2019/01/16 - 2019/01/19
682位(同エリア1074件中)
三峯霧美さん
旅の三日目の午後は、西国三十三観音霊場の長谷寺へ。
大きなお寺なので、ゆっくりと一回りしていきます。
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12:50 参道の有料駐車場に車を止めて、まずは腹ごしらえ。
雲が多く日差しがなく、お腹が空いていると寒さが身に染みます。 -
やっぱり、アツアツの汁麺でも食べたいな。
というわけで 田中屋支店 -
和風モダンな店内です。
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にゅうめんのセットを注文、にゅうめんは関東じゃ扱ってる店はほとんどない、奈良っぽくていいな。
ま、そこそこ観光地値段で、お味の方は可もなく不可もなく。
(写真 ぼけまくり) -
13:20 長谷寺 豊山 神樂院 長谷寺
創建は奈良時代、正確な時期や由緒は不明です。
寺伝によれば、686年に道明上人が天武天皇の菩提を弔うために初瀬山の西の丘に三重塔を建立。
727年に僧の徳道上人が東の丘に本尊の十一面観音像を祀り開山したのだそうです。長谷寺 寺・神社・教会
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847年に定額寺になり、この時期に官寺に認定されたとみられます。
平安時代以降、観音霊場として信仰を集め、16世紀に新義真言宗の寺院となり、秀吉の根来寺襲撃でお寺を追われた僧が入山して、真言宗豊山派となりました。 -
右手に 普門院 不動堂
御本尊の不動明王坐像は大神神社の神宮寺だった平等寺にあったもので、明治の神仏分離で長岳寺を経て普門院に移されました。
平等寺は近年復興して、明日行く予定です。 -
石段を上って受付で室生寺で購入した共通拝観券で入山しました。
仁王門
1894年の再建 楼上に釈迦三尊と羅漢像が安置されているそうですよ。長谷寺 仁王門 名所・史跡
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門をくぐると、長谷寺の有名な登廊が上まで続いています。399段だって。
石段は緩いので、それほど辛くない。
登廊には建立にまつわるお話があります。
奈良春日大社の社司が息子の病気の平癒を祈願したところ、烏がやってきて、仏前にささげた榊を咥えて飛び去って行きました。 -
息子の病気は医者も匙を投げるほどだったのですが、烏がやってきて息子の足の腫物をつついて白い蛇を引き出し、その蛇をくわえて飛び去ると、ほどなくして病が癒えたたのです。
父は喜んでその十年後に長谷寺に登廊を建立し、百人の僧で供養の儀式を行ったそうです。長谷寺 登廊 寺・神社・教会
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歓喜院
長谷寺六坊の一つ 子弟教育のための昭和寮が併設されています。 -
奥の院に続く道
石垣と石段が幾何学模様で面白い。 -
宗宝蔵
長谷寺六坊の清浄院跡に建つ宝物館、春と秋に公開されます。 -
現在の下登廊と中登廊は明治に再建、蔵王堂と上登廊は本堂と同じ1650年に再建されたものです。
あれ、日が差してきたよ。 -
登廊の両側に、笠をかぶった冬牡丹が植えてあり、あでやかな花を咲かせています。
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残念ながら、咲き終わった牡丹が多かったです。
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下の登廊を登り切ると繋屋に手水があり、右に折れて中登廊がつづきます。
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下登廊の正面は開山堂に続く石段。
その左手にちっちゃな石段がある、行ってみよう。 -
左手にあったのは 三部権現社
1666年鎮守として根来寺から勧請、1672年に九社明神を勧請
なんだかたくさんの鎮守の神様が祀られているみたいです。 -
中登廊 ここはちょっと急な石段です。
撮影しながら歩いているので、後から来た人にどんどん追い抜かされます。 -
下登廊がよく見える。
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中登廊と上登廊のつなぎ目にあるのが蔵王堂
蔵王権現を祀ります。
吉野山から三体の蔵王権現が虹を歩いてやってきたのだそうです。 -
蔵王堂の外に紀貫之故里の梅と歌碑
右手の小さな祠は「縁結びの社」
西行法師と妻の尼僧が再開した場所なんだそうです。 -
三百余社 1650年に造られました。
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右手に三社
馬頭夫人宮、八幡社、住吉宮 -
上登廊は登りきると鐘楼と接続しています。
鐘楼の鐘は「尾上の鐘」(未来鐘)と呼ばれ、昔、京都から毎月長谷寺にお参りに来ていた男が、出世したら大きな鐘を奉納するといい、それを聞いた人たちは彼を「未来男」と呼び、馬鹿にしていました。 -
男は出世して約束通り大きな鐘を奉納したので、人々は驚き、その鐘を「未来鐘」と呼ぶようになったそうです。
残念ながら未来鐘は火事で焼けてしまいましたが、現在の鐘も未来鐘と呼ばれ続けています。 -
13:47 鐘楼の左手に本堂の入り口。
西国三十三所観音霊場巡礼は徳道上人が霊場を定めたと伝わり、長谷寺は発祥の聖地なのです。 -
本堂は正堂、相の間、礼堂が一つになった大きなお堂で、徳川家光の寄進により、1650年に再建されたものです。
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大きな観音様を見上げるようにお参りします。
春と秋には特別拝観が行われ、本堂に入って観音様の足に触れ、ご縁を結ぶことができます。長谷寺 本堂(舞台) 寺・神社・教会
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ご本尊の十一面観音立像には伝説があります。
近くの川に流れ着いた巨木は祟り呼び、徳道上人が観音菩薩像に造り替えて祀ったというもので、それが長谷寺の開山の由緒です。 -
現在の本尊は1538年に再興した10mを超える大きな像で、お地蔵さまと同じよう人間界に降りて人々を救済する姿です。
鎌倉の長谷寺の観音様も同じように大きくて、同じ木で造られた兄弟仏像なんだそうです。 -
懸造りの舞台からは境内に点在するお堂と、周辺の谷が一望できます。
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まるでジオラマを見ているようで、遠近感を失って妙な感覚になるのが、面白かったです。
そうそう、黒部ダムの展望台でも同じことが起こったな~。 -
舞台の上から見る谷は周囲の山に守られて、谷を外部から遮断しているみたいです。風もなく静かすぎて、外部の音さえも遮っているように感じました。
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本堂向かい側の納経所で御朱印をいただきました。
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西国三十三所観音霊場 第8番
大悲閣
記念印は登廊 -
こちらは江戸時代の復刻御朱印
十一面観音 -
大和路秀麗八十八観音巡礼
十一面観音 -
奈良大和四寺巡礼の御朱印
慈悲佛 -
塔頭の能満院
参道にたくさんのお地蔵様がならんでいます。 -
1713年建立 ご本尊は虚空蔵菩薩(非公開)
長谷寺は 「虚空蔵求聞持法」 (あらゆる経典を暗記することができるという修行)の霊場なのに、 求聞持法堂が無かったので創建されました。 -
明治時代からは地蔵堂の「日限地蔵」で知られます。
願掛けする日を限定すると、より一層ご利益が得られるそうです。 -
お堂には不動明王も安置されています。
御朱印を待つ間に、不動明王のおみくじと目が合って、関東不動霊場巡りしてることもあり、めったに引かないおみくじを購入。
吉が出たので持ち帰りました。 -
御朱印を頂きました。
日限地蔵尊 -
ちょっと高い位置に休憩所があります。
本堂周辺を眺めながらの休憩ですが、休憩所に行くのに石段登りです。 -
休憩所からの本堂の眺め。
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奥に三社権現(滝蔵三社)
徳道上人が創建しました。
滝蔵権現、石蔵権現、新宮権現が並んでいます。 -
三社権現の上にあるのは稲荷社
もう、上れないので、ここからお参り。 -
愛染堂
1588年再建、愛染明王像が安置されています。 -
愛染明王の御朱印
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大黒堂
大和七福神八宝霊場の一つ。
弘法大師作という大黒天がまつられています。
石造りの打ち出の小槌と福袋に触って福徳円満のご利益を持ち帰りましょ。 -
大和七福八宝めぐり
大黒天 -
大黒堂側の本堂にはお地蔵様がまつられています。
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五重塔の方へ進んでいくと
弘法大師御影堂
弘法大師の1150年御遠忌を記念して1984年に建立 -
お堂は新しいけど、この石仏は古そう。
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本長谷寺
道明上人が精舎を造営した場所です。
天武天皇の病気平癒を願い 銅板法華説相図を作って本尊としてまつりました。
お堂にあるのはレプリカのようですね。キンピカだもん。 -
銅板法華説相図は「千仏多宝仏塔」ともいい、お釈迦様が説法していたところに、地中から巨大な宝塔が出現したという場面で、銅板に宝塔と仏様が浮き彫りになっています。
国宝で奈良国立博物館に寄託しています。 -
本長谷寺の上に一切経蔵 また石段っす。
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一切経蔵 ぴったりと扉が閉まっています。
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五重塔
1954年に建立されました。
1876年に落雷で焼失した三重塔の北側にあたります。長谷寺 五重塔 寺・神社・教会
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昭和の名塔と呼ばれ、赤い丹色と檜皮葺の屋根が、スラリと端正なイメージの塔です。
奥に一切経蔵 -
第二次大戦の戦没者の慰霊のために建立されました。
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三重塔跡
1876年に落雷で焼失して礎石だけが残っています。 -
谷の奥まったところに 納骨堂
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納骨堂の隣には古い石仏や墓石が並んでる、御供養されているみたい。
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14:51 奥の院
蛇羅尼堂 だらにどう
興教大師を祀る礼堂にあたります。 -
祖師堂
興教大師堂の遍額がかかっています。
真言宗中興、根来寺の開基である興教大師を祀ります -
五重塔まで戻って、石段を下りて開山堂と御守り授与所へ。
気の早い寒桜が咲いています。 -
本堂の手前に御守り授与所
お寺のオリジナルグッズやお数珠、お土産などの販売をしています。
いろいろな品物を眺めて歩くのは楽しいですね。
なにか、いいものないかな~って・・まあ、ほとんど買わないんですけどね。 -
開山堂脇の眼力不動明王
しっかりお参りしました。
きっとね、真実を見通すなんて意味だと思うんだけど、どーも「めぢから」って読むとね、え?ボリュームマスカラとアイラインだろ~って、ふふふ。 -
開山堂
徳道上人を祀るお堂です。 -
本坊に行ってみましょう。
長谷寺の境内は主要堂宇の他に、塔頭、石仏、歌碑など、たくさんあって、全部撮影できません。 -
大講堂と玄関
大きな参道は車が通れるように整備されています。 -
本坊は1911年に焼失して、大正時代に再建されたものです。
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本坊だけで、一つの大きなお寺くらいあります。
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本坊から本堂を見る。
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これで一回りしたので、せっかくだから、人も少ないし登廊を降りて行こう。
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ちょっと名残惜しく、振り返る。
次は初瀬川の対岸にある神社に向かいます。 -
與喜天満宮の裏参道から見た長谷寺。
一周して2時間弱、見どころ、お参りどころ満載でした。
旅行記も長くなったので、続きます。
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