2018/12/27 - 2019/01/06
7位(同エリア236件中)
ウェンディさん
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この旅行記のスケジュール
2019/01/02
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17時にメルズーガ村の駱駝パーキングへ。
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サハラ砂漠の駱駝散歩に出発!
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18時、サンセット・ポイントへ到着。砂漠の砂紋がクッキリと浮かび上がる夕陽タイム。
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18時半過ぎに本日のお宿のSilk Caravan Campに到着。
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夕食はキャンプスタッフ手作りのモロカン料理
-
夕食後は星空鑑賞!冬の天の川がキラキラ!
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この旅行記スケジュールを元に
2018年の年末モロッコ旅は、20歳を迎えた娘に成人のお祝いとして母からのプレゼント旅。
旅程のアレンジも娘の希望を最大限入れて、プランニングをしました。
計画時にはモロッコでのやりたいことを数限りなく挙げていた娘ですが、彼女がどうしても拘ったのは、サハラ砂漠での過ごし方。
実は娘と私はこの旅の6年前;2012年にもモロッコを旅していて、娘はその時に体験した砂漠での経験が忘れられなく、あの砂漠にもう一度行きたい。そして、あの夜空を味わいたい・・・と。
6年前の砂漠で駱駝に揺られる私たちが見上げた夜空にあったのは、Milky Way。
冬の天の川は夏の天の川に比べると星の瞬きは繊細ですが、遠い昔に輝きを放った小さな星々が地球へと届ける光はキラキラとして、星明かりを反射して輝く川砂みたいでした。
どうやら娘は冬の天の川に「銀河鉄道の夜」の一場面を重ね、あの冬の星空にもう一度会いたい・・・と思っていたようです。
12月のモロッコは雨期。
砂漠エリアの雨期は熱帯地方のように毎日降雨が続く気候ではなく、パラパラと降る程度ですが、それでもいったん大雨をもたらす雨雲がきてしまうとしばらくは降り止まない場合もあります。
天気ばかりは母の神通力をもってしてもどうしようもないところ。
運を天に任せ、駱駝の背に揺られ、砂漠へのCamel Tripに出発しました。
☆★☆2018年末-2019年始 アダルト娘と旅するモロッコ☆★☆
【1】別室連行から始まるモロッコ旅:https://4travel.jp/travelogue/11441497
【2】知られざるフェズを探して:https://4travel.jp/travelogue/11445658/
【3】青の絶景に瘴気の谷を見た:https://4travel.jp/travelogue/11459763
【4】もふもふ ネコ歩き:https://4travel.jp/travelogue/11461954
【5】黄金の野獣と・・・:https://4travel.jp/travelogue/11548820
【6】砂漠の一夜はLuxury♪:https://4travel.jp/travelogue/11556861
【7】ディープなモロッコ:https://4travel.jp/travelogue/11624159
【8】星降るサハラ:https://4travel.jp/travelogue/11626421
【9】ノマドのオンナ:https://4travel.jp/travelogue/11635130
【10】砂漠の料理教室:https://4travel.jp/travelogue/11670909
【11】真夜中のTea Time:https://4travel.jp/travelogue/11675222
☆★☆ 旅程 ☆★☆
□12/27 成田空港発22時のエミレーツ航空でモロッコへ
□12/28 カサブランカ空港着13時 モロッコ国鉄でフェズへ移動
□12/29 フェズ1日観光
□12/30 シェアチャーター車でシャウエンへ シャウエン観光
□12/31 シャウエン観光 シェアチャーター車でフェズへ
□1/1 モアイワン・アトラス山脈を越えてメルズーガ砂漠へ
■1/2 朝の砂漠散歩と化石探し
地元の暮らしを体験し、駱駝で砂漠の真ん中へ
■1/3 ノマドのお宅にホームステイ
□1/4 駱駝で砂漠を縦断し、Ziz谷へ
□1/5 エルラシディア空港9時のモロッコ国営航空でカサブランカへ
カサブランカ空港15時発のエミレーツ航空で日本へ
□1/6 成田空港着17時半
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- 同行者
- 家族旅行
- 一人あたり費用
- 25万円 - 30万円
- 交通手段
- 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
2019年1月2日の17時に娘と私が居た場所。
其処は駱駝P(パーキング)。
ここは、観光用に飼育されている駱駝たちの休憩スポットだ。 -
駱駝曳きのユーセフとハッサンに、この日から3日間お世話になる駱駝を紹介されて、まずは親睦のご挨拶。
駱駝に言葉が通じないだなんて思ったらダメ。
言葉を介しては会話はできないけれど、アイコンタクトである程度の感情は読み取れる。
駱駝が大好きな娘は早速、駱駝と話に行く。
ここで、娘が忘れてはいけないのは花粉症用の眼鏡。
実は彼女は成長してから蹄系の動物に対するアレルギーを発症し、素の状態では駱駝と接するのが難しいのだが、それでも駱駝とのふれあいが好き。
幸いアレルギーは対策をとればなんとか症状を抑えられるので、砂漠にも花粉症用の眼鏡を持参してきている。 -
挨拶が終わったら、出発の時間。
私が最初に駱駝に乗り、次に娘が駱駝にまたがる。 -
モロッコの駱駝はヒトコブラクダ。
ヒトコブラクダはその身長はそれほど高くないのだが、乗る時には瘤の上に敷いたクッションの上に跨がるので、駱駝が立ち上がる際に体勢が不安定となって少しだけ怖い。 -
でもね、
その高さにもすぐに慣れ、久しぶりの駱駝の背に最初はこわばっていた娘の顔もすぐに笑顔になった。 -
今回のモロッコ旅は、旅のシナリオで準備されているのはその粗筋だけ。
旅の中身は娘と私で旅をしながら、どんどん好きなように変えていく。
だから、予定外の行動も山ほどあったし、なんで私がそんなこと言われる羽目に陥るの!!!と絶叫したくなるような出来事もあった。
旅は初日から波瀾万丈で、カサブランカ空港ではまさかの別室送りとなり、あわや入国拒否の憂き目に・・・。
なんとか状況を説明して入国できたが、フェズに到着した夜にはもう疲労困憊。
でも、翌日からのフェズ古都さんぽでは、丸1日をかけてメディナを迷い歩き、中世貴族の屋敷を生かしたリアドに宿泊し、アラブと欧州が融合した文化を楽しんだ。皮なめし工場 (タンネリ) 文化・芸術・歴史
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Bleu Villaのシャウエンでは、退廃感漂う青い密度のある空気に圧倒されながらもネコと戯れ、フォトジェニックな青の村を散策した。
シャウエン旧市街 (メディナ) 旧市街・古い町並み
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砂漠の畔の宿はラグジュアリーなリアド。
そのテラスから眺める風景は、本当にここは砂漠なの?という感じ。リヤド マドゥ ホテル
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更にメルズーガ村ではオアシスと雨が作り出したDayet Sriji湖に砂漠の砂丘が映り込むという、砂漠らしからぬ風景まで出現した私たちの旅。
想定外の出来事も多く、旅に飽きることはない。ダイエ スリジュ湖 滝・河川・湖
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そんな旅の7日目の夕方からは、文明世界を離れ砂漠の中へと突入する。
ここから先は、しばらくはWi-Fiも通じない世界。
現代っ子の娘にWi-Fiが無い生活は大丈夫かと心配したのだが、それ余計なお世話。
Wi-Fiが通っていない事すら思い出さない程の濃密な時間がこの先では私たちを待ち受けていた。 -
時は夕方。
ゆっくりと太陽の高度が下がり、周囲の砂色が紅く変わっていく。 -
イチオシ
私たちが乗る駱駝の様子を撮ってくれているのは、駱駝曳きのユーセフ。
ユーセフは英語が話せるので、駱駝旅の通訳も兼ねている。
そして、この写真で駱駝の手綱を握っているのが、ハッサン。
ハッサンは旅のプランナーでもあるハミドの弟で、ユーセフはその友人。
砂漠の旅は、なんだか、みんながお友達のような状態だ。 -
カメラをユーセフに渡した私は胸元から予備カメラを出してきて、駱駝目線の写真を撮る。
-
イチオシ
砂漠の砂に映し出されるティーポット型のシルエット。
6年前はこのシルエットに感激したのを覚えている。 -
太陽高度が下がるにつれて、シルエットの形状が変わり、脚の長いティーポット型になっていった。
-
駱駝で砂漠を歩き出して約1時間で、本日のサンセット・ポイントに到着。
砂漠の中には、道しるべも地図も何もない。
しかし、駱駝も駱駝曳きも、砂の大海原の中から小さな目印を探し出す術を知っていて、私たちをこの場所へと導いてくれた。 -
サンセット・ポイントは砂漠の中に何カ所かあるのだが、この場所がイチオシとのこと。
あとからあとから、旅人を乗せた駱駝のキャラバンが次々と到着する。 -
駱駝から下りるのも順番に。
まずは前を歩く娘から駱駝をおりる。 -
駱駝が座るときは、先に折りたたむのは前足。
だから駱駝の背に乗っている人は、駱駝が力をかける方向とは反対側;つまり後ろ側に重心をかけ、バランスをとる。 -
時刻はサンセットにベスト・タイミングの18時20分。
落日の光が砂丘に、砂紋の陰影を強く描き出す。 -
少しだけ高い砂丘の上へと登り、夕陽を振り返る。
-
イチオシ
この日の夕方に駱駝プールを出発した時の天気が曇りがちだったので、夕陽は無理かなと半分諦めていた。
それなのに、まさかこんなにインパクトのある夕陽を見ることができるとは予想もしていなかった嬉しい誤算。
砂丘の上に残る窪みは、ついさっきつけたばかりの私の足跡。
その上をゆっくりと砂が流れ、影が覆っていく。メルズーガ大砂丘 (サハラ砂漠) 砂漠・荒野
-
遅れてやってきた旅人達も、思い思いの砂丘の上で夕陽を眺めていた。
-
お日様が地平線の向こう側に隠れてしまうと、先ほどまでオレンジ色に輝いていた砂丘は途端に色彩を失い、モノトーンな色合いへと変わる。
-
この日の宿は、砂漠のど真ん中にあるデザート・キャンプのSilk Caravan Camp。
その場所は6年前に泊った砂漠のツーリスト・キャンプとは異なる場所だ。
今回の旅で砂漠でのキャンプ地としてSilk Caravan Camp(シルク キャラバン キャンプ)を選んだ理由は、宿泊する客層。
以前に宿泊したキャンプはメルズーガでも有名なDesert Hotelの“Auberge de Sud”付属のキャンプ場で、近年では様々なメディアで取り上げられ、有名になりすぎた故にその客層は大陸系が多くなっているとのことだった。
できれば砂漠の夜は砂の流れる音を聞きながら静かに眠りたい・・・と思っていたので、夜中まで騒ぐようなグループとはあまり一緒ではない方が嬉しいかな・・・と言うことで、旅のプランナーのハミドと京子さんに相談したら、Silk Caravan Campを勧めてくれた。 -
イチオシ
そして、到着したSilk Caravan Campは、その期待を裏切らないオトナのためのキャンプ場。
約1時間半の駱駝散歩を経て辿り着いた私達を迎えてくれたのは、落ち着いた佇まいの門と優しい光を放つ繊細な装飾のモロカンランプ。
なかなか素敵でしょ? -
到着したら、まずはWelcomeTeaでのおもてなし。
日本では砂糖がたっぷりと入った紅茶なんてまず飲まないのだが、モロッコにいるとミントと砂糖がたっぷりと入ったモロカン・ティが美味しい。
コレもモロッコの砂漠が旅人にかける魔法の1つなのだろうか。 -
お茶を飲んで一息ついたら、一晩を過ごすテント部屋へと案内して貰う。
Silk Caravan Campの部屋数は全部で10室程度。
こじんまりとしたキャンプなのだが、自室のテントの入口をくぐってビックリ。
6年前に滞在したツーリスト・キャンプでは、明かりのないテントの中に厚い絨毯が1枚だけ敷かれ、その上に直接しけった煎餅布団が置いてあり、寝ていると布団の下から砂漠の砂の冷たさがじんわりと伝わってくる、ある意味、本当の意味のキャンプだったのだが・・・、
今回のSilk Caravan Campは全然違う。
自家発電の電気がきていて、寝具はベッド式。
お布団もふかふかできちんと太陽の光で干してある感じだった。 -
部屋のライトだって、よく見るとモロカン・ランプで、女子受け間違いなし!
-
6年前のキャンプでお世話になったツーリストキャンプの室内の様子がこちらの写真。
砂漠の砂の上に絨毯が1枚だけ敷かれ、その上に布団。
壁の隙間は一晩中、自動換気システムとなっていたワイルドなテント!
旅行記〔サハラ砂漠の真ん中で年越しパーティ〕http://4travel.jp/travelogue/10740982 -
今回宿泊したSilk Caravan Campで更に驚いたのは、各部屋に洗面所とシャワーブース、それに水洗トイレがあるって事。
シャワーは温水。
砂漠でシャワーができるだなんて全く予想もしていなかっただけに、ビックリした。
砂漠のキャンプ場は、6年前より遙かに快適になっているようだった。
でもね、快適さを追求する設備の中で気になる点もあった。
それは、シャワーや水洗トイレの排水って何処に流れているのかということ。
この件については食事の後にキャンプのスタッフに聞いてみたのだが「ソレは秘密だよ」とはぐらかされてしまった。
多分、推測なのだが、砂漠の中に深い穴を掘って垂れ流しに近い状態なのではないかと思う。
個人的な意見として言わせて貰えば、旅人は砂漠の中に文明的な生活を求めているわけではなく自然そのものを味わいに来ている。
トイレはある程度は仕方がないにしても、シャワーはここでは必要ない。
モロッコのような乾燥気候では3日位シャワーがなくても平気だし、砂漠の民は汲んできた水で布を濡らし体を拭いて清拭している。
私達だって、ソレで十分だと思うのだけれど・・・ね。 -
夕食は食堂用テントで。
この日の宿泊者はオーストラリア人のご家族と、フランス人のグループと私達。
とてもこじんまりとしたアットホームな雰囲気だった。 -
ディナーは、ハリラ・スープ、モロカン・サラダ、串焼き、挽肉のタジンと私達の好きなモノばかり。
そして、食後はモロッコの伝統楽器の演奏会があるとのことだったが、私達は演奏会が始まる前に抜け出して、自室のテントに戻り準備開始! -
私はカメラにレリーズをつけ、ピント調整。
娘は持っている服を何枚も重ね着して寒さ対策。
そして、テントを出て、小さなヘッドランプの明かりを頼りにキャンプとは反対の暗がりの中へと歩き出した。 -
そう、
私達が冬の砂漠へと来たのは、光害溢れる日本の夜空では見ることが難しい、繊細な光の河;冬の天の川を見るため。
冬の天の川は夏に比べたら星数も明るさも少ないのだが、6年前に見た闇夜の中のその輝きは忘れることのできないほど美しいモノだった。
しかし、冬のこの時期は、その天の川が見えている時間は日没後数時間だけ。
のんびりと楽器の演奏を聴いていたら、天の川は地平線の向こうへと沈んでしまう。 -
冬の空は夏に比べたら、星の数は少ない・・・と言うのが一般的だが、砂漠ではソレは通用しない。
空気の澄んだ砂漠では日本では見ることのできないような暗い星までが光を放ち、空で瞬く。
だからいつもの感覚で星を見ていると、星座を形作る星の位置すら分からなくなってしまう。
それでもゆっくりと目が慣れてくると、星の位置が把握できるようになる。
ほら、オリオン座!
オリオンの三つ星と、その下のオリオン大星雲の淡い輝きまでがよく見えている。
そして、冬の大三角を形作るおおいぬ座のシリウスとこいぬ座のプロキオンもいる!
実は私は高校時代は地学部で星を愛する3年間を送っていた。
だから、こんな夜空を見てしまうと、ついつい地学部魂が頭をもたげてくる。
そうそう、お目当ての冬の天の川は何処かな? -
イチオシ
冬の天の川が流れるのは、オリオン座の紅いベテルギウス(最近、その光度の偏光周期が不規則になったことで超新星爆発を起す前触れかもと話題になったよね)とシリウスの間。
この写真でいうと左半分の砂漠側。
天の川のキラキラとした星たちが、砂丘に降り注いでいる雰囲気かな。
天の川は銀河系の中でも星の密度が他の空間よりも濃い為に、地球から眺めたときにまるでミルクの流れのように見え、ミルキーウェイと呼ばれている。
サハラで見た冬の天の川は、その名の通り輝くミルクの河だった。
星空を写真で撮ると、長露光によりどうしてもキャンプ地の明かりを拾ってしまうので実際よりも星空が白っぽく写ってしまうが、実際にこの星を見上げる私達の周囲は、見事なほどの闇。
私達が星空を眺めていたこの時の砂漠は、隣で星を見ている娘の存在もその息づかいが聞こえなければ分からない程の闇で覆われた闇夜だった。 -
流れ星の季節ではないのだが、これだけ星がよく見えると、10分に1回は流れ星が夜空を飛んでいた。
娘も久々に見る砂漠の星空と数々のShooting Starsに興奮して声もちょっとだけ、大きめになる。
そんな私達の賑やかな声を聞きつけたキャンプのスタッフが「何をしているの?」と私達の所へとやってきた。
「星空の撮影だよ。冬の天の川って控えめだけど、そこが素敵でしょ」
そこでの彼らの反応が面白かった。
「天の川って夏にしか見えないのではないの? 冬にも見えるの?
どこどこ? 教えて!!!」
オリオン座の位置を手がかりに天の川の位置を教えると、彼らにも冬の天の川の星の集団が認識できたようで、「仲間にも教えてあげよう」と嬉々としてキャンプの方へと戻っていった。
彼らの言動は私が想定していたよりもあどけなかった。
キャンプ場のスタッフは、若い子はまだ少年の域を出たばかりの年齢で、日本だったら高校生をやっているかもしれない年頃の男の子達だ。
様々な家庭の事情で高等学校へは行かずに、ここで働く道を選んでいる少年も多いのかもしれない。 -
私達が星空を見ていたのは21時頃まで、部屋に帰ると着の身着のままで、そのままおやすみなさい。
そして、翌朝の8時15分。
私は、Silk Caravan Campを見下ろす巨大な砂丘の上に座っていた。 -
冬の天の川を眺めた翌朝;1月3日の私の起床は朝6:30。
まだ夜も明けない時間帯だ。
まだ寝ていた娘を起し、ふたりで支度をする。 -
そして、空がある程度明るくなった頃を見計らって歩き始める。
歩き始めるって、何処へ?
何処って決まっているじゃない!
朝日を眺めるために、キャンプの背後にそびえる巨大な大砂丘の上へ。 -
朝日を眺めるための砂山はキャンプへと到着した昨日の夕方に、ある程度、目星をつけておいた。
キャンプよりアルジェリア側にある砂丘はそんなに大きくない。
だからキャンプより東にある砂丘からはダイナミックな日の出は見られない。
砂漠一面を照らし出す朝日を見るために登るならば、周囲にある一番大きな砂丘。
その頂ならば、丸い地球を感じられる最高の景色を見ることができるだろうと考えていた。
その大きな砂丘があったのが、滞在したキャンプの真後ろ。
砂丘のサイズがあまりに大きくてトップまでどのくらい時間が掛かるかなんて分からなかったが、30分も登れば到着するだろうと軽く考えていた。
しかし、私の考えは甘く、30分ひたすら砂丘を登っても、私が居たのは中腹。
結局、大砂丘の山頂に辿り着くには1時間を要した。 -
でも、砂丘の頂上に座り、その眼下に広がる景色を目の当たりにした時、1時間の登りの疲れなんて吹っ飛んだ。
目の前に広がるサハラ砂漠。
その向こうのアルジェリアの地平線から、ゆっくりと太陽が昇ってくるこの光景。
ここまで登ってきて正解!
下に見える小さな砂丘で妥協しなくて良かった♪ -
大砂丘の右下に見えるのは私達が滞在するキャンプとそのお隣のキャンプ。
砂漠を越えた先にあるのはアルジェリアとの国境地帯だ。 -
下の砂丘の上を歩く人たちの姿も見えた。
彼らに向かって大きく手を振ってはみたが、皆が朝日の方向(東)を見ているので、反対側の大砂丘の上にいる私には気づいてもらえず。
なんだか、ちょっと寂しい。 -
イチオシ
朝8時15分。
ゆっくりとアルジェリアとの国境地帯の空が黄色みを帯びてくる。 -
日の出の時間が近づいてきている。
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Sunrise だ。
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イチオシ
日の出
それは、それまで闇の中で色彩が乏しかった砂漠が目覚める瞬。 -
朝日が顔を出したときにまず産まれるのが、影。
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凹凸が乏しかった景色の中に、陰影が刻まれていく。
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私が踏み抜いた砂にも、足跡の深い影が生じ始める。
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砂漠の景色そのものもサンド・ベージュから、朝日が司るオレンジ色へと変わっていく。
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でも、そのオレンジ色が続くのは、ほんの一瞬だけ。
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太陽光度が高くなるにつれて再び、砂漠の色は変わっていく。
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お日様が地平線から昇りきったら、朝のショータイムはお終い。
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眼下に見えるキャンプに向かい、走って砂丘を滑り降りる。
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サングラスをキャンプに置いてきたので、お日様に向かって走るのは眩しくて、けっこう大変。
ついでに自分が巻き上げる砂煙も凄くてマフラーをターバンのように顔にまいて、砂山を駆け下りる。 -
大砂丘を下る間にも、周囲の砂漠の色は変わり、
-
砂漠は優しげな色合いへと変化していた。
-
砂丘を下る途中で娘をピップアップ。
朝の砂丘登りで最初の30分は私の登りのペースについてきた娘だったが、一歩歩いては崩れ落ちる砂との戦いに敗れ、登りの途中でギブアップ。
彼女は砂丘の中腹に陣取り、そこから朝日を眺めていた。 -
9時前にキャンプに戻ると、朝食の準備ができていて、欧米から旅人はもう食べ終えて出発の準備をしていた。
「砂漠では何泊過ごすの?」と聞いたら、昨晩の1泊だけで、この日は駱駝でメルズーガ村へと戻りその足でフェズまでロング・ドライブだと言うこと。
せっかく文明を離れて砂漠まで来たのに、少し忙しないかもね。
サハラに来たからには、もっと砂漠ライフを楽しまないと、勿体ないよ♪
前の旅行記:【7】ディープなモロッコ
https://4travel.jp/travelogue/11624159
続きの旅行記:【9】ノマドのオンナ
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この旅行記へのコメント (6)
-
- cookieさん 2020/06/01 13:23:29
- 星空
- ウェンディさん
なんて素敵な表紙♪
テントに サンセットに 最高な旅では ないですか!
5スターの経験に 心が 洗濯されるって 感じですよ!
夜空が まるで まるで プラネタリウムにいるみたいな星。
感動ですわー(^_-)-☆
実は モロッコ行く予定だったんですよね。。
でも 計画倒れでした。
さて いつ行けるんだろうーー??
cookie
- ウェンディさん からの返信 2020/06/01 22:39:08
- Re: 星空
- cookieさん こんばんは。
モロッコを旅される計画があったのですね~。
でも、コロナのせいで・・・という感じでしょうか。
私もこの夏は計画が流れてしまい、まだキャンセルとなった航空機代の返金もなくちょっと悲しいかな。
今回ばかりは航空会社が悪いわけではなくウイルス相手ですので、仕方が無いのかもしれません。
そんな状態ですが、旅へのモチベだけは継続中で旅行記を綴りながらも、またモロッコに遊びに行きたいな~とエア・プランニングを夢想しています。
収束までどのくらいかかるのかは専門家でも意見の割れているところですので、なかなか実際の計画とまではいきませんが、旅行記を通して、読んで下さった方に空想旅行をお届けするくらいはできるかな。
ウェンディ
-
- pedaruさん 2020/06/01 06:14:03
- 別世界へ
- ウェンディさん おはようございます。
じっくりと拝見しました。さすがに写真家ウェンディさん、素晴らしい写真の数々、
堪能いたしました。
とくに砂の表情がたくさんの情報を語っていました。それに星空、テクニックのない
私としては驚きの写真です。
私も昨年、砂漠のツアーに行きましたが、旅にランクをつけるなら、ウェンディさんと比べて数段落ちますが、それなりに似た経験をいたしました。
思い出が蘇りました、ありがとうございました。
pedaru
- ウェンディさん からの返信 2020/06/01 22:27:55
- Re: 別世界へ
- pedaruさん こんばんは。
モロッコと言えば古都も外せないですが、やはり代表選手はサハラ砂漠。
大きな砂丘の間に小さな砂丘が連なる砂漠の風景はフォトジェニックで有名ですが、実際の砂漠はその何倍も美しく変幻自在な存在。
朝と夕方の太陽光線の当たり方によって色が変わる砂丘や、生き物のように形を変え動いていく砂紋。
もしかしたら1日ぼうっと砂漠を見ていても、その変化に飽きないのかもしれません。
pedaruさんが感じた砂漠は、どんなだったのでしょうか。
ウェンディ
-
- のこちゃんさん 2020/06/01 05:46:25
- 星空に惹かれました!
- ウェンディさん、こんにちは。
モロッコの旅行記、拝見しました。
ラクダに乗り、砂漠のまっただ中に行き、キャンプで一晩って、なんて素敵なんでしょう!
満天の星空での天の川は、プラネタリウムもびっくりの星の数ですね。
日没と日の出で刻々と変わっていく影の様子や砂漠の表情、数々の写真で楽しませていただきました。
旅の醍醐味のひとつは非日常を味わうこと、と思っていますが、五感で砂漠を感じながらぼーっとしてみたいものです。
そして水の行方は確かに気になりますね。
この豊かな自然が、人工的な人間の営みにより影響を受けないことを願います。
のこちゃん
- ウェンディさん からの返信 2020/06/01 21:46:45
- Re: 星空に惹かれました!
- のこちゃんさん こんにちは。
モロッコの砂漠旅行記を読んでいただいて、ありがとうございます。
2回目となるサハラでしたが、その見せてくれた貌は前回とは全く異なるモノで、今回も砂漠ライフを堪能してきました。
今回の旅の目的の一つであった、砂丘に流れ落ちる冬の天の川。
私自身も6年前にモロッコを旅する迄、冬でも天の川が見えるとは知りませんでした。
それ以降は日本でも冬に見られるかもと考え、冬の夜空で天の川探しをしましたが、光が溢れる日本では、繊細な輝きの冬の天の川は何処に行っても無理。
結局、日本では肉眼で見ることのできる冬の天の川には巡り会うことはできず、この旅で6年ぶりの再会となりました。
砂漠の美しい自然は、この先ずっとそのままでいて欲しいと思いますが、近年の気候変動により、砂漠は砂漠そのものが変わってきていて、昔から砂漠で暮らしていたノマドの人々が砂漠での生活を諦めなければならない状況にも追い込まれています。
排水問題も含め、私達がもう少し地球のことを考えて行動しなければならないのですが、観光業の推進と地球環境の保護の両立はなかなか難しいこと。
今回のコロナでヒトの移動が止まっている今こそが、これからの観光産業のあり方について考える時なのかもしれません。
真の星降る夜が出現するサハラ砂漠。
また、行きたい場所です。
ウェンディ
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