2018/09/27 - 2018/09/29
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旅人のくまさんさん
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旅行2日目の最初の見学地は、アイヌのチャシ跡の一つ、『桂ヶ丘チャシ跡』です。網走市の丘陵地桂ヶ岡公園内にある、近世アイヌ文化期の築造とされる内外二重の堀で囲まれたチャシ遺構です。『チャランケチャシ』の呼び名も残ります。
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網走市街の夜明け光景です。泊まったホテルは、網走駅前の『ホテルルートイン網走駅前』でした。薄っすらと陽が射した朝焼けの光景です。多少雨は降りそうでしたが、大雨の予報ではありませんでした。
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バイキング方式の朝食です。洋食も選択できましたが、いつも通りに和食にしました。定番の納豆と味付け海苔とみそ汁、おかずを一皿と野菜サラダです。朝食は、これで十分です。
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泊まった部屋の窓から眺めた、網走駅の光景です。北海道網走市の網走駅と釧路市の東釧路駅を結ぶJR北海道の釧網(せんもう)本線の北端駅になります。1989年(平成元年)4月30日に標津線が廃止されてからは、現存する地方交通線の中で日本最東端の線路となります。
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同じく、泊まった部屋の窓から眺めた、網走市街の光景です。左手に見える川がオホーツク海に注ぐ網走川です。その左奥には、オホーツク海が見えていました。地図で確認した網走市は、今回到着した女満別空港から20キロほど北に位置していました。
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天気予報番組での台風24号の動きの確認です。道央の札幌の最高気温が、昨日より1度低い18度Cと予想されていました。今回の百名城巡りでは、防寒対策と、雨具はしっかりと用意していました。
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台風24号の情報です。9月18日頃にマリアナ諸島近海で形成した低圧部が次第に発達し、マリアナ諸島の北緯15度20分、東経142度40分で台風となり、アジア名チャーミーと命名されました。9月中に台風24号が発生するのは1994年以来24年ぶりでした。今日の夕方から明日未明にかけての沖縄への影響予測です。猛烈な雨と風が予想されていました。
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台風24号の予想進路図です。29日の夜には北海道の新千歳空港を飛び立ちセントレア空港に戻る予定ですから、ぎりぎりのタイミングで台風24号、チャーミーの直接的な影響は避けられそうでした。
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旅行2日目の最初の見学地、アイヌのチャシ群の一つ、『桂ヶ丘チャシ跡』に到着しました。この石碑はチャシ跡とは無関係の、網走消防百周年の記念碑です。網走市長による『義勇』の文字が刻まれていました。
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『桂ヶ丘チャシ跡』に因む、『桂町』の由来の紹介です。現地ガイドさんも紹介してくれました。それは、釧網本線近くに桂の木の老木があり、稲垣吉慎氏がこの木を大切にし、桂ケ岡という名を付けました。のちに『桂町』と字名が変わりました。その地に立つチャシの呼び名が、後年『桂ヶ丘チャシ跡』となりました。
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駐車をした場所から、少しだけ本通りを歩くと、三差路が見えて来ました。ここで、本通りと分かれて博物館がある『桂ヶ丘チャシ跡』に建つ網走民俗博物館に向かいました。先程紹介した稲垣吉慎(1855~1926年)氏は、岐阜県の生まれで、北見女学校を開いた人で、小清水開効社牧場経営者で開拓功労者です。
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三差路に設置してあった道案内標識のズームアップ光景です。『網走市立・郷土博物館』への道案内標識です。三差路を右に曲がって、すぐその先を、右に曲がった場所でした。
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通路脇に建てられていた石標の光景です。『山田慎翁之碑』の題字が読み取れました。山田慎氏は、大曲に道内最大規模の軸木工場を、1891年(明治24)年に操業、これにより大曲に市街地が形成されていきました。その後、濤沸工場も設置され北浜も発展しましたが、1905年(明治38)年の15年間で終わったようです。山田商店を設け日本郵船と特約し、阪神地方から日用品や雑貨を買い入れ、従業員や一般住民にも原価をもって販売しました。当時の網走は運輸などの便はほとんど拓けていなかったため、物資の入手は大変困難だったことから、山田商店は住民から愛されていたようです。
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真っ直ぐに伸びた針葉樹の光景です。網走で樹木調査をされた方は、一番多い針葉樹は、カラマツ、次がトドマツ、アカエゾマツと紹介されていました。トドマツ、アカエゾマツ、クロエゾマス、イチイこの地方で自生していますが、目にするもののほとんどは、植栽によるものとも紹介されていました。民俗博物館前庭では、ヒノキ科のメタセコイヤの植栽も紹介されていました。紹介された樹種の中では、マツ科の樹木が多くを占めていました。
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三差路の入口にあった道案内標識にしたが、最初の三差路で本通りから右に折れて博物館に向かいました。かつて、チャシが造られた場所だけあって、博物館に向かって、ずっと登り坂でした。
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『網走市立・郷土博物館』のタイトルがあった説明看板の光景です。昭和11年(1936年)11月に、当時の社団法人・北見教育会が建てた博物館が前身と紹介されていました。開館に当たっては、米村名誉館長(網走市名誉市民)が寄贈された3千点に及ぶ考古・民族資料が大きな役割を果たしたことが紹介されていました。
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イチオシ
現地ガイドさんと合流した、『網走郷土博物館』の建物光景です。博物館の中を一通り見学した後で、『桂ヶ丘チャシ跡』の見学です。アイヌ民族に関する展示のほか、チャシに関する展示もありました。先程の説明看板には、北海道を代表する建築家の田上義也氏(1899~1991年)の設計と紹介されていました。世界的な建築家のフランク・ロイド・ライトに師事した人です。
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オホーツク海の海の生き物たちの剥製展示です。アシカ、オットセイやゴマフアザラシ達のようです。オットセイはアイヌ語で『オンネプ』、アザラシは『トッカリ』と呼ばれていたようです。
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イチオシ
北海道の陸の王者、羆(ひぐま)の剥製展示の光景です。現地案内人の中には、若い頃に巨大な羆を猟銃(ライフル銃)で仕留めたとされる方もいました。その剥製展示もありましたが、人を襲った巨大な羆だったようです。昔読んだ吉村昭さんの小説、『熊嵐(くまあらし)』を想い出しました。
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『小刀(アイヌ語でマキリ)』の展示状況です。現地ガイドさんは、刀身の材料は本土製、数多く携帯するのがステイタスを表すと紹介されていました。現在では、アイヌ民族が用いていたものを特定して指す場合には『アイヌマキリ』と呼称されるようです。
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ズームアップで紹介する、『アイヌマキリ』の光景です。現地ガイドさんは、新しいマキリは数千円程度の値段ですが、古いものはその100倍以上の値段と紹介されていました。日本では、アイヌ民族の居住する北海道以外でも『武具ではない、主に狩猟や漁に用いる小型の刃物』を指す言葉として『マキリ』の語が用いられているようです。(ウィキペディア)
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ズームアップで紹介する、『アイヌマキリ』の光景が続きます。『マキリ』とは本来はアイヌ語で『小刀』を意味するもので、日本語の『魔切、間切(包丁)』は当て字とされます。『マキリ』は、アイヌ民族の日常生活の中で汎用刃物として様々な用途に用いられました。より大型のものは『タシロ』と呼ばれて区別されます。
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『アイヌマキリ』の光景が続きます。中間ほどにある説明文には、『木を削り、皮をはいだり、炊事などにも使われた、日常の生活の中で最も大切な小型のナイフ』と用途が紹介されていました。また、『表面はうろこ状や波型など、精緻な文様で飾られている』ことも紹介されていました。うろこの状の文様は『ラムラムノカ』、静かに渦巻く文は『モレウノカ』と呼ばれるようです。
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『アイヌマキリ』の紹介の最後です。近世以前のアイヌは、交易によって異文化圏から入手したものの一部を宝物として珍重していました。アイヌが宝物としたのは刀剣類、銀器、中国製の絹織物(蝦夷錦)、漆器類、猛禽類の羽根などが主だったとされます。アイヌは製鉄技術(砂鉄や鉄鉱石から純度の高い鉄を生成する技術)を持地ませんでした。このため、鉄を和人や大陸から輸入していました。ただし、鉄製品の修復方法は知られていて、鉄製品の修復や、古い鉄を溶かして別の製品に作り替える鍛冶師が存在しました。
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アイヌ文化は、アイヌが13世紀(鎌倉時代後半)頃から現在までに至る、歴史の中で生み出してきた文化です。現在では、大半のアイヌは同化政策の影響もあり、日本においての日常生活は、表面的には和人と大きく変わらないとされます。かつてのアイヌ文化を伝える住居と生活の様子の展示です。
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イチオシ
かつてのアイヌ文化を伝える住居と生活の様子の展示のズームアップ光景です。族長か村長のような雰囲気の二人の後に見える窓には、『イムトン・プヤル(ラ)』の表示がありました。神聖とされる南向きの窓で、『南屋の窓』の意味のようです。
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説明文のタイトルはありませんでしたが、明治9年頃のアイヌの家屋を再現したものと紹介されていたジオラマ展示の紹介文でした。博物館開設の昭和11年(1936年)に建設された貴重なアイヌ民俗資料と紹介されていました。初代館長の米村氏と親交があったアイヌ自身によるジオラマ制作です。
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居住用の小屋の周りの光景です。現地ガイドさんによれば、子熊を飼った小屋もあるとの説明でしたが、右隅にある丸太で組み立てられたのが、その小屋でしょうか。1年か2年ほど育てた後に、集落をあげての盛大な送り儀礼を行い、丸太の間で首を挟んでヒグマを屠殺し、解体してその肉を人々にふるまいます。 イヨマンテ(熊送り)の儀式です。
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右奥の品物は、木製の杵(きね)と臼(うす)、左手前に重ねられているのも木犀の大型の碗のようです。三つ並んだ漆塗りの品は、日常品ではなく、特別の儀式に用いたものでしょうか、紋所のような模様がありました。
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アイヌの衣裳の展示光景です。アイヌの衣装は和服と仕立てが似ていますが、筒袖で衽(おくみ)がありません。また、袷(あわせ)がなく、いずれも単衣(ひとえ)です。気候の寒暖に応じて、テクンペ(手甲)、コンチ(頭巾)、ホシ(脚絆)などを身に着けます。漆器類も足元に展示してありました。
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同じく、アイヌの衣裳の展示光景です。上着には、イラクサの繊維から作られるテタラヘ・ユタルベなどの草皮衣や、毛皮・アザラシの皮・鮭やイトウの皮などで作られる羽織状の上着(獣皮衣、魚皮衣)があります。また、オヒョウやシナノキなどの樹皮から繊維を取って作られるアットゥシと呼ばれる丈夫な樹皮衣が17世紀以降一般的なものとなりました。
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