69年前の戦場へトラック諸島でDIVE!～特設給油船 神国丸(SINKOKU MARU)～

2013/12/21 - 2013/12/21

20日～28日までトラック諸島で計19本潜ってきました。
21日の1本目は神戸の川崎造船所で昭和１５年２月に竣工した排水量10020総㌧ 全長153mの神国丸。
2012年3月に続き2回目のポイントです。
神国丸は神戸桟橋のタンカーとしてアメリカから重油の輸送に従事。
日米開戦前の昭和１６年８月に日本海軍に徴用され特設給油船として太平洋戦争に突入。
真珠湾攻撃やミッドウェー作戦には空母機動部隊とともに行動しています。
そして1944年2月17日～18日のトラック空襲(作戦名ヘイルストーン)に参加した空母ヨークタウンの艦載機の攻撃を受け18日にファイチュック諸島(旧名 七曜諸島)のウドット島(旧名 月曜島)の北東、水深37mの海底に水平状態で着底しています。
黙祷の後、潜行開始。

エリア チュック（トラック）(ミクロネシア)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 30万円 - 50万円
• 交通手段: 船
• 航空会社: ユナイテッド航空
• 旅行の手配内容: 個別手配

1941年12月ハワイ作戦で機動部隊に随伴する神国丸（写真右）

特設給油船 神国丸の艦型図。
チューク州観光局で購入したDive-Mapより。

特設給油船 神国丸の沈没状態の図。
これもチューク州観光局で購入したDive-Mapより

ポイント名 神国丸。
平均水深17.0ｍ Max29.2ｍ 透明度Max10m 水温29.7℃
12?タンク背負っての42分のダイビング。
前回と同じく透明度イマイチ、特に船尾付近は...。
しかし船体に付着した珊瑚と魚影の濃さは必見です。

中央のキングポストから潜行開始、まずは船尾へ。
煙突構造物付近の甲板には船内で見つかった調理用品が並べられています。

船内から持ち出された調理用品。

今はだれも、駆け上がる事のない階段。

煙突構造物の内部へ潜入します。

潜入すると狭い通路があり船尾へ出ます。
通路脇には便所と風呂場があります。

風呂場を覗くオーストラリア人夫婦。

風呂場です。
沈殿物が大量に堆積しています。

船尾に出るとテレグラフが設置されてました。

船首へ向かいます。
沈船と言うより珊瑚の森を進んでいる感じです。

ここにも階段が。
神国丸の階段はどこも原形を留めいます。

珊瑚の森です。

洋上給油用のキングポストに戻って着ました。
船首を目指します。

暗黒の世界に降りる階段。

船橋下の区画に潜入します。
写真のとおり、デブは無理です。

調理室だったのでしょうか？
給湯器が転がっています。

便所です。

ん？前回は気づきませんでしたが、写真中央の細長い物体は人骨？
日本政府（厚生労働省）の見解では遺骨収集終了していますが...。
日本なんて冷たい国や！
南無阿弥陀仏。

幻想的な船内。

船外に出ます。

細い前部マストを通り過ぎて...。

船首の大砲へ。
珊瑚に覆われまるでオブジェです。

小魚の大群の中を進み...。

船首に到達。

透明度は船首で12ｍぐらいでしょうか？

船首の大砲を通り過ぎて中部へ戻ります。

浮上開始です。

船橋上に並べられた遺留品の数々。
さらば、神国丸！

この旅行記へのコメント （4）

• norisaさん 2014/03/30 21:56:22

  名もなき戦士へのレクイエム

  GATさん
  
  こんばんわ。
  
  いつもご訪問やご投票ありがとうございます。
  
  さて、GATさんの旅行記いつもながら特異にして素晴らしいですね。
  今回はさらに人骨も探し出されましたね。
  まさしく多くの名もなき戦士、英雄への鎮魂歌を絵に表したような旅行記ですね。
  私も伯父を大戦で失いその遺骨もありませんーー。
  横浜臨海公園さんも書かれているように政府の怠慢の結果でしょうか。
  早く葬ってあげたいものですーーー。
  
  お疲れ様でした。
  
  norisa

  GATさん からの返信 2014/04/14 00:49:37

  こんばんは。

  norisaさま、こんばんはです。
  いつもご訪問やご投票ありがとうございます。
  チューク環礁内には３０隻以上の艦船が沈んでいます。
  探せばまだまだ、見つかっていない遺骨はあるでしょう。
  政府の怠慢です。
  さて、来週末からテニアンへ飛びます。
  チュークでDeepなダイビングばかりだったので癒されてきます。
  
  人生一度きり楽しみましょう！
  by GAT

• 横浜臨海公園さん 2014/03/24 07:47:27

  神國丸に眠る人骨

  ＧＡＴさま、おはようございます。
  
  
  特設給油艦 神國丸の旅行記を謹んで拝見させて頂きました。
  
  特に、艦内に人骨が眠る情景には心痛みます。
  厚生労働省は、遺骨収集を何年何月何日に実行したと言う記録をして、その際を以って遺骨収集が完了したとの単純解釈をする為に、実は、その時点で見逃された御霊が無数に存在するという矛盾に気づいておりません。
  硫黄島など、当時の部隊は何名だったから戦死者は何名との判断をしておりますが、実際には、別部隊に属し、該部隊が全滅し自身のみ生き残ったために、健在部隊に志願併合して戦闘継続した方々の数値を無視しており、小生も、硫黄島で遺骨収集をしていて、記載記録以上の遺骨に出くわした体験を有しております。
  厚生労働省とは面倒な事に対し忌避した様子が露骨な役所で、あれを見せ付けさせられる都度、我々民間が頑張らねばと心してさせられます。
  
  小生もダイビングが出来れば、海に潜り海中の御霊を帰国させたいと思う次第でございます。
  
  
  
  
  横浜臨海公園

  GATさん からの返信 2014/04/06 11:06:55

  おはようございます。

  横浜臨海公園さま、おはようございます。
  
  水深が比較的浅い場所に沈んでいる沈船でこの状況です。
  水深40m以上で犠牲者が多かった愛国丸や追風の艦内にはまだまだ多数の遺骨が眠っているらしいです。
  ダイビング器材も昔と比べ格段に向上しています。
  日本政府もう一度遺骨収集しては？と思う今日この頃です。
  
  by GAT