2014/07/18 - 2014/07/22
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binchanさん
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苗栗の山間部には、日本ではそれほどポピュラーではないけれど、多くの魅力的な観光地があります。どこもあまり交通の便がよくないので、台北中心に短期日程で訪台する観光客には行きづらいというのがポピュラーではない理由だと思います。今回その中からまず「汶水老街」を選んだのは、先に「出磺坑」に行くことを決め、それと絡めて行ける場所を探した結果です。なぜ出磺坑なのかは06で説明します。
汶水老街は苗栗県獅潭郷にあります。苗栗駅から南東へ20キロほど。南へ一本川を越えると大湖郷に、西へ少し行くとすぐ公館郷になっちゃう微妙な位置にあります。
南隣の大湖郷は草苺(くさいちごと読むのではなく、中国語で普通の苺のこと)の大産地。そのため12月から5月の草苺シーズンには観光客で大にぎわい。老街では草苺香腸(苺味ソーセージ)とか草苺煎餅(甘くないクレープ)、炸草苺(揚げ苺)といった珍味の屋台に人々が行列するのだそうです。
しかし今は7月のシーズンオフ。オフシーズン、それは私にとってのオンシーズン。人がたくさんいるところはとにかく苦手です。
汶水や獅潭の情報は日本語ではなかなかヒットしません。基本情報はこの苗栗文化観光旅遊網で調べます。(日本語版は情報が少ないです)
http://miaolitravel.net/
口コミ情報は台湾のブログを検索して収集しました。
汶水ではもう少しゆっくりできるつもりだったのですが、路線バスの旅は時間通りには進まないもの。汶水の紹介というより旅行記録の性格が強い旅行記になってしまいました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
<新竹客運>
二日目8:00、新興大旅社チェックアウト。宿に荷物を預かってもらって観光へ出かけます。宿に荷物を預けられない場合を考えて、苗栗駅の行李房が開く8:00以降の出発と決めていました。
苗栗県をバス移動する場合主に苗栗客運と新竹客運を使うことになります。おおざっぱに分けると、海側は苗栗客運、山側は新竹客運が路線を持っています。苗栗の山側が新竹客運というのは意外ですが、新竹客運が創業した大正8年(1919年)ごろの苗栗地域は新竹州の一部だったからかもしれません。
新竹客運の情報はこちらから
http://www.hcbus.com.tw/big5/information.asp
時刻表は左の「票價時刻表」のバナーから、路線図は乗車資訊の一般公路客運から路線番号を選びます。 -
バスターミナルのバスたち。
-
私が乗る5656路線(苗栗→大湖)はこの乗り場から出ます。上のバスが並んでいる側ではないのでちょっと探しちゃいました。(OKマートがある方)
-
時刻通り(8:20)にバスがやってきました。悠遊カード、台湾通など共通で使えます。私は台湾通にチャージが残っていたのでそれを使いました。こんな場所でも悠遊カードが使えるようになって、もう台湾通を使うこともないのかな。
バスには電光掲示板があり次のバス停を文字で教えてくれます。アナウンスもあってタイミングも正確でした。
苗栗市内では渋滞があり、ブン水の手前では工事による片道交互通行もあったりして、6分程遅れて到着です。 -
<汶水バス停>
車内の電光掲示板を見て下車ボタンを押し、扉の前まで行って待っていたら、こんな道端で停車してドアが開きます。バス停ないけど?
運転手さんに「汶水?」と聞いて下車。運転手さんは「老街は少し戻って左だよ」と教えてくれました。バス停位置が変更になってるなんて聞いてませんけど!? -
<老街への道>
快速公路と台6線、台3線が立体交差しています。これを左へ行くとすぐ汶水老街。
いま立っている道とT字路になっているのが台6線ですが、その曲がり角が封鎖されていました。本来バスは台6線を道なりに老街を通り抜けていくはずなのですが… -
<汶水老街>
T字路を左折するとすぐこんな感じの老街があります。
私が乗ってきたバスは普通の大型バス。たしかにこんな商店街を通り抜けられては困る気もしますね。特に草苺のシーズンにはここに屋台が立ち並んでいるんですから。
http://www.dahu.com.tw/wenshui/ -
<本来のバス停>
老街の真ん中あたりに今は使ってないバス停がありました。確かに赤い看板に「現在は使われてません」と書いてあります。 -
時刻表の汚れ具合からするとかなり前から使われてない感じ。客運のHPに何も書いてなかったけど、いったいいつからなんでしょう?
汶水のバス停は場所が変わっているだけなのでまだ納得できますが、次の「法雲寺口」は付近を通りもしません。田舎の路線バスはこういうところが怖い!
この旅行記を書くために汶水のことを調べているうちに、老街の道幅を広げる工事が計画されているのだということが分かりました。それが今のところ保留になってるそうで、バスの路線変更はこのあたりが原因のようです。台6線は主要幹線、老街区間のせいで渋滞があるんだそうですよ。私の行った時期に関しては渋滞のJの字も見当たりませんでしたが…。
それにしても老街の道幅を広くしてしまったら、古い建物がなくなって老街じゃなくなるのでは? -
<獅潭行きのバス停を探せ>
この後5657路線のバスに乗って獅潭へ移動するので、その乗り場を確認しなくてはいけません。乗ってきたバスの行先である大湖は汶水の南にあり、獅潭は北にあるので乗り場はきっと別だと予想しました。乗り継ぎに45分あるとはいえ確認するまでは安心できません。
近くにいた女性に「獅潭行きのバス停はどこでしょう」と聞くと、「自分は長く住んでないから分からない、あそこの人が詳しいと思う」と教えてくれました。
見るとそこは「汶水老街資訊站」というところらしい。オンシーズンに訪れている台湾人のブログではよく登場する店で、観光地図や土産物を売っているという場所。でもこの時期はただの民家でした。バス停の場所は教えてくれたのですが、先ほど下車した場所と同じところだと言うのです。現地の人って意外とバスについて知らなかったりするので食い下がって質問しました。「大湖と獅潭は逆方向なのにどうして同じバス停なんですか?」。「バスはこの先の信号で左右に分かれるのよ」とのお答え。私の文法めちゃくちゃな質問をよく理解してくださいました。疑ってごめんなさいm(__)m。
資訊站の人は「今からバスを待った方がいい、乗客が少ないと早めにバスが行ってしまうから」と言うのですが、バスの予定時刻は9:55、現在は9;15。そんなに早く来ますか!?
私が「少し街を見てからバス停に戻ります」と言うと、「今の季節の汶水に見る所なんかないからバス停にいたほうがいい」と言います。たしかに老街にはオンシーズンの活気がないとはいえ、景色とかそれなりに見るものはあるでしょう?結局私はその方の忠告を無視して老街を散策し始めました。
まずは老街を通り抜けて南へ。老街は確かに閑散としていて、草苺以外の観光名物(たとえば乾燥させた猪の膽といった客家珍味)も全く目にすることはありませんでした。まだ午前9時台だったからかもしれません。 -
汶水老街の看板。前で記念撮影したかったけれど、人も通りかからず、適切な土台もなくセルフタイマーも断念。
-
<汶水溪>
台6線で川を渡ります。この橋を渡ると大湖郷。 -
今年の台湾は雨が少ないと聞きましたが、水量が少なく見えるのはそのせい?
-
<養蚕産業>
大湖、獅潭は養蚕がさかんな地域でもあります。 -
<石壁温泉渡假山荘>
温泉旅館です。いいな〜、こんな静かな所で温泉に入ったら気持ちよさそう。でも結構お値段が高いんですよ。 -
<法雲寺>
ここから山を登ったところにお寺があるようです。寺から古道が続いていてそれは出磺坑までつながっているそうです。
この門のあたりに「法雲寺口」のバス停があり、そこは大湖行き、獅潭行き、清安行きの3路線が通るはずなのですが、少なくとも大湖と獅潭の路線はここを通りません。
そうそう、豆腐街で有名な清安へは大湖発でこの辺りを通るバスで行けます。本数はとても少ないですが… -
<温泉口バス停>
台6線と台3線が合流する場所まで歩き、道を渡って台3線側にやってきました。
そこにあったのがこのバス停。新竹客運のHPには「温泉口」というバス停は見当たりません。書かれている路線からするとHPでいう「清安入口」のことのようです。
ここは大湖⇔苗栗(5656)と大湖⇔清安(5662)の2路線が通るはずですが、もし乗るつもりであればそれぞれもう一つ先のバス停まで行くことをお勧めします。このバス停の辺りを行ったり来たりしている二人連れがいましたが、もしかしたらバスが来なくて困っていたのかも。 -
<台3線、汶水橋南詰から南を見る>
茶色い道路看板の文字、見えますか?「雪覇国家公園200m」と書いてあります。そこには雪覇国家公園汶水旅客中心があり、私はそこに行きたかったのです。45分も時間があれば乗り継ぎ時間の内に行けると思っていましたが、結局時間不足で行くことはできませんでした。汶水溪に面していて景色もいい場所らしいです。
http://www.spnp.gov.tw/Article.aspx?a=ytj8%2f%2f3cU%2b8%3d&lang=1
この段階では帰路にもう一度汶水に寄る予定だったので、後から来ればいいやと思っていました。(結果、行けませんでしたが…)
ちなみに、写真左端に小さく写っている人影がバス停をうろうろしていた人。 -
<台3線、汶水橋>
このまま台3線を北上しても獅潭行きのバス停に行けます。しかし、この時はその確信がなかったので、とりあえずこの橋は渡らず老街の方へ戻りました。 -
<謝孝徳画院>
バス停に戻るべく老街を急いでいたら、最初にバス停を尋ねた女性に呼び止められました。「結局バス停は分かったの?」「分かりましたよ、ありがとうございます」などやり取りしていたら、「すごい汗ね、お水飲む?」と言われました。確かに私すごい汗をかいてました。バスの時間まであと15分くらい。どうしようかと思ったけれど、来る時途中が工事中だったし、まさか10分以上早く通りすぎることもないだろうと、お言葉に甘えました。
その方が招き入れてくれたのがこの画院。ここもブン水についてのブログでよく見る画廊です。やった!中に入れる! -
中に入ってお水をいただき、絵も見せていただきました。「謝孝徳」で検索すると作品や経歴が出てきます。高名な画家のようですね。
恐る恐る「写真撮ってもいいですか」と聞いたらOKでした。 -
作品には油彩と水彩があります。
さて、それほどのんびりするわけにもいかず、女性の方には「帰りにも汶水に寄るのでまた」と言ってバス停へ。結局戻ることはなかったので心残りです。 -
<乗り遅れ>
バス停に戻ってみると、私が下車したときにこのベンチに座っていたおばあさんがいません。このバス停には私が乗ってきた5656路線かこれから乗る5657路線しか来ないのです。バス停はないとはいえ、このベンチはどう考えてもバスを待つためのもの。私が降りたバスに乗らなかったということはおばあさんは獅潭行き9:55を待っていたはずなんです。45分も前からバスを待ってるなんて気長なおばあさんだなあと思っていました。
とりあえずこのベンチに座ってスマホをオン。今回は秘密兵器が投入されているんですよ〜
中長距離のバス路線を探すときの強い味方がこれ
http://taiwanbus.tw/
旅行計画を立てる時はこのサイトがフル活用されてます。これのスマホアプリ版をダウンロードしてあるんですよ、今回は。「iBus公路公車」というアプリでとっても便利なのです。
アプリを開いて「找路線」をタッチ、バスの路線番号を入力し「去程」「回程」を選択するとその路線のバスがいまどこを走っているかが分かります。
まだ到着予定時刻前なので、通りすぎてしまったとしてもせいぜい2〜3個先のバス停辺りにいるかと思っていたら、なんと10個くらい先まで行っちゃってました。いや〜資訊站の人の言うことは聞いとくべきでしたね〜。そして45分前から待っていたおばあさん、さすが地元の方です。
次のバスは11:20。この後の行動をどうしよう… -
<いわゆる白タク>
今日は夜が台北でのオフ会なので、何が何でも苗栗16:08発の列車に乗らなくてはなりません。しかも午後に出磺坑にだけは絶対行きたい。プリントして持っていた新竹客運の時刻表を取り出して今後のプランを考えたのですが、路線バスにこだわる限りは獅潭行きを断念しなくてはなりません。
ここであきらめる勇気が必要だったかも知れませんが、獅潭への思いが強すぎて別の手段を使うことに決めました。
バス停の向かいには草苺農園がありちょっとしたお店も併設されています。そこへ入って行き「この辺りにタクシーはないでしょうか?」と聞きました。もちろんないだろうと予想してのことです。台湾の僻地に何度か行っているとはいえ、正規のタクシー以外に乗ったことはありません。交通が不便な地域では車を持っている人にお金を払って乗せて行ってもらうのがそれほど特別なことではないと思いつつも、この時「白タク行為」という響きにかなりビビっていました。却って心の中では「タクシーはない。苗栗か大湖まで行けばあるけど…」などという冷たい返答を期待してもいました。
しかし店の主らしき男性がさっと立ちあがって、「行先は?獅潭?なら300元だ」とあっさり。
このあと店主の車で無事に獅潭へ到着。旅行記はまだまだ続きます。
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