曾良日記が参照できない為、以後の芭蕉の旅程は専ら奥の細道に頼るしかない。<br /><br />しかし曾良がいない為か、芭蕉はこの間の奥の細道では、日にちも地名も割と小まめに記載しているように思われる。<br /><br />等栽宅に2日逗留した芭蕉は、喜び勇んで案内に立つ等裁を伴って敦賀に向かう。<br /><br />等栽宅からほぼ福井鉄道福武線に沿って南に進み、花堂駅を過ぎると、東西に流れる虚空蔵川という小川に出る。<br /><br />そこに架かる橋の脇に「玉江跡」の碑があり、この辺りが歌枕「玉江」の地だったという。<br /><br />　　夏かりの　芦のかり寝もあわれなり<br />　　　　玉江の月の　明け方の空　　藤原利成（新古今和歌集）<br /><br />他にも近くの豊小学校版の案内がある。<br /><br />奥の細道には記載は無いが、芭蕉の句もあるらしい。<br /><br />　　　月見せよ　　玉江の芦を刈ぬ先　　芭蕉（ひるねの種）<br /><br />更に南に進み、同じく福井鉄道福武線の浅水駅の前を西に進んだ、浅水川に架かる”あさむつ橋”の袂にも”朝六ッ橋の碑”始め幾つかの碑が置かれている。<br /><br />それによると清少納言が”枕草子”に「橋は朝六つの橋」と書き、以後藤原定家はじめ多くの歌人の歌にこの橋が登場するようになる。<br /><br />此処には西行の和歌と芭蕉の句が同時に刻まれた碑が建っていた。<br /><br />　　越に来て　富士とやいわん角原の<br />　　　文殊がだけの　雪のあけぼの　　　西行<br /><br />　　朝六っや　月見の旅の明けはなれ　　芭蕉（其袋）<br /><br />この後奥の細道での芭蕉は一挙に武生を越え、湯尾峠に登場する。<br /><br />我々の奥の細道を訪ねて第15回の旅も、芭蕉の足跡を追う旅は此処で終わり、小松飛行場に引き返すのだが、其の途上、片山津で実盛塚の木曾義仲の銅像と、そして最後に安宅関で日本海の夕焼けを眺める。

奥の細道を訪ねて第15回40等栽の案内で敦賀に向かう途上立ち寄った”玉江橋の碑”と”朝六ッ橋”

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2012/09/16 - 2012/09/16

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旅行記グループ奥の細道を訪ねて第１５回その２金沢から福井まで

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曾良日記が参照できない為、以後の芭蕉の旅程は専ら奥の細道に頼るしかない。

しかし曾良がいない為か、芭蕉はこの間の奥の細道では、日にちも地名も割と小まめに記載しているように思われる。

等栽宅に2日逗留した芭蕉は、喜び勇んで案内に立つ等裁を伴って敦賀に向かう。

等栽宅からほぼ福井鉄道福武線に沿って南に進み、花堂駅を過ぎると、東西に流れる虚空蔵川という小川に出る。

そこに架かる橋の脇に「玉江跡」の碑があり、この辺りが歌枕「玉江」の地だったという。

　　夏かりの　芦のかり寝もあわれなり
　　　　玉江の月の　明け方の空　　藤原利成（新古今和歌集）

他にも近くの豊小学校版の案内がある。

奥の細道には記載は無いが、芭蕉の句もあるらしい。

　　　月見せよ　　玉江の芦を刈ぬ先　　芭蕉（ひるねの種）

更に南に進み、同じく福井鉄道福武線の浅水駅の前を西に進んだ、浅水川に架かる”あさむつ橋”の袂にも”朝六ッ橋の碑”始め幾つかの碑が置かれている。

それによると清少納言が”枕草子”に「橋は朝六つの橋」と書き、以後藤原定家はじめ多くの歌人の歌にこの橋が登場するようになる。

此処には西行の和歌と芭蕉の句が同時に刻まれた碑が建っていた。

　　越に来て　富士とやいわん角原の
　　　文殊がだけの　雪のあけぼの　　　西行

　　朝六っや　月見の旅の明けはなれ　　芭蕉（其袋）

この後奥の細道での芭蕉は一挙に武生を越え、湯尾峠に登場する。

我々の奥の細道を訪ねて第15回の旅も、芭蕉の足跡を追う旅は此処で終わり、小松飛行場に引き返すのだが、其の途上、片山津で実盛塚の木曾義仲の銅像と、そして最後に安宅関で日本海の夕焼けを眺める。