2015/09/26 - 2015/10/09
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名古屋市熱田区の白鳥2丁目にある曹洞宗のお寺、北高山・成福寺(じょうふくじ)の紹介です。江戸時代の末期、史上最も長期とされる484日間に亘って漂流した、『船頭重吉の碑』があるお寺です。
- 交通手段
- 私鉄 徒歩
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『北高山・成福寺』の山門前にあった、『船頭重吉の碑』のタイトルの立札光景です。小栗重吉(1785~1853年)は、史上最も長期にわたって漂流した人物として知られます。アメリカ・カリフォルニア州のサンタバーバラ付近の洋上でイギリスの商船ホーストン号に救助されるまで、484日間にわたって漂流しました。生存者は、船頭の重吉以下、音吉、半兵衛の3名でした。生還した重吉は、新城藩(現愛知県新城市)の家老で国学者、池田寛親の聞き取りによる口述筆記で『船長日記(ふなおさにっき)』を書きあげました。
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『船頭重吉の碑』を期待して撮影した境内の光景ですが、この写真にはその碑は写っていませんでした。命を取りとめた重吉らは、シトカからペトロパブロフスク、カムチャツキーに送られ、ロシア船パヴェル号で択捉島へ護送されました。この間の1816年(文化13年)6月に半兵衛が病死、最後に残った2人は国後島からノッケ岬、根室を経て、同年9月に松前に到着しました。江戸で事情聴取を受けた後、1817年(文化14年)4月に身柄を尾張藩に移され、5月に帰郷を果たしました。
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『成福寺』の文字が記された表札の光景です。ネット情報によれば、御本尊は木像阿弥陀如来坐像と紹介されていました。
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成福寺之山門前にあった石碑の光景です。この石碑の一番左に『漂流船督乗丸碑』の文字がありました。重吉は1824年(文政7年)頃、著作を売り歩いたりして得た資金を投じ、台座が廻船の形をした慰霊碑を笠寺に建立しました。1853年(嘉永6年)に重吉が死去してからは放置されていましたが、同年、このお寺の成福寺に移設されました。帆柱の部分には『南無阿弥陀仏』の文字が、また台座には死亡した乗組員の名が刻まれています。ネット写真で、その碑を見ることができます。
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強めに選定されていた境内の古木の光景です。クスノキ(樟、楠)当たりのようでした。クスノキ科ニッケイ属の常緑高木です。右奥に本堂の甍が見えていました。
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曹洞宗のお寺、『北高山・成福寺』の本堂の大屋根のズームアップ光景です。まだ葺かれて新しいような本瓦でした。三の経の鬼瓦が乗っていました。
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左に『船頭重吉の碑』の名古屋市教育委員会名の説明看板と、右に成福寺名での『漂流船督乗丸碑』の石碑があった門前光景です。扉は閉ざされていました。禅宗のお寺は、坐禅での静寂を必要とするためでしょうか、立入り制限のお寺が多いようです。やむを得ないことのようです。
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入場が出来ませんでしたから、お寺の周りを巡っての撮影です。背丈ほどの玉石垣がお寺の敷地を取り囲んでいました。
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お寺の周りを巡っての撮影が続きます。少し離れた場所からの撮影です。よく手入れした庭木と、先ほど紹介したクスノキの姿がありました。
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船頭重吉の『船長日記(ふなおさにっき)』からの紹介です。同書には、積み荷の大豆を『きな粉』にしたり、魚を釣ったりして飢えをしのいだことや、同乗の乗組員が壊血病や栄養失調で次々と命を落とす様子、救助後のアメリカにおける生活などが記録されています。乗り組んだ督乗丸(約120トン)の乗員は船長の重吉をはじめ13名とされ、一人は遭難の契機となった嵐で海に転落したとされます。
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船頭重吉が立てた碑の帆柱の部分には、『南無阿弥陀仏』の文字が、また台座には死亡した乗組員の名が刻まれています。督乗丸乗組員の慰霊碑、『船頭重吉の碑』が建立されたのは、文政7年(1824年)頃とされます。
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説明立札や石碑があった、山門の前に戻って来ました。これで『北高山・成福寺』の紹介はおしまいです。船頭重吉は、嘉永6年(1853年)に69歳で亡くなりました。『船長日記』の原本は、昭和63年(1988年)、 新城藩主の菅沼氏の菩提寺で発見されました。
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