2014/09/02 - 2014/09/02
4位(同エリア107件中)
エンリケさん
*ラオス旅行以来、しばらく中断していたアルザス旅行記を再開します。
晩夏のフランス、アルザス・ロレーヌ地方を巡る旅4日目。
この日は“アルザスの真珠”と称えられる葡萄畑に囲まれた人口1,200人ほどの小さな村、リクヴィルを訪れます。
コルマールからバスに乗って葡萄畑の広がる田舎道を抜けていくと、現れたのは、色とりどりの木骨組の家々が連なる観光の村、リクヴィル。
朝一番では誰もいなかったメインストリートも、時間が経つに連れ、シニアの旅行者を中心に大賑わいとなっていき、とても人口1,200人の村とは思えないほど。
“最も美しい村”というフランスの地域振興のあり方に感嘆するとともに、天気にも恵まれ、この美しい村を隅々まで散策して楽しむことができました。
<旅程表>
2014年
8月30日(土) 成田→ソウル→フランクフルト・アム・マイン→マインツ
8月31日(日) マインツ→ストラスブール
9月 1日(月) ストラスブール→コルマール→エギスアイム→コルマール
〇9月 2日(火) コルマール→リクヴィル→リボーヴィレ→コルマール
→ストラスブール
9月 3日(水) ストラスブール
9月 4日(木) ストラスブール→ナンシー
9月 5日(金) ナンシー→メッス→ランス
9月 6日(土) ランス→パリ
9月 7日(日) パリ→
9月 8日(月) →ソウル→成田
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- ショッピング
- 3.0
- 交通
- 3.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 航空会社
- 大韓航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
9月2日(火)
フランス、ドイツとの国境に近いアルザス地方のコルマールの朝。
7時20分、線路沿いにある宿“プチ・デジュ・オテル・ル・コルベール”(P'tit Dej-Hotel Le Colbert)をチェックアウトし、フロントに荷物を預けてコルマール駅へ。
日本だと朝の通勤ラッシュが始まっている時間帯ですが、コルマールの駅前は静かなものです。 -
駅の売店で朝食を買い(生ハム入りのパン1.95ユーロとペプシコーラ2.85ユーロで4.8ユーロ=約670円)、駅舎に向かって左側にあるバス停から、リクヴィル・リボーヴィレ行きの106番のバスに乗車。
7時40分、わたしを含め、10人弱の観光客と思しき人々を乗せたバスは、時刻表どおりコルマール駅を出発(運賃は運転手に前払いで6.5ユーロ=約910円)。
ちなみに2014年当時のコルマールからリクヴィル・リボーヴィレ方面の106番のバスの出発時刻は、7時が始発で、以下、7時40分、11時10分、12時10分、14時10分、16時10分、17時10分、18時10分、19時10分となっていました。 -
コルマールからリクヴィルまでは、最初はこんな住宅街を通っていき・・・。
-
そこを抜けると、こんな一面葡萄畑の中を走っていきます。
遠くには平坦な緑の山(ヴォージュ山脈)と、赤い屋根の家々が連なる集落も見え、まさにのどかなフランスの田舎といった風景です。 -
コルマールを出発して50分後の8時30分、バスはリクヴィルの門の近くにある郵便局前に到着。
ここでわたしを含め、何人かを降ろして、バスはリボーヴィレへ。
まだ早朝のためか、辺りには誰も人がおらず、がらんとした感じ・・・。
そんな中ですが、ここから早速リクヴィルの街歩き(村歩き?)を始めたいと思います。 -
リクヴィルの村に入る門の前の通り。
車道と歩道の間には紫色のお花が咲き誇っていて綺麗ですね。 -
そしてこちらが村へ入る門となっている建物。
添えられたお花が訪問者たちを歓迎してくれています。 -
門をくぐって最初に現れたのは、こんな村の案内板。
リクヴィルは端から端までわずか数百メートルほどの小さな城壁に四方を囲まれた、昔ながらの雰囲気を残す非常にコンパクトな村。
人口はわずか1,200人で、数十分もあれば村を一周できるほどです。 -
こちらはかつての村の鳥瞰図。
葡萄畑に囲まれたその姿は、21世紀の今も変わらない、アルザスの原風景といったところですね。 -
そのままメインストリートの通り(ジェネラル・ド・ゴール通り)を歩いていくと、こんな鮮やかな色をした木骨組の家々が。
まだ観光客の姿はないですが、雲一つない青い空と相まって、何とも素敵な景観ですね。 -
脇道はこんな感じ。
さすがにゴミ一つ落ちておらず、こぎれいな観光の村といった印象です。 -
さて、リクヴィルの全長は数百メートルほどなので、あっという間に終点へ。
出口にはこんな大きな塔が屹立しています。 -
塔の外の裏門はこんな感じ。
西側で日陰になっているせいもあり、入口の門に比べると寂しい印象ですね。 -
裏門の脇にはこんな城壁が連なっています。
こんな小さな村であっても、防衛のための備えは怠っていなかったわけですね。
こういうところを見ると、日本の農村にはこんな堅固な城壁などはなく、第二次世界大戦まで戦争ばかりしていたヨーロッパに比べ、日本はずっと平和だったんだなあと思ってしまいますね。 -
この後、あまりにも人がいなくて閑散としているので、村の入口のベンチで、早朝買ったパンを食べたりしながら過ごします。
そして10時30分、再びメインストリートに戻ってみると、いつの間に入ってきたのやら、シニア層を中心とする多数の観光客の姿が。
うーん、やはり人物と一緒に撮ると、街並みも一層よく見えるものです。 -
西側の門の付近にも、こんなにたくさんの観光客が。
毎日こんなふうにして、この村をたくさんの観光客が訪れるのですね。 -
通りのどの家にも綺麗なお花が飾られていて、道行く人々の目を楽しませます。
-
脇道を少し行った先には大きな教会の塔も見えますね。
-
村内を散策していたら、西側の門の近くの奥まったところに入場できそうな施設を発見。
案内板を見ると、“Musee de la Tour des Voleurs et Maison de Vigneron”と書かれています。
直訳すると、“盗人の塔とワイン醸造業者の博物館”という意味で、15世紀に造られた監獄を利用した博物館とのこと。
観光客が何人か入っていったので、わたしも続いて入ってみることにします。
*開館時間:10時30分~18時
入場料:4ユーロ=約520円 -
博物館の内部は狭い階段を昇ったり降りたりする構造になっていて、日本のお城のような感じ。
こんな村の北側に面した通路から外側を見てみると・・・。 -
一面緑の葡萄畑が。
本当にリクヴィルは葡萄畑に囲まれた緑豊かな村ですね。 -
こちらは20世紀初頭ぐらいのリクヴィルの民家の様子。
今でも住めそうな感じですね(笑)。 -
こちらはいかにも監獄といった感じの拷問器具の展示・・・。
人間の怖いもの見たさに訴えるのか、ヨーロッパの中世博物館はこの手の展示が多いですよね。
それだけ拷問が身近に行われていたことの証なのかもしれませんが。 -
こちらの絵は、火あぶりや串刺しなど、残酷な刑の様子を描いたもの。
本当に、人間が拷問や残酷な刑の執行をやめるのに、どれだけの歴史を必要としたことか。 -
こちらは1917年から1918年の、第一次世界大戦中のリクヴィルを写したもの。
当時のリクヴィルは、ストラスブールやコルマールなど、他のアルザス地方と同じくドイツ帝国領でした。
この写真にもドイツの軍人らしき人々が写っていますね。 -
ドイツ語のエルザス・ロートリンゲン(アルザス・ロレーヌのドイツ語読み)地方の地図。
アルザス・ロレーヌ地方は、フランスとドイツという大国に挟まれ、両国の間を何度も行き交った、時代に翻弄された地域だったのですね。 -
1919年、第一次世界大戦が終結し、フランスに復帰した際のリクヴィルの写真。
リクヴィルは“フランスの最も美しい村”になっているとはいえ、フランス・ドイツ間の大戦の歴史とは切り離せないのですね。 -
最後は、ワインの醸造に使われたいくつもの樽が並ぶ部屋。
よくイメージするような円形ではなく、楕円形をしているところが面白いです。
それぞれの樽には年号が刻まれており、中には“1827”という古い年号のものも。 -
以上で博物館の見学を終了。
色とりどりの木骨組の家々が建ち並ぶ美しい街並みだけでなく、仏独という大国の狭間で、領土的に両国間を何度も行き来したという歴史も知っておくと、アルザス地方に対する理解が深まります。
そもそもこの木骨組建築は南ドイツが発祥とも言われていますし、ドイツとの切っても切れない関係が、フランスの他の地方にはない独特の景観を生み出し、リクヴィルを“フランスの最も美しい村”にしたとも言えます。 -
11時30分、お昼近くなって、パン屋やお菓子を売るお店にも観光客が集まり始めました。
右のお店の看板にも絵が描かれている、ガラスケースに入れられた大きなお菓子は“クグロフ”と呼ばれるもの。
パンの生地を専用の型で焼いた、アルザス地方独特の焼き菓子なのだそうです。
右端にはドイツっぽいプレッツェルが吊り下げられているのも見えますね。 -
メインストリートにはこんなかわいらしいお土産屋も。
-
木骨組の家の中にはこんな大きなものも。
-
しかしどの家も綺麗で立派。
日本で人口1,200人の村と言ったら、高齢者ばかりで危機に瀕しているといったイメージしかないですが、このリクヴィルは“フランスの最も美しい村”というキャッチフレーズでうまく観光ビジネスに乗せ、それなりの成功を収めているように見えます。
4トラベルだけでも60件以上の旅行記が書かれるくらいですから(笑)。 -
しかし、確かに美しい村なんですが、コルマール、エギスアイムと、アルザス地方の木骨組の家々を見慣れてくると、さすがに刺激が少なくなってくるかな・・・。
個人的には、街の大きさや咲き誇る花の数、水辺空間とのマッチングという点で、前日見て回ったコルマールのプティット・ヴニーズの方が、よりフォトジェニックな印象を受けました。
どれがいちばん心に残るかは、人それぞれだとは思いますが。
さて、時刻は11時50分。
午後はこの美しい村リクヴィルを後にし、葡萄畑の間を通って、これまたアルザスの美しい村、リボーヴィレを訪れます!
(晩夏のアルザス・ロレーヌ4日目後半~リボーヴィレ観光~に続く。)
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この旅行記へのコメント (2)
-
- 川岸 町子さん 2017/07/18 22:12:49
- ぶどう畑
- エンリケさん、おばんでした☆
私、ぶどう畑の風景大好きなんです!
さすがアルザスのぶどう畑、美しいですね〜。
眺めていると、人々の生活の匂いも伝わるし、季節感も感じられるし、いいなぁ(*^▽^*)
富良野にもぶどう畑があり、その脇にあるカフェに寄ったことを思い出しました。
木骨組みの家が印象的な「アルザスの真珠」は、街並みだけでなく、それを囲む自然も
含めて「真珠」なのかもしれませんね。
ドイツとフランスの狭間で生きてきた歴史。
博物館の中の住宅の様子は、穏やかな暮らしですね。
テーブルの上のクグロフや、ホーローらしき器や鍋。
おっしゃるように現在でも、レトロ感のあるキッチン用品として、そのまま使えそうです。
このようなささやかなセンスの良さは、アジアにはなくて、やはりヨーロッパ(^-^)
アジア旅の旅行記から、久々にヨーロッパの旅行記を拝見し、とても新鮮です!
次の旅先をまだ決めかねているのですが、ますます迷ってしまいそうです(笑)
暑い毎日、そして急激な気候の変化、どうぞお気をつけ下さい。
町子
- エンリケさん からの返信 2017/07/19 22:35:29
- 爽やかな晩夏のアルザス
- 川岸 町子さん
こんばんは。アルザス旅行記にご訪問ありがとうございます。
だいぶ古いものですが、最近はアジア旅行記が続いたので、気分転換も兼ねてアップしてみました。
おっしゃるとおり、ヨーロッパには雑多な感じのするアジアとは違った、一種整然とした美が感じられるところですね。
葡萄畑も緑色に輝いていて、改めて夏のヨーロッパはいいなあと感じたところです。
アルザス地方と言えばクリスマスマーケットが有名ですが、陽が長くて輝くばかりの緑に囲まれた夏もまた魅力的ですよね。
日本の夏は今やスリランカ並みの暑さですが、爽やかなヨーロッパの景色を見て、ささやかながら涼に浸りたいと思います(笑)。
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