イギリス街歩き～世界遺産ソルテア

2010/07/14 - 2010/07/24

2001年世界遺産として登録されたソルテア。

19世紀後半の織物工場、としてそこで働く労働者の住まいがそっくりそのまま残り、今も息づいている小さな街。

観光客や買い物客で賑わうリーズから電車で20分もかからない距離にある、ふらり街歩きをする目的にはぴったりの静かな街でした。

エリア その他の都市(イギリス)

• 旅行の満足度: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 鉄道
• 旅行の手配内容: 個別手配

さぁ、いざ出発。

リーズをゆっくり歩きたいところですが、大きな街は人が多くて…。
今回の旅は、少し落ち着いた小さな街を歩くのが目的。

ソルテアはそんな私の希望に答えてくれそうです。

着きましたぁ〜。

駅名にちゃんと世界遺産と書かれています。

無人駅…。

さすがにここで降りた人は少なかったな…。

え〜っと、まず街歩きの前に、今回ここに来た目的の一つ、どうしても行きたい場所があるのです。

きょろきょろ周りを見渡します。

煙突が見えてきました、どうもあそこらしいです。

David Hockney の作品が展示してある1853Gallery 。
私が行きたかった場所です。

使われなくなったミルの建物が今はカフェやショップ、そして彼の作品が観られるお洒落なギャラリーとなって生まれ変わりました。

デイヴッド・ホックニーと言えばアンディ・ウォーホールと並ぶポップアートのアーティスト。

ここブラッドフォードのソルテアに生まれた彼は、同じブラッドフォードのグラマースクールで一緒だったジョナサン・シルバーが買い取ったこの建物のギャラリーに自分の作品を展示することを快諾。

ホックニーはカリフォルニアに住まいを移していますがクリスマスには必ずソルテアでクリスマスを過ごしていたそうです。

ここは本当に素敵な空間でした。
とっても居心地の良いアート鑑賞。
カフェもついつい長居してしまう感じです。

内部の写真が撮影出来なかったので、旅が終わった今もこのサイトを観ながらぼんやり思い出に浸っています。

どんな感じなのか、ちょっとだけ味わって下さいね（＾。＾）
→http://www.saltsmill.org.uk/


この写真はギャラリーの窓からの眺め。

残念ながら彼が手がけたオペラ・セットは観られませんでしたが、きっとまた来られることを信じて。

ちょっと外に出て歩きましょうか。

川を渡ると広い公園。
心地良い風が吹いています。

ぶらぶらあても無く歩く楽しみ。
時間に縛られず、好きな場所でのんびり…これぞ旅の贅沢。

あ、小さな遊覧船？

近づいてみたら船のカフェでした。
もう営業時間が過ぎて閉まっていました。

小鳥のさえずりしか聞こえない静かな川辺。

さて、ここソルテアですが、世界遺産と言っても珍しい建物や驚くような光景が広がっているわけではありません。　

1853年にタイタス・ソルトという実業家によって作られた工業都市です。（だから1853ギャラリーという名前が付いているのですね！）

経営していた工場をここソルテアに集約させ、そこで働く人々の住まい、病院、学校に娯楽施設にと街を作りました。
　
イギリスにはこのようなタイプの世界遺産の街（ニューラナーク）がスコッランドにもあり、そこは訪れる観光客が多いと聞いていたので、チャンスがあればそこへも行ってみたかったです。

整った街並みは実際に今も人が住み、生活している空間なので、あまりきょろきょろと見て写真を撮るのは、ためらわれました。　
　
イギリスに多いセミ・デミデッタチド・ハウス（semi-detached house）や一戸建ての住宅と違い、こちらはテラスハウス、日本で言う長屋です。　

どの通りも、150年前にここに生活している人達がいたことを感じられる独特の雰囲気があります。　

イギリスに“コロネーション・ストリート”というドラマがあります。　
このドラマ、かなりの長寿ドラマで私が生まれる前（なんと1960年スタート！）から始まり、今もなお続いているという驚異的な番組です。　

私が留学していた遥か昔もこの番組に出ていた俳優が亡くなったとか(番組の中でも亡くなっていたような？）、首相もドラマのことをコメントしたり、視聴率が高かった回の話題がニュースになる程でした。　

ドラマの舞台は架空の町ですが、なんとなくソルテアを歩いてそのドラマを思い出してしまいました。

観光客が押し寄せる風光明媚な場所も世界遺産ですが、とても地味な場所でありながらも、歴史を感じさせ、そして良く保存され、現代を生きている息吹が感じる新しい空間に生まれ変わった建物がある街。　

ゆっくり街を歩きながら、ソルテアが世界遺産に登録されている意味を実感できました。

この旅行記へのコメント （4）

• わんぱく大将さん 2012/03/29 09:12:53

  コロネーションＳＴ

  Michyさん
  
  なんと懐かしいＴＶ番組がでてきたことか。　１９６０年からですか？残念ながら、わたしゃ、もう、生まれてましたが、その時は日本ですから、見てません（当たりまえか？）
  
  こちらも元工場を、博物館や学校にしてるようです。　ああいうの見るの、わたしも好きです。　　しかし、実は、ここは全く知らなかった、ＵＫにいても。
  
  　大将

  Michyさん からの返信 2012/03/29 18:03:11

  懐かしいでしょ？（＾。＾）

  大将さん、こんにちは！
  コメントありがとうございます。
  
  Coronation St.懐かしいですよね！　
  
  私は2010年のイギリスの旅でEastEndersがまだ放送されていたのを知って、びぃ〜っくり（＠０＠）でした(笑）
  あのEastEndersのメロディーがTVから流れてきた時には、
  ”何、このドラマまだやってんのぉ〜？！”
  と画面に釘付け状態でした。
  
  Coronation St.やBrookside？などのドラマも言葉に訛りがあって、当時あまり理解できなかったくせに今となっては、懐かしくまた見てみたいドラマです。
  
  世界遺産の中でもイギリスは私が惹かれている産業遺産が多く残っているので、ソルテアはずっと気になっていた場所でした。　それはここ何年か世界遺産に興味を持って色々と調べていたせいもあります。
  イギリスに住んでいた頃は、どちらかと言うとドイツにあるような瀟洒なお城か、バロックやロココ風の装飾に憧れていて産業遺産などあまり興味が無かったのに・・・不思議なものです。
  
  ここソルトミルは工場を上手くギャラリーやカフェ、ショップにして、内部はとても良い雰囲気でした。
  日本でも廃校となった学校や何か古いレトロな建物を上手く利用したらいいのに・・・と思いますが、地震などの心配があるから取り壊すしかないのでしょうね、とても残念に思います。　
  
  
  Michy
  
  

• kuritchiさん 2010/08/28 19:31:28

  不思議なホックニーの世界…＆ソルテア♪

  Michyさん、こんばんは＾＾
  世界遺産ソルテアの旅行記にお邪魔しております＾＾
  
  ソルテアって、なるほどいい感じの街ですね…。
  さり気無いけれど歴史を感じさせる石や煉瓦つくりの建物…。
  流れる心地いい川…。可愛い遊覧船…。広い公園にさえずる小鳥たち…。
  どれも絵になる風景ですね〜♪
  
  ホックニーのギャラリーもとても素敵な空間でしたね＾＾
  ご紹介のサイトもとっても不思議で、いろいろと遊べちゃいますね＾＾
  きっとこのギャラリーで、Michyさんのお土産コレクション増えたんだろうなぁ…と想像しておりました＾＾
  
  kuritchi

  Michyさん からの返信 2010/08/30 12:45:53

  RE: 不思議なホックニーの世界…＆ソルテア♪

  > Michyさん、こんばんは＾＾
  > 世界遺産ソルテアの旅行記にお邪魔しております＾＾
  
  kuritchiさん、こんにちは！
  ソルテアの旅行記、観て頂いて嬉しいです。
  
  >
  > ソルテアって、なるほどいい感じの街ですね…。
  > さり気無いけれど歴史を感じさせる石や煉瓦つくりの建物…。
  > 流れる心地いい川…。可愛い遊覧船…。広い公園にさえずる小鳥たち…。
  > どれも絵になる風景ですね〜♪
  
  ソルテア、“ここが？世界遺産”って思う人もいるかもしれない、かなり地味な街なのですが、この何も無い雰囲気が返って私には居心地が良かったです。
  
  >
  > ホックニーのギャラリーもとても素敵な空間でしたね＾＾
  > ご紹介のサイトもとっても不思議で、いろいろと遊べちゃいますね＾＾
  > きっとこのギャラリーで、Michyさんのお土産コレクション増えたんだろうなぁ…と想像しておりました＾＾
  
  ホックニーのギャラリーのサイトを見て下さったのですね！　
  ね、どうですか？なんだかいいでしょう？
  私はこのサイトを見ているだけで幸せな気分になります。　
  
  楽しくて不思議、でもなぜかゆったりとした時間が流れる・・・安らぎの空間が少しでもkuritchiさんに伝わったとしたら嬉しいです。
  
  ここでは本を沢山買ってしまい、急に荷物が重くなって焦りました（笑）
  旅の最後にはお決まり？お土産旅行記をアップしようと思います。
  
  
  Michy