2015/06/20 - 2015/06/20
14位(同エリア136件中)
万歩計さん
3日目(6月20日(土))
・7:30トリノ発快速列車(RV)で8:05アスティ着。カネッリ行のバスを探すと幸運にも9:05発がある(日に5便しかない)。やはり早起きは三文の得である。少し時間があるのでアスティの街を散策する。ガイドブックにはないが古い雰囲気のある街で分不相応と思われる立派な教会があった。これからの旅の安全を祈る。
・バスは小生と地元乗客の4人だけで、途中はバス停の案内がなくひたすら走る。終点のカネッリで降りたが駅前は閑散として、本当に今日祭りがあるのか心配になる。カフェで宿の大まかな場所を教えてもらい歩き始める。地図ではレジョーネ・カスタニョーレ通りという大層な名前だが、実際はブドウ畑の間に家がぽつぽつあるだけの農道で、スーツケースを引いてひたすら上る。途中の民家で地図を見せて宿を聞くが誰も知らない。最後に車で通りかかったセニョーラが親切に宿に電話してくれて、やっと迎えの車が来た。
・到着した「ラ・マルチネラ・ビオ」はブドウ農家が経営する民宿(アグリツーリズモ)で、期待通り素晴らしかった。ブルーノ夫妻と娘夫婦が経営して6年目で、東洋人の客は2人目だという。宿は典型的なこの地方の農家造りで、部屋は広くアンティークにまとめられていた。屋外の安楽椅子に寝そべるとブドウ畑から吹いてくる風が心地よい。見上げるピエモンテの空は碧く高い。
・玄関わきのテラステーブルから手招きする男女がいる。昨日から泊まっているアンジェラとサルバトーレのカップルで、二人はここの常連らしくアンジェラは英語が少しできた。ここにブルーノ夫妻も加わり自家製ワインを振る舞ってもらい談笑が始まった。イタリア語なので内容はわからないが気持ちは通じる。素朴だが心のこもったもてなしに大満足。明朝はアスティ駅まで送ってくれるという。
・くつろいだ後、歩いてカネッリの街へ。ここの歴史祭りは予想以上に素晴らしかった。17世紀初め村人が団結して侵略者を撃退した史実を再現した祭りらしい。人口数千の小さな街の住民の殆どが中世の村人、兵士、巡礼者、僧侶、娼婦の衣装を身に着け祭りに参加しておりその数2千人といったところか。会場は民家を含めた街全体で建物や施設も現代を感じさせるものは上手に隠している。模擬店では当時の料理を再現しており、通貨は両替した当時のコインのみという徹底ぶり。賑やかな鳴り物で練り歩く兵士や子供たちの行進、大砲の空砲を鳴らしての戦闘シーンと迫力満点。彼らは不思議と衣装を着るだけでその時代の人間に見えるが、日本人はこうはいかない。わが町の時代まつりを小学校レベルとするとここの祭りは宝塚か日劇。ドイツローテンブルクの中世祭りを見たいと思っていたがこれで十分と感じた。立命館大に留学していたという地元の女性がいたのには驚いた。
・祭りを堪能して22:00に手配してくれたタクシーで民宿に戻る。マンマが窓から笑顔で「おかえり」。アグルツーリズモと中世祭り、“生きていてよかった”と実感した一日だった。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
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トリノ(RV)→アスティ(路線バス)→カネッリ(ブドウ畑散策、中世祭り見物、農家民宿泊)
今日の目玉はカネッリの歴史祭。旅の計画の途中、ミラノ駐在員のブログで偶然見つけた。 -
7:30トリノ発RVに乗車、8:05アスティ到着。アスティはアルバと並んでピエモンテワイン地区の中心的な街である。
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美しい街らしいがゆっくり歩く時間がない。教会だけ訪れこれからの旅の安全を祈った。内部は黄金色で街の繁栄が窺えた。
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カネッリ行きのバスは9:05発でこれを逃すと次は3時間後。早起きして来てよかった。バスは数人の乗客を乗せ殆ど停車することもなくカネッリまでの25kmを走った。
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40分で終点のカネッリに到着。googleMapのコピーを見ながら農家民宿に向かったがなかなかわからない。地図のレジョーネ・カスタニョーレ通りはただの農道だった。
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汗をかきながらスーツケースを引っ張って坂道を上ること30分、すれ違った車の親切な女性に宿へ電話してもらい迎えに来てもらった。
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到着した「ラ・マルチネラ・ビオ」はこの地方の典型的な農家。
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6年前から民宿を始め、東洋人の客は2人目だそうだ。
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こちらが主屋。2階がオーナー一家の居室で1階が客室。
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洗濯物が干され生活感があるのがいい。この1階の部屋に案内された。
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ピンクを基調とした温かみのある広い部屋に大きなベッド。
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大胆な模様のサニタリー
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窓からの眺めがまた素晴らしい。
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イチオシ
外のテラスに出て長椅子に寝そべると、
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目の前に広がるブドウ畑。ピエモンテの空は青く高い。
動画でどうぞ。
https://youtu.be/UhvLrAU-sLw -
イチオシ
オープンテラスから手招きしてくれたアンジェラとサルバトーレ。アンジェラは少し英語を喋れた。細かいことはわからないが雰囲気で会話が通じた。
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オーナーのブルーノ夫妻。イタリア語しか話さなかったが気持ちは通じる。60年代のカンツォーネを口ずさんだらイタリア語で歌ってくれた。
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美味しい自家製ワインを飲ませてくれた。カネッリはスパークリングワインのアスティ・スプマンテの村である。
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おどけてみせるブルーノ小父さん。
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帰りのタクシーの迎えを頼んでおいて、歩いてカネッリの街へ。
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途中の農家はどこも綺麗。
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花が盛り。
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ピエモンテの葡萄畑は2014年に世界遺産になりました。
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先程この辺りの坂を上るのはきつかったなー。
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廃線を見ると旅情がひとしお。
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街に着くと広場は昔の衣装を着た人で溢れている。
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祭りのポスター。1613年の史実に基づく祭りらしい。
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バッチリ決まった男たちや、
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可愛い娘たち。
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その数ざっと数千人。近隣の村からも応援が出て総出なのだろう。
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明らかに観光客より衣装を着ている地元の人が多い。
祭り開始を待つ町の様子を、動画をどうぞ
https://youtu.be/VK9QarbYOGk -
賑やかな角笛と太鼓の音とともにパレードがやってきた。さあ、祭りの開始。
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イチオシ
角笛を鳴らし、
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旗を振りながら、
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イチオシ
別の道から子供達のパレード。鳴り物が入ると雰囲気がぐっと盛り上がる。
動画で迫力を味わってください。
https://youtu.be/uo8VrbFtVUs -
母子も中世の衣装で参加
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オープニングイベントが始まります。広場に大砲を引っ張り出した。
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両軍、向かい合い
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大砲の号砲とともに、硝煙の中で戦闘開始
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イチオシ
迫力ある。かなり練習をしている。
動画で迫力を味わってください。
https://youtu.be/3PXBiAp8Wtk -
おばあちゃんも箒を持って参戦
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周りで取り巻きが太鼓を叩いて応援。ひょっとしたら中世の戦いは日本の源平合戦のように取り巻いて応援したのかもしれない。
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ここで救国のヒロイン登場
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面白いオープニングアトラクションだった。
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広場には大砲の他にも中世を思わせるものが並んでいる。
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入場料5ユーロを払うとひも付きのすワイン瓶をくれた。ここで飲み食いに使うお金は昔の銅貨で受付でユーロと交換する、という徹底ぶり。
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丘の上の城と教会まで行ってみた。
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イチオシ
ここが入口。この人たちは通行証代わりのワイン瓶をチェックしていた。
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狭い旧市街の通りを進む。途中で何か所かワインの振る舞い酒があり、その都度首にぶら下げた瓶で頂いた。
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生首がぶらさっがっている。通りの民家の全て、村全体が祭りの舞台になっている。
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昔の洗濯場
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武器修理の職人
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黒い固そうな中世のパンを焼いていた
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丘の上の広場にやってきた。ここに村の教会とガンチャ一族の城があった。
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教会内部。ここでもワイン瓶にワインがふるまわれた。
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パレードのおじさんが兜を頭にのせてくれた。
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イチオシ
丘の上から見下ろすカネッリの街
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中世の鍛冶屋
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さっき箒を振り上げて戦闘に参加していたおばあちゃん
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村人、修道士、兵士、等々
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パンと固そうなソーセージ。中世のレシピを再現している。
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お腹がすいてきた。ここで固い中世風サンドイッチを買った。
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あとワインも
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そしてみなと同じく地べたに座って食べる。
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出演の村人も観光客も一緒になって楽しんでいた。
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娼婦街まで再現されている。
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イチオシ
娼婦役は美人ぞろいでサービス精神旺盛。
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一人が太鼓に合わせて妖艶な踊りを踊っていた。
これも動画で、
https://youtu.be/08I6BzcogcY -
皆気軽にカメラに収まってくれる。
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破戒坊主
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イチオシ
日本人と違って衣装を着るとすっかりその時代の人に見えるから不思議。
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ワインが回っていい気分になってきた。
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地元の彼女、なんと立命館大学に留学していたという。
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滅多に見ない日本人を歓待してくれた。ありがとう。
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祭りはまだまだ続くようだが21:30を過ぎた。そろそろタクシーが迎えに来る時刻。
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後ろ髪を引かれる思いで民宿に戻ると、2階の窓からマンマの「おかえり!」の声。
民宿に祭り、人生で何度もない「生きててよかった」と感じた日だった。2.3万歩。
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この旅行記へのコメント (2)
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- masaさん 2024/02/17 17:17:35
- 素敵な経験ですね
- 万歩計さんこんにちは、お久しぶりです。
今は『初夏の北イタリアを巡る』を楽しく拝読させていただいております。カネッリのアグリツーリズムとお祭り参加、とても楽しそうで羨ましい限りです。こんなところで大きなお祭りが開催されていたんですね、知りませんでした。また農家民宿、僕も一度経験してみたかったですが残念ながらかないませんでした。素朴で心温まる現地の人々との交流が伝わってくるようです。トリノやパルマ等々昔訪れた懐かしい街が次々に出てきて楽しく拝読させていただいています。
現在続けられているレトロ建築巡りも楽しみにさせていただいています。僕もレトロ建築が大好きで京都の町歩きを楽しんでいます。
本当に嗜好が万歩計さんと似ているようですね。
masa
- 万歩計さん からの返信 2024/02/17 23:53:40
- Re: 素敵な経験ですね
- masaさん、こんばんわ。コメントをありがとうございます。
自分で言うのも何ですが、この旅行記は自信作だったので初めてコメントを頂き、特に嬉しいです。旅行記に最後に書いたように、この日は人生で何度もない「生きててよかった」と感じた日でした。
この北イタリア旅は初めての単身個人旅行でしたが、この日の体験ですっかり自信を持ちました。感動が大きかったので旅行が終わった後A4に20枚ほどの写真入りの旅行記を作成して、親しい友人に配りました。更には写真を30分程の動画に編集しました。旅行記の中の動画はその一部です。この時はまだ4トラベルに入ってなかったです。
この旅行ではスリに2回遭い、クレジットカードも紛失する等(いずれも実被害なし)、多くのトラブルを経験しました。一方でヴェローナの野外オペラやベルニナ沿線やドロミテでのハイキングなど、今後の旅のメニューを見付けることも出来ました。
これらの経験は以降の旅行記に出てくるので、読んでいただいたら嬉しいです。
masaさんの旅行記も順次拝見しています。本当に旅の嗜好が似てますね。
万歩計
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