2014/07/18 - 2014/07/22
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binchanさん
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真夏の台湾、炎熱の昼下がり。木陰一つない線路脇の一本道を憑かれたように歩き続けていた私に、神様が降臨しました。流しのタクシーなどあり得ないこの道に、突然あの黄色いタクシーが現れたのです。運転手さんに「こんなところで何しているの?早く乗りなさい」と言われ、私は乗りこみました。
こんな私でも旅行中一人でタクシーなどに乗る際には一応気をつけていることがあります。「向こうから声をかけてくる車には乗らない」「車に乗り込むところを第三者が目撃している状況をつくる」です。こちら声をかけた人の方に悪意がある確率は相対的に低いと思われるし、もし何かあったとしても、誰か目撃者があれば捜索の手助けにはなるだろうと考えているからです。しかし今回のケースはこの2つともに反しています。
当時はいろいろ考える余裕がなく、地獄に仏とばかりに乗りこみましたが、その後ちょっと冷静になってから、警戒心がなかったことに反省が芽生え、それに対して言い訳を考え始めます。その時思いついた言い訳が「あのタクシーは神様が遣わしたもの」という考え。ここまでして自分は間違ってなかったと思いたいのかと、自分の都合のよさに愕然とします。こんなことを46歳にもなって反省していてはすでに手遅れかもしれませんが、この教訓は以後に役立てたいと思います。
神様の車だから無防備に乗っていいというのが姑息なこじつけだとは分かっていても、やっぱりあのタクシーの運転手さんは神様の化身だったと思っています。自分に都合のいい神様を作り出すのも人間ですが、本当に感謝の気持ちを伝えるために神様を持ちだすのもまた人間です。感謝と敬意を神様という言葉に込めて、あのタクシーを神様タクシーと呼びたいと思います。決してふざけているわけではありません。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 鉄道
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
<神様との出会い>
14:15灣瓦発のバスに乗ろうと思いつつも、14:00の段階でかけ離れた場所をうろうろしていた矢先、神様のタクシーに拾っていただきました。神様は言いました「どこに行くつもりだったの?」
それに対して私が言った言葉は「好望角の頂上に行くつもりでした。ところで、もしお時間があるなら貝殻山へ行ってそれから頂上に行って欲しいんですけど…」。
もう神様も苦笑です。気の毒に思って拾ってやったらこの要求ですか!?もう今思うと申し訳ない限りで、自分の業の深さに恥入るばかり… -
<貝殻山>
神様は快く貝殻山へ行ってくれました。
線路北側の道を行くと、この「過港貝化石層」という看板があります。過港はこの辺りの旧地名。 -
神様に待っていただいて化石を見に行きます。
-
低い位置の化石は粉々になってしまっていますが、高いところでは今でも大きな貝殻が見られるらしい。
-
この地層の発見に関するサイトが見つからなくなってしまって、いつ誰によって発見されたのかはわかりません。確か西洋人の女性が関係していたような…。
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線路沿いはほとんど草むらなのですが、ここだけ地層がむき出しになっていて特徴的です。貝殻の地層は好望角の中腹にもあって、そちらには石碑があります。(後ほど行きます)
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<舊海線1號隧道>
車に戻って私はさらにずうずうしいことを言ってしまいました。「実は舊隧道にも行きたいんですけど…」
神様はさすがに心が広い。すぐに舊隧道へ連れて行ってくれました。そして隧道前の広場に乗り入れて「ちょっとそこの媽祖廟に行ってくるからその間にトンネルを見てて、すぐ戻るからね」と言っていったん去って行きました。 -
海線は日本時代の1920年に清水⇔追分間が、1922年に全線が開通しています。このトンネルが開業当時からあったのかは調べきれていません。もともと海岸ぎりぎりを走っていたのを、トンネルを掘って路線短縮したのかもしれませんし、もとからこのトンネルがあったのかもしれません。
トンネルは1970年代、海線の電化と複線化に伴う路線変更で使われなくなりました。山線の旧路線は、勝興のように人気の観光地となっているところもあるのですが、海線にもひっそりと、こんな旧跡があるのです。 -
ここのトンネルは舊海線白沙屯隧道群と呼ばれており、実はトンネルが3つ続います。
これは第1号隧道。貝殻化石がある道をさらに西き、左手にある線路をくぐる巨大な排水口のようなコンクリートの通路をくぐって、少し右へ行くとたどり着けます。 -
全長295m、地面も歩きやすく舗装されています。
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天井にあるレールは、台湾のブログによると照明施設だそうです。
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トンネルは途中で湾曲しているので出口が見えません。通り抜けて2号トンネルまで行けるらしいのですが、怖いので入口だけ。
神様を長く待たせてもいけませんし… -
1号トンネルの脇に階段があり、この上にもまた貝殻化石の地層があります。
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登ってみました。
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下で見た地層とおなじく小さな貝殻の化石が見えます。
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政府文献委員会の石碑。
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ここは後龍好望角の麓にあたります。展望台はまだまだずっと上。
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トンネル前の広場には案内看板。
神様は約束通りすぐに戻ってきてくれて、再び車に乗り込みました。どうにも喉が渇いていたので「お店を探して飲み物を買いたいんですけど」と言うと、「お店なんかこの辺にはないよ、世の中お金があっても買えないものもあるんだよ。買う必要なんかないからこれを飲みなさい」と黒松コーラの1.5Lボトルとコップを渡してくれました。なんて慈悲深い神様。そしてお金で解決できない現実を思い知りました。
このコーラを飲んだらさっきまでのだるさがウソのように消え、元気が出てきました。
そんな私の気分を察してか、今度は神様から提案が。「海岸には行かなくていいの?すぐそこだよ」と。もちろん二つ返事で連れて行っていただくことにしました。 -
<海角楽園>
午前中に白沙屯海岸を見たのでここで砂浜に行くつもりはなかったのですが、来てみると直接浜辺に車で入ることができ、海をさらに近く感じることができました。 -
神様に「この辺りに昔の石滬があるって聞いたんですけど見えるんでしょうか」と聞くと、「石滬ならちょうどこの辺りだから見えると思うけどなあ」と言ってテトラポッドに登って見てくれました。しかし潮が高くて今日は見えないとのこと。干潮から2時間ほど経っているからなのか、もっと干満差がある日でないと見えないのか。でも神様に「ここにあるけど今日は見えない」と言われたので納得です。
石滬というと澎湖諸島の雙心石滬が有名ですが、このように台湾島西部にもかつては存在していました。白沙屯の石滬は検索しても画像が見つかりませんでしたが、実は後龍の外埔漁港にある合歓石滬は画像が確認できます(台湾のブログ)。外埔漁港も当初の計画に入れていたものの、さすがに時間不足で外さざるをえませんでした。(外埔にはバスで行けますが石滬のある場所までは15分程歩きます。) -
この地域の見どころや地理に詳しい神様、実は地元出身の方なのです。タクシーは台北縣(現在は新北市)の登録ですが、ご本人は白沙屯が地元で、休日を利用して山邊媽祖廟のお手伝い(服務とおっしゃっていたのでボランティアか何か?)に来ていたのです。その途中で私を拾ってくれたとのこと。こう聞くと本当に神様の化身のように思えてきませんか?
そう、神様はタクシーで営業中だったわけではなく、媽祖廟の仕事中だったんです。それをこうも振り回すとは、私の罰当たり具合も相当なものです。 -
この辺りは海角楽園という公園になっています。こう暑くっちゃあ誰も遊んでませんけどね。
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<後龍好望角>
好望角の展望台にやってきました。
現在は夕日が美しい絶景展望台ですが、ほんの数十年前までは一般人が近寄ることのできない軍事基地でした。今でもトーチカの跡があります。 -
戦後台湾海峡を挟んでの状況が緊迫していたころ、海線は海岸からの攻撃にさらされやすいということで陸路輸送の主役ではなくなっていったと、何かで読んだ記憶があります。長閑に見える漁村も、当時はいろいろ大変だったんでしょうね。
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トーチカの中に入れるみたいですが、暑そうなのでやめておきました。
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展望台にも風車があります。休日には屋台が立ち並ぶようですが、月曜日のためか店は2〜3つほど。しかも準備中っぽい。
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神様が「景色がいいのはあっちだよ」と案内してくれました。後ろ姿が神様。
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本当に、いい景色です。ちゃんとここに来ることができて本当に幸せ。神様ありがとう。
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好望角の展望台への道はこんな階段。これを徒歩で登ろうとしていたとは…。無謀でしたねえ。昨日は獅頭山でけっこうな山登りをしたけれど、あちらは木陰だったからなあ。
ふと、この辺りがスイカの名産地だったことを思い出して、「スイカ畑ってここから見えるんでしょうか?」と聞いてみました。好望角から見下す一帯はみんなスイカ畑だとブログで読んだのです。 -
すると神様は、「ここから見える畑は全部収穫済みだよ。スイカのある畑は遠いよ」と言います。神様の「遠いよ」は、歩いて行くのは遠いから乗せてってあげるよ、という意味なのです。連れて行って欲しいという意味ではなかったのですが、神様は私の希望をとことんかなえてくれようとするのです。
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<舊海線第2號隧道>
展望台からスイカ畑に行く途中、2號隧道と3號隧道があるところを通ってくれました。舊隧道は3つあるのです。
私は1號隧道からいったん好望角山頂の展望台に行き、それから2、3號隧道に連れてきてもらいましたが、歩いて行く場合は1號隧道を通り抜けて2、3號へ行くのが分かりやすいです。 -
神様が「これも舊隧道だから見ておいで」と車を停めてくれました。
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1號隧道同様照明のレールが天井についています。
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通り抜けられるようですが、やっぱり怖いので入口だけ。
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<舊海線第3號隧道>
2號隧道に続いて第3號隧道があります。 -
3つのトンネルの中で最も短いトンネル。照明施設もありません。
これも通り抜けられるらしいですが、出口らしきものは見えず。 -
天井は煤で黒くなっています。時代を感じますね。
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<スイカ畑>
このあたりのスイカは6月に収穫が終わってしまうとのこと。そんな中、まだ株が残っているスイカ畑まで連れてきてくれました。さすが地元の方です。 -
多分収穫はしないであろう小さなスイカが残っていました。
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畑の擁壁にスイカが…
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隣は香瓜(マクワウリ?プリンスメロン?)の畑。
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畑の向こうに山邊媽祖廟。神様はあちらでお仕事中だったのです。
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ハイビスカスの花は台湾では花粉症のアレルゲンだそうです。
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<後龍駅へ>
最後に後龍駅まで送っていただきました。お金はいらないという神様に300元だけ渡しました。1000元だと受け取ってもらえないのではと思って、あるだけの100元札を渡したのですが、本当はその何倍も渡したいくらい感謝し感動していました。本当に親切な方だったのです。
台湾のタクシーに関する法律はよく知らないのですが、営業区域以外でお客を拾ってはいけないという決まりがあるかもしれません。神様の名誉のために付け加えますが、神様は決して営業はしていません。料金も請求されていませんし、300元はあくまでも私のお礼の気持ちです。 -
いただいた黒松コーラ。飲みきってしまいました。これのおかげで本当に助かりました。
時刻は15:10。図らずもほぼ計画通りの時間です。後龍駅前で神様をお見送りし、再び電車に乗って移動します。
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この旅行記へのコメント (2)
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- へけけさん 2014/08/21 19:30:14
- やっぱり、変わってますね(良い意味で)
- binchan様 こんにちは。
それにしても暑いですね、37度でしたよ、房総方面は。それはさておき、台湾人でも行かない様なところに、なんで興味を持ったのかは、人それぞれなので、あえて追求はしませんが、親切な運ちゃんに、声をかけて貰って、本当にラッキーでしたね。遭難してもおかしくなかったンじゃないんでしょうか?(笑)しかも、料金を請求されなかったんでしょ?でも、気を付けてくださいよ、本当に。binchanさんが今回行かれた、海線は確かに魅力的で、とても参考になりましたが、自分みたいなおっさんが、海線の線路沿いをカメラ持って歩いていたら、絶対に通報されますね、それと、海線って最近出来たのかなあって思ってましたが、そうとう歴史があるんですね、でも旧線のトンネルの直径を見るとナローゲージっぽいですね。マニアックな旅行記、堪能させて頂きました、有難うございました。失礼な言動お許しください。(ちょっと酒飲んでるもんで)
へけけ
- binchanさん からの返信 2014/08/22 19:37:20
- 変わってる、は褒め言葉と受け取ってよろしいのかしら?
- へけけさん、コメントありがとうございます。
今年は東日本が暑いみたいですね。私は梅雨明け前に台湾で猛烈な暑さにあたってきたので、今年の夏は比較的過ごしやすいな、なんて感じてます。(実際猛暑日は少ないらしい) でも暑いですけどね。
旅行先を決める基準って十人十色ですよね。へけけさんも相当変ですよ(笑。そこをあんまり語らないのがちょっとミステリアスですよ(^−^)
私、今回の好望角とトンネル、貝殻化石山はけっこう一般ウケする場所だと思ったんですけど…。行きたいと思った理由が変かもしれませんね。他の方の旅行記も、みんないろいろ思って旅してるんだろうな、と思いながら読んでます。自分と似てる人がいるとちょっと嬉しかったりしますよね。
そうそう、舊トンネルの情報って意外と少なかったんですよ、調べてみても。鉄道のトンネルは普通歩いて入らないので、見てもサイズ感がわかないです。写真見てゲージを推測するなんてさすが鉄迷ですね。
今日やっと旅行記が完成しました。26で終わりますから、へけけさん、飽きずに読んでやって下さいねm(__)m。私もお酒が入ってから書いてる時がありますから、文章がおかしくても許して下さいよ〜
binchan
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旅行記グループ 2014-07 苗栗深度旅游
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