2016/07/01 - 2016/07/02
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deracineさん
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Avignon (アビニヨン)は南仏・Vaucluse(ヴォクリューズ)県の県庁所在地で人口は約9万人、こじんまりとした地方都市です
しかし中世の昔ここにカトリックの総本山である教皇庁が置かれ、いわばキリスト教の首都であったことを知る人は少ないと思います(実を言うと私もその一人です)
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13世紀後半教皇の権威が失墜、反面各国の国王の力は増大し教皇とことごとく対立するようになった
1294年に教皇となったイタリア人のボニファティウス8世は王権は教会に隷属すると考え各国の内政に干渉、また権力乱用によりローマは退廃しつつあった
これに対しフランス国王フィリップ4世は教会に納める税金を凍結し抗議したが教皇は信者にローマ巡礼を強要し巨額の浄財を集めた
両者の対立は更に激化しついには国王側は教皇をフランスに拉致するまでに至った
そのような中フィリップ4世に推されて教皇に選ばれたのがクレメンス5世で、彼は国王の意をくんで1309年教皇庁をアビニヨンに移した
アビニヨン教皇庁時代はその後68年間続くことになる
この出来事をイタリア人は旧約聖書にある「バビロン捕囚」になぞらえて「アビニヨン捕囚」と呼んで非難している
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今でも当時の教皇庁宮殿や大司教館などの建築物が多数残っており「アビニオン歴史地区」として19995年世界遺産に登録されています
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教皇庁は街一番の賑やかなレピュブリック通りを抜け、時計台広場を過ぎた右側にある
写真はいつも賑やかな時計台広場 -
時計台広場を過ぎて狭い路地に入ると塔の上に金ピカの像が目に入った
これはアビニヨンのノートルダム・デ・ドン大聖堂のマリア像だ -
路地を過ぎると広場があり、目の前にドーンと巨大な大建造物があった
広場の奥一杯に下がっても24mm(35mm換算)広角レンズで撮っても全体が入りきらないほど大きい
また祈りの場というよりは要塞を連想させるようなつくりである
それもそのはず、これは軍事施設も取り入れた15,000平米にも及ぶ大宮殿なのだ
見学者は写真中央に見える宮殿西側にあるシャンポー門から入る
なお入場料はサン・ベネゼ橋とセットで13.5ユーロ(シニア10.5)、日本語オーディオガイドは+2ユーロ
日本語オーディオガイドは分かり易い説明だがすべて聞くと時間がかかる
またその時は理解したがメモを取っていないのでこの記事を書くときはほとんど忘れてしまっていた -
宮殿は傾斜地に建てられていて2期にわたり建設されている
これは南側と東側にL字型に増築された新宮殿で派手好みのクレメンス6世が建てた -
先ほど見えたマリア像が建つ大聖堂と新宮殿に挟まれた部分に古い宮殿が残っている
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内部には教皇庁の模型があった
アビニヨンでは1309年から1377年までに7人のフランス人教皇が即位した
1734年に3代目教皇に即位したベネディクトス12世は清貧を旨とするシトー会の出身で、それまで使われていた館を取り壊し新宮殿を建設した
この宮殿は質素な祈りの場で現在北側と東側に当時のまま残っている(=模型の左側奥)
次に教皇となったクレメンス6世は前任者とは正反対で派手好み、南側と東側にL字型に隣接して新宮殿を建設した(=模型の手前) -
枢機卿会議の間
長さ48mx幅10.25mもある
豪奢を好んだクレメンス6世が天空を現わす金を散りばめた青布を天井に張らせたそうで壁の宗教画と共に1413年の火災で焼失した -
Pierre Peysson が設計した回廊
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回廊をぐるっと一周した
四角い鐘楼と隣の大聖堂のマリア像が見えた -
サン・マルシャル礼拝堂
撮影が禁止されていたので入口から見える範囲を撮った
天井一面を覆うフレスコ画があり、これはクレメンス六世のお抱え画家M・ジョヴネッティによるもの -
サン・ジャン礼拝堂も同じく撮影禁止
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ゴシック様式のこの大礼拝堂は当初はクレメンス六世の私的な礼拝堂として使われていた
身廊は幅15m、長さ52m、高さは20m -
同じく大礼拝堂の反対側
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中庭に面したポルタイユ
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北の製具室。新宮殿の2階大中庭に面し大礼拝堂に続く部屋
中にはアビニヨンの教皇や教皇庁にかかわる人物の墓石の複製が展示されている -
歴代の教皇の絵が飾られていた
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これは侍従の部屋。当時の侍従の制服が展示されていた
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イタリアの有名な画家シモーネ・マルティーニのフレスコ画などが展示されていた
(右下の絵) -
荒れ果てた部屋もあった
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「地球の歩き方」にしたがって見学の最後は屋上テラスに上がりアビニヨンの街並みを展望した
ゆったりと流れるローヌ川が見えた -
教皇庁前の広場が眼下に見えた
左に見える尖塔は市庁舎の時計台 -
要塞のような宮殿の鐘楼と小鐘楼(右手)、左手には隣のノートルダム・デ・ドン大聖堂のマリア像が背比べをするかのように立っていた
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マリア像をアップ
金箔が少し部分的に剥げているようだ -
なかなか教皇庁も商売上手でショップを通らないと出られないようになっている
教皇と言えば フランス語で Pape(パプ)
教皇は去ったがこの地に有名なワイン Château neuf-du-Pape(シャトー・ヌフ・デュ・パプ)は残った
教皇が命じてこの地で作らせたこの地のワインは芳醇な味わいが特徴
それはブドウ畑の地面をコブシ大の石で覆うことにより夜でも暖かさを保っているからだという
いずれにしても下戸な自分には興味のない話だ -
マダムも興味深げに眺めていた
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教皇庁の隣の大聖堂の奥にはロシェ・デ・ドン公園があり無料開放されている
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ここから「橋の上では踊れない」サン・ベネゼ橋が良く見えた
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公園からはもちろん隣のノートルダム・デ・ドン大聖堂もよく見える
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公園内に大きなクワの樹があった
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クワの赤い実
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公園内には池と噴水があり、水鳥が楽しそうに泳いでいた
またレストランもあった -
大聖堂の前には磔刑のキリスト像がある
この大聖堂は12世紀初めにアビニヨン司教座のある聖堂として建設された
14世紀になって教皇庁がアビニヨンに移転するに伴いたびたびグレードアップ工事が行われた
ひときわ目を惹く四角形の鐘楼は15世紀に完成したもので高さ38mもある
1859年には更にその上に鋳鉄製のマリア像が置かれた -
この大聖堂前でハローキティのバッグを持った女性を見かけた
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大聖堂前で何やらセレモニーを行った
あとで尋ねたところ洗礼式とのことだった -
この大聖堂の内装工事にはイタリアの有名な画家シモーネ・マルティーニも参加している
彼は1342年クレメンス6世に呼ばれ教皇庁宮殿の内装を手がけた
また大聖堂の正面扉口に聖母マリアと天使などを描いたフレスコ画を制作、これは現在宮殿内に移設された -
ローソクに火をともし礼拝するマダム
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畏れ多くも祭壇を写さしていただいた
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時を告げる大きな鐘の音がしたので外へ出た
大聖堂の鐘の音か、それとも教皇庁のものかは不明だがどことなく寂しげな余韻だった
セミの抜け殻(空蝉)のように主(あるじ)がいなくなった教皇庁はかっての栄華が嘘のように今はさびれていた
諸行無常は世の習い、将来が分かるのは神様のみか、、、、、
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