2014/09/03 - 2014/09/03
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エンリケさん
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晩夏のフランス、アルザス・ロレーヌ地方を巡る旅5日目後半。
ストラスブールの象徴、天高くそびえるノートルダム大聖堂を見学した後は、旧市街にある博物館・美術館巡り。
ルーヴル・ノートルダム博物館、ロアン宮、現代美術館と回っていきますが、人口27万人の中規模程度の街にもかかわらず、展示されているコレクションのビッグネームの数々に圧倒。
改めて、“芸術の国”フランスの底堅さを見せつけられた美術館巡りとなりました。
<旅程表>
2014年
8月30日(土) 成田→ソウル→フランクフルト・アム・マイン→マインツ
8月31日(日) マインツ→ストラスブール
9月 1日(月) ストラスブール→コルマール→エギスアイム→コルマール
9月 2日(火) コルマール→リクヴィル→リボーヴィレ→コルマール
→ストラスブール
〇9月 3日(水) ストラスブール
9月 4日(木) ストラスブール→ナンシー
9月 5日(金) ナンシー→メッス→ランス
9月 6日(土) ランス→パリ
9月 7日(日) パリ→
9月 8日(月) →ソウル→成田
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 3.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 交通手段
- 徒歩
- 航空会社
- 大韓航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
9月3日(水)
12時50分、ノートルダム大聖堂のからくり時計の見学を終え、外の広場へ。
昼食の時間帯ですが、前日の食あたりや、この国の外食代の高さに辟易してきたこともあって、それほど空腹を感じず・・・。
このまま観光を続行することとします。ストラスブール ノートルダム大聖堂/尖塔/カラクリ時計 寺院・教会
-
大聖堂を出て最初に向かったのは、すぐ隣にある“ルーヴル・ノートルダム博物館”。
大聖堂から移された彫像や、中世からルネサンス期にかけてのアルザス地方の美術品が展示されているとか・・・。
入場料は6.5ユーロ(約910円)。ストラスブール・パスを持っていれば、1軒目の博物館・美術館は無料で入れます。
(これでストラスブール・パスの元は取れました。)ルーヴル ノートルダム博物館 博物館・美術館・ギャラリー
-
展示については、まずは古い時代の彫刻から。
こちらは4世紀後半のローマ帝国末期、ゲルマン民族大移動の頃のレリーフ。
紀元前1世紀、ライン川以西のガリア人(ケルト人)居住地はカエサルのガリア(現在のフランス)征服によりローマ化され、その後のローマ帝国時代、“アルゲントラトゥム”(Argentoratum、水の要塞)と呼ばれていたストラスブールは、ライン川以東に住む“蛮族”ゲルマン人に対する最前線基地となっていました。
このレリーフは、ストラスブールにもローマ文明が伝わっていたことを示すよすがとなるものですが、ゲルマン人がたびたび侵入を繰り返すようになった帝国末期ともなると、カエサル像やアウグストゥス像などに代表される精巧性を誇ったローマの彫刻技術も、辺境の地とはいえ、社会経済の混乱とともにだいぶ廃れていっているのが手に取るように分かりますね。
(下のリンク先のカエサル像と比較すると、技術の差が一目瞭然。このあたりの考察については塩野七生氏の“ローマ人の物語”が詳しいです。)
【ナポリの休日(1) ナポリの国立考古学博物館のカエサル像(2~3世紀)】
http://4travel.jp/travelogue/10774460#photo_link_29109502 -
そして次の間がこちら。
中世後期の13世紀頃に造られた、隣にそびえる大聖堂を飾っていた彫刻たちの展示です。
上のレリーフと比べると、人物表現のリアルさの違いが一目瞭然。
民族大移動、ローマ帝国崩壊後の長い長い中世暗黒時代を経て、ようやく古代ローマ並みの彫刻技術が戻ってきた感です。 -
次の間は大聖堂の玄関を飾っていた彫像の展示。
みなさんスタイルがいいですね(笑)。 -
こちらは上の彫像群の解説版。
1280-90年に造られたもので、大聖堂正面の向かって右側の玄関を飾っていたとのこと。
現在大聖堂の玄関を飾っている彫像はレプリカで、こちらがホンモノだそうです。 -
大聖堂正面右側の玄関を飾っていた彫像のうち、いちばん左側の像の後ろには、ヘビやらヒキガエルやら、何やら気持ち悪いものがへばりついています。
この像は、右手にアダムの園の誘惑のリンゴを持っていることから、“誘惑者”と呼ばれるもの。
リンゴやヘビは堕落の象徴、ヒキガエルは魔女の象徴であり、大聖堂の正面にこの像を置くことで、訪れる人々に対して“甘い誘惑に引っかからないように”と教訓を示したかったのでしょう。 -
こちらの目隠しをした乙女の像は、“シナゴーグ”と呼ばれるもの。
ユダヤ教の会堂の名前を付けられたこの像は、文字通り、当時の社会におけるユダヤ教徒の立場を象徴しているもの。
目隠しをして顔を背けているのは、“真実の宗教”であるキリスト教に対し、真実を見ようとしない“盲目の信仰の徒”、ユダヤ教徒の姿勢を表しているのでしょう。 -
こちらは上の“シナゴーグ”の像の解説版。
大聖堂建設中の1225年に造られたことや、大聖堂南側の翼廊入口に配置されていたことが分かります。
(現在の大聖堂に飾られているのはレプリカで、こちらがホンモノ) -
こちらには大聖堂のファサードのオリジナルが展示。
こういうのを見せられると、どれがホンモノでどれがレプリカなのか区別がつかなくなりますね(笑)。 -
こちらは16~17世紀の金や銀製の食器。
当時の聖職者が使っていたものでしょうか。 -
こちらの暗い部屋の中には、14~15世紀のステンドグラス。
保存のため、大聖堂から移してきたものです。 -
たくさんの彫刻が飾られている部屋の中にあるのは、“身をよじらせる男の胸像”(Bust of a leaning man)。
Nicolas Gerhaert de Leydeという人物の1467年の作品。
中世版“考える人”といったところでしょうか。 -
こちらは15世紀後半~16世紀前半の聖母子像。
木彫のこれらの像はドイツっぽい感じがしますね。 -
“枝の主日のキリスト”(Christ of Palm Sunday)。
キリストのイェルサレム入城を表した1480年の木彫です。 -
作品をじっくり見ていたら、14時15分と、早や1時間が経過。
外は曇ってきて、シャツ1枚では肌寒くなってきました。 -
ルーヴル・ノートルダム博物館の最後は、独特の雰囲気が気になった“五感もしくは夏”(The five senses or Sommer)という絵画。
Sebastien Stoskopffという人物の1633年の作品です。
この奇妙な雰囲気、野菜や果物などを素材にした珍奇な肖像画で知られる、あのアルチンボルド(Giuseppe Arcimboldo、1526-1593年)の同名の作品をモチーフにしているのでしょうか。
【ウィーン美術史美術館 アルチンボルド 夏(Sommer、1563年)】
http://www.khm.at/en/objectdb/detail/71/?offset=12&lv=list -
上の絵と対になって通路に掲げられている“四大元素もしくは冬”(The four elements or Winter)という作品。
横顔の無表情の女性がちょっとした無気味さを誘い、引き込まれてしまう絵ですね。
こちらも作品の名前からしてアルチンボルドの作品がモチーフですかね。
【国立西洋美術館 アルチンボルド展 四大元素~水(1566年)】
http://arcimboldo2017.jp/works/ -
14時30分、ルーヴル・ノートルダム博物館の見学を終え、隣にある“ロアン宮”(Palais Rohan)へ。
18世紀のストラスブール司教ロアンの宮殿だった建物で、その内部は現在、3つの博物館・美術館となっています。 -
まず最初は1階にある“装飾美術館”。
17~19世紀当時の、この建物の優美な装飾の様子を知ることができます。
入場料は1館6.5ユーロ(約910円)、ストラスブール・パスで3.5ユーロ(約490円)。
3館共通チケットなら12ユーロ(約1,680円)、ストラスブール・パスで7ユーロ(980円)です。 -
館内は白を基調としたこんな感じの部屋が続きます。
ヴェルサイユ宮殿など、ヨーロッパの主だった宮殿を見学済みの方であれば、特段おもしろいと感じられるものはないかも。 -
こちらの寝室は緑色を基調としたベッドの装飾が鮮やかですね。
こんな感じで装飾美術館は足早に見て回り・・・。 -
15時、今度は地下にある“考古学博物館”へ。
アルザス地方で発掘された土器などが展示されています。 -
こちらはストラスブールが“アルゲントラトゥム”と呼ばれていたローマ帝国時代の館の復元でしょうか。
イタリアのポンペイで見た、当時のローマ人の館を思い出しますね。
【ナポリの休日(6) ポンペイの秘儀荘のフレスコ画の間】
http://4travel.jp/travelogue/10793098#photo_link_29882413 -
こちらもローマ時代の彫刻。
ルーヴル・ノートルダム博物館の最初に見たローマ帝国時代末期のレリーフよりも精巧なところからみて、ローマ帝国時代盛期の作品でしょうか。 -
続いては2階部分の美術館。
面積的には小さな美術館ですが、世界的巨匠の作品がある、西洋画ファンには外せない観光スポットです。
まずこちらは、イタリア・ルネサンスの先駆けとなった画家、ジオット(Giotto、1267-1337年)の“キリスト磔刑”(La Crucifixion、1320-25年)。
中世的な表情のないビザンティン絵画から、生き生きとした人間を描くルネサンス絵画に移行していく時代の貴重な作品ですね。 -
次は、Giovanni Battista CimaもしくはCima da Conegliano(1459-1517年)というイタリア人画家の描いた“聖セバスティアヌスの殉教”(Saint Sebastien、1502年)。
題材となっている聖セバスティアヌスは、ローマ帝国下でまだキリスト教が異教とされていた3世紀の人物で、当時の皇帝ディオクレティアヌスの迫害により殉教します。
彼は体中にたくさんの矢を射かけられて殉教したとのことで、そのシーンが後世の様々な画家により描かれています。 -
続いては、言わずと知れたイタリア・ルネサンスの巨匠、ラファエロ・サンティ(Raffaello Santi、1483-1520年)の“若い女性の肖像”(Portrait de jeune femme、1515-20年)。
モデルは“ラ・フォルナリーナ”など、他の作品にも描かれている彼の若い晩年の愛人、マルガリータ・ルティと思われます。
【ローマのバルベリーニ宮殿のラ・フォルナリーナ(La Fornarina、1520年)】
http://www.barberinicorsini.org/en/opera/la-fornarina/ -
こちらはイタリア・フィレンツェのルネサンス画家、フィリピーノ・リッピ(Filippino Lippi、1457-1504年)の“天使の胸像”(Buste d'ange、1495年)。
彼はルネサンス画家として有名なフィリポ・リッピの子で、さらに“春(プリマヴェーラ)”や“ヴィーナスの誕生”を描いたボッティチェリの弟子とのこと。
画風からそのことがよく分かりますね。 -
著名な画家の作品が多いのにもかかわらず、館内はこんなふうに人が少なく、自分のペースでゆったりと鑑賞できます。
-
こちらはヴェネツィア派の匿名のフランドル人またはドイツ人(Anonyme flamand ou allemand actif a Venise)の作品で、“愛の女神ヴィーナス”(Venus et l'Amour、1580-1600年)。
エロチックな作品ゆえ、名前を明らかにできなかったのでしょうか(笑)。 -
こちらはエル・グレコ(Domenicos Theotocopoulos dit El Greco、1541-1614年)の“悲しみの聖母”(Mater Dolorosa、1590-1600年)。
彼の作品も世界中至る所に散らばっていますね。 -
続いてはカラヴァッジョ派(Disciple du Caravage)の作品で、“ザリガニに挟まれた少年”(Jeune garcon pince par une ecrevisse、17世紀前半頃)。
“痛ッ!”という声が伝わってきそうな作品ですね(笑)。 -
続いては時代が大きく下って、英国人画家ロセッティ(Dante Gabriel Rossetti、1828-82年)の“剣に口づけするジャンヌ・ダルク”(Jeanne d'Arc embrassant l'epee de la Delivrance、1863年)。
こんなところにあるとは意外ですね。 -
こちらはフランスのアカデミック美術の画家、ウィリアム・ブグロー(William Bouguereau、1825-1905年)の“慰めの処女”(La Vierge consolatrice、1877年)。
後のグスタフ・クリムトやフェルナン・クノップフらの“世紀末芸術”への影響が見て取れます。 -
これまた意外なところで、ゴヤ(Francisco de Goya、1746-1828年)の“ドン・ベルナルド・デ・イリアルテの肖像”(Portrait de Don Bernardo de Iriarte、1797年)。
彼がまだスペインの宮廷画家として活躍していた時代の作品ですね。 -
このあたりは重厚な絵画が多いのに、こんなにゆったり鑑賞。
-
上の通路の突き当りには、“ストラスブールのモナ・リザ”とも言うべき、ニコラ・ド・ラルジリエール(Nicolas de Largilliere、1656-1746年)の“美しきストラスブールの貴婦人”(La Belle Strasbourgeoise、1703年)。
横に大きく広がっている三角の帽子はストラスブールの伝統的な女性の装束だそうで、初見には謎めいた印象ですが、見慣れてくると、黒い衣装の中に浮かび上がる表情や手にした犬から、女性の優しさが伝わってくるようですね。 -
続いては、ギュスターヴ・ブリオン(Gustave Brion、1824-77年)の“女性と薔薇の木”(Femme au rosier、1875年)。
日本ではあまり有名でない画家ですが、薔薇を見つめる女性の後ろ姿に、はっと惹かれるものがありますね。
調べてみると、2010年に渋谷Bunkamuraザ・ミュージアムの“ストラスブール美術館所蔵~語りかける風景~”展で日本にも来たことがある絵だとか。 -
最後はレオン・フランソワ・コメール(Leon-Francois Comerre、1850-1916年)の“画家の妻の肖像”(Portrait de la femme de l'artiste、1892年)。
色遣いが21世紀のファッションを感じさせます。
以上でロアン宮の3つの博物館・美術館の見学を終了。
多少急ぎ足でしたが、世界的な巨匠から日本では知られていない画家まで、2時間たっぷり様々な作品を楽しむことができました。 -
まだ17時前と、あとひとつくらいストラスブールの名所を回れそうだったので、旧市街を取り囲むイル川の対岸にある現代美術館に行くことに。
午前中のイル川クルーズでも見た、オシャレなレストランの“オー・ポン・サンマルタン”(Au Pont St-Martin)など木骨組の家々を横目に、川沿いを歩いていきます。オ・ポン・サン・マルタン 地元の料理
-
ロアン宮から15分ほどで川向こうの現代美術館に到着。
さすがに“現代”美術館だけあって、旧市街の建物とは違うモダンな外観です。近代 現代美術館 博物館・美術館・ギャラリー
-
入館料7ユーロ(約980円)を払って早速入場。
最初の大広間には、いかにも現代芸術といった感じのこんな作品が。
白一色の室内がまぶしくて目がチカチカしてきますね(笑)。 -
続いては主に20世紀以降の近現代絵画などの展示。
写真手前にあるのは、ルーマニア出身の彫刻家エティエンヌ・ハイドゥ(Etienne Hajdu、1907-1996年)の“横たわる女性”(Femme couchee、1938年)という作品。
現代美術館はロアン宮の美術館よりは見学者が多い印象ですが、それでも日本の美術館の特別展に比べればずっと少なく、マイペースでゆったりと鑑賞できます。 -
ベルギーのシュルレアリスト、ルネ・マグリット(Rene Magritte、1898-1967年)の最晩年の作品“ダヴィッドによるレカミエ夫人”(Madame Recamier de David、1967年)。
あの有名なダヴィッドの“レカミエ夫人”が、マグリットの目を通すとこうなってしまうのだから驚きです(笑)。
【ルーヴル美術館 ジャック=ルイ・ダヴィッド レカミエ夫人 1800年】
http://www.louvre.fr/jp/oeuvre-notices/%E3%80%8A%E3%83%AC%E3%82%AB%E3%83%9F%E3%82%A8%E5%A4%AB%E4%BA%BA%E3%80%8B -
パブロ・ピカソ(Pablo Picasso、1881-1973年)の“女性の胸像”(Buste de femme、1926年)。
お馴染みのキュビスムの作品ですね。 -
こちらはエリオット(Charles Louis Maurice Eliot、1862-1945年)の“老人たち”(Les Vieilles Gens、1892年)。
写実性の強い印象派の作品といったところです。 -
新印象派の画家ポール・シニャック(Paul Signac、1863-1935年)による“夕暮れのアンティーブ”(Antibes, le soir、1914年)。
見事な点描法の作品です。 -
ジョルジュ・ブラック(Georges Braque、1882-1963年)の“静物”(Nature morte、1911年)。
キュビスム創成期の作品です。 -
ワシリー・カンディンスキー(Vassily Kandinsky、1866-1944年)の“バイエルンの秋”(Automne en Baviere、1908年)。
モスクワを出てミュンヘンで活動していた頃の作品で、彼にしてはまだ意味が分かる絵ですね(笑)。 -
同じくカンディンスキーの“音楽ホールのモデル”(maquettes pour le Salon de musique、1931年)。
バウハウス時代の作品ですが、この頃になるともう訳が分からなくなってきます(笑)。 -
近現代絵画の間の最後は、シュルレアリスムの画家、マックス・エルンスト(Max Ernst、1891-1976年)による“目の内部”(A l'interieur de la vue、1929年)という作品。
鳥の卵の内部を見ているような感覚です。 -
こちらは特別展なのか、ストラスブール出身の画家、ギュスターヴ・ドレ(Gustave Dore、1832-1883年)の作品を展示している部屋の壁一面に掲げられていた巨大な絵。
“祈りを残すキリスト”(Le Christ quittant le pretoire、1867-72年)という作品です。 -
同じくドレの“アルザスの夜”(Soir en Alsace、1869年)。
中央の少女の眼差しにはっとさせられる絵です。
・・・と、ここで閉館時刻の18時に。
この先ももう少し展示があるようでしたが、このあたりで現代美術館を後にすることにします。 -
帰りは午前中のイル川クルーズでも見た、ヴォーバン・ダムの中を通っていきます。
ヴオーバン ダム 自然・景勝地
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ヴォーバン・ダムの中に入ると、通路の両側には歴史のありそうな彫刻作品が並んでいて、プチ博物館という感じ。
-
こちらは悪魔の彫刻でしょうか。
上の天使たちと違って檻に入れられているようですね(笑)。 -
橋の中央付近には、古代からのストラスブールの街の発展の様子を表わしたパネル展示も。
-
このヴォーバン・ダム、中をくぐり抜けられるだけでなく、階段を昇って上から街の様子を眺めることもできます。
こんなふうに、クヴェール橋の向こうにそびえるノートルダム大聖堂もくっきり。クヴェール橋 建造物
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ヴォーバン・ダムの上からクヴェール橋の左手方向をパチリ。
静かで趣のある水辺空間ですね。 -
ヴォーバン・ダムをくぐり抜けた後は、そのクヴェール橋の上を渡ってグランディルの旧市街へ。
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橋の上から見る明るい色の家並みも素敵ですね。
-
18時30分、旧市街に戻ってきました。
トラムの走るメインストリートは、家路を急ぐ人々や、夕暮れ時のお出掛けを楽しむ人々の姿で賑わっています。 -
横道に入っても、たくさんの人々が道いっぱいに広がっています。
このストラスブールの旧市街は自動車の乗り入れが制限された歩行者に優しい街。
こんな顔の見える街っていいですよね。 -
こちらは旧市街のほぼ真ん中にあるグーテンベルク広場。
その名のとおり、活版印刷術の発明者であるグーテンベルク(1398頃-1468年)を記念する広場で、彼の像も飾られています。
グーテンベルクはこの旅の最初の目的地、ドイツのマインツで生まれ、そこで活躍した人物ですが、ストラスブール(当時は神聖ローマ帝国のシュトラースブルク)滞在時に、活版印刷の技法を開発したとも言われています。
【晩夏のアルザス・ロレーヌ(1) マインツのグーテンベルク像】
https://4travel.jp/travelogue/10929633#photo_link_35398324グーテンベルグ広場 広場・公園
-
19時過ぎ、大聖堂近くの観光客が多く行き交う賑やかな小道にあるレストランへ。
たくさん歩いて喉が渇いていたので、まずはビールを注文(3.9ユーロ=約550円)。
“FISCHER”というアルザス地方のビールで、味が引き締まっていてどことなく白ワイン風。
アルザス地方はドイツに近いだけあって、ワインだけでなくビールも美味しいです。 -
料理はまずオニオンスープ(6.8ユーロ=約950円)。
この日の午後は空がどんよりといていて肌寒かったので、温かい料理が身体に沁みます。 -
メインはコルマールでも食べた、チーズをふんだんに使ったアルザス料理の“タルト・フランベ”(8.6ユーロ=約1,200円)。
最初は美味しくいただけたのですが、疲れて胃が弱っていたところにチーズの刺激が強すぎたのか、前日と同様、この後腹痛に・・・。
うーむ、これまで海外ではあまり腹痛になったことがないだけに、フランスの食べ物との相性の悪さを感じてしまいますね・・・。 -
結局少し残してしまってお店を出ると、20時30分。
辺りは薄暗くなり、街のライトアップがいい雰囲気だったのですが、お腹が気になってすぐにホテルへ。
この日は散々歩いたし、まだ旅程は5日も残っているので、今後に備えて早めに休みましょう。
さて、翌日は早朝ストラスブールを出発して、西に約100km離れたナンシーの街へ。
アルザス地方を後にし、これまた独特の雰囲気の残るロレーヌ地方の旅を楽しみます。
(晩夏のアルザス・ロレーヌ6日目~ナンシー観光~に続く。)
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この旅行記へのコメント (4)
-
- M-koku1さん 2017/10/08 00:08:55
- 撮影 すべてOKでしたか?
- 素晴らしい絵画が次々と並んでいますが
撮影OKということですか?
ヨーロッパは 寛容な美術館や 屋敷が多いですね
かつてストラスブールに行ったことがあるのですが
美術館には 寄らなかったようで 全く記憶にありません
残念なことをしました
マグリットの絵は大好きで
よく見ているつもりだったのですが
このエレノール夫人はちょっと記憶にない作品でした
サイトを添付してくださっていたので
ルーブルの デービットの絵も見て
ああ この女性像か と マグリットの絵からは全く想像できなかった絵にたどりついて ビックリです
学術的で 今度絵を見る時の参考になりそうですね
また訪問させてください
ではまた
Mより
- エンリケさん からの返信 2017/10/09 20:04:23
- ヨーロッパの美術館は撮影可能なところがほとんどです。
- M-koku1さん
こんばんは。
ストラスブールの美術館巡りの旅行記にご訪問いただきありがとうございます。
おっしゃるとおり、ヨーロッパの美術館は撮影可能なところがほとんどで、旅の思い出を鮮明に残すことができてありがたいですね。
マグリッドなどシュルレアリスムの絵は、見ていていろいろと考えさせられて面白いですよね。
芸術の秋なので、また美術館をメインにした旅行記を作成したいと思っています。
よかったらまた覗きにいらしてください。
-
- 川岸 町子さん 2017/10/01 12:46:52
- 比較文化
- エンリケさん、こんにちは♪
教えて頂いたように、以前の旅行記を拝見しながら、歴史や文化の比較をさせて頂きました!
【ナポリの休日(1) ナポリの国立考古学博物館のカエサル像(2~3世紀)】
【ナポリの休日(6) ポンペイの秘儀荘のフレスコ画の間】
です。
学生時代に「比較文化」という講義があった事を思い出しました。
私は履修しなかったような気がします??
はるか昔なので記憶がなくて(苦笑)、今にして思えば履修したかったなぁ。
今回、自分では全く気づかず、比較さえできない事柄を教えて頂き、その違いを発見するというのは、とても新鮮ですね!
でも様々な知識や体験がなければ不可能な事で、改めてさすがエンリケさんと感じました。
アルザスで出会うピカソやゴヤ、エル・グレコ達も、新鮮な出会いでしたでしょうね。
「クヴェール橋の向こうにそびえるノートルダム大聖堂」、また「グーテンベルク広場」のお写真、美しいです(*^▽^*)
町子
- エンリケさん からの返信 2017/10/01 23:54:49
- ローマ文明がもとになったヨーロッパ
- 川岸 町子さん
こんばんは。ストラスブールの博物館・美術館巡りの旅行記にご訪問ありがとうございます。
今回は自分の好きな歴史や美術の話題が多く、マニアックな旅行記になってしまいましたが、早速読んでいただき、うれしい限りです。
ヨーロッパはいくつも国があるけれども、ローマ文明をもとにしていることでは同じで、当時の遺跡にはいくつもの共通項があるところも、調べてみるとおもしろいです。
旅行記中でも書きましたが、塩野七生氏の“ローマ人の物語”を読んでからヨーロッパ旅行をすると、また違ったものが見えてくるかなと思います。
> アルザスで出会うピカソやゴヤ、エル・グレコ達も、新鮮な出会いでしたでしょうね。
フランスは本当に美術館大国で、国のあちこちで有名な画家の作品に出会えるところがすごいですよね。
次のナンシー以降でも美術館巡りは続きますが、これに懲りずにまたお付き合いください(笑)。
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ストラスブール(フランス) の旅行記
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旅行記グループ 晩夏のアルザス・ロレーヌ(2014.8.30~2014.9.8)
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