元々都城（みやこのじょう）という中世城郭で都城島津（北郷）家第2代の北郷（ほんごう）義久によって永和元（1375）年に築城されたといわれている。
これ以降、北郷家はこの城を拠点として都城盆地をほぼ統一し、元和元（1615）年の一国一城令によって廃城になるまで居城として使用された。都城市の名はこの城の名称に由来するものである。

本丸は昭和63（1988）年から平成2（1990）年にかけて発掘調査が実施され、当時の様子が明らかとなっている。

この後、城山の東にある都城島津邸へ向かう。
大淀川と線路が交差する地点から城山を眺める。

すでに12時30分を過ぎていた。道路沿いにあるチェーン店のうどん屋でランチにする。

都城市役所前を通りかかった時このような解説板が立っていた。

都城は江戸時代になっても鹿児島藩の私領として都城島津家が治め、約4万石という藩内最大の私領として繁栄した。
都城が一国一城令によって廃城となった後、現在の市役所がある一帯に都城島津氏の領主館が建てられていた。
しばらく探して見たが、その痕跡といえるものはこの解説板だけである。

13時30分を過ぎた頃、都城島津邸に到着。
敷地内の本宅は国登録有形文化財。明治12（1879）年に建設された旧邸を昭和10（1935）年11月の陸軍大演習にあわせ改築したもの。
昭和47（1972）年にも大改築を行い、その翌年の全国植樹祭に宮崎県に来た昭和天皇皇后が宿泊した。

都城島津邸 美術館・博物館

国登録有形文化財の「御門」。昭和10（1935）年の陸軍大演習時に新築されたもの。

敷地内には都城島津家から寄贈された約1万点の資料を収蔵展示する都城島津伝承館が平成22年に竣工した。こちらは見学しなかった。

観覧料を払い本宅の内部を見学した。撮影は自由である。
昭和48（1973）年に昭和天皇皇后両陛下が宿泊した寝室がそのまま残されている。

晩餐に当てられた部屋。メニューも展示されている。

本宅の裏側にある金属製の螺旋階段は天皇夫妻の宿泊に際して警護の必要のために設置されたとのこと。

テレビ番組で取り上げられた「開かずの金庫」。

建物の前の日本庭園は誰でも見学できる。

国登録有形文化財「石倉」。昭和5（1930）年築の米倉。現在は休憩スペースとなっており、喫茶コーナーが営業している。

都城島津邸を出て朝通った神柱宮の鳥居まで戻って来た。

神柱宮を参拝する。主神は天照皇大神と豊受姫大神である。
間もなく創建から1000年を迎えるとのこと。

神柱宮 寺・神社・教会

境内の隅に展示されている旧日本海軍が使用していた魚雷。傍の碑を見ると大正末期にここに設置されたようだ。

都城にはアジア太平洋戦争末期に特攻隊の飛行場があり、そこから出撃した特攻機もあった。戦争と関わりの深い土地なのである。

この後ホテルへ戻り、貸自転車ての観光を終えた。
【了】