奥の細道を訪ねて第15回25那谷寺散策往路：参道・奇岩遊仙峡・芭蕉句碑・本殿

2012/09/15 - 2012/09/15

芭蕉は万子（ばんし）との面会の約束を果たす為に、小松に引き返す。

曾良と別れた芭蕉には北枝だけが供をする。

小松への途上に訪れたのが那谷寺。

那谷寺へは山代温泉までは、小松から山中温泉に来たのと同じ道を引き返し、そこから東に向きを変え勅使経由で那谷に向かった。


那谷寺は泰澄禅師が、夢に見た十一面千手観音を自ら彫造し、洞窟内に安置したのが始まり（養老元年・717年）と言われ、最盛期には堂宇200に及んだと言う。

数度の戦乱で、全てを焼失し、廃墟のごとき姿を、12世紀に小松城に隠居中の前田利常が再興、参詣の為の那谷道も整備した。
　
芭蕉が訪れた頃は前田利常が再興して後、40年程しか経っておらず、まだ木の香りも残っていたと思われるが、それでも当時の、那谷村は静かな山里で、白い肌の岩山の崖に建つ堂宇は、芭蕉にも別世界と感じられたようだ。

山門を潜り、木の根が這う様に広がる上を、敷き詰めたように蔽う苔むした境内に挟まれた”参道”を過ぎると、池の対岸に、仙人の住まいのような祠を穿った大岩が聳える一帯が”奇岩遊仙峡”。

池の北端を右に折れると、緑の樹木が蔽い被さるような岩の崖を背に芭蕉の句碑が佇む。

　　岩山の　石より白き秋の風　　芭蕉

反対に左に進むと、奉納されたお札や、見終わったおみくじが所狭しと張られた唐門に出会う。

唐門を潜ると左には、日生稲荷大明神の朱の鳥居が、岩窟を上に上にと誘導する。

正面に石段があり、石段の下まで進むと全容を現す舞台造りの本堂を前にして思わず足が止まる。

那谷寺の本堂は国の重文でもあり、舞台の柱に取り付けられた案内板には、「岩窟本堂大悲閣」と書かれたあった。

エリア 小松(石川)

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 観光バス JALグループ ANAグループ JRローカル
• 旅行の手配内容: ツアー（添乗員同行あり）